2009-11-03 01:12:53

T:引きこもりDecade Run 浜崎あゆみに春は来るのか

テーマ:浜崎あゆみ

日本ユニセフ協会の呼び掛けに応じた大手レコード会社等が、
“Happy Birthday Download for Children”なるプロジェクトを始める。
参加アーティストが歌う『Happy Birthday to You』を
着うた配信サイトからダウンロードすると収益が寄付され、
途上国の乳児の命を守る取り組みに使われるという。
(BARKS参照)
倖田やBoAなど、エイベックス系のアーティストも多く名前を連ねている。
ところがこの109組のアーティストの中には、
いつものように浜崎あゆみの名前が無い。

浜崎の活動の特徴として、その没交渉的な部分は際立ったものとなっている。
浜崎は社会的な活動を一切しない。
彼女が行った唯一のチャリティープロジェクトと呼べそうなものが、
2001年末からエイベックスが小室哲哉と組んで展開した
「song+nation」プロジェクトであり、
Keiko(globe)と組んで楽曲を制作している。
しかしながらこれ以外に浜崎が行った社会的な活動は、まず以って無い。
というよりも、通常のアーティスト活動に於いても、
「エイベックス」の枠内から離れて行うことが殆ど無い。
彼女は殆どの活動を「チームあゆ」内部に於いて手掛けようとする。

例えば05年にリリースしたアルバム『(miss)understood』では、
当時SWEETBOXをプロデュースしていたGEOから楽曲提供を受けるも、
肝心の制作現場ではCMJKやtasukuといった
“いつもの”メンバーと仕事をしており、
せっかくのGEOとの接点も、単にドイツからアルバム用の
楽曲を送ってもらっただけのものとなっている。
彼女が「チームあゆ」から多少なりとも外れたものといえば、
99年につんくプロデュースで制作された
『LOVE~Destiny/since1999~』くらいではなかろうか。
浜崎ほどのビッグネームがここまで、
没交渉的状況にあることは相当に異常である。

この点、同じエイベックスの倖田來未は、
自身の音楽性がR&B/hiphopに近しいということもあって、
他アーティストとのコラボレーションや
ライヴ・イヴェントへの参加に対し、特に抵抗感は見られない。
むしろ、そういった活動を話題作りに生かしている。

浜崎がミュージックヴィデオやライヴなどのヴィジュアル面で、
或いは中長期的なアーティストマネジメントのモデルとして
マドンナを据えていることは、よく知られた事実である。
そのマドンナは時にスキャンダラスなアーティスト活動はもちろん、
積極的な社会活動・政治活動でも知られる。

チャリティー活動について、
私はその全てを無条件に賞賛するものではない。
殊に表面的なもの、対症療法に大きく傾いたものについては、
その「効果」が別の効果、すなわち強力な副作用を生む場合もある。
ただ、そうは言っても、自らの知名度やファンへの影響力を利用して、
社会的活動や啓発に努めることは、アーティストにとって
一種のステータスであり、、責任なのである。
おカネのある人間は、おカネの使い方に大きな責任を持っている。
おカネのある人間が適切なおカネの
使い方をしなければ、社会はうまく回らない。
同様に、名前のある人間も、
名前の使い方に大きな責任を持っているのである。
これは資産運用の一種とも捉えられて然るべき問題であり、
自分の持つ「資産」を社会的に見て、
最大限活用するように努めなければならない。

日本には欧米ほどチャリティーの文化が深く根を張ってはおらず、
また明確に政治信条を表明したり、主張する風土であるとも言えない。
したがって純粋に政治的な行動は控えるとの方針は理解できる。
だが、チャリティー活動のように、
政治性を全く帯びていないわけではないものの、
メインは社会的な貢献活動であるケースもひっくるめて
ご遠慮しますというのでは、あまりに過剰な反応だ。
一体、浜崎はマドンナのどこを見ているのか。
見た目ばかりを真似し、肝心な部分を倣おうとはしない姿勢は、
日本の芸能界や音楽業界の浅薄さの象徴的事例ですら、ある。

エイベックスが大事な浜崎を「保護」している側面はもちろんある。
しかしながら04年の社内クーデター時に、その一言で、
依田の失脚と松浦の復帰を決定づけた影響力を考えれば、
彼女が強く希望をすれば、社会的活動へ参加することも可能だろう。
したがって会社の意思以上に、
浜崎の参加意欲が希薄であることに問題の原因はある。

01年カウントダウンライヴに於ける「障害者差別発言」デマ騒動や、
先述のクーデター時に於ける言動によって、
自分の影響力の大きさや責任というものを彼女は理解している。
だからといって、そのことに恐れをなし、
何もしない・私は貝になるというのでは、まるでお子様である。
会社が浜崎を責任ある大人とは見なさず、
姫という名のお子様扱いをし、
本人もその待遇に甘んじているようでは、
「幼児体型」から精神的な面でも成長する可能性は無い。

『HANABI』は、彼女の代表曲の一つだが、
そのリミックス作品に『HANABI “天の岩戸開いたよREMIX”』
というタイトルのものがある。
天岩戸に閉じこもった浜崎あゆみが、
広く社会の中で遊泳する日は来るのだろうか。
J-POPを代表する女性アーティストがこの体たらくである現状は、
日本にとって、大きな問題なのだという認識を私たちは持たなければならない。
文化の振興。
それが成るか否かは、コンテンツ産業従事者の手によるものではなく、
私たちの意識付け次第、なのだから。


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