2005年09月30日(金)

Su-ku-i

テーマ:ブログ

俺に気力がないのが分かったかもしれない。

多分一緒にいてもつまらなかっただろう。

申し訳ない。


彼は友人が帰った後、ぽつりという。

私は何も言わず、心の中で寄り添う。

正直に自分の気持ちを吐露する彼を

毎回私はキレイダと思う。


黙っている私を振り返って寂しく笑う彼を

心の中でそっと抱きしめた。

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2005年09月29日(木)

シンパイ

テーマ:ブログ

彼が消えてしまうのではないか。


そう思ったら電車に飛び乗っていた。

私の人生の中で自ら命を絶った友人は二人いる。

そのトラウマだろうか。


私以外の人間は、私に何も言わずに死んでしまうかもしれない


という思いがつきまとって離れない。

彼が私から離れるのならいっそのこと消えてくれた方が永遠に自分だけのものになるのに

と考えてしまったこともあった。

そんな自分を今は心から憎む。


電車は快速。

彼の元に1分ごとに近づく。

間に合って。

彼からのメールが届いた。

「一緒に飯食おう。いい店見つけた。」


涙がこぼれそうになって窓の外を見つめる。

飛ばないで居てくれて、ありがとう。

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2005年09月15日(木)

ばななといちじく

テーマ:官能小説

  2


妻の自慰を見ながら啓介は立ち尽くす。

怒りやカナシミのせいではない。

欲情を抑えるのに必死だったのだ。

なぜこんなに綺麗なんだろう。

まだ喘ぎ声を出している羽歌を見ながら啓介は思う。

いつもより乱れている妻は、本当に綺麗だ。

啓介とのセックスでは、

いつもどこか恥じらいを残している羽歌の反応が

可愛くもありもどかしくもあった。

それが今日の羽歌には微塵もない。

一人でしている安心感からか、自分で的確に鍵を開け放つことができるせいなのか、

とにかく羽歌の声は大きく遠慮なく家中を悶えていた。

そんな羽歌を啓介は息を殺して見つめていた。


白い羽歌の指が桃色の乳首を何度も円を書く。

優しく。何度も何度も。

もう一方の手はしっかりとバイブを握り締めている。

深すぎず浅すぎず

羽歌の入り口を出たり入ったりする偽りの肉棒。

それはぬらぬらと甘く濡れていた。


あの味を自分は知っている。


そう思うとかっと熱いものが体を貫いた。


やりたい


羽歌に対してこんな獣のような感情を抱いたのは初めてだった。


やりたいやりたい


羽歌と繋がる悦びよりも何より今は、

あの白い体に自分の液をぶちまけたい気持ちで一杯になった。


やりたい やりたい ヤリたい


震える体が啓介の欲望を哂っている様に見えた。



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2005年09月15日(木)

9月15日

テーマ:ブログ

今晩の雨は喧嘩が終わるよりも早く止んだ。

フロントガラスにワイパーの跡が残るように

心にもうっすら白い跡が残る。

お互いの心の距離を示すように。


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2005年06月20日(月)

ばなな

テーマ:官能小説

   第3章 伸びる欲望


    1


 羽歌が「人間」とセックスしなくなって半年が経った。

 最近ではバイブを見るだけでもイケる。

 着がえ中、乳首をなでるセーターの感触だけでも気が遠くなる。

 まるで全身が発情しているかのようだ。

 そのたびに羽歌は啓介を想って気を静める。

 そう。

 昔なら啓介を想うだけで体が疼いたのに、最近では啓介を想うと体の熱がすっと冷める。

 自分に向けられる冷たい無表情な背中。

 それを思い描くだけで羽歌はとてつもなく悲しくなり、体の熱を忘れるのだ。

 セックスをしなくなってから、羽歌と啓介はどんどん会話もなくなっていった。

 お互いの顔を見るのさえ、珍しい。

 どうしてここまですれ違ってしまったのだろう。

 たかがセックスがないだけなのに。

 羽歌はそう思った自分を笑う。

 たかがセックスと今のわたしが言える?

 わたしは夫の玩具を気が狂っているようにむさぼっている女なのに。

 たかがセックスなんて言える?

 そう思いながらも羽歌は手にしたバイブを放せないでいた。

 啓介自身を包むように優しく玩具を持つ細い指は、湿った自分の花の位置を正確に突き止め、突き立てる。

 「あぁぁ。」

 呻き声すらバイブは知り尽くしているかのように動きを止めない。

 羽歌が果てるのを機械的に待っている。

 「いくぅ・・・」

 バイブの動きはますます、そして一定にリズムを刻み、啓介の最愛の人を犯していた。


  なんなんだ、これは。

 啓介は自分の部屋の前で立ち尽くしていた。

 ついに啓介は自分の妻の姿を見てしまった。

 啓介は自分の今日の一日を慌しく思い返す。

 今日の商談は午後一杯はゆうにかかるはずだったのに、先方におめでたい出来事があったらしく上機嫌の社長から二つ返事を引き出すのに、15分もかからなかった。

 それに気を良くした部長に今日は直帰してもいいぞといわれ、断るわけにもいかず、いつもより随分早く帰宅してきたのだ。

 一本電話を入れようとも思ったが、電話に羽歌が出たらどう話したらいいのかを迷い、結局何も告げずに戻ってきた。

 玄関には鍵がかかっていなかった。

 いつものように自分の部屋に入ろうと書斎のドアに手をかけたとき、声が聞こえた。

 その瞬間、俺はかっとした。

 その声。

 それは羽歌のあの時の声だったからだ。

 「あぁ。」

 羽歌の可愛い声が濡れて熱く漏れてきた。

 誰かに、俺以外の誰かに、悦ばされている羽歌の姿は見たくなかった。

 でも見ずにいられなかった。

 裏切りが許せなかったからではない。

 白状しよう。

 その声に、誰かに犯されている羽歌の声に、瞬時に欲情したからだ。

 俺はドアを薄く開いた。

 そこに羽歌がいた。

 白い羽歌が、瞳を赤く潤ませ唇を濡らし、あえぎ声をあげていた。

 今まさに絶頂に達せようとするかのように。

 まだまだ欲しがっている子供のように。

 半裸の羽歌は喜んで犯されていた。

  俺のバイブに。

 

 なんなんだ、これは。


 続きは明日・・・

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2005年05月10日(火)

ばなな

テーマ:官能小説

    4

 

玄関先で羽歌と抱き合ったまま、啓介は至福の時間を過ごしていた。

唇を、自分の妻の唇を大事に大事に吸い、指は胸先をなぞる。

息が上がっていく女の匂いにもう我慢も限界だった。

そのまま羽歌を押し倒す。

「け、けいすけ?ここで?」

羽歌がさすがに驚いた声を上げた。

「がまんできない。」

啓介は短くそう答えると、羽歌のブラジャーを外し、下着を脱がした。

「乱暴にしないで。」

少しおびえた表情の妻にますます欲情する。

「うるさくいわない。」

それだけ言うと、おもむろに茂みの中に指を入れた。

「いたっ!」

しかめっ面になった顔も、また、いい。

「いたくないよ。すごく濡れてる。」

啓介は言葉で羽歌を蹂躙する。

「どくどく溢れてるよ。・・あ、すごく甘い。すごくかんじてるんだね、羽歌。

 この小さな宝石もパンパンだよ。転がして欲しい?どうやって?

 ほら、これが好きなんだよね、羽歌は。イヤらしい女だなぁ。

 胸も触って欲しいの?だってそんなに乳首を立たせちゃって。

 どう?これがいいの?」

啓介の言葉は止まらない。

「入れて欲しい?後ろから?下から?

 羽歌は後ろからが好きなんだろう。ほら、膝まづいて。

 違う穴まで丸見えだよ。ここも触って欲しいかい?

 いやいやしないで。気持ちいいから。力を抜いて。

 ほら、一緒に入れるよ。両方の穴に僕をくわえて、なんてイヤらしい女だ、羽歌は。」

自分の言葉にも酔い、腰の動きはどんどん激しくなる。

「ほらほらほら、どう?どう?羽歌。

 そんな大きな声出したらお隣に聞こえちゃうよ。ここは玄関なんだから。

 もっと我慢して?

 ほら羽歌、イクかい?」

体と体がぶつかる音が、玄関に響く。

「いくかい?イく?俺は、もう、、、いくよ。羽歌。あぁ。」

 小さな呻き声とともに、啓介は果てた。

 

 まだ熱い羽歌の中からぞろりとそそり立つ自身を引き抜く。

 白い液が細く糸を引いて二人をまだつないでいた。

 「いかなかった?」

 啓介が聞くと羽歌は笑って答えた。

 「いかなくても、最高だったわ。」

 その言葉に笑い返す啓介。

 でも何かが心に引っかかった。

 今のセックスが啓介にとって、とてもよかったということも原因かもしれない。

 こんなに俺は良かったのに、羽歌はそれほど気持ちよくはなかったんだろうか。

 不意に津川の心理テストが頭をよぎった。

 「なぁ?」

 気がつくと口に出していた。

 「羽歌は、ばななといちじく、どっちが好きだっけ?」

 服を直しながら綺麗な瞳で羽歌が見返す。

 「ばななといちじく?」

 「うん、どっち?」

 羽歌はスカートのファスナーを上げると、立ち上がりながらいった。

 

 「そうねぇ、いちじくかな?」

 

 「ふーん。」

動揺を見取られないように啓介は下を向いた。

 「南国のフルーツって苦手なの。パパイヤとかマンゴーとか。バナナはまだ食べられる方だけど。」

 羽歌の言葉の半分も耳に入っていなかった。

 

いちじくだった。

羽歌の答えはいちじくだった。

いちじく。

頭の中に昔食べたいちじくの映像が思い浮かんできた。

手に取るとそれは羽歌の性器になり、怪しく濡れそぼった。

頬ばろうと口をつけた瞬間、羽歌が笑い出した。

驚いて顔を上げると、蔑んだ目で自分を見下ろす妻がいた。

あたしの方が上なのに。

まるでそういっているかのような目だった。

そんなはずはない、と啓介は必死にその幻覚を追い払おうとする。

しかし、うまくいかない。

啓介は自問自答し始めた。

俺のセックスは、羽歌にとっては不合格なのか?

 俺のセックスは、よくないのか?

 俺のセックスは、本能的に選ばれない程度のお粗末さなのか?

 俺のセックスは・・・

 

 ただの心理テストだとは思った。

 だけど、いま俺が最高だと思ったセックスで羽歌が達しなかった、という事実の前では妙に信憑性を帯びてしまう。

 俺は・・・俺は・・・・下手なのか?

 

 「啓介?」

 うつむいている啓介に羽歌が微笑みかける。

 「デザートあるんだぁ。啓介の大好きなアンジェリーナのモンブラン。一緒に食べよう。」

 「ああ。着替えてくるよ。」

 クローゼットに向かいながら、啓介の頭の中は同じ言葉が渦巻いていて。

 

 俺は下手なのか?

 俺は下手なのか?

 俺は下手なのか?

 

 その日から啓介は羽歌を抱けなくなった。

 

 

続きは明日・・・

 

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2005年05月09日(月)

ばなな と いちぢく

テーマ:官能小説

    3  

 一年半前の雨の日。

 「なぁ、お前「ばなな」と「いちじく」、どっちが好きだ?」 

 大きな契約が取れてご機嫌だった同僚の津川が珍しく奢るといって連れてきた焼き鳥屋のカウンターで、

 不意に啓介はこう聞かれた。 

 「なんだそれ。」

 アルミ缶から熱い焼酎をグラスに移しながら、啓介は聞きかえす。

 「だーかーらー、ばななといちじく、どっちが好きかってきいてんの。」 

 「なに、くれんの?」 

 啓介が返すと、津川はへっと笑った。

 「ああ、いっくらでもやるよ。やる、やる。だから、どっちが欲しい?」

 「そうだなぁ。」

 啓介は運ばれてきた鳥皮に一味唐辛子を振りかけながら言った。

 「いちじくは昔ばあちゃん家に沢山なってたから死ぬほど食ったけど、

  そんなにうまいもんじゃあなかったよなぁ。どっちかっていうとバナナの方が好きかな、俺は。」

 啓介がそう答えると、津川は待ってましたとばかりに言った。

 「やっぱりな!お前はばななだと思ったよ。」

 「なんでだよ。」

 「いつでも自信満々だもん、お前はよ。」

 「なんだ、そりゃ。」

 啓介が言うと、津川は笑っていった。


  いいか、これは簡単な心理テストなんだ。

 ばななは男性器の象徴、そしていちじくは女性器の象徴だ。

 わかるだろ?どっちも形状がそっくり(笑)

 でな、どっちが好きと答えたかで、その人間のセックスに対する心理が分かっちまうんだよ。

 ばななと答えたお前は、自分の性器が好き、つまりだ、自分のセックスに自信を持ってるってことだ。

 逆にお前がいちじくと答えていたら、嫁さんの性器が好きって事になり、嫁さんのセックステクの方が上って事になる。

 自分では認めてなくても、本能がもうそう思っちまってるんだよ、本能が。

 セックスなんて本能つーか、動物的行為だろ?

 だから動物的カンでセックスの巧い下手を感じ取ってる、その心の奥底を、このテストは暴いちまうわけよ。

 でもなんだな、やっぱお前はセックス巧いんだな。

 あんな綺麗な嫁さんつかまえたんだもんなぁ。

 当然だよなぁ。


  津川がまくクダを啓介は軽く受け流しつつ、黙々と焼き鳥を口に運んだ。

 こんな簡単なテストで、そんな奥深い物が分かるなんて信じていなかった。

 子供だましの場つなぎ的な話題の一つ<「今日はいい天気ですね。」のような>と考えていた。

 俺は俺のセックスに自信があるとかないとかでなく、羽歌を抱けるのは俺だけだという自負が自信になっている。

 そう、羽歌と繋がれるのは世界中で俺だけ。

 それに自信を持たずして、何に自信を持てというのか。

 そう考えると啓介は早く羽歌の待つ家に帰りたくて仕方なくなった。

 もう一軒とねだる津川を何とかタクシーに乗せると、飛ぶように帰宅した。


  「ただいま。」

 「おかえりなさい。」

 笑顔の羽歌がリビングから駆け出してきた。

 羽歌の細いウエストに手を回し、そのまま持ち上げるとぎゅっと抱き寄せ唇を重ねる。

 「もう!お酒臭い!」

 いたすらっぽい笑顔にたまらなくなり、もう一度ぎゅっと抱きしめる。

 「羽歌、大好きだよ。」

 啓介が言うと羽歌はとろけるような表情で言った。

 「わたしもよ、啓介。大好き。」

 そう答える羽歌の吐息を、啓介は甘く甘く吸い込んだ。



 続きは明日・・・

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2005年05月03日(火)

ばなな と いちぢく

テーマ:官能小説

    2

 

「今日は早く帰るよ。」

出かける前、珍しく羽歌にそう声をかけた。

「そう。いってらっしゃい。」

羽歌はいつもと同じように答え、カバンを差し出した。

俺が早く帰ってこようが遅く帰ってこようが、羽歌には関係ないらしい。

もっといい反応をひそかに期待していた啓介は少し落胆する。

亭主元気で留守がいい。

昔そんなコピーがあったが、まさか俺がそう思われるようになるなんてな。

車のエンジンをかけながら、啓介はバックミラーでぼんやりと我が家を見つめた。

白い外壁の周りには羽歌が丹精込めて育てている、俺にとっては名前すら知らない花々が咲き乱れ、色を添えている。

窓に下がるカーテンも清潔に洗濯され、日の光を室内にたくさん送り込んでいる。

もちろん窓ガラスも鏡のように美しい。

そう、この家は美しい。

羽歌のように。

俺の妻のように。

美しい。

 

車を発進させながら、啓介は自分の妻を頭の先から指の先まで思い出す。

濡れたようにしっとりと輝く黒髪と、手に吸い付く白い肌。

丸く大きな瞳に負けない口紅を引かなくても赤く誘う唇。

細く長い首の下に、水が溜まりそうな鎖骨。

その細さからは想像できない豊満な胸。

椀をふせたような胸、とは羽歌のためにあるような言葉だ。

ピンク色の乳首は可愛らしく震え、口に含むと、甘い。

そのまま平らな腹部を滑り落ちると、柔らかい茂み。

 俺の大好きな匂いを放つ花がそこで待っている。

 蜜を沢山含んで。

 

啓介は軽く勃起しだした自分に気がつかない。

 

 そしてその下から生える2本の細い脚。

 まっすぐ伸び、あの時には俺の腰に絡みつき、もっと奥まで入れてと引き寄せるためにしなやかに伸びている白い脚。

たどっていくと、綺麗にマニュキアの塗られた小さい指。

 この指が大好きで、前戯として俺は11本丁寧に舐め上げる。

 そうすると羽歌は可愛いで鳴くんだ。

 ぞくぞくするあの声で。

 親指から順番に口の中にいれる。

 舌を使って舐めながら、吸いながら、足の指だけで羽歌の快感を引き出す。

 すると薬指にたどり着く頃には、羽歌の蜜が遠目でもはっきり分かるほど滴り、桃色の乳首はそそり立って俺を呼ぶ。

ここを触って!

ここを舐めて!

ここに入って!

それを見ていると感じているのは羽歌のはずなのに、俺まで昇りつめていくような錯覚に陥る。

 そう。

羽歌が感じることを俺も感じるんだ。

 羽歌の快感は俺にとっても快感。

 羽歌の悦びは俺の悦び。

羽歌の疼きは俺の疼き。

 可愛い、俺の、羽歌。

 啓介の頭の中の羽歌が怪しく肢体をくねらせ、声をあげる。

 女の花がもっと奥に誘うかのようにうごめき絡みつく。

 ああ、羽歌。

 大好きだよ、羽歌。

 

「大好きだよ、羽歌。」

 啓介の口からそう言葉がこぼれると同時に、啓介の白い液体も発射していた。

 「・・・あぁ、またか。」

 それで我にかえった啓介は、情けなく自分の濡れた下半身を見下ろす。

 この1年というもの、出勤前・帰宅途中問わず、一人になり気が緩んでいるときに羽歌のことを考えると、いつもこうなってしまう。

 自分の妻を思って射精してしまうなんて、俺はどこかおかしいんじゃないだろうか。

 抱けもしないのに。

 そこで啓介はふっと笑う。

 こんなに恋焦がれている妻を、俺は抱けない。

 抱けもしないのに・・・射精はするなんて・・・

 おかしいのか、俺は。

 下半身を濡らしたまま、啓介はハンドルをきつくきつく握り締める。

 おかしいのか、俺は。

 こんなに羽歌が、自分の妻が好きだなんて、おかしいのか。

 そんな啓介の車の横を、何台も何台も先を急ぐ車が追い越していく。

 流れていく車体の光が啓介の横顔を甘く横切った。

 

 

続きは明日・・・

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2005年05月02日(月)

ばなな と いちぢく

テーマ:官能小説

    4


 啓介の部屋でバイブを見つけてから、羽歌は毎日のように啓介の部屋に通った。

 毎日毎日、そのおもちゃで自分を慰めるために。

 それは羽歌にとっては溜まり続けている性欲を解消する行為ではなく、啓介と繋がる行為だった。

 想像の中でも啓介は羽歌とはセックスをしない。

 いつも彼は顔が見えない何人もの女の子と繋がり、声を上げあい、果てていた。

 羽歌は、そんな啓介の姿を見ながら一人でバイブを使い、蜜を滴らせている自分を想像する。

 想像の中でも現実の世界でも一人なのは一緒だったが、啓介のおもちゃを啓介の部屋で使っているということが大切だった。

 そんな自分を醜いとも、哀れだとも思う。

 でもやめられなかった。

 おもちゃが見せる幻覚の中のセックスが必要だった。

 セックスレスの不安を薄らげるために。

そして、啓介を愛し続けるためにも。

 

 

第2            変身

 1


「ねぇねぇ、彼女♪デートしない?」

 夕飯の買い物をしに出かけたついでに寄ったデパートで、羽歌はそう声をかけられた。

 またナンパ・・・

 そう思って振り向くと、明らかに自分より10歳は年下の男の子が立っていた。

 あ、わたしじゃなかった・・

 そう思い、振り向いた自分の自惚れを恥じながら立ち去ろうとすると、その彼が今度は羽歌の肩をつかんでいった。

 「逃げないでよ~、彼女。お茶くらいしよーよー。」

 「わたし?!」

 思わず叫ぶ。

 「そうだよ、彼女だよ。奢るからさ。お願いだからお茶してよー。

あ、それかいきなしセックスする?だめ?」

 茶髪でピアス。皮のパンツに黒のカットソーを重ね、指には髑髏のリングをしている男の子。

 そんな子がなんでわたしに?

 まだ信じられない羽歌は思わず問いかけた。

 「なんでわたしに?AVの勧誘か何か?」

 その言葉にその男の子はきょとんとし、次の瞬間吹き出した。

 「なにそれー!うける!確かにAVでも人気出ると思うけどさぁ。 

  何、ナンパされたことないの?こんなに可愛いのにー。」

 可愛い?

 意味が理解できずに羽歌はますます混乱する。

 確かにナンパ・勧誘は日常的にあった。

 でも今までのそれらは言わば「年相応」だったし、綺麗と言われたことはあっても可愛いといわれたことは皆無だ。

 これが新たな勧誘の手口なのかも。

 羽歌は警戒し、逃げようと決心する。

 「悪いけど。」

 そういってその男の子の横をすりぬける。

 「えー、いいじゃーん。えー、だめぇ?」

 後ろで聞こえる大声を振り切り、小走りに立ち去る。


 世も末ね。

 おばさんには若い子を割り当てて、釣るつもりなんだろうけども。

 馬鹿にしてるわ。

 羽歌は腹立たしく思い、買い物を取りやめて家路につくことにした。

 しかし・・・

 「彼女~、ひとり?」

 「かわいい!カラオケいこ!」

 「そこの君!メルアド教えて~

 次から次へとかかる声。

 しかも声をかけてくるのは揃いも揃って若い男の子だった。

 今日は何なの?

 羽歌は少し恐怖に駆られると、とっさに近くにあった洋服店に飛び込んだ。

 入ってみてそこが10代の女の子の店だと気がつく。

 店員の女の子に気付かれないうちに出ようと踵を返すと、運の悪いことにすぐ後ろに店員がへばりついていた。

 「あ、すみません。」

 羽歌が言うと店員はにっこり笑い、近くにあったTシャツを差し出した。

 「これなんか、いいと思うよ~。着ていいよ?」

 「はぁ?」

 渡されたショッキングピンクのハートがでかでかとついたTシャツをまじまじと見る。

 「あなただったら絶対似合うって。スタイルいいし、色気あるしさ。

  なんかーこー大人っぽいじゃん。このイラストはそういう子が着ないと。

  よく大人っぽいっていわれるっしょ?」

 「っていうか、大人ですから・・・」

 羽歌が言うと店員は笑って言った。

 「何いくつ~?ちなみにあたしは24才。もうおばさんだよ~

 「えーっと・・・30才ですけど。」

 店員はポカーンと口を開け、甲高い声を発した。

 「えええええええええええええ!!

  みえなーい。てっきり年下かとおもったぁ。まじだ?」

 「はぁ。」

 「いいなぁ。すっげー若いじゃん!何、整形?」

 屈託のない言い方に苦笑する。

 「ありがとう。褒め言葉として受け取っておくわ。」

 「いや~、まじだぁ。びっくりだよ。へ~。」

 しきりに感心する店員をかわし外に出ようとした時、試着用の大きな鏡が目に入った。

 そこに立っている自分の姿に釘付けになる。

 これが、いまのわたし?

 そこにはとても30才になったとは思えない女の姿が映っていた。

 スタイル、美貌の前に匂い立つ女のオーラ。

 そして艶やかに光り、吸い付きそうな白い肌。

 ほんのり桜色に染まる頬は、チークではない。

 ファンデーションが薄いベールを作り、髪はサラサラと肩にかかり光を帯びていた。

 これがわたし?

 「よっぽどセックスしてるんでしょ?」

 店員の声に我に返った。

 「え?」

 「いやー絶対セックスだよ、この若さの秘訣は。

よく言うじゃん、若い男と付き合ってる女は若いって。

  あれはセックスのおかげだからね。

  いいなぁ。おねーさん、いいセックスしてんだぁ。」

 羨望のまなざしが羽歌を包む。

 耐え切れなくなって羽歌は何も言わずに店のドアを開けた。


 外の空気に触れた瞬間、自分の香りが匂い立つ。

 羽歌はその匂いを嗅ぎながら、必死に考えた。


この自分に起きた変化はセックスのせい?

 啓介の部屋での、あのセックスのせい?

 おもちゃに犯される、あのセックスの?


 羽歌は軽いめまいを感じ瞳を閉じた。

 まぶたの裏にうつろな目でバイブを使い、よだれをたらし、蜜を溢れさせ、悦びの声を上げている自分の姿がうつる。

 この姿を見ても、あの店員の女の子はやっぱりいいなぁと言うだろうか。

 いいセックスってなんだろう。

 疑問を胸に抱いたままの羽歌の華奢な背中が薄闇の街の中に消えていった。


 

 

 

 

 

 

 

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2005年05月01日(日)

ばなな と いちぢく

テーマ:官能小説

    3  


その日、それを見つけたのは偶然だった。

 啓介の書斎の掃除は、新婚当時から啓介自身がやることになっていたので、

羽歌が足を踏み入れるのはごくまれだった。

 でもその日は、どうしても啓介の銀行印が必要になり、書斎のドアを開いた。

 貴重品をまとめているはずの机の引き出しを開けるが、そこに印鑑はない。

「おかしいな。」

 羽歌は一段上の引き出しにも手をかけた。

 その時の光景を羽歌は、いつでもスローモーション再生で思い出すことが出来る。


 細い自分の指が引き出しにかかりすっと手前に引くと、何の抵抗もなく引き出しが開く。

 そしてそこに整然としまわれていたものは、いやらしい淡いピンク色をしたバイブとローター。

 驚いて思わず手を引っ込めた羽歌の目に更に飛び込んできたのは、無数の写真。

 裸の女の子たちが何枚も何人も何十枚も何十人も重なっている。

 息が止まり、慌てて引き出しを元に戻そうとするが、うまくいかない。

 震える手で引き出しを閉めようと必死になっていると、そのままストンと引き出しが落ちてしまう。

 大きな落下音。

 そして静寂・・・・


 羽歌の前にバイブがゴロリと横たわっていた。

 見下ろすと、それを使う啓介の顔が脳裏をよぎった。

 その瞬間、涙がぼろぼろ溢れてくる。


 これを誰に使っているの?

 この写真の女の子達は誰?

 この女の子達、みんなと啓介は寝たの?

 この子達と寝ているから、わたしとはもうしないの?

 なんで?どうして?わたしじゃだめなの?


  答えてもらえない疑問が次々浮かんでは消えていった。

 そうやってバイブを見下ろしながら何時間泣いていただろう。

 ようやく涙も枯れた頃、羽歌の中で何かがはじけた。


 『啓介がこれを使っているなら、わたしも使うわ。』


 自分の思いつきに、羽歌は笑う。

 ばかばかしい?そうよね、ばかばかしいわ。

 夫にセックスしてもらえなくなったと思ったら浮気されていて、その浮気相手に使っているバイブを偶然見つけたけど、夫を責めるどころか自分も使ってやるだなんて、何のため?

 復讐?

 全然こんなの復讐にならないわよね。

 じゃあ、なぜ?

 涙の跡を頬に残したまま暗い部屋の真ん中で、バイブを足元に置き肩を揺らしながら笑う。

 なぜだろう。

 でもそうするのが一番嫌がると思うから。

 興味のなくなった自分の妻が、他の女と遊ぶために買ったおもちゃを使ったって知ったら、きっと彼は嫌悪感を持つ。

 そうよ。他の女を悦ばせる為に買ったバイブで、自分の妻も悦んでいたって知ったら、きっと彼は嫌がる。


 羽歌はゆっくりと屈みこみ、バイブに手をかけた。

 手に取り、スイッチをいれる。

 軽いモーター音がして、振動が始まった。

 一回ごくりと唾を飲み込むと、下着の上からあててみた。

 振動が女の口に軽快に伝わってくる。

 もう少し力を込めて自分の女の口に押し付けてみる。

 今まで誰にもされたことのない愛撫が羽歌を襲う。

 強い罪悪感と嫌悪感が沸いてきて、とっさにバイブを手から離してしまう。

 フローリングの床に投げだされたそれは、生き物のように動きをやめない。

 早くいれて、いれてと言っているようにも見える。

 羽歌はそっと下着を脱いだ。

 そうよ、やるのよ。

 啓介も使っているのよ。わたしも使うの。

 自分の声が遠くから聞こえた。

 もう一度バイブを手をとり、今度は割れ目に沿って上下に動かしてみる。

 もちろん啓介ではない作り物の感触はするものの、それを啓介が使ったのだと考えただけで、啓介に触れられているような錯覚がした。

  「あ・・・」

 声が漏れ、胸の先端が丸く立ち、甘い蜜が啓介のおもちゃを濡らして光らせ始めた。

 自分の奥から蜜がどんどん溢れ、入り口にある何かを必死に中に引き入れようと波打つのが分かる。

 体の方は準備万端らしい。

 羽歌は思い切ってバイブを自分の中に入れる。

 それは簡単にすっと入り、より大きな快感の渦に引き込んでくれる。


 「ああぁぁ~んんんん。」

 羽歌は目を瞑り、啓介をまぶたの裏に思い浮かべる。

 沢山の知らない女の子達を悦ばせ、声を上げさせている啓介の後ろで、自分がたった一人でバイブを使っている。

 それは孤独でもあり、快感でもある想像だった。

 「あぁぁ、イクゥ・・・!!!」

 啓介の背中をみながら、羽歌は独りで果てる。

 羽歌のその声にも啓介は振り返らない。

 「啓介・・・いくよ・・・いったよ・・・けいすけ・・・・」

 羽歌はバイブを口につきたてたまま、泣きながらつぶやく。

 「けいすけ・・・・いったよ・・・・・・」


 続きは明日・・・ 

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