テーマ:オークションアービトラージ
僕が初めてあなたと出会ったのは、
今から12年前ですね。
僕は小学校5年生になったばかりでした。
最初は初めての男の先生だったので、
少しこわかったような気がします。
当時、僕の名前はかなり珍しく、
幼い僕はそれにとてもコンプレックスをもっていました。
あなたは、授業の発表の時、
僕を下の名前で呼びましたね。
とても嫌でした。
とある生徒会の選挙の時、
だれかがクラス代表の応援のために、
当時ウンナンの番組ではやっていた
「マモ-」を演じることになりましたね。
くだらないショートコントだったと思います。
クラス会で誰がやる?
ってなった時に、
あなたの鶴の一声で
僕がやる羽目になりました。
何で目立ちたがり屋の一志とかじゃなくて、
恥ずかしがり屋の僕だったんですか?
夏になると運動音痴の僕を
水泳部に入るようススメましたね。
毎日の練習はとてもつらかったです。
先輩にプールに沈められて死にそうになりました。
夏休みも早起きもつらかったです。
冬になると、半ば強制的に駅伝部に入れましたね。
マラソン大会はいつも150位の僕を。
学校が休みの日曜日までいっしょに土手を走りました。
始めて走った次の日、
歩くのがとても苦痛なくらい足が痛くなりました。
なぜそこまでさせるのでしょうか?
今の教師は夏休みまでもフルに休むと聞きます。
だのにあなたは、
休日返上で僕たち8組の生徒とともにつらい時間を過ごしましたね。
ありがとう。
今では自分の少し変わった名前が大好きです。
最近、僕がいま最も尊敬する男にも、
下の名前で呼んでもらえるようになりました。
小学校の水泳大会では大会の選手にも選ばれました。
人前に出ることもそんなに怖くなくなりました。
4年生のころは150位だったマラソン大会。
5年生で28位になりました。
「努力すればこんなにも変われるんだ!」
と思ったことを
今までもはっきりと覚えています。
つい先日、
成田から船橋まで45kmも走りましたよ。
今度また、一緒に走ってもらえますか?
今日は、なぜか早起きでした。
少し走ろうと思ってそとにでると、
まんてんの青空のもと、
ふと
小学生の時あなたと走った
日曜日のことを思いだしました。
僕の足はいつもと反対側の、
あの時のコースにむかいました。
河川敷は少し表情をかえましたよ。
利根川は相変わらずでかいです。
折り返し地点の鳥居は、
少しやせた気がします。
僕は30歳になってキックボクシングをはじました。
先日の試合は負けてしまいました。
僕の努力が足りなかっただけですよね?
あなたは、
卒業式のその日。
「人生はマラソンだ」
といいました。
僕もそう思います。
今日も明日も、
僕は走り続けます。
次にあなたに会える日を楽しみにして。
一、あなたの生徒。