自慢話
だいぶ自慢話なんで普通にスルーしてください。
それでもチェックしてくれた方、コメント不要です。
3/7早朝に父方の祖母が他界しました。
98才。
大往生といえる。
去年末から親父さんから覚悟しておけって言われていたので、ショックも実感もあまりない。
それらはないが、思い出は山のようにある。
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俺の父方は、バリバリの江戸っ子でして、絵に描いたような江戸っ子だと思います。
父もばあちゃんも、10年以上前に他界しているじいちゃんも、「ひこうき」が上手く言えないほどの江戸っ子ッぷり。
さておき。
俺の実家が親父が初代の長野県の田舎で寿司屋。ってのは知ってる方もいるかもしれませんが、年末年始は無休の寿司屋だったんで、まぁ退屈で。
小3の時から、年末年始は東京のじいちゃんばあちゃんのところに1週間ほど行っていた。
当時は高速路線バスなんて無かったから、1日に二本くらいの「飯田→新宿」急行新宿行きに1人で毎年行っていたね。
とある年に、確か夏にも行った年があって、ちょうど大相撲がやってた。
当時、大相撲に興味はあまり無かったけど、北の湖に千代の富士が台頭している時だったなぁ。
どちらかと言われれば千代の富士の方がいい。と思っていた俺だが、北の湖を応援しないなんて非国民!ってほど、ばあちゃんは北の湖だったね。
かわいい初孫(俺ね。)の意見でも、それが覆ることは無かった。
当時は文京区の東京大学の正門近くに住んでいたじいちゃんばあちゃん。
ばあちゃんにここが日本一の大学だよ。と言われ、んじゃここに入る!と言った俺。
そもそも大学ってものを、それしか知らないだけで言ったのに、大喜びで近所に言ってたなぁ。笑
話を戻すと、その時の大相撲。
かなり優勝争いが激しく、いよいよ北の湖と千代の富士の直接対決みたいな日。
当時は、近所の専門店が並ぶ商店街がかなり活気があった。
行く店行く店、全て顔見知り。
の、ばあちゃん。
夕方四時くらいだったような…
「♪千代負け千代負け~…」
ひたすら、自ら作詞作曲した鼻歌を歌いながら、、そして、ひたすらついていく俺。
今考えると、1人や2人は千代の富士ファンの方もいたんじゃないかなぁと思う。
それでも、商店街の人々に笑顔を振りまき笑顔をもらうばあちゃんが、俺にとってヒーローだったなぁ。
北の湖と千代の富士。
どちらがその時勝ったのか覚えてないが、ばあちゃんの凄さは覚えている。
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もう一つ。
これは確か一昨年の話。
一度体調を崩し、かなりの高齢だから、会える機会があるうちに。
と、父親、母親、俺で、ばあちゃんのいるグループホームにお見舞いって感じで会いに行った。
かなり認知症もすすみ、おそらく俺のことはわからない。とは聞いていた。
それでも、あれだけ可愛がってくれたばあちゃんが、俺を忘れる?そんなことってあるわけ?
と思っていたが、俺の想像は超えていてしまった。
全くわからないようだ。
正直ショックだった。
更に衝撃だったのは、親父がわからないことだった。
自分の息子、それも長男である親父。
冗談だろ?って親父も思ったんだろう。
「何言ってんだよ!俺だよ。」
それでもわからない、ばあちゃん。
苦笑いする、ばあちゃん。(今思えば、相当困っただろうね。だって自分の知らない人に責められるように、俺だよ!って言われているんだから)
しばらく沈黙が続く。
俺も何を言っていいか、出てこない。
母親も、義理の母親の現状に出る単語がない。
親父はため息しかない。
それでも続く沈黙。
その沈黙を破ったのは、1番困っていたはずの、ばあちゃんだった。
フォトスタンドを指さして、
「わたしの彼氏なんです。ウフフ…」
と、軽く笑ってみせた。
それは既に他界したじいちゃんの写真。
その時は、そうですか…と微笑み返すくらいしかできなかった。
俺は去年、実は初任者研修(俗にいうヘルパー二級程度のヤツ)を修了している。
かなり真面目に勉強した。
かなり真面目に勉強したから、この出来事が、更にもの凄いことを知る。
親父がわからない時点で、ばあちゃんの記憶は20代前半までの記憶しかない。
「知っている。」はこちらの都合で、ばあちゃんからしてみたら、いきなり知らない人がやってきて、息子だの孫だの言われている。
更に息子って言ってる人は、ため息をついて落胆している。
重たい沈黙が流れている。
共通する情報を持たない、知らない3人に対して、重たい沈黙を打破するべく
「わたしの彼氏なんです。ウフフ…」
だったんだ。
同じ環境に俺が置かれても、同じような対応をする自信などない。
「つーか、誰だよテメーら。帰れよ。」
が、きっと俺が同じ環境に置かれて言いそうなセリフだね。
まだまだ、ばあちゃんの域には程遠い。
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掘り返せば、もっとあるけれど、悲しむことよりも今は感謝でありたいので、このくらいで。
イイね、コメントは無くて全然大丈夫です。
今夜と明日は、この血と、自分の存在に感謝して、全開で見送ろうと思います。
ばあちゃん、ありがとう。