結婚おめでとう。
私の人生において、最も大切な人である君達二人から、それぞれほぼ同時に結婚の報告を頂く事になるとは、いやはや、とんだ2012年の幕開けになりました。
私の青春時代、絶えず側にいてくれた君達が、突っ立ていた青春の十字路から進むべき道を見つけた事、我が事のようにうれしく思います。
日本人の心に深く刻み込まれた、二度と消えないだろう大震災・大津波・原発禍による傷痕は、多くの奪われた命と引き替えに、運よく生き残る事ができた我々に残された教訓となりました。
各々が今まで以上に、「生」について考える事になった震災後、絆・連帯・そして家族を求める深層心理は、「結婚」という、言わば人生の一大イベントへと向かったのかもしれませんね。
「震災結婚」とか「震災離婚」ってな言葉は私は嫌いですが、生きるとは何か、幸福とは何か、当たり前のようであまり真剣に考えて来なかった感のある人生の大テーマを、改めて見つめ直す機会を得た事は確かだと思います。
いや、そうでなければならないと切に願います。
生き残る事ができた我々が、己の限りある生を一生懸命駆け抜ける事が、奪われた多くの方々の命に対する、せめてもの供養になるのだと信じてやみません。
この間、その間、色々な事が起きました。
私の身の回りを取り巻く環境も、随分変わってきました。
実家で飼っていた愛犬は、17年の大往生を遂げ、上京当時からかわいがってくれた新宿のオヤジの飲み屋も閉めるのだと聞きました。憧れの大俳優は亡くなり、慕い続けた兄貴分はとうとう独身生活に別れをつげ、やはり君達と同じく家族を持ちました。
「何かが動き始めた」と感じた昨年の年末、ふと「あ、引っ越ししよう」と思って不動産屋に飛び込んだのは、単なる偶然ではない気がするのです。
大学を中退し、ボストンバッグとギター一本ぶらさけで、背中で感じたお袋の涙を振り切るように出て来た東京と劇団への入団。そして、今も何とか役者稼業を続けていける勇気と情熱を与えてくれた劇団からの卒業。
いつも私は、自分の人生のターニングポイントを感じた時、「やるなら今しかねぇ」と、弱気になりそうな自分を奮い立たせて決断してきました。
その決断に後悔した事はもちろんありませんし、間違った選択をしたとはちっとも思いません。
ただ・・・・・・・・ずっと役者一本でやってきた自分が、その為に、君達に何もしてあげられなかったのではないかと、己の無力を責める時が、あるんだよね。
「芝居なんかやってる場合じゃない」と痛切に感じさせられたあの震災は言うに及ばず、「生きるとは何か」「幸福とは何か」を、虚構空間の中で観客と共に追体験する事が我々役者の仕事だとするのならば、では舞台を降りた時、化粧を落とした時、一人の人間として自分の為に、自分の家族の為に、また大切な人に、一体何をしてあげられたのかが、解らなくなる瞬間があるんだな。
「そりゃ、自分のやりたい事やってんだから。」ってのは、もちろんそうなんだけども、でも、そうまでして一つの「道」を追い求める事の残酷さや恐さも、やはり心には同居しているのだと思います。
ってか、俺も年取ったね(笑)
感傷に浸るのはまだ早いんだけど、頭の中を駆け巡る君達との思い出を一つ一つ思い出す度、嬉しさ・羨ましさ・悲しさ・色々な思いが去来し、酒のんでもなんか酔えねぇや。
本当、何もしてあげられず、ごめんね。
長くなりましたが、このブログは他の多くの方にご覧頂いているので、あんまり君達だけへの手紙をつらつら書き続けるわけにゃいかないので、ここらで勘弁を。
でも、安心して。(ってか、心配してねぇか)私はまだまだ、青春の十字路でもがこうと思います。
流されず、染まらず、媚びへつらわず、俺は俺で在り続けようと思います。
君達と過ごしたあの頃と、俺は何も変わっちゃいませんから。
改めて、結婚おめでとう。君達に出会えて良かったです。
遥か長い道程を歩き始めた君に、幸福あれ!!!!!