中野厚子様

ご無沙汰しております。札幌のSです。妻と娘が2年4か月お世話になりました。
3年前の秋には1か月ほど短期でもお世話になりましたので、通算で2年5か月となります。

本当にお世話になりました。ありがとうございました。心から感謝しています。

中野さんとの出会いがなければ、娘に貴重な経験を積ませることはできませんでした。
娘がどれほど貴重なことだったのかということを理解する日がいつ来るのか否か、
それは私にもわかりませんが、親としては娘の心の奥底に何か人生の種と呼べるようなものをバラバラっと蒔けたと思っています。
その種がどのように芽を出して花を咲かせるかはこれからの娘しだいです。
種はそのまま腐って土になってしまうかもしれません。
しかし、たとえ土に戻ったとしても、人生の中で「無」になることはないでしょう。

私は子供に過度な期待をするつもりはありません。
娘は自分なりに人生の夢を描いていくでしょうし、それを私が無理やり矯正することはできません。私がそういう風に育ってきたから、そう思うのかもしれません。
私の子供のときに東京から北海道に暮らす経験させてくれた両親には今でも感謝をしていますが、まさかその後に私が北海道に暮らす道を選ぶとは親も思い描いてはいなかったことでしょう。だから、娘がこれから先、どのような人生を歩むか、楽しみは楽しみですけれど、
私自身が親子留学を無事に完遂することができた喜び、もうそれだけで十分だと思っています。

妻も娘も本当によくやってくれたという思いと、彼女たちがハプニングや苦労を全部含めて
私も一緒にカナダ生活を過ごしてきたような気がして、とても楽しかったのです。
妻と娘だけではなく、私もこの2年間5か月のあいだ家族と一緒に旅をしてきて、その長い旅が
そろそろ終わりに近づいているのだということを寂しく思っています。
(早く帰国してもらわないと私は私なりに日々の生活が大変ではあるのですけれども・・・笑)

カナダ生活を通じ、世界は広くていろいろな国の人がおり、北海道を越えるような大きな自然があり、いろいろな食べ物があって初めて感じる匂いや音や風もあり、日本とはたくさんの違いもあるけれど、でも人とはお互いに心に響きあう共通の気持ちのやりとりもあったりして、違うことと違わないことを娘なりに(妻もでしょうけれど)感じたことだと思います。

英語を学ぶことや、日本の勉強を追いつかせることなどを第一義に考えた時期もありました。
知識を詰め込むことや、反復学習を行うことは小学生の子供にとって大切なのは理解しています。でも、それは娘の長い人生において、私はたいしたことじゃないように思うようになりました。
カナダ生活が娘の人生にどんな化学変化をもたらしてくれるのかを考えるだけで楽しいのです。

私は大学受験のときに英語でとても苦労をしました。国語は得意だけれども、英語は苦手でした。そもそも日本の英語教育は受験英語がベースにあるので英語を話せるようになるわけでもなく、本来、意思疎通のための手段であるはずの英語が、受験目的になっていることに違和感、嫌悪感を感じていました。
それゆえに娘には私のような無駄な苦労をさせたくないという思いもあったのだと思います。
その後、私も大学4年間に海外放浪を半年ほどして、英語が好きになったわけなのですけれど。(今でも日本の英語教育は、世界で通用するための人材育成としての言語習得ではなく、
英語という名を借りた学力に差をつけるための単なる知識テストの一環だと思っていますが・・・)

話が逸れました。
さて、これからは我が家はどんな風になっていくのでしょうか。
家族の絆が深まっていくのか、それとも反対に浅くなってバラバラになるのか。
他の人からは「家族はいつも一緒にいるのがいい」というようなことを言われますけれど、
私は全然そうは思っていないので、我家は我家流でいいと思っています。
とにかくこの2年5か月、妻と娘が未知の体験をし、非日常的な出来事が毎日起きる中で
ドラマを見ているようで面白かったですし、ドキドキもして楽しかったです。(ひどい夫ですね)

それにしても、妻と娘は本当によく頑張ってくれました。不安なことも多々あったと思います。
娘の立場になってみれば、私だったら授業はちんぷんかんぷんだし、友達とは意思疎通を図れず途方に暮れて逃げ出していたことでしょう。子供とはいえ、よく耐えたものだと感心しています。それでもいろいろな方にお世話になって助けられて、何とかやっていけたのでしょう。
大きなケガや事故もなく、無事に過ごせたことに本当にみなさんに感謝、感謝です。
周囲の方の協力なくしてカナダ生活は成り立たなかったことです。

さあ、カナダ生活も残り約3週間になりました。
「会うは別れの始まり」ということで、楽しい日々に一旦区切りをつけて前を向いていきましょう。

6月末に終業式を向かえて娘は悲しくて泣くのかと思いきや、そんな風でもないとのことでした。
それは私の思っていたこととは違うのですが、まだ帰国まで日数があると思ったからなのでしょう。帰国の途につく飛行機の中で、彼女たちは涙を流すのかもしれません。
どこかで大粒の涙を流してほしいと、私はひそかに思っているのですけれど。
ともかく、「もっとカナダに居たかった」と思ってくれれば今回の親子留学は成功したと思います。

中野さんへの御礼の文章を書くつもりが、駄文の羅列になってしまいました。
すみませんでした。
私は現在東京に単身赴任でおります。
何かの機会でこちらに来られた際には、あらためて御礼を申し上げたいと思っております。
中野さんには本当にお世話になりました。中野さんのお蔭で、お金では買えない、
私たち家族にとっての人生における素敵な物語をプレゼントしていただきました。
ありがとうございました!

ご多忙との由、くれぐれも無理をなさらぬよう、どうぞご自愛ください。

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お父様から親子留学についてのお問い合わせをいただいたのが
もう5,6年前ではなかったでしょうか…

日本のお父さんは本当に偉いです。
日本以外の国の人には到底理解できない
忍耐と、家族への愛をつくづく感じます。

日本でのご家族の生活が守られ祝福されますように。
この経験が愛するお子様のそしてご家族皆さまの人生に生かされますように。

感謝して
祈りつつ
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