どこかにいた頃の

切断　油彩•キャンバス　65×53cm　2003年制作

『切り口から、滴る、キオク。』

切り株をモチーフに描いた作品。
その力強さから、どこかにいた頃からの
永い永いキオクは滴り落ちていた。

戦うということ

戦うということ　ミクストメディア　90×60cm　2003年制作

『ここに私が立ったなら
　もう引き返す事はない。』


平和では飽き足らず、
争って争って
文明を築いていく、
そんな悲しい生き物。

忙しくしているだけ。

多忙な日　油彩•キャンバス　18×14cm　2003年

『もっと忘れる。明日を、毎日を、君を。』

空白が怖い。
眠れない夜が怖い。
それは
きっと、
楽しい事も嬉しい事も
みんな忘れてしまうから。

旅

神様のこおり　油彩•キャンバス　80×100cm　2003年制作

『朝には神様みたいな僅かな氷になっている事でしょう』

旅行に行くと味わう
かすかな違和感。
足音を起てずに
履き慣れないスリッパでの移動。
ひんやりして
無機質な部屋で
朝早く起きてしまうと
僅かな氷は
日差しでキラキラと光る。

繁殖

かげろうの詩　油彩•キャンバス　130×162cm　2006年制作

『会いたい。また君に会いたい。』

かげろうは成虫になると口が無く、
10時間程度しか生きられないそうです。
夜、明かりに集まり、交尾し、卵を産み、死んでゆく。
そのシンプルで儚く『生きる』その姿が
リアリティのある“命”なのではないでしょうか。