病院が看板に「○○科」と表示する基準とは
こんにちは。橋本です。
「知らないことは、怖いことだな」と思うことがあります。
開業医の看板の掲げかたも、そのうちのひとつ。
開業医とは、いわゆる町のお医者さん。個人で、診療所または病院を営んでいる医師のことです。
勤務医というのは反対に、病院に雇われて働いている医師ですね。
で、開業医が、自分の病院の看板に表示してよい診療科。
それを「標榜科(ひょうぼうか)」といって、具体的な診療科名は法律で規定されています。
(「標榜」とは、「目印として立てる札」という意味。)
しかし、この診療科名。
医師免許さえあれば、何科でも自由に標榜することができます。
例外的に、麻酔科だけは、「麻酔科標榜医」の資格をとらなければ麻酔科医を名乗ることはできませんが。
それでも、基本的には、「開業医が看板にどんな診療科目を書くか」は自由なんですね。
例えば、産婦人科で勤務してきた医師が、内科・小児科のクリニックを開業するのも自由。
外科で手術ばかりしてきた医師が、内科を開業することも実際にあります。
自由といっても、開業するにあたり、都道府県の許可はいります。
ですが、そこで専門医の資格や治療実績、経歴などは問われません。
そもそも医師免許の国家資格は診療科目別になっていないんですね。
医師免許さえあれば、何科でも開業できるわけです。
欧米などでは、標榜科目を掲げるには、専門医として決められた研修を受けるようになっていて、医師免許も更新制になっています。
日本では、そういった制度がありません。
つまり。
開業医にかかるときは、治療実績や以前勤めていた病院、専門分野などを知っておかないと、お医者さんの経験は保証できません。
普通、お医者さんにかかるときに、わざわざそんなことしませんよね。
面倒だし、先生をいちいち疑いたくないし。
でも、そうしないと、自分の身、こどもの身は守れない。それが今の制度なんですね。
「アトピーなら、『皮膚科』『小児科』『アレルギー』って書いてある病院なら大丈夫」
必ずしも、そうとは言えないわけです。