Atlas of my life 3

今日まで歩いてきた道とは違うかもしれない。それでも、今。傍にいるのが僕 で、嬉しい。


テーマ:
こんばんわ、未風です。

初レポ、早くも後半戦です。
もうこうなると、単なる備忘録、的な。


身体はグロッキー中…胃腸風邪~、かな。


○●○●○●○●○●




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STEP 4
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冬馬さんと並んで廊下を歩いていると、向こうから神堂さんがこちらに向かって歩いてくるのが見えた。

春「冬馬……。お前、どこ行くんだ?」
冬馬「この前の取材の続きだよ。ちょっと出かけてくる」

神堂さんが私の顔をチラッと見て言う。

春「……ちゃんと戻ってくるんだろうな?」
●●「練習中にお邪魔してすいません!取材が済んだら、すぐに冬馬さんをお返ししますので……!」

私が慌てて神堂さんにそう言うと、すぐ隣で冬馬さんが苦笑いする。

冬馬「●●ちゃん、別に俺は春のものじゃないんだし」
春「……謝るのはこっちの方だ。この前は大きな声を出して、すまなかった」
●●「そんな、私は何も……」

(そうだ、あの時は冬馬さんが仲裁に入って……)


と、急かすように冬馬さんが私の背中をポンと押した。

冬馬「さ、行こ?」

そう言って冬馬さんが先に歩きだす。
私はスタジオに向かう神堂さんにもう一度頭を下げて、冬馬さんの後を追った。


冬馬さんに連れられて、私はスタジオ近くのカフェにやってきた。
飲み物を注文して向かい合わせの席に座ると、冬馬さんが顔を近づけて聞いてくる。

冬馬「こんな風に二人でお茶するのって、初めてだよね」
●●「そ、そうですね……」
冬馬「……で、俺の何を聞きたい?」

そう言って、テーブル越しに冬馬さんの顔が近づいてくる。

(冬馬さん、顔が近い……)

接近してそんな風に聞いてこられると、思わず顔がほてってしまって恥ずかしい。

●●「この前の冬馬さん……雰囲気がいつもとちょっと違って、すごいと思ったんです」
冬馬「え?何のこと?」

冬馬さんがキョトンと驚いた顔になる。

●●「神堂さんと夏輝さんが言い争いになった時、冬馬さんが止めに入った時のことです。」
冬馬「あー、あれ……」
●●「二人の意見にきちんと折り合いをつけてまとめて、何か大人って感じで……」

私がそう言うと、冬馬さんはいきなり黙り込んでしまう。

(うわ……またなんか変なこと言っちゃったかも……?)

冬馬さんの顔を見ると、頬がわずかに赤らんでいるのがわかった。

冬馬「あの時は、たまたま上手くまとまっただけで……」

照れ隠しのように、冬馬さんがそっと目をそらす。

(冬馬さん、あんまり褒められ慣れてないのかな……?)

またひとつ、冬馬さんの新しい一面がのぞけた気がする。
そんな風に思った時、冬馬さんが笑いながら聞いてきた。

冬馬「……ところで、こんなんで本当に取材できてる?どうせなら、俺のプライベートのことなんかにももっと踏み込んで取材しなくちゃだめなんじゃない?」

●●「でも、お仕事以外のプライベートまで踏み込んで取材させて頂くのは申し訳ないですし……」

と、冬馬さんは私の言葉を途中で遮るようにこう言った。

冬馬「●●ちゃんだから、教えられるんだよ」

(それって……どういう意味?)

私はドキドキしながら冬馬さんの次の言葉を待った。

冬馬「●●ちゃんだから、踏み込んでほしいんだよ……プライベートの取材、いつがいい?」
●●「あ……、私はいつでも……」
冬馬「そんな適当なこと言わないで。ちゃんと予定立てよ?」

いたずらっぽく笑った冬馬さんにそう言われ、私は手帳を確認する。

●●「じゃあ、この日だったら……」
冬馬「オッケー。じゃあ、約束ね!」

(これって、二人だけで会う約束ってことだよね……?)

冬馬「当日、楽しみにしてるから」
●●「わ、私も……」

(て言うかこれって、もしかしなくてもデートの約束なんじゃ……?)

カフェからスタジオへ戻る冬馬さんを見送りながら、私の心臓は緊張と嬉しさが入り混じってドキドキと高鳴るのだった――。





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 STEP 5
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約束の日、冬馬さんが私を連れてきたのは古いバッティングセンターだった。

(ここで、取材……?)

夜の8時を回り、他のお客さんもほとんどいない。
そこに、ここの管理人らしきおじさんが現れる。

おじさん「おぉ、また来てたのか」
冬馬「相変わらず客がいないね~、そろそろ潰れるんじゃないの?」
おじさん「うるせーよ。余計なお世話だ」

おじさんはそう言って笑うと、冬馬さんの背中を親しげにバンバンと叩く。

(冬馬さん、ここの常連なのかな……?)

すると冬馬さんが私の方に向き直り、申し訳なさそうに言った。

冬馬「こんなさびれたとこ連れてきちゃってゴメンね」
●●「いえ、全然平気です!」
おじさん「あれ?今日はツレがいるのか?」

私に気付いたおじさんが珍しそうに私のことをジロジロ見て言った。

おじさん「またこんなかわいいお嬢さんを連れてきて……」

冬馬さんをちらっと見ると、少し照れたように頭をかいている。

冬馬「……今日も軽~くホームランでも打つか」

冷やかし口調のおじさんをかわすようにして、冬馬さんはバットを選びバッターボックスに向かった。
冬馬さんは飛んでくるボールを次々と打ち返し、その度に満足そうな顔で笑った。

(冬馬さん、野球でもやってたのかな……?)

ネット裏で見守る私を振り返り、冬馬さんが聞いてきた。

冬馬「ひょっとして、退屈してない?」
●●「いえ、冬馬さんのバッティングを見せてもらってるだけで、気持ちいいです!」
冬馬「それならよかった」

言葉を交わしながらも冬馬さんはボールをヒットさせ、快音を響かせる。

●●「ここには、よく来るんですか?」
冬馬「……たま~に、ね」

全力で楽しんでいるように見える割には、冬馬さんはあっさりとした答えを返してくる。

冬馬「ねぇ、●●ちゃんもやってみなよ」
●●「ええっ!?無理です、無理、絶対無理!」

(こんな早いボール打てっこないよ……!)


冬馬「大丈夫だって。あっちのならスピードが遅い球が出てくるから!」
●●「でも……」

私が断れずにいると、突然、冬馬さんが私の手を掴む。

(えっ……!)

冬馬「何事も経験しなくっちゃね!」

冬馬さんは楽しそうにそう言うと、私の手を引いて歩き出した。

(どうしよう……あそこからボールが飛んでくるんだよね……?)

私はバッターボックスに立ちながら、怖くて足がガクガクしてしまっていた。

冬馬「平気、平気!」

ネット裏から冬馬さんが声を掛けてくれる。
ピッチングマシーンから合図が鳴り、第一球が私に向かって投げられた。

●●「きゃあっ!」

ボールが飛んでくると、やっぱり怖くてつい目をつぶってしまう。

(ダメ……、バットなんて振れないよ……)

その時、フワッと私の腕が持ち上がった。

(えっ……!?)

振り返ると、ネット裏にいたはずの冬馬さんが、いつの間にかすぐ後ろにいる。
冬馬さんは、私を抱きしめる形で私の両腕を支えてくれていた。

(冬馬さん……!?)

冬馬「俺がついてるから、思い切って振ってみ?」
●●「え、でも……」

(もしもボールが冬馬さんの腕に直撃したら……)

ドラマーである冬馬さんの腕にケガをさせるわけにはいかない……
そう思っていると、冬馬さんが後ろから声を出す。

冬馬「さっ●●ちゃん、思いっきり振って!」
●●「はい!」

冬馬さんの両手と一緒に、私はボール目掛けて思い切ってバットを振り切った。

●●「わっ!」

次の瞬間。カーンと音が響き、ボールが遠くに飛んでいくのを信じられない思いで見つめる。

●●「うそっ、打てた!」
冬馬「どう?気持ちいいでしょ?」
●●「はい!人生初ヒットです!」

嬉しくなって後ろを振り返ると、鼻先が触れてしまいそうなくらい近くに冬馬さんの顔がある。

(こんなに近いのも、人生初かも……)

私は間近に迫った冬馬さんのアップに、思わず赤面してしまった。

冬馬「……ん?どうかした?」
●●「い、いえ……」

私は恥ずかしさでまともに冬馬さんの顔が見れないでいた。

冬馬「じゃ、俺ももう一回打ってくるか」

冬馬さんは楽しそうにそう言うと、私の隣の打席に入る。
私はネット裏のベンチに座り、子どものように無邪気な冬馬さんの姿を眺めていた。





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STEP 6
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バッティングセンターからの帰り道、私と冬馬さんは歩いて公園を目指していた。
汗をかいた身体に夜の冷たい空気が心地よく、私たちは無言で並んで歩く。

(冬馬さん、黙っているけど本当は何か悩みごとでもあるのかな……)

冬馬さんのバッティングを眺めていた時に、バッティングセンターのおじさんが言っていた言葉を思い出す。

おじさん「あんた、冬馬の彼女だろ?」
●●「えっ、ち、違います!」
おじさん「隠さなくても見りゃわかるよ」

(どうしよう……おじさん、勘違いしちゃってる……)

冬馬さんは後ろにおじさんがやってきたことも知らず、ひとりで嬉しそうにバットを振ったままだ。

(困ったな……)

(選択してください)
A:彼女ということにしておく
B:取材だと説明する

私は誤解しているおじさんに、取材だと説明することにした。

●●「実はですね、私は今、JADEの密着取材をしていまして、今日も取材の一環なんです」
おじさん「またまた~、そんなウソはいらねえよ。誰も言いふらしたりしないからさ」
●●「はぁ……」

結局、私はおじさんに冬馬さんの彼女だと誤解されたまま、おじさんの話を聞くことになった。

おじさん「アイツ、普段はあんな風におちゃらけた奴だけどさ……最近はバンドのことなんかについても真剣に考えてて、悩むといつもここに来るらしいんだわ」

(冬馬さんが、JADEについて……?)

●●「……メンバーの誰かが言ってたんですか?」


私が聞くと、おじさんは意外な言葉を返してきた。

おじさん「メンバーが知るわけないよ。アイツが時々うちに来てることは、誰にも言ってないらしいからな」
●●「え……?」

(冬馬さん、メンバーの皆さんも知らない場所に私を……?)

その言葉を聞いたとき、突然戸惑いのような嬉しさのような甘酸っぱい感覚が胸に込み上げてくる。

おじさん「だから、アイツが今日キミを連れてきた時は驚いたよ。……まあ、冬馬のこと、ヨロシクな」

と、冬馬さんが私たちの方を振り向いて大声を上げる。

冬馬「おいおっさん!いらねーこと話してんじゃねーだろうな!」
おじさん「はいはい。お前の女癖の悪さならたっぷり教えといたよ。じゃあ、またな」
冬馬「な……っ!●●ちゃん、そのおっさんの言ってること全部でまかせだから!」

焦って弁解する冬馬さんに満足そうに笑いながら、おじさんは事務所の中に去って行った。
おじさんが去って行ったあとも、私はおじさんの言った言葉が忘れられなかった。

(冬馬さん、真剣にJADEのこと、考えて悩んでるって……)


そんなことを思いだしていると、いつの間にか公園に到着していた。
二人で並んでベンチに座り、一息つく。

冬馬「どう?俺のプライベート、取材できた?」
●●「はい。本当の冬馬さんの姿が、少し見えた気がします。」

私がまっすぐ冬馬さんを見返してそう言うと、冬馬さんは少し呆気にとられたような顔をした。

冬馬「でも、それってほんの少しでしょ?これからもっともっと知ってもらわないと困るなぁ」

そう言って冬馬さんがニヤッと笑う。

●●「いえ、もうすでにたくさんのお時間をとらせて頂いてしまったので……。今回はありがとうございました」

私がお礼を言うと、冬馬さんがふぅ、とため息をついてから言った。

冬馬「だって……これから俺、●●ちゃんのこと口説こうと思ってるから。俺のこと、もっと知ってもらわないと困る」
●●「えっ……」

ふいに真剣な表情で見つめられて、私はどんな顔をしていいのか分からずに思わず目をそらしてしまう。
言葉が見つからずに固まっていると、いきなり冬馬さんが私のほっぺに唇を近づけてきた。

冬馬「これは、その始まりの合図だから」

(ええっ……!?)

驚いたときにはもう、チュッとキスする音が聞こえて……。

(冬馬さん……、どういうつもり……?)

冬馬さんが至近距離で優しい笑顔をこちらに向ける。

冬馬「……これから、覚悟しておいて?」

そう言いながら笑う冬馬さんの瞳は、今までとはちょっと違う。
いつにない真剣味を帯びたその表情に、胸がドキリと鳴る。

(……もっと、冬馬さんのことが知りたい……)

胸の中に芽生えた想いは、もうただの好奇心では片付けられないことにハッキリと気付いてしまう。
恋の予感にときめく、そんな早春の夜の出来事だった――。





*☆*:;;;:*☆*:;;;:
  HAPPY END
*☆*:;;;:*☆*:;;;:

テーマ:
こんばんわ、未風でございます(*゜▽゜ノノ゛☆


新生活シーズンに入り、先日話していたADSL→光の工事に2ヵ月を要すと知り、げんなりしております(-_-メ

まだしばらくは不便が続くか…

雪月逢のラジオをどうしようか、目下考え中。(案はあるけど…)



さてさて、そんな中、今回ははじめてのレポをお送りします( ´艸`)♪

遅ればせながら、
Documentary with JADE~~24時間JADEに密着取材!?~
の冬馬ステージですヘ(゚∀゚*)ノ

…まぁ、本体のセキニン?(煌ちゃんから目配せで合図されたんだよーう)ですから?(`・ω・´)ゞ


前後編でお送りします。では。



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 プロローグ
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秋羅「あれ?お前、今日取材の日じゃなかった?」

突然、秋羅に話をふられた冬馬はドラムを叩く手を止めた。

冬馬「あ~、あれね」

まるで他人事のように冬馬が言う。
今週いっぱいJADEのメンバーは新曲の練習のため、スタジオにこもりっきりだった。
そこに冬馬の密着取材が入るという。

秋羅「お前だけの取材なんて滅多にないんだから、ちゃんとやれよ」
冬馬「めんどくせ~な~」

冬馬がドラムスティックを回しながら答える。

秋羅「ところで、誰に取材されるんだ?」
冬馬「さぁ」
秋羅「それも知らないのかよ!」
冬馬「興味ねーもん」
秋羅「密着取材だろ?あれもこれも、お前の私生活が暴かれるんだぞ?」
冬馬「こわいこと言うなよ……。ちょろっとインタビュー受けたらそれで終わりだろ?」

秋羅には余裕の顔で言った冬馬だが、誰にも聞こえないような声で小さくつぶやいた。

冬馬「……あの子が相手だと、いいな……」

その時、スタジオの扉が開き誰かが入ってきた。







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 STEP 1
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私がスタジオの扉を開けると、JADEの4人が一斉に私の顔に視線を投げかける。

(うわ……緊張しちゃう……)

●●「練習中のところ、お邪魔します……」
冬馬「やぁ●●ちゃん、元気だった?」

一番最初に冬馬さんが私に声を掛けてきた。

(よかった、冬馬さん、機嫌良さそう…これならいい取材ができるかも……)

●●「冬馬さん、今日一日よろしくお願いいたします!」

私は冬馬さんに向かって丁寧に頭を下げた。
すると、冬馬さんが驚いた顔をして私を見つめてくる。

冬馬「今日一日って、デートの約束でもしてたっけ?」
●●「ち、違います!お仕事です!冬馬さんの密着取材のお仕事です!」
冬馬「えっ、もしかして今日お取材って…●●ちゃんがインタビュアー?」

(え……ひょっとして忘れられてた……?)

●●「はい。そうですけど……」

ドキドキしながら答えると、冬馬さんの顔がパッと笑顔に変わった。

冬馬「そうだったんだ!ハハ、お手柔らかにね」

そう言いながら冬馬さんが私に握手を求めてくる。

●●「こちらこそ、ご協力お願いいたします」

(冬馬さん、何だか嬉しそう……?)

私は戸惑いながらも、冬馬さんの右手にそっと応えた。
握手をしながら私は冬馬さんの表情を盗み見る。

(密着取材なんて、誰でも嫌がりそうなのに……。ひょっとして取材されるの好きだったりとか…?)

そこで隣で見ていた秋羅さんがボソッと言う。

秋羅「……さっきまで嫌がってたのがウソみたいだな」
●●「え……?」
冬馬「何でもない何でもない!さ、どこからでも取材してくれていいよ?」

そう言いながら冬馬さんは、私をスタジオ隅のテーブルへと連れて行った。


冬馬さんと向かい合わせに座り、私はテーブルの上に準備してきた取材ノートを広げた。

●●「こちらで録音させてもらっても大丈夫ですか?」

私はバッグの中からICレコーダーを取り出して冬馬さんに見せる。

冬馬「全然いいよ。俺の声を●●ちゃんが聞き返してくれるならさ。で、何から聞く?俺の好みの女の子のタイプとか?」
●●「……。まずは、音楽のこととかから聞きますね……」
冬馬「なーんだ、残念だなー」

冬馬さんがふざけた感じで笑う。

(冬馬さん……真面目に答えてくれるのかな……?)

私は不安な気持ちで録音ボタンを押して、インタビューを開始した。





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 STEP 2
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●●「では……音楽に目覚めたきっかけとかを教えてもらってもいいでしょうか?」
冬馬「音楽始めたの?そりゃあ、女の子にモテたいから」
●●「で、では、ドラムを選んだ理由を教えてもらってもいいですか?」
冬馬「うーん……、座ってできるから?」

冬馬さんは全く緊張している様子もなく、適当な答えを連発する。

(どうしよう……いろいろお話が聞けるようにって考えてきた質問なのに、まともに答えてもらえない……)

私は質問を変えることにした。

(選択してください)
A:好みのタイプを聞く
B:メンバーのことを聞く

●●「では、好みの女性のタイプについてお伺いします」

(これなら真面目に答えてくれるかな……?)

冬馬「もちろん●●ちゃんみたいな子がタイプよ?」

(……ダメだ。……冬馬さんって本当にいつもこんな感じなのかな……)

私が次の質問に困っていると、スタジオの奥で神堂さんと夏輝さんが何か話し合っているのに気付いた。
二人の間には、何やらピリピリした空気が流れている。

(どうしたんだろう……)

冬馬「気にすることないよ」

と、突然、冬馬さんが私にしゃべりかけてきた。

冬馬「あの二人のことでしょ?」
●●「あ、はい……何事かと思って……」
冬馬「いつものことだよ。曲のことでちょっと意見が合わないんじゃないかな」

穏やかなに答える冬馬さんとは対照的に、神堂さんと夏輝さんの声は次第に大きくなっていく。
やがて、二人は私にも届くような声でもめ始めた。

夏輝「……だから、ここのフレーズは変更した方がいいって!」
春「いや……、このままでいい」
夏輝「どこがいいんだよ!」

ICレコーダーが二人の声をひろってしまい、私は慌てて録音を止めた。
神堂さんと夏輝さんはお互い意見を曲げないままらしい。

●●「冬馬さん……今日のレコーディングは、中止にした方がいいんじゃ……」

私が冬馬さんを不安そうに見上げると、冬馬さんが、はぁ、とため息をつく。

冬馬「●●ちゃん、心配かけてごめん」

そういうと、冬馬さんは私の頭を優しく撫でてくれた。

(え……)

ドキッとしたのもつかの間、冬馬さんはスッと席を立つ。

冬馬「ちょっと待ってて」

さっきとは別人のような真面目な顔をして、冬馬さんは神堂さんと夏輝さんの方に向かって歩いていく。
そんな冬馬さんに声もかけられず、私はただ冬馬さんの背中を見送るしかできなかった。
すると、同じように冬馬さんの背中を見つめながら秋羅さんが言った。

秋羅「あいつのあんな姿見るの、久しぶりだな……」
●●「え……?」

神堂さんと夏輝さんの間に入った冬馬さんは、二人を説得しているようだった。
意見を言う冬馬さんは真剣そのもので、二人を圧倒するくらいの勢いだ。

(冬馬さん……、こんな一面もあるんだ……!)

秋羅「あいつ、普段はあんな感じでチャラチャラしてそうだけどさ、いざという時はメンバーの意見まとめに入ったりするんだよな」

そう言って秋羅さんが微笑んだ。

(……そうだったんだ……)

私はそんな冬馬さんについ目を奪われていることに気付く。
すると、私を見ている冬馬さんが、微かに笑顔を見せた気がした。

冬馬「じゃ、俺は密着取材に戻るから、二人とも今の案でオッケーだな?」
春「ああ……」
夏輝「……ありがとう、冬馬」

二人を説得した冬馬さんが、私のいるテーブルへと戻ってくる。

冬馬「中断しちゃってごめん。さあ、取材再開!」

そう、明るく言う冬馬さんはいつもの冬馬さんだった。

(冬馬さんの、さっきみたいな顔……もっと見てみたい)

いつの間にか、私は冬馬さんの本当の姿をもっと知りたいと思うようになっていた。





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 STEP 3
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取材の日から数日後、私は再びJADEが練習するスタジオを訪れていた。
冬馬さんへの密着取材は一応終わったことになっているけれど、私は自分の取材内容にどこか物足りなさを感じてしまっている。

(あの時の冬馬さんの真剣な顔が忘れられない……)

まだ取材しきれていない冬馬さんの姿を追い掛けたくて、思い立ったその足でまたここに来てしまったのだ。

(冬馬さん、もう一回取材したいって言ったら困るかな……?)

私はドキドキしながらドアに手を掛ける。

●●「お邪魔します……」

ゆっくりスタジオの中に顔を出すと、まず夏輝さんの姿が目に入った。

夏輝「あ、●●ちゃん!中においでよ」

私に気付いた夏輝さんが、笑顔で私を招き入れてくれる。

●●「突然すいません、この前お邪魔したばかりなのに……」
夏輝「俺の方こそ、●●ちゃんに謝らなきゃと思ってたんだ……」

そう言って、夏輝さんがフッと目線を落とす。

●●「え……?」
夏輝「……この前は、●●ちゃんの前で言い合いになってるとこ見せちゃってごめん」
●●「そんな、私は何も……。あの後、冬馬さんがフォローしてくれて……」
夏輝「うん。あの時は、ほんと冬馬に助けられたよ……」

(夏輝さん、冬馬さんのこと信頼してるんだな……)

夏輝さんの表情と言葉から、その気持ちが私にも伝わってくるようだった。
けれど、肝心の冬馬さんがスタジオの中に見当たらない。

●●「あの、冬馬さんは……?」
夏輝「あれ?●●ちゃん、冬馬に用なの?」

夏輝さんがちょっと残念そうに聞いてくる。

●●「じ、実は、冬馬さんに取材の続きをお願いしたくって」
夏輝「え?そうなの?取材はもう終わったって、冬馬残念がってたけど……」
●●「えっと……まだ足りないところがあって……」

ドギマギ答える私を見て、夏輝さんがフッと微笑む。

夏輝「●●ちゃんは、いつも一生懸命だね」
●●「いえ……そんな……」

(うわ……夏輝さんに褒められちゃった……)


夏輝「冬馬、どこ行っちゃったんだろうね」
●●「アポなしできた私が悪いんです。今日は失礼します……」

(残念だけど、また今度の機会にしよう……)


そう思ってもう一度ドアの方に向かった時、スタジオに近づいてくる足音と共に、話し声が聞こえてきた。

(……!この声は……)

話しながらやってきたのは、やっぱり冬馬さんと秋羅さんだった。

冬馬「えっ!?」
秋羅「●●ちゃん?」
冬馬「なんで●●ちゃんがここにいるの……?」

冬馬さんが目を丸くさせて私を見る。
すると、夏輝さんが私のそばにやってきてこう言った。

夏輝「今日は、俺の取材に来たんだよね?」

(え……!?)

冬馬「ほんとなの?琉歌ちゃん……?」

冬馬さんが思わず悲しそうな顔をする。
それを見て、夏輝さんが笑いながら秋羅さんと目配せする。

夏輝「今の冬馬の顔、見た?」
秋羅「見た、見た。お前、傑作だったぞ」
夏輝「俺の取材なんてウソだよ。●●ちゃんは冬馬に会いに来たんだってさ」
冬馬「何だよ、お前らー」

冬馬さんが私を夏輝さんから遠ざけるように、私と夏輝さんの間に割り込んで立った。

冬馬「ってか、俺に会いにって……?」

面と向かってそう聞かれ、私はアタフタと答える。

●●「あ、あの、この前のでは取材不足って言うか、もう少し冬馬さんの実像に迫ってみたくって……」

(わー、何言ってんだろ、私……!)

冬馬「んー、だったらさ……」

少し考え込むようにしたあと、冬馬さんがじっと私の目を見つめて言った。

冬馬「こんなところじゃなくて、もっと違う場所で話そうよ」
●●「え……?」

(違う場所って一体……どうしたらいいの……?)


(選択してください)
A:「はい」と素直に返事
B:「スタジオで」と遠慮する

●●「み、みなさん練習中ですし、このままスタジオで行った方が……」
冬馬「だったら、取材拒否しちゃおうかなー」

冬馬さんが悪戯な笑みを浮かべる。

(そ、そんな……!)

グルグルと迷っていると、冬馬さんが急に優しい笑顔を見せる。

冬馬「ハハ、冗談だって。ちょっとお茶でもしながらって意味」

(それなら……)

私がホッとしたのを見て冬馬さんが言った。

冬馬「じゃ、行こ!」
●●「わっ……」

そう言って冬馬さんは私の手をとるとスタジオの廊下へ出た。

夏輝「あんまり●●ちゃんに迷惑かけるなよー!」
秋羅「しつこい男は嫌われるぞ」
冬馬「言われなくてもわかってるてーの!」

後ろから聞こえてきた二つの声にため息をついた冬馬さんを見て、私は思わず笑ってしまったのだった。



○●○●○●○●○●

後編に、つづく。

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