毎年顔を出す…
アンティーク・フェア。

おととしだったか…
かなりの出物を発見した。

木製縁のガラスケースに収まった…
年代物ルビーやエメラルド、
金銀細工の宝飾品に混じり。

実に異彩を放っていたのが…
ふふ、フリーメーソンのリング。

メディアでしか見たことのなかった…
あの “コンパスと直角定規” モチーフ。

数々の陰謀論に彩られ…
神秘感漂う国際秘密結社のシンボルが。

象篏細工の指輪として…
至近に触れる距離に現れたわけ。

これが驚かずにいられるか!

むむ、まさか骨董屋のオヤジっ!?…

…の、まぁメーソン確率は0.00315%。

ならば…
このブツを持ち込んだ御仁こそ…、
という推論が妥当に違いなく。

意外と身近にいるんだねぇ!?…
と、買う気満々で値札を見たらば!

これが驚かずにいられるか!

[37,000]

“え!? マヂ?よし、買った!”

…と、勢い込んだのも束の間。

この日の予算はすでにオーバー…
“次に出逢ったら、イチバンに買うよ”
…と、リングに切ないウィンク。

ああ、即買いが鉄則の…
古本とアンティーク。

泣く泣くの次回買いなど…
もはや買えぬも同義。

案の定、その開催回以降…
メーソン・リングは姿を消した。

フリーメーソン。

昨年のクリスマス辺り…
岡崎は南禅寺近くの国際交流会館で、
“国際クリスマス絵本展”を楽しんだ。

帰りに、都ホテルでケーキ・ブレイク…
その後、散歩がてらに界隈を歩く。

自分が生まれ育った岡崎の地。

“この道、路面電車が走ってたなぁ”

都ホテルから三条大橋に抜ける大通り。

自分の生家は、この道から…
平安神宮寄りに少し入った所。

生家の隣、南禅寺に抜ける道を挟み…
“美●吉”という老舗料亭も店を構える。

毎朝夕、若い料理人が下駄履きで…
店先に打ち水をしていたっけ。

その料亭の本部ビル、というのを…
今回、散歩途中にたまたま発見。

“へぇ、こんなトコにねぇ!?”

何の変哲もない低層ビルゆえ…
〔本部ビル 美●吉〕という看板を見上げ、歩き去ろうとした…

…その時!

わわわ、目が釘付け。

“え!? コンパスと、直角定…規っ!?”

鈍い銀色に輝く、壁面のマーク…
2つのモチーフが “G” を挟む。

アレに似ているけど、まさかねぇ?…
…と、渦巻く期待と疑念。

ドキドキの思考実験が、脳内で始まる。

“これって、美●吉のマークなのかな?”
…否、料亭が選ぶモチーフでもあるまい?

“既存の建物に、美●吉が入った?”
…なら、取り外しても良さげじゃないか?

うーむ、見る人が見れば分かるのに…
取り外していない理由は、2つに1つ?

①そのシンボル・マークを知らない
②そのシンボル・マークを知っている

しかしまぁ、知らなくても…
他社のマークを掲げておくのは、
老舗のプライドが許すまい?

そして!

知っているなら、チョー意味深…
自社ビルなら、確定的…!?

わお!
こんな身近にフリーメーソンのロッジ!?

これが驚かずにいられるか!

ふふ、実のトコロはどうなんだろう?…
美●吉=フリーメーソン?

興味津々。


§(C)2017@S.Kayaori§
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遅まきながら。

昨年12月、自分的 “禊” イベント…
神戸ルミナリエに馳せ参じた。

“え!? 明日が最終日!?”みたいな…
チョー駆け込み詣。

毎年言うが…
第1回目から欠かさずの、皆勤賞。

さて、申年に溜め込んだ喜怒哀楽…
全体を100とした時の内訳は、
喜88:怒0.8:哀0.2:楽11。

そのうちの “怒” と “哀” を昇華するため…
光の回廊をくぐると決めている。

だから、禊のルミナリエ。

とまれ、当日…
15時に現地着。

まずは、いつもの如く…
三宮に店を構える友人のご機嫌を伺い、
その後、センター街をぷ~らぷら。

17時過ぎ。

ルミナリエ会場へと誘う白い柵に沿い…
アミダくじのように行脚する。

例年より早く、会場着。

目の前に蠢く何百ものツムジ…
まだ光灯らずの、ルミナリエ回廊。

“わ、点灯の瞬間を見るの初めて!"

点灯時刻まで、あと15分。

しかして、人が集まるトコロ…
雑音が聞こえてくるのは、世の常で。

“…はよ点けてくれたらええのにねぇ"

こういう時、口火を切るのは…
91.563%、人生折り返した♀族。

時間になりゃ黙ってても点くのに…
なぜ、不要な言葉を吐いちゃうのか?

15分くらい黙って待たれよ…
ミセス・トリケラトプス。

…と、テレパシーを飛ばす。

“…ほんまやわ、待ってんのにねぇ~"

みんな待っとるのでござるよ…
マダム・プテラノドン。

“もう点けなアカンわなぁ~"

ムリに早めることもなかろう?…
イウォークみたいなお局樣よ。

こちとら、満員電車の如く突っ立ち…
逃げるに逃げられぬ軟禁状態。

わが頭の真後ろで飛び交う…
ダミ声、キンキン声、似非上品声。

仲間内では楽しかろうが…
他人にゃ苦痛、音の拷問。

耳栓持ってくりゃよかった…
せっかくの厳かさが台無しだ。

…と嘆くうち、遂に点灯!

“おわ!キッレ~ぇ!"

ふふ、ひらがなカタカナ混じり文で…
声にならぬ声の感動呟く自分の耳に。

“あ!先頭、やっと動いたゎ…"

えぇーっ!?

点灯よりも、そこに感動?

さらに真横辺りから、今度は♂族…
ムッシュ・バーコードのテノールが、
お連れのミス・朝青龍に。

“おお!回廊って100mくらいやなー"

うーむ…
点灯直後、感動するのはそこ?

彼らにゃ、鎮魂のルミナリエさえ…
冬イベントのやっつけ仕事と化すか?

ほどけ始めた人混みをこれ幸いと…
雑音源から、桂馬飛びに遠ざかった。

ふぁ、静かー。

気を取り直し…
眩い光を全身に浴び、回廊をてくてく。

恥ずかしながらに告白するが…
あまりの美しさ、神々しさに、
わが涙腺は毎年緩む。

まぁ、人前なので堪えるものの。

この “恥ずかしながら” の涙こそ…
1年間に溜め込んだ “怒” と “哀” が、
光のシャワーで昇華した証なのだ。

ん!?

さっきの雑音源への怒りも…
もちろん一緒に、綺麗サッパリ?

あは、よくお分かりで!

ただし!

もはや、あの雑音群…
自分的 “怒” の枠を通り越し、
振り分けられたのは “哀” の枠。

しかも!

正統 “かなしい” 枠ではなく…
特設 “あわれ” 枠だったことを、
吐露しておきたい。


§(C)2017@S.Kayaori§
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あやとり少年Ψ(〃^ー^〃)Ψ

テーマ:

師走のとある日…
陽光の中にデジャヴュを見た。

それは、カルガモ親子みたく…
おかんの背を追うコナン君だ。

陽光射すとはしながらも…
空気ヒンヤリ、初冬の寒空。

半ズボンに、可愛いメガネ。

ふふ、コナン君…
その真剣な眼差しは。

彼の10本指が紡ぎ出す…
幾何学模様に注がれていた。

先行くおかんの背はもとより…
周囲さえ見えていないだろうことは、
遠目からでも察しはつくが。

つまずくでなし…
ぶつかるでなし。

あさっての方向へ逸れるでもなし。

器用にヒョイヒョイ…
おかんの後追い。

彼なら歩きスマホも大丈夫だな?

妙な納得をさせてくれた彼——
コナン君は、実に…

…あやとり少年だった。

ちっちゃな指10本に掛けた、白いヒモ。

指を曲げ、抜き、捻るたび…
現れては消える万華鏡の模様の如く、
次々と変わっていくヒモのあや。

陽光に包まれた、あやとり少年。

ヒモに夢中のその姿に…
小学生だった頃の自分が重なる。

何を隠そう…
自分もあやとり少年だった由。

だから、デジャヴュ。

毛糸玉が…
溢れるほどあったリビングで。

ほんの60cm足らず…
白い毛糸クズを貰ったのが始まりだ。

“あやとりって知ってる?"

おかんの軽いひと言が…
自分の凝り性に火を点けてしまった。

毛糸を結んで輪っかにし…
教えてもらった指さばきで、
ギター弦な感じにしてスタンバイ。

“…で、どーすんの?"

“ん…こーして、こーして…"

…こーすんねん、と。

自慢げなおかんの10本指に…
見事、毛糸の輪っかが奪われた。

しかも、違う幾何学模様!

“ほら、巧いこと取ってみ?"

どの部分に、どの指を掛けるか…
素直に取るか、捻って取るか?

そして、奪った瞬間。

ただのもつれたヒモになるか…
新たな幾何学模様が生まれるか?

あやとりのやりとり。

この知的興奮にハマったその時以来…
四六時中、“ね、取って取って!"攻撃。

おかんには、さぞ地獄だったろう。

忙しくて、取ってもらえない時には…
“ひとりあやとり”に夢中になった。

得意だったのは〔ハシゴ〕。

その〔ハシゴ〕から…
指1本を抜けば出来る〔東京タワー〕。

ホウキのような〔熊手〕。

あと、あやとりっぽくないあやとり…
手品みたいな〔指抜き〕。

この4つなら…
たぶん、今でも指が覚えている。

陽光の中に、デジャヴュを見た。

コナン君みたいな、あやとり少年。

今頃、また新しい幾何学模様にでも…
ココロ躍らせているに違いあるまい。

そのうち、野比家ののび太クンが…
実はあやとりキングだということも、
風の噂に聞くことだろう。


§(C)2016@S.Kayaori§

魂なき仏像ヘ(゜ο°;)ノ

テーマ:

世界の七不思議。

空中楼閣、錆びない鉄柱…。

そのうちの1つ…
エジプトはギザの、3大ピラミッド。

クフ、カフラー、メンカフラー…
歴代の王が眠る墓廟、だとか。

母なる地球のツボを押さえる…
レイ・ラインのエネルギー弁、だとか。

果ては、人類の未来を…
四角錐の寸法に練り込んだ立体預言書、
だとか。

目的も工法もカンカンガクガク…
未だ新しい発見も相次ぐ、
謎多き巨大建造物。

オカルト好きの自分には…
実に、夢とロマンを与えてくれ…。

さらに!

建築物好きのもう1人の自分には…
深い感銘をも、もたらしてくれる。

巨大ピラミッド。

四角錐のみに拘らず…
巨石を積み上げた謎の建造物、
…そんな括りで見てみれば。

南米初め、点在するは世界各地。

ソイツらすべてを俯瞰すると…
建築物として面白い傾向があることを、
いつぞやの読書で知ったからだ。

著者曰く…

“…なんと、建造年代が古いモノほど…
保存状態が良いのである!!”

…と、ダブルびっくりマーク付き。

初期に造られたモノほど、持ちが良く…
後期に向かうほど、杜撰で脆い。

うーむ、年代が進めば…
建造技術も進歩していように?

…なのに~、な~ぜ~?

などと…
他人事のように不思議がることはない。

平成の世に林立する…
箱庭のような家屋を見よ!

遥か未来の考古学者や建築家は…
その著書に、きっとこう書くだろう。

“…なんと、建築年代が古い家屋ほど…
保存状態が良いのである!!!!”

もちろん…
びっくりマークは倍付け。

初期のモノほど持ちが良い…
それは、建築物だけに留まらない。

シリーズものの映画は…
回を追うごとに尻すぼみ。

昭和に買った靴は、未だに履けるが…
平成の靴は、接合部が1年もたない。

機械仕掛けの昔のクルマは…
交換部品がある限りトコトン乗れるし、
人間工学的な配慮も感じるが。

電子制御の今のクルマは…
デリケートにして複雑怪奇、
電子部品は素人にゃ手に負えない。

その上、乗り心地も操作性も…
ただ数値の整合ありき、
…な感じではないか?

例を挙げれば、いくらでも。

師走の初め…
恒例のガス設備法定点検を受けた。

かつて、一世風靡した漫才師…
“あるある探険隊”の太った方、
みたいな点検員がわが家に。

すると。

“…あぁぁーっ!?”

わが家に10年以上鎮座まします…
3口のガスコンロを見た途端!

復員したわが子と再会を果たした…
そう、岸壁の母の如き感激を見せた。

“これ、古いタイプですけど…”

…いちばんイイ時代のコンロですよっ!

彼は心底、感激しているようで…
嬉々として点検している。

“…あは、でしょーっ!”

自分も、暗に彼の意に同感…
コヤツ職人だな、と息を合わす。

“今のは複雑過ぎて、故障も多いんです”

“安全便利の為…が、却って故障を招くんでしょ?”

“そう、これは仕組みが簡単ですから…”

…部品さえあれば、まだまだ使えます!

と、手際よく点検完了。

“あはは、シンプル イズ ベストっすね?”

“そう、簡単なのがいちばんです!”

ふふ、しかして判定は?

“まったくの優良です、問題なし!”

…やったー!

ヒトの技術にも旬がある。

それは、熱意に技術が追い付いた…
まさにその瞬間だと言える。

その後、熱意は冷め…
技術だけが独り歩く。

エジプトのピラミッドも…
そんな道程を辿ったのではあるまいか?

そして、平成のニッポン。

杜撰にして脆い、魂なき仏像たちが…
身の回りに溢れ返っている。


§(C)2016@S.Kayaori§