アフリカはサバンナ。

ウィキってみると…
漢字表記もあるらしい。

砂伴霖。

なるほど、巧いね…
砂を伴った木々立つ草原、
“雨" 冠はスコールのことだろう。

サバンナ。

焼肉定食、じゃなかった…
弱肉強食、野生の王国。

強き者が繁栄し…
弱き者は衰退するシンプル・ワールド。

鹿に似たインパラの群れが草を食み…
首の長いキリンが更に首を伸ばして、
高い木の葉をモグモグ。

水浴びするカバの大あくび…
デカい象の群れに踏まれそうなチビ象。

そして。

そいつらを遠巻きに狙う…
百獣の王、ライオン。

木の枝に寝そべる…
眼光鋭い、しなやかなチータ。

草陰に爪研ぎ澄まし…
虎視眈々、獲物を狙うトラ。

空には、悠々と地上を見渡し…
アリの動きすら見逃さぬワシが飛ぶ。

サバンナじゃ…
草食動物たちは、ドキドキだろうね?

だから…
キリンが逃げれば、みんな逃げる。

背高いキリンは…
草食動物たちの監視塔ってわけ。

サバンナ、野生の王国。

さて、過日。

コンクリート・ジャングル…
東京から遊びに来た友は、
自分のなにげな問い掛けにこう答えた。

“ああ、東京にもいるいる…"

…弱いから群れるんだよ、と。

リクルート・スーツ、紺色の群れ。

同じような黒のビジネスバッグ…
笑顔の下に見え隠れする不安感。

それでもワイワイ、ガヤガヤ…
歩道いっぱい広がり歩く、
どこぞの新入社員ども、いや、たち。

2、3人ならまだしも…
年々、群れの個体数は増加。

今年見かけたのは…
もはや、学童集団登下校。

社会人“らしき"リクルート・スーツが…
群れ戯れて出退勤する様は、
あまり美しい絵ではないなと前々から。

“…最近、ものっそ群れてない?"

それが、自分の問い掛けだった。

女リクルートはそうでもないが…
男リクルートはワラワラ群れる。

自分にゃ、かなり違和感ある光景…
他人の目にはどう映るのだろう?
と疑問だったが。

彼の、間髪入れぬ応えからして…
自分の近辺に限らぬ現象だった模様。

群れるリクルート・スーツ。

まさか…
小学生のように。

朝夕誘い合わせ…
出退勤ランランラン♪、
なんてことあるまいな?

うーむ、就職祝いに…
ランドセルをあげようか。

…とは、言い過ぎとしながらも。

群れている間は…
お互いの貴重なソロ時間が、
食い潰されているのもまた事実。

群れる時間を…
自分の思考に費やしたヤツと比べれば。

将来、雲泥の差が出ると断言する。

正三角形を見よ!

始点は同じでも…
角度が60度違うだけで、
片や底辺を横移動するのみ。

片や、右肩上がりで頂点に達する。

どちらがどちらかは、言わずもがな。

ヒュ~ルリ~
ヒュ~ルリ~ララ。

ネコ科猛禽属のかやおり鳥は…
大空を舞いながら、地上を見下ろす。

ふふ、今日もいるいる…
群れる草食系インパラ男子。

街のサバンナ化は…
日に日に明確さを増している。



§(C)2016@S.Kayaori§
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わが人生初のドライブ・デートは…
水族館だった。

神戸の須磨水族館。

“控えおろーっ!"と…
若葉マークを頭上にかざし。

ははーっと恐れ入らせた…
そのレンタカー屋で借りたのは。

近々復刻されると聞く…
当時流行ったホンダのシビック。

あは、レンタカー屋も…
別な意味で恐る恐る、だったろう。

慣れぬ高速を突っ走り。

ようやく辿り着いた時にゃ…
もう汗だくだく。

それでも、表情は昔から…
シラッとしたポーカーフェイス。

女の子にいいトコ見せたいという…
哀しきオトコの性も、多少含まれ。

須磨の水族館。

言うまい、言うまいと…
心に誓って出発したその日。

いざ、水槽を前にすると…
壊れた蛇口のように漏れ出てしまった。

“サカナ、美味そやな~♪"

…コホンっ。

あー、水族館に来たならば!

10人中、9人は口にするだろうと…
自分は見立てているが。

もはや、言い倒された…
お約束の不活性ベタギャグ、
失笑を買うは、明白。

…なのに、勝手に口が動いてしまう…
哀しき関西人の性@水族館。

さて、おととしだったか…
わが京都にも水族館が出来た。

ようやく馳せ参じたのは…
まだ桜が咲き誇っていた先月だ。

『桜とイワシ』。

館内デコレーションは…
確かそんなテーマだったやに。

蒼く煌めく巨大水槽…
銀色に輝くイワシの大群。

一糸乱れず統率され…
ぐるぐる回転しながら回遊する様は、
まるで変幻自在のアメーバのよう。

天井から垂らされた…
幾枚もの半透明な布に、
舞い散る桜吹雪が投影され。

ただ眺めるだけの水族館…
…とはひと味ちがう幻想体感空間が、
薄闇に広がりワクワクする。

わが京都が誇る一級河川、鴨川に…
いるいると聞いていた天然記念物、
オオサンショウウオも。

ヌメヌメ、テカテカ…
水槽の隅っこでギューギュー詰め。

オタマジャクシをデカくして…
短い手足を付けたようなその姿。

来世、コイツらに生まれ変わったら
どうしよう、なんて思わせる。

だって、暇以外…
メリットなさげだもの。

クラゲ・ルームに癒され…
まさかのゴキブリ展示で総毛立ち。

イルカ・ショーでは…
ヘソを曲げた1頭で大いに沸いた。

今思えば、ヘソ曲げも演出ぽい?

とまれ、海から遠い市内住みには…
身近に海を感じられ、嬉しい限り。

京都もこれで水族館都市…
大阪や兵庫まで出向かずとも、
散歩がてらにイルカ・ショーだ。

さて、水族館回遊後は昼メシタイム。

訪れたのは…
歩いて10分ほどの中央卸売市場。

敷地内に、水族館直送…
いや、市場直送のネタを味わえる
寿司屋があるのだ。

そう、昼メシは…
けけ、お寿司。

“サカナ、美味そやな~♪"と…
ギャグらずにはいられなかった、
初ドライブ・デートのあの頃から。

ウン十年という歳月を経た、今。

単なる言葉遊びに終わらせず…
ホントに食っちゃうシュールさを、
身に付けていたのだった。


§(C)2016@S.Kayaori§
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少女の残酷!?(^。^;)

テーマ:

“パパぁ~?おっぱい出てるぅ~!"

子どもの無垢は、時に残酷。

彼の無邪気な雄叫びで…
会場は、一瞬凍りつき。

オトンは、赤面苦笑い。

それは、いつぞやに赴いた…
ジオラマ作家の造形展。

確か、NHKの朝ドラかなんかで…
クレジットの背景映像に使われた、
ファンの多いジオラマ作家のヤツだ。

テーマは、戦後風俗。

『三丁目の夕陽』が如く…
懐かしき昭和の精巧なジオラマに。

人差し指ほどの…
これまた精緻な人形たちの、
生き生きとした生活臭。

戦後風俗。

場末のジオラマに…
ストリップ小屋が建っていた。

件の子どもは、その中を覗き込み…
艶かしいストリップ嬢を見て、
そう叫んだのだ。

子どもの無垢は、パパに残酷。

さてさて。

つい先頃、フクロウを愛でてきた。

関東方面には、猫カフェ同様…
その手のお店があると風の噂に。

いやぁ、何でも商売になるもんだ。

入場料600円。

ニコニコ現金払いで中へ入った…
『京都フクロウの森』。

“…フクロウを撫でる時は…"

…手の甲で、頭から背中を優しく、と
ジェスチャーを交えた説明を受ける。

時間無制限の、撫で放題。

ジブリっぽい森のジオラマ…
ぐるぐる回遊出来る、小さな径。

客は、径沿いにフクロウと出会い…
癒されるまで触れ合える。

カフェはない。

木立の枝々、葉っぱの陰に…
透徹したオーラを纏う、森の賢者。

見事なまでに気配を殺した佇まい。

時折見せるアクビや羽根繕い…
360度の首回しがやけに派手に映る。

赤ちゃんほどに大きなヤツから…
手にスッポリ収まる小さいヤツ。

鋭い眼光のキザなヤツから…
眠たげな目線で宙を見つめるヤツまで。

森の賢者とはしながらも、猛禽類…
いざ触るとなると、嘴が気になる。

手を餌と間違えないでね、と願いつつ。

湯沸かしポットみたいな…
真っ白なヤツに、初タッチ。

一瞬、首をすくめるも…
あとは微動だにせぬ、湯沸かしポット。

しかして、何たるホワホワ感!

さらに、何たるツヤツヤ感!

もひとつオマケに、何たる滑らかさ!

手の甲は、何の抵抗もなく…
頭から背中を行ったり来たり。

“いやぁ、上質なお召し物ですなぁ"

…なんて、考えりゃ当たり前か。

フクロウ、いや鳥たちにしてみれば…
身に纏う羽毛は、一生モノ。

体温調節、カモフラージュ…
外傷防御に、揚力コントロール。

言わば、命を全うするための洋服…
超一流の仕立てなのも頷ける。

ホワホワ、撫で撫で…
あまりの心地よさに、回遊3周。

足が疲れてきたので、ベンチで休憩。

すると、女の子連れの若夫婦がご入場。

間近に見る森の賢者に…
ちっちゃな女の子は大はしゃぎ。

そして、しばらくして聞こえてきた…
女の子の恐ろしいセリフ。

“ママぁ~!鼻から汁出してる~ぅ!"

パパママ、絶句。

さすがは子ども…
見たままダイレクト超特急!

確かに、森の賢者若干1羽…
鼻水をお垂らしあそばれていたが。

それにしても…
鼻から汁って、そのままやん。

ベンチの上で、思わずコケましたわい。

…ふふ。

子どもの無垢は、時に残酷…
子どもの無垢は、パパママ瞬殺。


§(C)2016@S.Kayaori§
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京都スカラ座、東宝公楽…
京都ピカデリーに京都ロキシー。

京都松竹座、松竹京映…
京極東宝に、京都弥生座1と2。

そうそう、京都宝塚劇場なんてのも。

昭和の京都…
軒並みだった単館映画館も、今は昔。

シネコンに圧倒され廃業、廃館…
跡地はホテル、ファッションビルやら。

自分にゃ、何とも淋しい限りだが…
街の新陳代謝と思えば、それも結構。

さて4月半ば、友と夕食を楽しんだ。

場所は、ふふ…忍者屋敷。

『京都忍者迷宮殿』。

新京極から細い路地を抜け。

昔はポルノ映画の八千代館…
今はヤング・カジュアルの店となった
一角の、すぐ近くにそれはある。

黒壁の外観を背に、黒装束や…
“くのいち" 姿の案内忍者がいつも居て。

“面白そうだな、いつか来よう"

と、企んでいた…
エンターテイメント・レストランだ。

その日、夕刻5時20分。

“くのいち" 姿の案内忍者に…
予約していた旨を告げた。

ちなみに “くのいち" とは…
“女" という漢字を分解して “くノ一" 、
つまり女忍者を意味する。

“おぉ、これはようお越しくだされた…"

…ただ今、出迎え忍者を呼びまするゆえ、
しばしお待ちくだされよ、と。

あは、思わず “かたじけない!" …
そう返したくなるノリノリ “くのいち" 嬢。

“や!? これはようお越しくだされたな"

すぐに現れた出迎え忍者…
“早速、中へ案内致しますぞ"。

“案内" はもちろん、“あない" と言う…
覆面取れば、イケメンぽい出迎え忍者。

“ささ、屋敷は迷路のように…"

…なっておりますからな、と
指差し、手差しのコミカル口上。

確かに、中は薄暗い洞窟風。

そして、怪しげな開き戸の前に来た。

“この扉、呪文で開きますのでな…
大きな声で'ニンニン'と唱えてくだされ“

ささ、恥ずかしがらずに…
1回で済ませてくだされよ?と、
楽しげに念押し。

両手で忍者の印を結ばされ…
友と声合わせて、“ニンニン!" 。

バンっと勢いよく開いたが…
実は、出迎え忍者の密かな足蹴り也。

いやぁ、実に愉快。

完全個室の食事場所に行くまでが…
すでにエンターテイメント。

食事の合間に上級忍者の妖術に湧き…
ボトルワインと忍者料理の数々に、
大満足の舌づつみ。

“あの出迎え忍者、いい声してるよね"

微塵の照れなく…
完全に忍者化していた出迎え忍者。

セリフの最後に、いつも…
“…、ニンっ!" と気合いを入れるのも、
友ともども超ウケの忍者レストラン。

〈忍冬〉ーーすいかずら。

そう名付けられた間接照明の個室で…
忍者からもてなしを受けるとは、
夢にも思っていなかった。

高校時代、この忍者屋敷も…
美松映劇と美松劇場の2館が並ぶ、
老舗の映画館だったのだから。


§(C)2016@S.Kayaori§



旅行の専門学校を卒業し…
そのまま添乗員として、
列島各地を飛び回っていた20才辺り。

行く先々で、必ず!…
…と言っていいほど出会う、
2人の男がいた。

出会い率 96.214%…
彼らの名は、空海と芭蕉。

時に銅像、時に句碑。

立体、平面…
あらゆる形態で先回りしている彼ら。

空海は、錫杖で列島を突っつき倒し…
芭蕉は、言葉で列島を切り取りまくり。

空海ゆかりの湧き清水…
芭蕉は『奥の細道』。

至る所、彼らの影だらけ。

今、列島のどこかに旅行中のあなた!

ほら、その温泉…
もしや、空海絡みじゃありませんか!?

ほら、あの絶景ビューだって…
すでに、芭蕉が詠んでやしませんか!?

カメに追い付けぬ、アキレスの如く。

後世に生きる我々は、決して…
空海と芭蕉には追い付けぬ由。

つい先日も…
極々身近に、芭蕉の影がちらついた。

海からのUSJ上陸作戦…
決行日当日。

友とのランデブー・ポイント…
JR大阪駅に向かう電車の中で。

久々、揺らめく芭蕉の影。

それは、子どものように純粋な…
老翁の口からもたらされた。

朝7時台のJR電車、予想外の混雑に…
“ひょっとして、通勤ラッシュ?”。

補助席も満席、陣取ったのは…
比較的空いていたドア付近。

発車ベルと同時に…
いよいよ件の老翁が乗り込んできた。

皺が刻まれた日焼け顔だけを正面に…
曲がった腰、左右肩にたすき掛け鞄で
ヨチヨチと。

まぁ、何の変哲もない老翁…
実はここからが独壇場。

“どうぞ、おじーサン…”

何の変哲もない若奥様が席を譲る。

“わァ~こりゃ、すんませんなァ~”

文字では音量が伝わらないが…
まぁ、ご想像どおりMAXである。

“いやァ~えぇことしなさった…”

…えぇ人やなァと、若奥様に満面の笑み。

“今日宝くじ買いなされ、当たるから…”

…そーら、じぇったい当たる!と太鼓判。

わぉ、この翁って福の神?

“ワラシ[私]、福井から来ましてん!”

…と続けて誰彼ともなく、自己紹介。

“…孫に、3万渡して来ましたんや”

おぉ、やっぱり福の神!?

“…入学祝ですねん”

ふふ、孫が可愛いのだろうねぇ。

個人情報ダダ漏れ気味の老翁…
銀行の暗証番号、言っちゃダメよ?
…と、内心ヒヤヒヤして聞いていた。

“…これから、すーぱーらいちょーに
乗りますねん“

プッと思わず吹きそうになった…
…のは、自分だけではない。

みんな、顔を伏せ気味にしているが…
肩や頬では笑いを堪えている。

“ひゃァ~京都の山はキレイやなァ~”

車窓には、朝日に燦々と照らされた山々…
若々しい新芽が神々しく輝いている。

“目に青葉…”

キターッ!老翁、予想外の俳句攻撃!

“…山ほととぎす…”

読書していたサラリーマンに…
ニヤニヤしながら顔を向けたら、
彼もニヤけてこっちを見ていた。

“…初鰹…あァ~松尾…芭蕉ォ~”

終点のプラットホームに…
電車は滑り込んだ。

“おじーサン、元気でね!”

若奥様が…
にこやかに別れを告げていた。

道中、あるがままだった老翁…
車内を爽やかな微笑みで満たした老翁。

まさに、時ならぬ福の神だった…

…と、美しく締めたいところだが。

鋭いみなさんは…
すでにお察しのことだろう。

老翁が気持ちよく完詠みしたあの俳句…
松尾芭蕉ではなく、山口素堂の作。

ふふ、さすが松尾芭蕉…
ガセでも影をちらつかせるのだ。



§(C)2016@S.Kayaori§