今日はついにラマダーン(断食月)最終日。
去年は結構頑張って断食にトライしていたのですが、今年はゆるりと断食にのぞんでいました。
フィールドでバリバリ働いているスタッフはムスリムでも結構ちゃんとごはん食べていたし、やっぱり暑い中で無理は禁物。去年は断食を言い訳にパフォーマンスの低下を仕方なしと思っていたのですが、今年はパフォーマンス優先で。6日間しかちゃんとロジャ(断食)しませんでした。
ロジャするときは、深夜3時に一旦起床。その時、ちょうどモスクからの放送が流れます。
「いま、3時です、みなさーん、セヘリを食べましょう。今日の夜明けのアザーンは、3時53分です。」
といった具合に、同時にサイレンが大音量で流れます。
疲れているときはこの音も気にならないくらい爆睡しているのですが、これが結構うるさい。
隣の県では、「3時だよ♪皆で起きよう~♫」って感じのポップな音楽が流れていたそうです。
去年、村に泊まっていた時は、地域の青年団が、太鼓叩きまくって集落を練り歩いてました。(超うるさい)
地域差があって、面白いですね。
この放送や地域の太鼓は実はとても重要で、なぜかというと、夜明けのアザーン(モスクからのコーラン放送)が流れる前に、ご飯を食べ終えなくてはならないからです。これをセヘリと言います。
私は、キチュリ(バングラのカレー炊き込みご飯)を作ったり、ご飯とみそ汁を食べたりして、断食に備えます。うっかり寝過ごして、何も食べずに断食に臨むこともありました。
私特製キチュリと卵焼き。もちろんベンガル料理は、自宅でも手でいただきます。
朝3時53分ごろにアザーンが流れてから、その日の夜の7時ごろのアザーンが鳴るまで、水も食べ物も口にできません。厳格なムスリムは唾さえ飲み込みません。「ごろ」というのは、月の関係で、今いる場所や日によって時間が変わるからです。月を見て、月と共に祈る。なんだかロマンがありますね。
断食初日は結構体が慣れず、水を欲して苦しい思いをするのですが、慣れるとそんなに辛くないです(オフィスワークの時は)。多少空っぽの方がむしろ頭がさえる気がします。この感じが、ムスリムたちいわく、「神に近づく」感じなのでしょうか。
断食だけしてもダメで、この時期、ムスリムたちはお祈りの時間を普段よりとても大切にしています。私は断食だけしていたので、「その断食は意味がない!お祈りしなさい!」と同僚に言われたりもしました。
夜の7時ごろにアザーンが鳴るのを、みんなイフタールという断食明けの食事を用意して待ちます。
「待て」の状態で、美味しそうな匂いのする食べ物を目の前に、みんなでじっと待機する様は、ちょっと面白いですが、今となってはベンガル人と空腹の気持ちを通わせた貴重な時間です。
主に揚げ物で、辛いのと甘いのが混ぜ混ぜで、バングラ隊員内でもイフタールは評判が悪いのですが、私、結構好きなんです。イフタールを美味しく食べるために断食したりもしました。
この時期、イフタールのダワット(ご招待)をいただくことが多く、私も夕飯代わりに知り合いの家をイフタール食べに渡り歩いていました。
多分、空腹は最高のスパイス、これに尽きるのでしょう。
モスクからアザーンが流れた途端、みんな一斉にジュースを飲み干します。(このピンク色の)
レモンのさわやかな香りと、潤いが乾いた身体に染みこんで行く感覚が、たまりません。変な色しているのは、気にしない。
そして、豆やポン菓子や甘い揚げ物やナスや玉ねぎの揚げ物などを、細かくちぎって、ぐちゃまぜにして食べます。1日たって空っぽになった胃袋が、この辛いのと甘いのと油モンとポン菓子の絶妙なハーモニーで満たされていきます。
私を事前に招待してくれたお家は、グリルチキンを特別に買ってきてくれたりして、これがまた、ヨーグルトソースと合う!大好きです。チャイニーズレストランから、フライドライスや、フライドチキンを買って用意してくれたお家もありました。まあ、同じ東洋の平たい顔族ですから、そのお心遣い、ありがたいです。
今日は最終日なので、眠たい目をこすりながらセヘリにインスタント親子丼を食べ、日中は断食をし、夜にはいつもお世話になっている家族と一緒にイフタール。これが最後のイフタールだと思うと、ちょっとさみしい。
ラマダーン明けのお祭り【イード】に向けて、ディナジプールの街もなんだか浮かれ気分です。
今晩は、夜通しお店も開いるそうで、みんな買い物に大忙し。
お祭りを目の前にしたこの感じ、すごくワクワクする!