インテグラル 顧客本位でデジものネット通販
テーマ:アスクル通販「起業したい」。インテグラルの藤田智久社長がそんな思いを抱いていたのは、大学2年生の時。時はまさにITバブル。若いベンチャー起業家たちが“時代の寵児(ちょうじ)”ともてはやされ、マスコミも連日彼らを取り上げていた。自分と年がさほど変わらない彼らの活躍を見ると漠然とした思いが、「いつか自分も」に変わっていった。
そんな時、インターネット通販のアルバイトをする機会を得た。そこでインターネットの興隆を目の当たりにした。当時、インターネットの普及は進んでいなかったにもかかわらず、注文の数は右肩上がりで増えていた。注文や在庫などを管理できるシステムさえ構築すれば、誰でも出店できる。しかも、実際の店舗を構えることがないため、投資費用もかからない。「365日・24時間の営業が可能とくれば、小売業の主役の座は近い将来、ネット通販に変わる」と答えが出るまでに、さほど時間はかからなかった。学生生活を終えるまでネット通販と真剣に向き合った。
就職は大企業を選んだ。「いずれ起業するにしても、大企業の組織を勉強するのはプラスになる」との思いからだ。しかし、サラリーマン生活は水に合わず、上司と業務で衝突する日々が続いた。「徐々に会社内に居場所がなくなっているのが分かった」と当時を振り返る。就職からわずか2年半。会社を去る決意を固め、起業家の道に入った。
ビジネスは決めていた。学生時代に経験したあのネット通販だ。商材は通称「デジもの」と呼ばれるデジタルカメラや携帯音楽プレーヤーなどの記録媒体として利用されているメモリーカードやパソコンの周辺機器など。ネット利用者が頻繁に購入してくれる商材だけに、参入企業は多く、生存競争は激しいことでも知られる。しかし、あえて厳しい市場に参入した。ネットの普及率と同様に会社の業績も右肩上がりで拡大。2007年2月期に約2億6000万円だった売上高は、09年2月期に5億円を突破する見通しだ。
急成長を続けるデジもののネット通販市場も異変が起きている。これまでの安さ追求の一辺倒から品ぞろえの豊富さや配達期間短縮といった総合的なサービスが問われるようになっているためだ。「安さだけをうたっても、注文した商品が届くのは3カ月も先というようでは顧客からそっぽを向かれかねない」と気を引き締める。
同社は多様化するニーズに対応するため、テレビやDVDレコーダー、デジタルカメラなどの取り扱いを開始したほか、携帯電話専用サイトを立ち上げた。商品ラインアップは現在の1500アイテムから2009年初めには5万アイテムにまで拡充する予定だ。顧客満足度の向上への取り組みに終わりはない。
出典:フジサンケイ ビジネスアイ
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