教室から黒板が消える? 電子情報ボード、現代っ子にぴったり
テーマ:ホワイトボードかつて教室に欠かせなかった黒板が徐々に姿を消し、ホワイトボードや電子情報ボード(電子黒板)に取って代わられつつある。とりわけ教師がパソコンに入力すれば文字や図形などが写し出される電子黒板は、IT技術にも慣れ親しむ現代っ子たちのライフスタイルにぴったり合い、授業の「食いつき」も上々という。一方でチョーク書きのよさを見直す動きもあり、新旧の「板書」をめぐるせめぎ合いが熱を帯びている。
電子黒板は多機能
平成18年に開校した立命館小学校(京都市北区)は、全教室にホワイトボードを設置。電子黒板も関西で初めて全教室に導入した。
電子黒板は、教師の手元に置いたパソコン画面が映し出される仕組み。電子ペンで黒板をなぞれば、文字を直接書き込むこともできる。教科書の特定のページやホームページの画面を映し出したり、漢字を書き順通りに自動的になぞる機能もある。
前川善彦事務長補佐は「テレビやパソコンのディスプレーに慣れた子供たちを、黒板とチョークで集中させるのは難しい。その点、電子黒板では反応が違う。時代にあった教育を考えた」と導入の理由を説明。「教室で給食も食べるので、チョークの粉が気になる」という教諭らの意見も重視したという。
実際の授業では、ホワイトボードを中心に使いながら、児童を飽きさせないために電子黒板を効果的に併用。廣岡裕子教諭は「教師がチョークで書きながら説明していた黒板と違い、子供たちと目を合わせられる時間が多くなり、一人一人の表情がより把握できるようになった」と話す。
従来型の生産は激減
電子黒板とホワイトボードは、昨年創立された関西学院初等部(兵庫県宝塚市)でも全教室に導入し、甲南小学校(神戸市東灘区)でも導入を検討中という。
こうした状況を受け、黒板の生産は当然、減少している。全国黒板工業連盟によると、加盟49社の従来型黒板の年間生産量は、平成19年度で16万平方メートル。ピーク時は60万平方メートル市場ともいわれたが、16年度と比べても半減した。少子化に伴って全国で小学校が毎年約200校ずつ減少していることも、その傾向に拍車をかけているという。
公立小学校については、「1台数十万円もするため、電子黒板の整備はなかなか難しい」(大阪府教委担当者)といい、導入が進んでいないのが実情。しかし、23年度から公立小学校でも全面実施される外国語教育に向け、文部科学省が電子黒板で使える教育ソフトを配布する予定で、普及に弾みがつく可能性があるという。
根強い支持
とはいえ、「黒板には黒板の良さがある」と従来型の黒板に強くこだわる私立小学校もある。
追手門学院小学校(大阪市中央区)は、電子黒板などの最新設備も整っているが、20年度に新設した1、2年生の教室にはあえて従来型の黒板を導入した。津田克彦校長は「漢字のとめ、はね、はらいなどは、表面が滑りやすいホワイトボードでは表現しきれない。黒板なら力を込めてはっきりとした文字を書けるし、チョークで太さを調節もできるので、文字を学ぶ初等教育には適している」と話す。
黒板のトップメーカー、青井黒板製作所(大阪市北区)では、46年前にホワイトボードを初めて開発したが、学校用の黒板とホワイトボードの生産量は3対2の割合で、依然として黒板が優位を保っている。青井諄治社長は「ホワイトボードは光沢がある上、水性ペンの字は細くて見にくいという欠点がある。教室の大勢の子供にはっきりとした文字を見せられるのは、やはり黒板。教室から黒板が少なくなっても、決してなくなることはない」と話している。
出典:MSN産経ニュース
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