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小さな種を
ひとつ
埋めました。


それは
大きな花が咲くのか
小さな花が咲くのか
実が成るのか
草になるのか

わかりません。


風と一緒に
どんな香りを漂わせて
青空と一緒に
どんな色を彩るのかも

わかりません。



埋めたのはわたし。



多少
土壌が悪くても
栄養が行き届いてなくても
いい。


ちょっとくらい
水をあげ忘れても
日陰に入っていても
いい。


わたしが心配するほど
弱くはないのです。


芽が出たらいいな
咲いたらいいな
実が成ったらいいな
ずっと
活きていたらいいな


この種のまわりに
そんな想いが撒かれたら
絶対に枯れたりはしないのです。



空の上に
土の下に
両方に

どちらに向かっていこうとも

その種にすらわからない
姿かたちが待っています。


わたしはね
それが
楽しみで仕方ないよ。


いいな
いいな

この種いいな。





『この種。』

*Satomi*