2008年12月31日(水) 10時00分00秒
図書館へ
テーマ:全般
2008年での、最後の文章を送らせていただきます。
このメールマガジンに
この一年間、お付き合いいただきましてありがとうございました。
今後とも微力ながら情報発信を続けてまいります。
どうぞ、よろしくお願いします。
2009年が、あなたにとって、さらによい年となりますように。
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【図書館へ】
「なんとか今年も年を越せそうだ」
私が言いますと、周囲の人は、
私が決して人並みには働いていない
そう確信していますから笑い出すことでしょう。
いや、冷笑かもしれません。
日本にいるとき、
たとえばある日の行動はといえば
朝起き出して、コーヒーの飲みながらゆっくり朝刊を読む。
「なんやら、靴の宣伝が増えたなあ」とつぶやく。
そして、図書館に行く。
帰ってきたらパソコンに向かって作業している。
暇そうに見える。
書いている自分まで納得できるくらい暇そうである。
まったく個人的には困ったことです。
まあ、そう言いましても、
ふと自分の机の上のメモを見れば
「どすこい音頭(○○の替え歌)」と
歌詞のようなものがなぐり書きされていたりすると
ますます私が暇という傍証を増やす結果になってしまいます。
しかし、やみくもに動けばよいというものでもないのです。
【図書館通い】
私はバンコクでも日本でもよく図書館にいます。
よく書物を読んだり調べ物をしています。
図書館通いをしていた著名人も、
もちろん私の知り合いではありませんが、多くおられます。
学者と言われるマルクスは、ロンドンに住んでいた時、
毎日大英博物館に通って膨大なノートを取っていました。
読書室の「K8」が指定席で、帰ってからもノートの整理など。
現代人が考えるような、原稿料が容易く入る生活ではありません。
彼は気分転換に数学の問題を解いていたといいます。
また、住友金属鉱山の株を買ったりして知られる
是川銀蔵氏も、図書館通いをしていた時代があります。
事業が昭和大恐慌のあおりで倒産したあと、
彼は3年間もの間、図書館通いをしていました。
4人の子どもを持ち、
知人に借りた家の家賃は払わず、米代も払えないなかで
毎日のように、京都の嵐山から大阪の中ノ島図書館まで通っています。
政治・経済に関わる多くの著作を読み、
世界各国の数十年にわたる経済統計を調べ、
物価、景気、株価の変動や消費動向を徹底的に分析したと
彼は語っています。
図書館から帰った後も毎晩、
12時、1時過ぎまでノートを整理したそうです。
図書館で昼食を取るお金もありません。
水を飲んでいたそうです。
【仕事とお金】
図書館にいれば
お給料がもらえるかといえば、そうではありません。
マルクスなどエンゲルスから援助を受けていた話は有名ですし、
苦労して書き上げた資本論(第一巻)での収入も
呻吟するときにふかしたタバコ代ほどにもならなかったようです。
日本の林学博士、大富豪になった本多静六氏は
25歳とときから通常の収入の4分の1は、強制的に貯蓄。
さらに臨時収入は10割貯蓄しています。
そして、「仕事を道楽化せよ」とおっしゃっています。
ドイツでブレンターノ先生から、
「いかに学者でも、優に独立生活できなければ駄目だ」
そう言われ、貯蓄を開始したそうです。
マルクスも是川銀蔵氏もお金にはならないのですが図書館に通いました。
生活にお金が必要とはいえ、いつからか、
人は仕事を、価値を、尊厳を、お金に密接に結びつけて見ています。
マルクスは、書物を残すという大仕事をしました。
「仕事を道楽化」したのでしょうか。
【変化と変態】
話を戻しましょう。
動き回っていれば、仕事をしているように見えるでしょう。
しかし、私はあまり動かずに考えていました。
例えば、私はこんなこと考えていました。
国際経済はこれからどうなるのか。
高橋亀吉氏の書かれた「高橋亀吉 私の実践経済学」という本があります。
昭和51年所版発行となっていますから古い本です。
経済変動を一時の「変態」とみるか、
構造的「変化」とみるかが大切という指摘があります。
変態であるなら一時の異常現象に過ぎないから、
できるだけこれを常態に戻さなければならない。
事実、常態に戻っていくのである。
この場合には経済理論や尺度には何らの変化も起こらない。
[25ページ3行目]
変化だとすれば、将来はずっと変わった景色になります。
もし、変化であるなら、これを抑えてもいけないし、戻してもいけないのだ。
変化した方向に展開さすべきであり、その立場で診断し処方箋を書かねばならない。
その場合には当然、理論にも変化が起こる。従来の理論では通用しなくなるのだ。
[25ページ10行目]
今は一時の「変態」か、構造的「変化」か。
こんなことを考えながら、図書館に向うのです。
平田博孝
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