January 19, 2011
第9回愛知県芸大施設整備ビジョン討論会を聴いて
テーマ:愛知県芸第9回の県芸討論会の傍聴に行ってきた。
名古屋は数日前に大雪が降っていた。大学に到るまでの道のりのあちこちにもその雪は残っていて、行くまでの間はまるでちょっとした雪山を散歩するようなものだった。この行程は何か気分を切り替えたり、あるいは考え事をするのにとても良いように思う。きっと吉村さんもその辺の事は狙いとして設計されたに違いない。ただ、歩くだけの道。市内の喧騒から離れて自分一人に至る道。芸術を学ぶ者にとって重要な行程を建築が手助けしていると言って差し支えないと思う。
討論会の会場は前回よりもさらに閑散とした感じがした。委員の欠席者は前回よりもさらに増している。傍聴席の方はというと前回よりも人は増えていたがそれでも幾らも空席はあった。その前回は学生さんによるなかなかに素晴らしい出来事があった訳だが、意外と関心は集まらないものだ。クチコミで少しは増えるかと思ったがそんな事はなかった。そんなもんなのね。
先ず座長の挨拶があり、その後に事務局長から奥村氏についての説明があった。前回奥村氏が会より離れる事を書面で言っていた訳だけど、それについて真相を質すために東京まで学校関係者数名で2回に渡って行かれたらしい。1回目は相手にされたようだけど、2回目はそのまま帰されたのだそうな。それで現在の奥村氏への対応はというと、会の議事録やスケジュールについては報告し続けるとの事。名簿を見てもその日の扱いは”欠席”という事になっていた。学校側の対応は真摯なものだけど、本人が離れると言っているのだから仕方ないものかもしれない。それに奥村氏としても政治や演歌歌手の様にカムバックするのはカッコ悪いだろう。
会議の前にはいつもどおりにその日に関係する資料が配られていた。いろいろある中で興味を引いたのは大学から出た学生向けの施設整備に関する広報パンフレットだ。今までの学校の対応を考えると素早い反応ではないだろうか。今後もこの様なパンフレットは造り続けられると言われていたのでその点は評価できるものと思う。
他にいくつか、書類について説明が行われた。まず日建設計より現況の建物の分析について話があり、多くの建物が耐震上問題を抱えている事が伺えた。もっとも耐震診断についてはパソコンのプログラムによって違う数値が弾きだされる事もあるらしい。どこまで信用して良いのかよくはわからない所もあるが、誰が見ても明らかに耐震上問題があるとされる所が放置されていたりもするので、問題があると思って構わないと思う。よくわからないのは、例えばコンクリート造の古い小学校などはまたたく間に耐震改修が行われてサッシの部分が壁になってしまったりしているのを見かける訳だが(それが良い改修方法だとは決して思わないが)、何故にここは放置されているのかという事だ。いちおうここは公立の建物である。小学生の命は大切でも大学生ならどうでも良いのか?そんな事はないと思うのだが、急いで手をつけるべき所が放置されているのは謎としか言い様ない。それとも県立と市立というそんなつまらない差での違いというものなのか。話を戻すけれど日建さんが今回出された様な資料は出来るだけ何度も何度も出すべきである。
続き水津委員及び学校関係者で作られた資料の説明がある。現況のキャンパスを分析して保存すべき所と拡張すべき所が図面で提出されていた。前回の資料を改訂したものらしい。拡張していこうという部分は変わらず緑地が充てられていたのだが、誰もその事について指摘しなかった。議論には疲れた、という雰囲気があったように思う。途中居眠りをしている委員も見かけられた。先にも少し触れたが今回も委員に欠席が多い。名簿上で7人、他にも1人が欠席と聞いた。大学関係者はほぼ出席しているのに対して有識者の側に欠席が集中している。つまりは外部の人間がほ高い割合で欠席している訳だが、これはどう捉えるべきだろうか。外部の意見を聞きたい学校側に対して出席しようとしない外部の人たち。議論はなかなか噛み合ってこなかったのだが、その歯車が奥村氏の退団によってさらに壊れてしまったのかもしれない。
学校側としては主に講義棟周辺の地域を重要と捉えているらしい。配られた図面は色分けが成されていて、その付近の色は濃い。西澤委員がその事について保存にレベルがある訳ではないと言われていた。建築は保存が目的ではなく、使う事が重要であるとお話される。今後おそらくは改修工事が行われる事によって一時的に教室など不足するおそれはあるだろう。順番にどのようにしてその改修を進めるのかプログラムを組まなければならない。新音楽棟が作られる事によって旧音楽棟が出来る訳だが、そこを学生会館に充てるという話が出た。おそらくはそのようにして出来るだけ短期間で改修していかねばなるまい。素早い動きで全体をまとめていく必要があると思うのだが、その舵取りは誰がどう行っていくのだろうか。
議会は通常2時間が予定されているのだが、今回はそこまで話す事がなかった様で30分早く切り上げられて閉会となった。あと3回、この討論会は行われる事になっている。欠席者もだんだん増えてきている訳だが、私も聴きに行けるものかどうかわからない。この場所に来てまでライブで是非聞きたいという気持ちは少しずつ減ってきている。むしろ今は、この会が終わった後にどういう展開があるのか、そちらの方が気になっている。














