3月31日 土曜日 快晴
本日で洋服屋 札幌ボタニカルガーデンの営業も終了致しました。
この4年間にお買い物に来て下さったお客様に友人達、本当に有難うございました。
今日で札幌ボタニカルガーデンは無期限休止致します。
そして新たにメンズストアを来月からスタートします。
オープンの日時は詳しくまだ決まっていませんが、
決まり次第ここのブログと個人ブログと新店舗のブログでアナウンス致します。
恐らく4月10日過ぎ頃には発表出来ますので
それまでもう少しお待ち下さい。
2008年の立上げから4年間、
サラリーマン時代では決して味わえなかった貴重な事をこの場所で経験しました。
どう考えて考えてみても、
この場所でお店をスタート出来たお陰で今日まで僕はこの職業に就いていられます。
店を始めた動機なんてほんの些細な事でした。
「仕事が無いから、自分で仕事を作る」と言うような事でした。
もともと保証なんてものは幻想で、終身雇用も今や崩壊しています。
僕の就いている仕事だってなんの保証もありません。
昨今通信販売が増えている中、今後もどうなるかも分りません。
目に見えて解り易い技術職では無いですし、
何かの免許を取得しないと出来ない仕事でもありません。
入り口は非常に容易かったりします。
言ってしまえば、会社を問わなければ誰でも始められる仕事です。
その代償に潰しが利き難い仕事だったりします。
30半ばを過ぎて自分の好きなカテゴリーのショップに転職なんてなかなか出来ません。
ですから自分でその場所を作るしかなかっただけです。
僕がお店を始めるきっかけはそんな些細な事でした。
「そんな安易な動機で出来るほど商売は甘くない」と言われました。
確かにそうだと今でも思っています。
お店を立ち上げる前には、
「会社を辞めるのを止めたら?」とも言われました。
「独立して給料いくら取りたいと思っているの?」と言われ、
「別にぃ、20万位あれば良いですかねぇ・・・」と困って答えてみたら、
「それじゃあ、独立する意味が無い!」とも言われました。
「店舗だけでは無理だからネット通販もした方が絶対良い」とも言われました。
「君では絶対に無理だ」とも言われました。
お店をはじめたら、
「今のこのご時勢に随分思い切りましたよね」と言われました。
「外観の赤は入り難い色だから、塗り替えた方良い」
「今は不景気だからチラシに割引クーポン券つけて配ったら良い」
「もっと安価な商品で今売れている商品の品揃えにした方が良い」
「主婦層狙ってその辺の売れ筋を置いた方が良い」
「今はこんなお店が売れているからこうした方が良い」
とまぁ色々言われましたが、
安易な動機で始めましたが、今日まで4年間営業して来れましたし、
ネット通販も未だにしていません。
お金がいくら欲しいかで始めたって、そんなのどうなるかわかりません。
僕で無理だったかはこれから決まると思いますし、
独立したのだって“やるしかねぇ”と思っただけで、思い切った気は全くありません。
外観は頑として赤だったし、クーポン券は知りません。
世の中の売れ筋は大型店に任せて良いと思います。
主婦層は未だに良くわかりません。
こんなお店が売れている情報は
情報としては聞きはしますが、
ボタニカルに当てはまるのか、わかりませんでした。
何かを始めるきっかけなんて、どんな理由でも良いと思います。
とてもすばらしい理路整然とした計画や思想だって、やってみないとわかりません。
本当に大切なのは始める事とやり続ける事で、
いつだって何かを始めたり続ける事は情熱だと未だに青臭く思っています。
それをやり続けるには、情熱だけでは足りない事も知りました。
何かを知ったつもりでいたけれど
本当のところ何も知ら無かった事にも気付きました。
近隣の洋服店のオーナーからは「とにかく我慢する」事と教わりました。
開店前に東京で会った初対面の方に「絶対に大丈夫、諦めなければ」と教わりました。
経験とは過ごした時間ではなく、
その時間で何をして来たかを今更ながらに知りましたし、
僕は一丁前にキャリアだけは19年ありますが
自分よりも有能な人達は沢山いる事も知りました。
常に気をつけようと心掛けていたのは
自分が「腫れ物」の様な存在にならない事でした。
いくら仕事の技量が上がって成績が良くったって
腫れ物に触るように気を使われたら、盲目的に肯定する人間だけしか居なくなります。
その環境は、衰退を意味します。
実のところ現状維持ですら新しい価値観を持たなければならないのかも知れません。
その新しい価値観を手に入れるには否定的意見が必要で、
否定的な意見を取り入れるには風通しの良い態度が必須でした。
誰だって嫌われたくないから、面と向かってモノは言えません。
だけどそれじゃ向上どころか、現状維持も無いのです。
調子の良い時はこれが永遠に続くモノと思い、
調子が悪い時はココが底辺だからあとは上がるだけ、と思いがちですが
実のところ逆だったりします。
風通しさえ良ければ「コイツなら何言っても許して貰えそう」と思ってくれます。
これがどれだけあり難い事なのか。
否定的意見をエネルギーにして燃えるほど僕ももう若くは無いけれど(うそ)、
否定の裏側にチャンスがあることは知っています。
人に気を使われる程嫌なものはありません。
そんな事されるくらいなら、いつでもアホになれますし、
多分クルクルパーくらいで見られるのが丁度良いと思っています。
お店を始めた頃はブランドらしいブランドは取り扱っていませんでした。
札幌ボタニカルガーデンとして“柱”になるブランドを求めていました。
もっと言うと立ち上げる以前から求めていたのです。
そして開店から一年後にライディングハイの取扱が
店舗としてその後の転機になりました。
僕はもともと札幌の企業のジーンズショップ出です。
俗に言うセレクトショップ出身者ではありませんでした。
約30年の歴史があるジーンズショップに身を置き、
大量の在庫と豊富な資金力(現在のボタニカルに比べて)の中で
守られながら泳いでいた訳ですが
僕が決定的に欠けていたものは“ブランドを取り扱う”と言う意識でした。
それはブランド力に頼ると言う意味ではなく
“このブランドを置く”事の意味です。
“ジーンズショップ”と言う看板があればそれだけで分りやすくその店の“売り”をアピール出来ます。
しかし僕の場合はその看板が外れて“洋服屋”と言う看板だけです。
分るけど分り難いその“売り”は、しばらく店の方向性を示せないでいました。
しかし当時札幌ではほとんど知る人がいないブランドでしたが、
見つけた瞬間、雷に打たれたような衝撃でした(実際打たれた事ないけど)。
取り扱う前や取扱後にも否定的な意見ももちろんありましたが、
何より僕が一番ライディングハイ自体を欲していました。
ライディングハイを中心としたお店作りに躊躇無く取り組めたのも、
毎シーズンリリースされる商品が素晴らしい物だからで、
それを行う事により店として何に取り組むべきかを
商品を通して知る事が出来ました。
4年間で培ってきたものはなかなか言葉では表せません。
お店を終わらせる(休止か)事に正直まだ実感が沸きませんし、
おそらく解体作業を始めてからなのか、
人の手に渡った時なのか、
その時ようやく今までの事を思い出し、一つの終わりを実感するのかも知れません。
僕の個人的な意見ですが、
お店(ボタニカル)はお客様とブランドの仲介役だと思っています。
お店は商品が無いと成り立ちません。
またそれを選んでお買い物して下さるお客様がいてようやくその存在が成り立ちます。
店に置いてあるブランドに価値が無いと、そこに集まって下さるお客様も存在しません。
そうして考えるとやはりお店は
ブランドとお客様の双方で成り立っていた事は間違いない事実です。
改めまして、
この4年間の間にお買い物して下さいました方々、
本当にありがとうございました。
取引先様にも、お取引頂いた事に感謝の気持ちです。
また病的に改装マニアになっていた僕に対して
4年の間その改装に携わってくれた全ての友人にも感謝致します。
洋服屋 札幌ボタニカルガーデン、本日で閉店致しました。
店主:熱海吏
追記
札幌ボタニカルガーデン店主熱海のブログです。
アツミツカサの「サッカーで優勝したよ」
↓
http://ameblo.jp/atsumi-tsukasa/