こんにちは。
大阪南船場の早起き税理士・公認会計士(船戸明)
の「本業ブログ」にようこそ。
昨日、最大の無形資産は人だ、なんていう話をしました。
その延長戦で考えたり、あるいは、とあるメールマガジンを読んだりして思ったのですが、新入社員に払う初任給というのは、どう考えても仕事に対する成果ではありませんよね。そもそも仕事なんかせずに研修しているケースもあるでしょう。にも関わらず給料を払う。これは、その社員が将来、立派に育って、企業に何らかの貢献をしてくれることを見込んだ先行投資に他なりません。
会計の世界では、「繰延資産」と呼ばれる資産があります。
「将来の期間に影響する特定の費用として、すでに代価の支払が完了し又は支払義務が確定し、これに対応する役務の提供を受けたにもかかわらず、その効果が将来にわたって発現するものと期待される費用」(企業会計原則)
会社法に基づく会計基準では、創立費、開業費、開発費、株式交付費、社債発行費の5つが、繰延資産として列挙されています。
つまり、支払は先行するけれど、その支払の効果が将来に渡って及ぶ費用をいったん資産として計上し、その効果の出現(=収益の計上)に合わせて費用として償却をしていこう、という考え方です。
こうした収益と費用との対応を重視する原則を「費用収益対応の原則」と呼びます。固定資産を資産として計上し、その後減価償却するのも、同じ発想です。
まさに、初任給と将来の働きは、理屈としては、この関係にあると言えるでしょう。
ただし、その対応が明確でないこともありますし、どのように対応付けるかの理論構成が難しいこともありますので、初任給を繰延資産として計上するような会計慣行はありません。
初任給(だけでなく入社後数年の給料)は将来への投資です。払う側ももらう側も、そういった共通認識を持てるといいのですが、なかなか現実はそうもいかないのでしょうね。
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