僕は選手時代、ベストポーザーをいただいたこともないし、ポージングセンスなど皆無だった。
ただ、細い、筋量の乏しい身体を、どう立体感あるように見せるか?
”錯覚の妙”をいつも考えていた。
マイナーな団体NBBFに属していたが、巨大な組織JBBFの大会は全国、地方を問わず何度も足を運んだ。
リラックスで今ひとつ目立たない選手が、ポーズを取り出すと大きく見える。
リラックスは巨大だが、基本ポーズ比較が始まるとまったく目立たない、でもマスキュラーはすごい。
なぜか?
どうして?
上京の折、エジプト、ギリシア、そしてローマ時代などの特別展で彫刻の姿勢など”安定”とは何かを探っていた。
まず脚なのである。
フロントやバックでも両足で立つ。
でもずっとそのままではいけない。
ポーズは動きの中にこそ安定感と美しさがあるべき。
フロント、サイド、そして斜めと変化させていくとき、どちらかに軸足を決める。
決めて、反対側の足は自由にどこにでもステップできるようにする。
これが意外に難しい。
これができると、もう骨盤のひねり、傾きを決める。
いわゆる”腰が入る”。
そこからは上半身をどうにでも動かせる。

木刀も持てる(^^;)。
脚を決められる、ということは、脚の密度アップにも繋がる。
つま先で支えるのではない、つま先から踵、フクラハギ、特に大腿部全体にグイッと力を入れて、軸足とする。
一点で支えていないので、安定感がある。
もちろんずっと支えられないので、軸足を変える。
反対側も同じ負荷がかかり密度が出てくる。
脚の素晴らしい選手は、このあたりの動作がスムーズに、特に考えなくてもできているのだと思う。
日本一の脚を持つ佐藤脚夫くんも然り、そして世界に誇れるポーズの名手、須江くんも、あの年齢になっても脚の密度がアップして弱さを感じなくなってきたのはそのためではないだろうか。
脚を決められない、決めきっていないポーズは、微妙にぐらつきが出て、結局力みが体全体、顔つきまで不安そうになり、美しさなどない。
土台として”動的に安定した脚”を持つことはそれほど大切なことだと思う。
2年前、学会で10数年ぶりに人前でポージングしたが、練習では、つま先が、そしてカーフが攣りまくりだった。それがだんだん、大腿部全体に”散らせる”ようになり、大太鼓の前で笑顔を出せるようになったのは嬉しかった。
酒に溺れ、肉もお菓子も食べまくっていたので、バリバリでなかったのは”マニア”の人たちには申し訳なかったが、”素人”の先生たちには喜んでもらえたのでこれでよかったのかもしれない。
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なぜ、トライセップスポーズが肩から腕の密度アップに役立つのか?
なぜ、”トライセップス”"サイドポーズ”なのに、このポーズを”練習”すると臀筋の密度が上がるのか?
それは、三角筋も臀筋も、それぞれ上肢、下肢の”蓋”だから。
蓋は、肢、すなわち突起が外れたら困るのである。
トライセップスイクステンションで胸郭に押し付けられた上腕は、その上側、骨頭で胸郭から離れようとする。
たくさんの肩甲骨周囲筋が支える突起(腕)。
それを覆う三角筋、”蓋”は強いストレスを受け、収縮する。
これにサイドチェストを加えると三角筋には強い”ねじれ”が、三頭筋長頭にはストレッチというストレスがかかる。
下肢でも同じ。
僕はとんでもなく細いが、はるかに巨大な腕や脚を持つアメリカ人たち、そんなに太く見えないのでは?
彼らが、軸足を安定して決めていない、脚同士が離れてしまっている、下半身から決める、のではなく上半身だけに意識が集中してしまっているから。
そして、骨盤を中心に上下に螺旋カーブを描けていない、ことにある。
細胞レベル、分子レベルでも、遺伝子がどうして安定して保存されているか?
それはDNAが螺旋カーブを描きながら形を保っているからである。
動きがあってかつ美しいものは安定した曲線を持つ。
大腿部が反対側の軸足に押さえつけられる、と、骨盤周囲筋群や、”進化の過程では”中臀筋が活躍するはずが、僕たち人間は立つためにそれを覆う大臀筋が主役と躍り出た。
筋肉の原則、進化的に新しいものほど表面にある。
たくましい若いオスゴリラより、ヒトのばあちゃんの大臀筋の方が太い。
この押さえつける、という性的、ゴホン違う、静的なストレスを利用して、しかも、軸足と反対側の脚を外旋すると、大臀筋の主作用である”ケツ”が閉じてくる。この二つの動きでまたタルタル弛んでしまいがちな尻周囲の頑固な脂肪を燃えせる。
ひたすらランジをやるもの良いが、人生は他にやることもある。
僕は体力がないので、ランジをするたびにオーバーワークになり”寝込んで”いた。
20年前、旧サイドトライセプスポーズの非軸足側を円運動させながら、そんなこんなの”深い”意味をわかッた時、嬉しくなった。
脂肪も筋肉も手を抜く。
誰か別のパーツに動きを”散らし”ちゃう。
その筋肉を”出したい”ならその筋肉の”成り立ち””存在意味”を知るべき。
ポーズはナルシストだけの物ではない。
ぎゅうっと三頭筋を攻めながら、どう”彼の”声を聴くか、そして、彼に手を抜かせない、でも、優しく変化を起こすために工夫するのは面白い。
重いものでぎゅうぎゅう攻め立てるだけがボデイビルではない。
ふと別の筋肉の声も聞こえてくるポージングを楽しむのも長く続けるコツだと思う。
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ボデイビルコンテストの規定ポーズというのは、誰が考え出したのか知らないが、芸術学的にも、筋肉学的(?)にも奥が深い。
鍛え上げた筋肉をいかに美しく、たくましく、輝かせてみせるか?
ジムに行けなくても、体調が悪くても、基本ポーズの練習さえやり込めば、体はどんどん”見栄え”がしてくる。
さて、もう最近のコンテストでは”認められなく”なったが、僕は旧トライセップスポーズは、その選手の前側面の立体感を、質感を評価するには適しているポーズだと思う。
これは1996年アメリカニューヨークでの写真。
右を軸足として”決め”その大腿部に審査員側の左大腿部を押し付ける。
こうすることで、ハムの曲線を”観せる”。
骨盤から上へは広背筋で、下へはハムでカーブを作る。
直線ではなくカーブの”組み合わせ”が立体感を見せるコツ。
ここで、大腿部側面の筋膜張筋の密度が”もっと”あるとベター。
観客側の腕は胸郭に押し付ける。
三頭筋長頭は、気をつけ の姿勢で収縮度が高いのと、深い場所にある内側頭、烏合腕筋の”助け”を借りると盛り上がってくる。
僕は左二頭筋が弱点なので、この姿勢で”ごまかす”。
これだけで上腕二頭筋のストレッチ感が尋常でなく快感。
脚部を決めるのに、10秒、そして上半身10秒ずつ、別個に練習して、僕はこの当たりのセパレーションを出していった。
この”パーツごとの押し付け”を10秒数えるのは、科学的根拠などない。
パーツごとする理由は、僕に体力がないから。
腕と三角筋の間の”溝だし”やハムと大腿部外側の溝だしに集中できるから。
コンテストではダイエットはピークに達し、体も心も緊張しているし、体力も持久力もない、すぐに疲れるし、つるので、軸足は”優雅に”変える。
筋肉はそんなに長く収縮し続ける設定になっていない。
軸足を変えても同じようなポーズを取って、軸足でない脚をコンパスのように回していく(外旋)。
その時に、股関節とヒザ関節が曲がるので縫工筋が、そして大腿直筋が出てくる(この二つは二関節筋だから)。
これも風呂上がりにパーツごと練習できるし、ゼーゼー言わなくて済む。
ギリシア時代の彫刻を見るとわかるが、肩を両方直線で結ぶ線と骨盤の上のラインの傾きは反対、すなわち”遠くで”交叉する。
緩やかな台形をイメージする。
舞台では、軸足は絶対にぶれない、誰かに指で押してもらって軸足を決めてしっかり倒れないように自分の”位置”をいつも決めておく。
僕は有酸素運動を無視するわけではないが、バイクを、トレッドミルを、30分も1時間もする暇があるなら、このポーズを30分するだけで、肩から腕、ウエストから臀部そしてハム、大腿内側、上部の”溝”に潜む頑固な脂肪を落とせると力説したい。
これに、バックダブルバイ、スプレッド、サイドバック、アブドミナルアンドサイ、マスキュラーなどやりこむだけで2時間は軽く”楽しい時間を過ごせる”。
あ、体力が無尽蔵にある人にとっては楽しくない?


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乳酸菌に頼る

テーマ:
時々、キムチ鍋を食べる。
鍋で加熱したら、”せっかくの”乳酸菌が、死んでしまうのでは?
細菌は熱に弱い。
僕たち医療現場でも、加熱殺菌は基本。
でも、キムチにしても、納豆にしても、味噌にしても、微生物の発酵の”おこぼれ”を享受している。
この三者、冷凍、加熱にタフ、そして長期保存が可能。
ヒトの知識からすれば、細菌類は熱に弱い。
でも、”彼ら”もヒト以上に歴史があり、バリエーションに富む。
僕たちの知識の”隙間”で”何気なく”生きていく。
心の脆さ、それを揺さぶる出会い、別れのエネルギーの仕組みすらわからないように、ヒトは筋肉が大きくなる、密度が高まる仕組みさえ、知識があやふやな部分あり。
そこ、その隙間を”ちゃっかり”微生物”に頼るのも、”一手”。
元気回復の連休でした。


さわらの頬肉、低脂肪、高タンパク(^^:)。
加熱前にキムチに漬けておいて、”細菌くんで柔らくして”もらってから、少しずつ、そして一気に加熱。
ビールとともに”喉”に当てます。
喉も筋肉で出来ています、その先の骨格筋に”染み渡り”ます。

タレパンダの休日

テーマ:
アウェイ、日帰りでした。
行きに7時間、帰りに6時間、働いていたのは3時間(^^;)。
列車も飛行機も満員。
暑苦しい背広姿はさすがに少ない。
A man in blackも辛い。プロテインシェイク、さすがに立ちっぱなしでは飲めん(苦笑)。
でも、赤の他人、初めての人に会うには、見栄え、服装も礼儀。
慣れ親しんだ?ナースや職員には、腕まくりして目を点とさせた後、血管浮き出た上腕を触らせれば問題なし(^^;)。
蒸し暑い時期、特に移動が多いと疲労感強し。
ただ、駅構内(昨日の鳥栖駅)で、ななつ星列車を見つけたり、最前列(特急白いかもめ)に何気なく座った時、女性運転手さんのキビキビした行動を見(つめ)て、微笑ましくなるが(いやらしい目線?)。
いつまで続けられるかな。
でも仕事について熱く語るのは、義務でもある。
人前だけでは、元気そうに振る舞い、踏ん張るヒゲ。
ジムでのトレは、強度が上がらず、こっそりゆっくり、ちんたら。
これも続けることに意味がある、はず。
一日中”タレパンダ”のように寝ている休日です。