あれから数週間…
一度もホスからの連絡はない…
ハルは勿論の事、ウォルの元にも入っていなかった…
ただ連絡を待っていた訳ではない…
ウォルからも何度もかけてみた…
電源が切られているらしく空しい機械的な音声が流れるばかりだった…
会社にかけてみても「アポは取っているか?」「忙しいのでお繋ぎ出来ません」と一方的に切られてしまう…
家に来て暫くはハルも「ホスから連絡あった?」と聞いてきていたが、今は聞いてくることもなくなってしまった…
『大丈夫だ…ホスは必ず帰って来る』
『そうだね…』
ウォルからフッと顔を逸らすとPC に向かってしまう…
『…ハル…』
『これ仕上げないといけないからさ…』
『あ…そうだな…今日カフェに一緒に行くか?』
『そうだね…』
『…』
初めて会った時のような何もかも諦めてしまったような眼差しに、テギョンを初めとする大人達もウォル達も居たたまれなくなってしまう…
気分転換に外に連れ出せば楽しそうにしているが、家に戻ると部屋に籠りPC に向かってしまう…
『会社にかけてみたら?』
『俺もかけてみた…忙しいとかで繋いで貰えなかった…』
『何だよ…それ…あの1回切りじゃねぇか…』
『心配じゃねぇのかよ!?』
『俺もホスが信じられなくなってきた…連絡1本寄越さないなんて…』
お前…何してんだ…
ハルの奴…また前みたいになってるぞ…
何もかも諦めてしまったような…
頼むから電話の1本くらい寄越せ…
目が覚めると携帯をチェックするのが日課になっていた…
ほらね…やっぱり来てない…
もう来ないって…心の何処かで諦めにも似た感情が涌き出て来ていた…
やっぱり、僕…嫌われちゃったみたい…
そりゃそうだよね…
合意じゃないにしろ他の奴にヤられた奴なんて嫌だよね…
『ハル♪起きてっかぁ?』
『あ…うん』
『入るぞ~♪』
ドアを開け顔を覗かせたパラム…
『パラム…どうしたの?』
『ん~、今日さぁ俺ら講義なくて暇なんなんだぁ♪』
『そうなんだぁ』
『俺らと遊びに行かねぇ?』
『え…』
『映画行こうぜ♪』
『映画?』
『おぉ♪』
『行く♪』
『よし!!決まりだな♪』
『すぐに準備する♪』
『おぉ♪飯も外で食うからな♪』
『本当に?』
『ハルが好きなもんたくさん食わせてやる♪』
『絶対行く♪』
『じゃあ後でな♪』
『ハ~イ♪』
バスルームの鏡に写る自分の姿…
あの忌まわしい傷跡も薄くなり怪我をしていた足も以前と変わらないまでに回復していた…
髪…跳ねまくりだ♪
短いときちんとするのが大変なんだよね…
みんなは短いの似合うって言ってくれたけど1人じゃ出来ないしなぁ…
また伸ばそうかなぁ…
寝癖ついても縛っちゃえば判んないもんね…
そうだ…寝る時に飲む薬なくなったんだ…また貰いに行かなくちゃ…
あれがあればグッスリ寝れる…嫌な夢も見なくて済むんだ…
ダイニングに向かうと学生組は学校にテギョンとシヌも仕事に向かったようでリビングにいたのはジェルミとミナム…ウォル達大学生組がいるだけだった
『おはよう…』
『ハル髪ちゃんと乾かせよ♪』
『う~ん』
『ハル、最近遅いね♪』
『遅くまで起きてんのか?』
『ううん…薬…なくなっちゃって…』
『薬?』
『うん…あれないと…嫌な夢…見るから…』
『そうか…なら今日貰いに行かねぇとな…』
『うん…』
……
ホスside …
ハングループ本社ホスの私室…
『ホス♪これ見てみろ♪』
ヒョンス兄貴が持ってきた大量の書類…
『これは?』
『これで親父さんを潰せる♪』
その書類に目を通して行く…
『ヒョンス兄貴…』
『みんなお前に会社を継いで貰いたがってる♪判るか?』
『…ヒョンス兄貴…俺と一緒に立て直してくれないか?』
『俺が?』
『あぁ♪ハン・ヒョンスさんお願いします』
『仕方ないな♪』
『これ…俺が預かってもいいか?』
『あぁ♪構わないぞ♪じゃあまた明日な♪』
ホスの私室を出ていくヒョンス…
『こんなにたくさん…』
何千人もいる社員…
その中には現社長のやり方に反対しているメンバーがこんなにもいた…
いつの間にこんなに集めたんだよ…
嬉しいような申し訳ないような…
コンコン♪
『はい、どうぞ♪』
茶色い扉から入って来たイェジ…
『イェジさん♪』
落ち着いた色のワンピース姿のイェジ…
『スーツ姿もカッコいいじゃない♪』
『そりゃどうも♪イェジさんも綺麗ですよ♪』
『あら♪まぁ私に誉めてもらっても嬉しくないわよね♪』
『そんな事ないですよ♪誉められて嫌な人なんていないはずです♪』
『あら♪』
『さっきまでヒョンス兄貴が居たんですが…』
『廊下で会ったわ♪』
『そうですか♪』
『それね♪』
ホスのデスクに置かれた分厚い書類を手に取るイェジ…
『こんなに♪』
『えぇ…』
『何よ…嬉しくないの?』
『嬉しいですよ…でも申し訳なくて…』
『あと一息じゃない♪』
『そうですね♪やっと終わります…』
『ちょっと寂しいわね♪』
『そうですね…でも俺もイェジさんの居場所はここじゃないですから♪』
『そうだったわね…』
そう…初めから俺には会社に戻る気など更々ない…
分厚い書類をデスクの引き出しにしまう…
コンコン♪
『ハイ?』
『私だ♪』
『ホスごめんね♪』
『え…』
椅子に座っていたホスの膝に座るイェジ…
ガチャ…
『おっと…』
私室でホスの膝に座りキスを交わすホスとイェジ…(のように見えるように顔を近付けているだけの2人…)
『父さん!!』
『キャッ♪』
慌てて膝から飛び降り身なりを整える振りをするイェジ…
『ハハハ♪若いんだから気にするな♪仲がいいのはいい事だぞ♪』
『すいません』
『そろそろ発表をしないか?』
『そうですね…イェジさん構いませんか?』
『//はい//』
『それなら前祝いで今夜食事でもしないか?』
『本当ですか?』
『あぁ♪○○ホテルのフレンチなんかどうだ♪』
『久し振りですね♪イェジさんもそちらで良いですか?』
『はい』
『では19時にな♪』
『はい♪』
部屋を後にする社長…
『プッ♪』
『どうしたんです?』
『社長、私達相当仲良く見えたみたいね♪』
『フッ♪そうですね♪ちょっと失礼します♪』
『ハ~イ♪』
私室を出ていくホス…
『…』
デスクの上のホスの携帯に視線を移す…
『そうだ♪』
アドレス帳からとある名前を見つけメモに残す…
ホスから恋人の名前は何度か聞いていた…
その子の名前を口にする度優しい眼差しをするホス…
『ホスごめんね♪』
数分後…戻ってきたホスと入れ替わるように部屋を出ていくイェジ…
屋上…
「はい…」
『チェ・ハル君?』
「はい…誰?」
『私はイ・イェジ…貴方に話があるの♪』
「え…」
『22時○○ホテル来て♪』
「でも…」
『ホスの事で話があるの♪』
「ホス…」
『そうよ♪だから必ず来なさい?』
「…判りました…」
ホス…これは私からのサプライズよ♪
***続く***
イェジさん…
貴女何をする気…?
泣かしたら承知しないわよ♪
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