ゴルフ

「ぶり、だい、こん!ぶり、だい、こん!」

安藤課長はおもむろに両手を円状にスイングし始めた。

部署の一同「なんだよ。仕事中だろ」と思いながらも無視を決め込む。

「ねえ、これよくない?ぶり、だい、こん!」

呼び止められた社員、とりあえず「なんですか?」と聞いてみる。

「ほら、チャーシュー麺でゴルフのスイングするじゃん。あれだよあれ」

この部署では課長以外はゴルフをやらない。

一同「知らねぇよ」と心中。

新入社員の正木。

「あ、僕の今日の弁当のおかず、きんぴらごぼうなんですよね!」

自信満々。語呂合ってない。

しかも何もかぶってない。

「きん、ぴら、ごぼーう!の方が伸びそうじゃないですか?」

一同、

「知らねぇよバカ新人。仕事しろ」

安藤課長に食いつかれたら困るので一同心の中でそっと思う。
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「この俗物がぁ!って言った時の優越感と言ったらね、そりゃあね、もうハイテンション」

今日も安藤課長は一人職場で盛り上がっていた。

きっと今日はこのセリフを10回以上は吐くだろうことを覚悟した社員たちは一同に「死ねばいいのに」と内心思っていた。

終業時間を迎える。

新入社員の正木。

「いやあ、僕だけ言われなかったですよ。これ、ロシアンルーレットみたいですね」

社員一同。

「ここにもいたか」
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