2005-11-16 11:32:27
西の京
テーマ:いにしえに迷う
その日は、朝まだき、萩の寺をたち、悲運の大津皇子
眠る、また数多くの歌や伝説に詠まれてきた二上山に赴いた。
それから、山の中腹にある、中将姫伝説の当麻曼荼羅で名高い当麻寺の諸仏を仰ぎ、帰りしな西の京
に立ち寄った。
千古の松林の中に盲目の鑑真和上とともに静かに息づいてきた唐招提寺
。
その、古の余香しみわたる伽藍の清らかなたたずまいと、境内に敷きつめられた白砂を踏みしめる時の、生命を洗われるような感触に心をひかれ、大和地方を訪れるたびに一度は門をくぐるのである
そして例のごとく、荒廃した『歴史の道』を南に、天武帝勅願の薬師寺
へ足をのばす。
途中で夕食をとり、完成直後の新金堂で白鳳の傑作、阿弥陀如来像と日光・月光両菩薩を見上げたのは、すでに堂塔が深い闇に閉ざされようとする時分であった。




