沢山の仲間たちに支えられた156キロの旅
【プロローグ】
たしかUTMFという大会が発表されたのが2年前。
松濤のゴールドウインでその概要を知り身震い。
有名なUTMB(モンブラン)にはいろいろな面で参加は難しいけど、日本に生まれたのでやっぱり富士山。
富士山は大好き眺めるのが。(登るのは大嫌い、未だに会社の研修で一回登ったのみ)
エントリーに躊躇するが、第一回だし、日本で100マイルトレイルも初だし。
よっしゃ。挑戦あるのみ。
今までは皇居で周3日程度ジョグ。
休日も都内観光LSDが日常。
初回でエントリーしてからは、週末は山山山山山山・・・・・・
箱根、奥多摩、丹沢・・・そして毎週末通った三浦(あやとり(笑))。
毎回40キロ以上か10時間以上。
(大会はこの4倍以上か・・・と思うと想像もつかず目まい)
そしていよいよ・・・
とこらが。そこに訪れたのが’3.11’
イベントはことごとく中止に追い込まれ、同様にUTMFも中止に。
自然の前に無力を感じた出来事。
飲みに行くことさえ不謹慎に思ってしまうほど・・・
そして走ることも・・・
’元気になろうぜ日本’
少しずつ元に戻り始め、様々な大会も支援とか応援とかがんばろうとかが、冠につく大会に。
やっと山にもいける気分に。
この2年間、山にかかわった人沢山。
みな嬉しそうに自然とたわむってる。
・ZERO(ナミキンさんはじめマリリン、ホッシー、キムノリちゃんや岡さん達)
・漆黒(ランチさん、アレンさん、シマテツさん、バンビくん。レベル違いすぎるのに感謝です)、
・ゆるゆる、MMなどなど・・・誰が誰だか分からないくらい・・・(すみません)
・漆黒入りを目指すイサキちゃん(よく頑張りました。今ランチさんに申請すると正会員になれる可能性大ですよ)
・嫁より私を優先してくれた茶太郎さん(よしのちゃんすまんです)
・心拍をとことん鍛えてくれた比登美嬢。
・そしてクソなまいきでめちゃかわいい山猿。
・トレランはしないけどいつも見守ってくれた暖談畑のよっちゃん。
その他なんて言えないくらいの方々。
そして徐々にUTMFの開催が現実味。
山で走っていても話題はUTMF。
完全にUTMF対策。(ん?全部漆黒の方だ)
・映画館でお酒を飲みながら2本観れるか。(熟睡にて2本目失敗)=48時間対策
・上野で5件はしごできるか。(成功)=夜間走り対策
・二郎ラーメン完食できるか。(神保町以外成功)=内臓疲労対策
・百円ハイボール20杯以上いけるか。(成功)=給水対策?
などなど。
そして、ついに来ました。
≪5月18日≫
朝7時30分に茶太郎さんと待ち合わせ。
156キロの大会に車出していただき有難うございます。感謝感謝感謝。
会場に10時ごろ到着、受付、装備品チェックなどを受けながら昼食。
そのあとドロップバックの内容確認したり、痛めてる足首にテーピングぐるぐる巻きにしたりしているとすでに14時。
仮眠したかったけどできず。そして開会式。
≪スタート~A1≫
河口湖大池公園を15時にスタート。
いよいよ壮大な旅の始まり。日差しが強く暑い。
800名強の選手が沢山の声援を受けながら河口湖大橋を走る。
他の大会と違い行程が長すぎるのでガツガツと追い抜く人ほとんどいない。
木無山に向かう林道をみな自分のリズムで登ってく。
知り合いにも沢山合いお互いエールをかわす。
木無山分岐でロードに出てこれを下る。前半でのロード下りは要注意。ゆっくりのんびり下る。
送電線へ向かうところでトレイルに入る。
シングルトラックに長蛇の列なのだが、文句ひとつなくきれいに進む。
富士吉田に下り、A1に到着。
ここのエイドは’吉田うどん’
長丁場は胃との勝負でもある。しっかり給食。
≪A1~A2≫
ここで三浦で知り合ったトヤさんとあう。
これから夜間走。一人はさびしいのでここから引っ張ってもらう。
(結局A8までつきあわせてしまう)
長い林道歩きも会話があれば楽しく進める。
杓子山登山道入口でヘッドランプを装着。気温も急激に下がりヤッケを着こむ。
ここの急登は直登で結構脚にくる。
寒いのに暑い。ヤッケを脱ぐ。
上で頂上にある鐘の音が聞こえる。あと少し。
登り切り私も鐘を鳴らす。その向こうには富士山が。なんとも幻想的。
のんびりしたいが風も強く寒いので、すぐに行動。
稜線からの下りがすリッピーで少々渋滞。
でも誰も文句言わずにしっかり一列にならんで安全下り。
みんながいるので暗闇でもみんなのヘッデンで明るすぎ・・・超安全。
下っていくとA2がほんのり見えてくる、人の声も聞こえてくる。
何だかうれしくなってくる。
ここのエイドでは’フルーツ’ぐらいで済む。
給水も完ぺき。
≪A2~A3≫
ここから石割山への登り。試走ではへばっていたけど。あっという間に登頂。
風も強く寒いのでここも早々に退散。石割神社へ下る。
石割神社で火を焚いて頂いており、ほっとする。
あとは林道を下って下って山中湖に降りるのだが、この凸凹林道、実は大の苦手。
ここで左足ねんざする。(怪我してる右足だったらここで終了だったな)
あ~やっちまった。。。ここで終わりたくない・・・涙があふれてきたよ。
(夜なのでとやさんにはみられず。。。)
痛いながらもなんとか走って、山中湖きらら到着。
ここではエイドだけでなく、サポート隊の手厚い支援を受ける。
(一度しか伺ったことのないコアシスの方々がうどんやらそうめんやら・・・痛めた左足首も復帰)
ここまでタイムも出来すぎ、順調。
≪A3~A4≫
試走では泣きをみた鉄砲木の頭への登りも、暗くて上が見えないのが功を奏したのか案外楽な気持ちで登頂。
三国ハイキングコースは実に走りやすく、のんびり楽しみながら漆黒のトレイルを堪能する。
立山からはぐんぐん下り別荘地帯までくる。
2週間前、ここまでの試走で12時間20分(制限時間12時間)かかり青ざめたが、今日は9時間37分。
ちょっと早すぎ。
ここでもコアシスの方々の手厚いサポートを受ける。
≪A4~A5≫
ここからは3日前に公開された試走禁止区間で自衛隊の演習場内。
まずはロードで’ふじあざみライン’のまっすぐなロードをひたすら登る。
多分一里松あたりで自衛隊敷地内に入ったと思う。
ちょっと興味はあったのだが’単調できつい’の一言。真っ暗ななか土も真っ黒でさらさら。脚もとられて結構スタミナ消耗。
新五合目につくころにはフラフラ。
カップ麺を頂くが半分しか胃に入らず。
早くも内臓系赤信号点滅。やばい!
そして脚も止まる。しかもここは五合目(1422m)寒い。
しばらく休憩用テントで毛布に包まれストーブの前で暖まる。
ここまで引っ張ってくれたトヤさんに’俺だめかもしれないから先に行って’
といっても大丈夫大丈夫と付き合ってくれる。
暖まりうとうとしてくると、今までの練習や仲間の顔が浮かんでくる。
よく頑張った、無理する必要ないよ。ここまでよくやった。
という声が聞こえたかと思ったら、手に持っているストックが、
俺がついているから大丈夫と言っている。
(ストック=この日の為に山猿くんに借りた)
はっと目が覚める。
もう、ここからストック使いまくり。
≪A5~A6≫
次の水が塚公園までは富士山スカイラインのロード。
脚には響くが、胃には優しい。
内臓回復ランでひたすらロードを進む。
そんなのろのろランにトヤさん付き合ってくれる。
ほとんど歩いているのでなかなかつかない。
しかも深夜の単調なロード。今度は睡魔が襲ってくる。
規制しているパイロンの光が睡眠療法に陥っている感覚。
同じような人発見。
目の前の人、完全に蛇行している。大丈夫だろうか。
声をかけるとまだしっかり答えてる。
みな戦っているんだ!頑張るぞ。
やっとのことでA6に到着。
エイドで暖かい水餃子入りそばを食べる。
少しだけ食べれるようになるが半分残す・・・
ここでも腰を下ろしてしばしうとうと。
《A6~A7》
トヤさんのそろそろ行きますか?の声に誘われて歩き始める。
ちょうど日の出前でほんのり東の空が明るくなってくる。
明るくなってくると自然と元気にもなってくる。
すぐにスキー場のゲレンデの下り。これも苦手。
トヤさんが溝があるたびに注意を促してくれる。うれしい限りです。
ゲレンデを離れると変なトレイル・・・走りづらい。
ここでも足首ひねるが左。右足をかばっているので左足首がかわいそうなぐらい。
でも歩ける。
A7は子供の国。しばらく進むと観覧車が見える。ここを超えればすぐじゃん。
とうれしくなる・・・・・・・・がちっとも近づかない。
(見えたのは日本ランドのものらしい)
とってつくったような走りづらいトレイルを進む。とお~~~い。
ぽんっと林道にでる。ここでスタッフのかたがあと少しですよ。
と、その通りあと少しで子供の国に着きました・・・が、
そこからエイドまでの登りが疲れた体にひびく響く。
到着するとスタッフの方がすぐにドロップバックをもって来てくれる。
そして、コアシスのエイドもある。
びっくりが、明日(20日)野辺山にでるバンビ君が応援にきているではないか。
うれしい限りです。
ここでのんびり、着替え。
左足小指に豆ができ、そして破れているので消毒。痛い・・・・・・・・・・
コアシスのかたのサポートを受けながら治療をしっかりする。
ここはSTYのスタート地点でもあるので、STYに出る方からも声援を受ける。
準備が整うとドロップバックを係のテントへ運んでくれる。
至れり尽くせりで大感謝。
天候は雲ひとつない快晴。きょうは暑さとの戦いだな~と感じる。
《A7~W1》
着替えを済ませ次のポイントへ進む。
既に明るくなったので林道を快適に走る。日陰だし気持ち良い。
最初はよかったけど、単調でなが~くてだんだんと飽きてくる。
そしていやな予感的中。3日前に公開されたこの区間。
なんで真っ直ぐなんだ?よ~く地図を観ると送電線沿いのルート。
等高線上はあまりUPDOWNを感じさせないのだが、等高線に現れない微妙なUPDOWNがずーっと続く。
東電の人以外入らなそうなルート。電線は真っ直ぐでいいな~なんて思いながらあえぐ。
W1は給水のみ、サポート隊も入れない場所。
しばし日陰で座り込む。
《W1~A8》
気合い入れて走り始めるが、まだまだながーい送電線ルート。
そして日差しが強い。
ここまで引っ張ってくれたトヤさんも若干日差しにやられた模様。
日陰が最高のオアシス。(5分と休むとすぐに冷えるけど)
A7からはほとんど人に会わず、選手とも5~6名が前後するぐらいで気持ちだけで進む。
(ウルトラ女子部の方と終始前後し気が紛れる)
体力と言うより精神面が試されたA7~A8間。
やっと大きなエイドである西富士中学校に到着。
いままで膝が痛くなることってそんなになかったのだが、既に100キロを超えた地点。
(これまでの最長距離は77キロ、なので今回倍以上更新する大会)
流石に膝・・・悲鳴を上げてます。
このまま天子山塊には望めそうにないのでトヤさんには先に行ってもらう。
ここでやめるか。行くか。
とりあえず可能性のあるものは全部使ってしまえということで、ここのエイドにあるマッサージを受ける。
症状を伝えたっぷりマッサージを施してもらう。
既にスタートから20時間過ぎているのでマッサージの気持ち良さに撃沈。
ここで1H程熟睡。
ここからの天子山塊が後半の大きな山場。途中にエイドもサポートもなし。10時間近く破線ルートを進むことになる。
起きて観るとなんと膝の痛みが軽減されている。
そして私の右手は’山猿ストック’を握りしめている。
そうだ一人じゃないんだ。
シューズを履き直し、2リットルの水と25個のジェルをもって突入。
この関門では山に入る前に装備チェックが行われる。
地図、磁石、携帯トイレ、救急セット、サバイバルブランケット、ライト、雨具上下などなど・・・
最低限2000メートルの稜線でビバーク出来る装備かな。
《A8~A9》
予想通り一番辛い区間。100キロ走らせた後にこれですか?って感じ。
天子へのこれでもかっていう登り。
稜線にでると、やせ尾根、スリッピーな下り。
激しいUPDOWN。
めげそうになる。
でもこのあたりから、STYの選手が後ろからやってくる。
みな元気。ありがたいことに声もかけてくれる。
睡魔に襲われ岩にもたれていると、STY女子7位の岡さんに大丈夫?なにか必要なものある?
と、気にかけてくれ恐縮。大丈夫眠いだけ。
この区間危険場所にはスタッフがいて注意を促してくれる。
日中は20度近くあったらしいけど、夜は0度近くになる。
大変なサポート。感謝なんて言葉で表せないな。申し訳なく感じてしまう。
そしてラスボスの毛無山への登り。
登っても登っても毛がなくならないながーい急登。
ここでは’みほち’さんに遭遇。なんとかくらいつく。
ジャスト19時に毛無山山頂。
雲海に浮かぶ富士山がなんとも幻想的でしばし横たわる。
あとは下るだけだ!
ん???甘かった。
2つほどピークを越え、最後にものすごいスリッピーな下りを何回も転びなら下り。
もうすぐA9の本栖湖かなと思っていると、なんと正面にでかい山がど~ん。
竜ヶ岳をなめてました。
頂上をめざしライトがつづら折りにつながっている距離をみて戦意喪失。
ここに来て200登って500下りますと。。。。。。。
もう脚ありません。
だらだら登っていると歩荷の部のばななさん発見。
あの巨大なザックで頑張っているのだからわたしも頑張る。と気合いだけで登る。
止まってしまうと即低体温にやられかねない。
やっとのおもいで山頂到着。
さてここから500下る・・・って。
つづら折りに下るルートは無限に近く何度も何度もキックバック。l
本栖湖の湖底まで下ってるんじゃないかと思うほど。
同じ繰り返しでまたまた睡魔。意識がもうろうとしてくる。
何十回?百回ぐらい?折り返すと下から声援が聞こえてくる。
もうすぐ本栖湖だ。
元気になる。
本栖湖スポーツセンター内では今日一番のスピードで駆け抜ける。
二晩目の22時過ぎに無事到着。
関門を通過するとそこには山猿ちゃんが迎えてくれました。
こんな時間にありがとう。
この区間山猿ストック使いまくり相当助けられたぜい。
感謝感謝です。
うれしくてホットし安心したらものすごい睡魔に襲われる。
ここのエイドでは仮眠できるので、まずは腹ごしらえ。
鹿カレー旨かったけど胃が弱っているときにあの辛さは・・・
食事のあとにマッサージを受けそのまま仮眠室で爆睡。
(普通の板の間に持参のサバイバルシートにくるまって寝る)
《A9~W2》
朝4時に起きると仮眠室どころか廊下まで・・・
まるで野戦病院。ものすごい光景。
朝食を早々に済ませ、次のエイドW2鳴沢を目指す。
まだ27キロ残しているものの、なんとか目処がつく。
仲間には10時ゴールを宣言出来るぐらい超回復。
のんびり走りながら大会を振り返ると自然と涙があふれ出し止まらない。
周りにだれもいないのでなりふり構わず泣きまくる。
体が軽く、のんびり走りも徐々にビルドアップ。
樹海の中を軽快に走る。最高に気持ちがいい。
ロードに出ると流石に足底がビリビリと響いて痛い。
ここでクリールの編集長に出会う。
3キロほど一緒に歩く。気が紛れて痛みを忘れる。
あまりにも速く走ってしまったので鳴沢に1時間ほど速く到着。
ここであんちゃんが余裕でゴール時間調整。
《W2~ゴール》
ここからはあんちゃんとのんびり東海自然歩道を歩く。
気持ちのよいトレイル。
足和田山からはゴールの河口湖大橋が見える。
正面にはこの3日間見続けた富士山がどーんと構えている。
富士山にお礼を言って、仲間が待つゴールへ向かう。
湖畔に下りると瀬尾ちゃんがものすごい勢いで迫っくる。
ここから瀬尾ちゃんと併走する。
残り3キロ地点では正面から茶太郎さんが迎えにきてくれた。
苦しかったと思うけど切り替えて応援してくれる。
だんだん目頭が熱くなってくる。
残り300では、山猿ちゃんが。
涙もろくなったのか・・・心の汗が止まらない。
前がかすんでよく見えない。
きっと涙でくしゃくしゃの顔なんだろうな。と
みっともないけど、今日ぐらいゆるすぜ!
ゴール手前ではよしのちゃんときむのりが・・・
ハグしわすれた・・・笑
ゴールするとそこには大会委員長の鏑木さんが。
完走ベストを直接頂く。
山猿ちゃんがすぐにビールをあけてくれた。
一気に飲み干す。
忘れられない思い出に残る美酒。
仲間達、スタッフボランティアの方々、大会関係者、そして富士山に乾杯!
おわり
《エピローグ》
ゴール後は会場で酒盛り。
深夜にゴールした方はいすに腰掛け爆睡。
昨晩本栖湖で5時間も寝た私は元気にビール、日本酒、バカルディにワイン。
と飲みまくり。
ほどよく饒舌になったところに月刊ランナーズの取材。
酔っ払いの戯言は記事にならないだろうな。
そして帰りみち。御殿場のふじもりで小豚やさい増完食。
筋肉痛なし、食欲あり。・・・・
金冠日食の今日。脚・・・ゾウ。全身浮腫み。ゆっくり休養。
≪今後の為に≫
ここはもっと詳細に検討しますので流して下さい。
使いこなしたもの
・ストック:長距離トレイルには必須。
・サバイバルブランケット:仮眠施設に毛布などがある保障はない。
持っていて使わなかったもの多数・・・
・ジェル20個も余ってしまった。
3日間天気に恵まれたので完走率も高かったと思われます。
雨降ったらやばいとこ沢山。それこそ30%は確実きってしまうでしょう。



