求愛

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クラスメートのもっちゃん。

初めて知的障害者と出会った。

ご両親の強い希望で彼は校内に1人だけ在籍。

初めはただならぬ雰囲気に人見知り警報がワンワン鳴った。

そんな私に構うことなくマイペースを貫くので警報はすぐに解除された。


もっちゃんは授業中、別の課題をもくもくと解いていた。

どんな内容か見てみると算数は小1程度。
計算が苦手なので指や物を使ってひたすら考えこんで固まっていた。


国語は漢字が得意でクラスと同レベル。
字を書くのはものすごいゆっくりで、力の入った癖が強めの確実に読める文字。


ドラえもんがとにかく大好きで『ドラえもん描いて~』と言うとニコニコしながら、ゆっくり描いてくれた。


会話はキャッチボールというよりバッティングセンター感覚で次々と質問をしていくと、色々話してくれた。


口が上手く回らないので、聞き取れない所はその都度聞き直すとゆっくり答えてくれて、ちょっとしたクイズゲーム。


時間をかけて私が理解したのを見ると嬉しそうにニコニコしていた。


もっちゃんはドラえもん愛が凄まじく、からかってドラえもんのペンを貰おうとするとめちゃくちゃ怒られた。

ブランコが好きで一緒に遊んでいたらハマってしまい、授業開始の時間になってもブランコから降りずに大苦戦。

ありったけの言葉をかけても、うんともすんとも石のように動かない。口はへの字。

困り果てて岡部先生の元へ走り事情を説明すると駆けつけてくれた。

岡部先生が優しく話しかけるとすぐに立ち上がって教室に戻っていった。

岡部先生の凄さと私の非力さに愕然。




仲のよい友達複数人ともっちゃんの家に遊びにいくとお城のような豪邸。

彼はとんでもない王子様だった。

お母さんがとにかく優しくて、この家に生まれたら人生違っただろうなとうっすら思った。


彼は次第に私の魅力に取り付かれ、機嫌が良いとキスを迫ってくるようになった。

猫と絡んだ瞬発力で巧みに交わしながらたくさん遊んだ。

下校は遠回りだけど彼が家に入るまでこっそり後をつけて見届けてから帰宅した。


完全にストーカー。


恋ではなかったけどもっちゃんの笑顔が見れると幸せな気分になった。


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