わたしの本棚

わたしの読書ノート。


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文藝春秋 [単行本] 2012年3月

「はなちゃんは、どうして、おみそ汁を作っているの?」
はなはこう答えていた。
「お母さんとお父さんが笑ってくれるから」 (P198)

私がもし死ぬ時は、子供の成長にシミを残すような死に方はしてはいけないと思っている。
3人の子は、今、中1・小4・年長。まだまだ、成長過程。
子供にとって、母である私は唯一の存在、一番の存在(夫には申し訳ないが)。だから今は死ねない。
・・・しかし、もし私が死ぬようなことがあったら、子供に落としてしまう黒いシミを少しでもプラスの成長につながるように筋道を付けて逝きたい。

安武千恵さんは、愛娘・はなちゃんにたくさんのものを残していったんだろうな。
はなちゃん、ウチの子、そして世界中の子供たちの心身ともに健やかな成長を心から願う。

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文藝春秋 [単行本] 2011年6月

「湯川、おまえはそれでいいのか」草薙は湯川の背中に尋ねた。「こんな決着でいいのか。誰かの人生がねじ曲げられようとしているんだろ?それを防がなくていいのか」
 湯川は振り返った。「いいわけがない」よく響く声でいった。「だから、玻璃ヶ浦(はりがうら)に戻るんだ」 (P382)

やっぱり、おもしろいな。期待通り。
東野圭吾著の本は独身のころ『秘密』を読んで好きじゃなかったのでしばらく敬遠していた。が、映画『容疑者Xの献身』を観ておもしろくて本も読んだら本のほうがおもしろかったので、これから東野圭吾の本もアリだな(かなり上から目線で申し訳ない)と思って、同本を読んでみた。
驚くようなトリックはないけど面白い。・・・と思っていたら、最後の真相に鳥肌が立った。鈍いと言えば鈍いけど、最後は『容疑者Xの献身』のように終わるのだと思っていた。
そんなところがいい。
・・・と思って一旦落ち着いたが、本当にこれでいいのか?
田舎警官のお粗末な捜査・判断の結果と言えばそうだが、ひとりひとりの登場人物のことを思い浮かべていると被害者の元警官が浮かばれない・・・。


「だけどそれをすぐに導き出せるとはかぎらない。人生においてもそうだ。今すぐには答えを出せない問題なんて、これから先、いくつも現れるだろう。そのたびに悩むことには価値がある。しかし焦る必要はない。答えを出すためには、自分自身の成長が求められている場合も少なくない。だから人間は学び、努力し、自分を磨かなきゃいけないんだ」 (P412)

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集英社 [文庫本] 2004年7月


 -ここが、わが生涯の終る土地か!

 いったんは、生命を棄てる覚悟を決めた。

 瞬間・・・・・・。

 いずこからともなく、

 「姜維!」

 凛呼たる故孔明の叱咤の朗声が、ひびいて来た。

 「軍師たる者、死地に追いつめたれてこそ、その生を惜しみ、後日の勝利を期し、死中に活をもとめて、戦うものであることを忘れたか!うつけ者!」

 「はっ!」

 翻然として、われにかえった姜維は、たしかに神秘な活力が、心身に満ちあふれるのをおぼえた。 (P389)


 ・・・・・・正直なところ、われらが天子は、決して英明ではあらせられぬ。司馬昭ごとき者の専横に、おびえて居られるさまは、見るに耐えぬ。さりとて、ひとたび、帝位に在らせられるからは、われらは、陛下を奉じ、忠節を尽すのが、臣下としての正道を踏むことだ。 (P399)


昨年1月ころより読み始めた、英雄三国志もとうとう終わったしまった…。長い戦いが終わったような気分。


歴史で「魏・呉・蜀が滅び、晋となった」と一言で終わるところだが、そう簡単な統一ではない。

もちろんそうだけど、初めて知ったような。


気持ちは蜀寄りだったので、いつ滅びてしまうんだろうとハラハラドキドキしながら読んだ。

劉備が死ぬとき言ったこと「息子・劉禅は王になる器ではないので・・・」と言うのはホントだったなと今にして思う。

趙雲子龍が命がけで赤子の劉禅を守ったのに・・・、その価値はあったのか。

くやしいね。劉備への義の気持ちが浮かばれない。






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現代書林 [単行本] 2011年7月


この本は小説ではない。

自己啓発本として読むんだったら、いい本だと思う。

なぜ小説ではないのだろう・・・と考えてみた。

作者の伝えたい事が満載しすぎてるから・・・?かな。


二十歳前後のころ、宮本輝の小説をたくさん読んだ。

登場人物の中に「私もこうなりたい、こう考えられる人になりたい」と思う人たちがたくさん出てきたから。

起承転結のストーリーの中でさりげない行動やひとことふたこと話す言葉の中にこうなりたいと思う人となりを感じる事ができたから。



大切なことがたくさん書いてあるので、この本に書かれてあることをよーく噛み砕いて、自分の息子や娘に自分の言葉で伝えていけたらなと思う。



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小学館 [単行本] 2011年11月


まさに、『青春』!

ムズムズするほど、『青春』だな~と思う本。

中学生の平均台を渡るような危うい内面が良く書いてあった。

今春中学生になった自分の長男を思いながら読んだ。まだまだ幼さが残る息子だが、もう少しすると親にも言えない悩みが出てくるんだろうな・・・。

自分が親には相談しないような子供だったからきっと息子もそうだろう。でも私がそうだったように両親・家族からの愛をたくさん注ぎ込まれてるから、大きな壁にぶつかってもきっと大丈夫。

話は違うが、本を読んでいる途中、アンジェラ・アキの『手紙~拝啓 十五の君へ~』がすごく聞きたくなった。

 


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わたしの本棚-図書館戦争




















メディアワークス [文庫本] 2006年2月

 「僕たちの学校の図書室は今まで生徒の希望を重視した本を購入してくれていて、僕たちはそのおかげで様々な感動を本から得ることができました。ところが『考える会』の規制で、僕たちはその感動をかなりの部分取り上げられてしまいました。図書館の本まで規制されてしまったら、本を買うお金が少ない子供たちは読書の楽しみを大幅に失ってしまいます。僕たちは市立図書館に対して、読書の自由を守ってくれることを希望します」 (P262)

 『阪急電車』の図書館のエピソードが好きだったので読んでみた。
でもこんな話だったとは。今気付いたけど、表紙絵そのまま。

このシリーズが出てるようだけど、
『図書館内乱』、『図書館危機』、『図書館革命』
私のリストの中にはもう無いかな。




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小学館 [単行本] 2010年10月

「医者は、患者のために命がけで働くべきだという。この国の医療は狂っているんだ。医者が命を削り、家族を捨てて患者のために働くことを美徳とする世界。夜も眠らずぼろぼろになるまで働くことを正義とする世界。主治医?馬鹿を言っちゃいけない。二十四時間受け持ち患者のために駈けずり回るなんて、おかしいだろう。僕たちは人間なんだぞ。それでもこの国の人々は、平然と中傷するんだ。夜に掛け付けなかった医師に対して、なぜ来なかったのかと大声をあげるんだ。誰もが狂っていて、しかも誰もが自分が正しいと勘違いしているんだよ。違うか、栗原」 (P163)

 偉そうだけど、1巻目よりもすごく文章が上手くなっている。読んでいて気持ちよかった。1巻目で少し慣れたせいもあるのか一止(いちと)の古文風口調もあまり気にならなくなった。
話の内容もおもしろかった。

藍染めの松本紬が良く似合う。古狐先生の細君ということは五十を越えているはずだが、ゆったりとした挙措の中にも凛とした空気がある。背丈は古狐先生と同じくらいだが、気品ある立ち姿のためか、すらりと高く見えるくらいだ。 (P107)

 この本に出てくる女の人が凛としていて好き。




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文藝春秋 [単行本] 2009年9月

 居間に戻り、窓の前に立つ。昨日から降り続いた雪はやっとやんだが、相変わらず太陽は姿を消したままだ。日曜日なのに人影はまったくない。誰かの声も聞こえない。雪のせいとはいえ、死んだような町だ。友則は、どうして自分がこんな場所にいるのかとため息を漏らした。我ながら冴えない人生を送っている。こんなはずではなかった。 (P486)

 笑える楽しい話ではない。しかも重たいくらい分厚い本。でも最後まで読みたくなる本。
同著者の『空中ブランコ』などの精神科医・伊良部シリーズが好きだったので読んでみた。

 この小説はこの寒い時期に読んだほうがしっくりはまる。
いつも重たい空と冴えない地方都市、このグレーな空間で石が下り坂を転がるように、落ちていく人生。
ひとつ掛け違えばどんどんどんどん悪い方向へ転がっていく。どうすることもできない・・・無理っ。
そういう意味で題名がついたのかどうかわからないけど。
もうすぐ、もうすぐしたらこの人たち(登場人物)に転機あり光が見えてくるんじゃないか・・・と思いながら
読み進めたが一向に「こんなはずではなかった」状態。

最後のあれは転機なのか?

転機であってほしい。
 

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わたしの本棚-神様のカルテ
 

















小学館 [単行本] 2009年8月
 
思えば私の仕事も同じようなものかもしれない。

 点滴やら抗生剤やらを用いて、絶える命を引き延ばしているなどと考えては傲慢だ。もとより寿命なるものは人知の及ぶところではない。最初から定めが決まっている。土に埋もれた定められた命を、掘り起こし光を当て、よりよい最期の時を作り出していく。医師とはそういう存在ではないか。(P145)

軽い。文章が軽い。
図書館で予約していて借りた本で、自分の後に予約者がたくさんいたので延滞は望めないなぁと思い立ち、返却予定日2日前に読み始めたら1日ちょっとで読めてしまった。
夏目漱石風口調の
主人公栗原一止(くりはらいちと)には違和感を感じたが、その奥さんハルには親しみを覚えた。
この夫婦のあり方は自分の理想に近いかも・・・。
安曇さんに施す終末期医療の話は良かったが、もっと安曇さんや一止、まわりの登場人物を深く掘り下げてその人たちの人生も感じることができたらもっともっと感動したと思う。
全体のテーマが重かっただけにさらっと読めたことがちょっと残念な気がする。

ちょっとアラフォーぽい感想になってしまった・・・。

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集英社 [文庫本] 2004年6月


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ーーーー丞相は、戦場で相果てるお覚悟なのだ。その秋(とき)を、すでに予測されている!

 あるいは、並みの人間ならば、もう疾(と)くに他界してしまっているであろう病軀にあり乍ら、孔明は、異常な気力で、蜀という他の二国に比べてすべてが劣る国を、双肩で支えて生きているのであった。 (P274)


 とうとう孔明が死んでしまった。私の大好きだった、趙雲子龍(ちょううんしりゅう)も病気で死んでしまった・・・。関羽や張飛に比べると控えめで、劉備や孔明へ人一倍忠義を尽くす姿が大好きなキャラクターの理由だった。さみしいなぁ・・・。


 孔明が死ぬ間際、すごいの一言。遺言や自分が死んだ後起こるであろう事柄、その対処法などを後継者に伝える・・・、なんという気力だろう。


 この巻では、魏の将軍・仲達との戦いも見もの。軍師ぶりは孔明、運は仲達に軍配が上がる。


 また、最後の方に作者余語がある。これもおもしろい。


 孔明は、古今にその比をみざる名丞相であった。(略)孔明は、全く余分な財産など、ひとつも所有していなかった。(略)現代の日本の政治家ー殊に、田中角栄などと比べてみるがよい。私は、そのためにも、敢えて、政治家諸氏に、『三国志』を読むことをすすめたい。 (P451)


 筆者は、はたして、姜維(きょうい)の死闘を、いかにして描き得るか、自信はないが、努力をこころみることになる。 (P452)


次は最終巻。楽しみだ。





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