April 15, 2005

アイズ・ワイド・シャット (EYES WIDE SHUT)

テーマ:結婚生活

「愛に努力は不要か?」 という記事に触発されて夫婦愛について書いてみることにする。

 

巨匠キューブリック監督の遺作となった「アイズ・ワイド・シャット」が公開されたときに夫と二人で見に行ったことを思い出した。日本語に訳すと「両目を大きく閉ざす」という意味ありげなタイトル。

 


タイトル: アイズ ワイド シャット 特別版

大物スターの起用、映画公開5日後に監督が謎の死を遂げるなど話題性ばかりが先行したこの映画の批評は「傑作」と「駄作」の真っ二つに分かれた。

 

「駄作」と言う人たちのクレームは概して「何を言いたいのかわからない」というものだった。

 

確かにこの映画は、夫婦愛を主旋律としながらも、秘密結社内部事情を暴くような描写や、噂されている映画業界とマフィアの癒着告発といった不協和音も織り交ぜられており、まるでサティのピアノ曲のような、違う角度からみるとまったく異なるものに見える玉虫色の織物のような作品だった。


晩年のキューブリックだからこそ織り込むことができたアンタッチャブルの世界だろうし、何を言いたいのか誰でもわかるように描いたら一般公開の妨害工作だって行われていたかもしれない。

どっちみちキューブリックの目は閉ざされ、作品は必要以上に駄作扱いされたが・・・

それでも両目の開いている人には彼の第二のメッセージが届いたことだろう。

 

 

しかし、やはり彼の第一のメッセージは「夫婦愛」についてなのだと思う。

 

それはアンタッチャブルの世界と対極の位置にある、愛し、愛の営みを行い、子孫を残していくという原始的ともいえる愛の世界である。

それは「破壊」に対する「建設」のようなものだ。

 

この映画に出てくる夫婦の設定というのが面白くて、要するに夫婦の破綻の材料がてんこ盛りの環境におかれている。

 

結婚9年という倦怠期。

医師として成功している夫の多忙な日常。

美貌と暇をもてあます有閑マダムの妻。

 

誘惑はいたるところにあるし、実際彼らはその誘惑に翻弄されまくる。

 

しかし、嵐の中で、奈落へ落ちる一歩手前のところで医師の夫は自制するのだ。

そして嵐が過ぎる。

 

彼らの夫婦関係はなぜ救われたのだろうか?

 

夫と私はそのことについて語り、健全な夫婦関係を維持していくのに大切な三つの要素をこの映画が提示していることを導き出した。

 

第一の要素は

お互いに貞操を守ること

(二人とも何度も誘惑にかられたけど、特に夫の方はぎりぎりのところまで行きながらも相手のことを思い出し踏みとどまる)

 

第二の要素は

お互いに秘密をもたないこと

(時に相手の秘密を知ることは辛いことでもある。でも秘密を隠し続けるのはもっと辛いものだ。心の内を吐露することによってこの夫婦はやっと苦しみから解放された)

 

そして第三の要素は

夫婦間に健全なセックスがあること

(どちらか一方が性欲の捌け口に欲求不満を感じていたら第一の要素を守ることは難しいし、そうすると第二の要素を守るのがもっと難しくなるし・・・どれか一つが欠けると別の要素への負担が加重していく。)

 

この三つの基本的要素を全部満たしている夫婦は案外少ないのかもしれない。

でも夫婦関係を長く維持していくには、こういったことに対するお互いの心構え、夫婦関係を良好に保っていこうという意思と信頼と、そして日々の小さな努力の積み重ねがあるのだと思う。

 

結婚して10年。私達はこの夫婦と同じような倦怠期にいる。またこの映画を見返して見る時だ。

 

でも、この夫婦が巻き込まれたような誘惑には・・・・・

 

どちらもめったに出会わない。

 

 

著者: アルトゥル・シュニッツラー, 池田 香代子
タイトル: 夢奇譚

 

 

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コメント

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12 ■ダーリン/Oh-Wellさんへ

さるおさんからたまたまTBをいただいたのがきっかけで多くの映画通の方の解釈を知る事ができました。同時に私の解釈もぶつけてみたいと感じて不躾にもTBさせていただいた次第です。普段は映画の題材を扱う事は少ないのですが、また機会が会った時にはぜひ意見交換させていただきたいと存じます。今後とも宜しくお願いいたします。

11 ■*今後とも宜しくお願いします

★artsumaさん、

先日は拙ブログにTBを頂きありがとうございます。

僕に取って『アイズ ワイド シャット』は、
他の多くのキューブリック映画同様にぞくぞくする冷ややかさ
や美や寓話性を湛えた映画です。

新たな発見があったり、形(言葉)に出来たりするものがあれば、
ぜひTBなど交し合えればと願っております!

***

artsumaさんの夫婦考察、じんわりと感じ入ってしまいました。

夫婦、夫婦関係、夫婦のセックスを扱った映画としても、
当然『アイズ ワイド シャット』は僕に取って忘れ難いものです。

あと、
成瀬映画に在る夫婦も僕に取っては多くがさまざまな魅惑を湛え
ています。

幸い、今年は彼の映画がさまざまな形で鑑賞できますから、
2、3、形にして行ければと思っています。

それでは、またお気軽に遊びにいらしてください、
今後とも宜しくお願いいたします!

10 ■さるおさん

コメント&TBありがとうございます。
味わい深い大人の作品ですよね。

9 ■愛に努力は必要でしょう

玉虫色の・・・・
なるほど、素敵な表現。確かにそんなイメージですね
私もなんのかんのといっても、これは夫婦愛の話だったと思っている一人です(笑)

8 ■coyabuさんへ

コメント&TBありがとうございます。まあ、3要素は必須要素ではないですから・・・(笑)。夫婦で映画を一緒に見て感想を述べ合うというのはいいですよね。

7 ■耳が痛いです

TBありがとうございます。我が家の場合、3要素全て満たされてない気がします。この映画は夫婦仲良く見ましたが、いつも辛口の妻の感想は、「トム君が雰囲気をぶち壊してて嫌だ」でした。結婚12年目、週末の私の手料理と仲良くDVDを見るのが夫婦関係の維持に役立っています。愛に努力は必要です。たぶん。

6 ■ssk2さんへ

医師である夫の心のひだともいえる微妙な心理変化が上手く効果的に描写されていましたよね。

5 ■男の視点

僕この映画好きですね~。トムクルーズのことごとく浮気できそうで、できない状況、その後、無言でムラムラしてるシーンが繰り返されて笑えます。その裏返しで、恐怖をあおる演出も上手ですよね。ピアノの音とかほんとに怖い。

4 ■Sweethoneyさんへ

普段から夫婦のあり方を話し合って同じビジョンをもっていらっしゃるならきっと素敵な夫婦関係を築かれて行かれることと思いますよ。

3 ■Pokiさんへ

多分Nキッドマンに似てないほど実践しやすいかと・・・(^ ^)

2 ■アイズワイドシャット

この作品、問題作って言われていましたよね。
私は見ていないのですが・・・。
夫婦に大切な三つの要素。
まだ私は夫婦になってから1年も経っていないのですが、
これからどんな風に変わっていくのか、
期待と不安が入り混じる気持ちです。
お互いの努力が大切ですね。

1 ■なるほど

健全な夫婦関係かぁ。
よし!自分に
置き換えて見てみるか。
Nキッドマンが私とは
ずーずーし過ぎだが、、、。

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