August 31, 2005

在外選挙

テーマ:海外で働く
選挙が近づいておりますねえ。
こっちじゃ投票は今日からですよ、今日から
昨日が公示で今日いきなり投票開始でございますよ。
だいたい海外に在住しておりますと日本の情報へのアクセス量もめちゃめちゃ少ないわけですから地元で誰が立候補して新党はどうなっていてなんてことを調べるのにも時間と根気が人一倍いるわけですよ。
なのに投票は日本在住の方々よりも早く済ませなければいけないのでございます。
投票所は総領事館です。
投票期間は今日から来週の月曜日まで。
夜間は開いてないので金曜日のランチタイムにでも投票してこようと思っています。
私がこちらの国に来たばかりの頃はまだ在外選挙は出来なかったのですが、それからまもなくして可能になりました。
嬉しくなってすぐ「在外選挙人証」発行申請手続きをしましたよ。 (←新しものずき)
引っ越してきたばかりの頃は日本の将来を憂える日本人そのままであり、この国の政治には無関心に近いものがありました。まあ、でも長年住んでいるとこちらの政治家の名前や顔もそれなりに覚えるし、興味を持ってくるようになるし、しまいには口も出したくなってしまうもんでございますね。
周りの外国出身者たちを見ておりますと、この口出ししたくなった時が国籍を取得しようと考える契機になるようでございます。
(ちなみにこの国の選挙は強制投票でして、投票しない国民はペナルティを受けます。)
日本政府は二重国籍を認めていないので私は日本国籍のままでいるつもりですがね。
でも日本の国内問題にはやはりだんだん疎くなっていきますよ。
私がこちらにいる間に郵便番号が7桁になったり、休日や祝日が変わったり、省庁名が変わったり、けっこうついていくのは大変です。
前回の総選挙の時はきちんとリサーチする余裕がなかったのでパスしちゃいました。
でも今回は行くつもりです。
ダイヤルアップ接続の身にはつらいですが、インターネットで着々と下調べをしております。
TVや新聞で簡単にいろいろな情報が入ってくる日本はいいよな~・・・・
と思っていたらなんだか今回はTV等は偏ってるので見ないほうがかえってマシみたいですね・・・
日本のメディアもアメリカ化してきてるのですね。 
(もともと役立たずとはいわれてましたが・・・)
まあ、弱腰メディアがあえて言わないことも言ってるサイトも参考にしながらワタクシはお勉強しておりますよ。
郵政改革は不可避だと思うけど、現民営化法案には疑問を持っているワタクシといたしましては、いろいろな意見を読んで自分なりに納得のいく判断をしたいと思います。
海外在住者は日本の外にでてみないと容易に見えてこない日本の姿というものを見ております。
日本の内側のことには疎くなるけど外側のことには敏感になってきます。
日本に住んでいたら、やっぱり景気だとか地元の発展だとか自分との利害関係を優先して選挙投票をする人が多いと思いますが、海外に住んでいる人はある意味そういうことから解放されています。
国内に住んでいる人が優先順位の最後にしそうな対外政策などが優先順位にあがってくることも多いでしょう。
だから「世界の中の日本」という視点をもって自分の損得勘定抜きで日本の将来のために投票する海外在住者の票はある意味、貴重だと思うのですよ。
今回は票を無駄にしないように近日中に投票してまいります。
海外在住者の皆様、もう投票は済ませました?
鈴木 邦成
郵政民営化で始まる 物流大戦争 - 売上高24兆円の超巨大複合企業が動く!
荒井 広幸
郵便局をアメリカに売り渡すな―郵政民営化を狙うグローバリズムの罠

追加: 選挙後に見つけた興味深い裏話 「森田実の政治日記

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August 30, 2005

翻訳苦労話

テーマ:翻訳夜話
日系企業さんの訴訟案件絡みでたまに翻訳作業を頼まれる事がございます。
私は翻訳資格を持っているプロでもないし、本当はあまりやりたくないんです。

「政府認定の翻訳者じゃないから私の翻訳は裁判所に提出する開示書類としては使えないわよ」

ということをはっきり伝えたうえで引き受けます。

弁護士にとってみれば出来るだけ多くの資料を早く読んでおきたいわけですが、プロの翻訳者は切羽詰まった仕事は請け負ってくれません。
資料のどの部分が訴訟に一番関連ある部分かどうか判断して優先順位を決めて効率よく訳してくれるわけでもありません。

そんなわけで有資格者でもない私が重宝がられてしまうわけです。
まあ、実務翻訳に限って言えば、商社でコレポンや契約書の翻訳もこなしていた私の方が、社会経験のない有資格者よりも実際使えるのではないかとは思います。

で、うちの事務所の弁護士ったら、あとで開示資料として翻訳を提出することになった段階で、私の翻訳書類にバンバンと証明印を押してもらうためにプロの翻訳者を雇ったことがありました。
ずいぶんと時間と費用の節約になってましたよ。
概算してみたら私の年給を軽々と超える翻訳料が浮いていました。

そんな使い勝手のいい雑魚社員のワタクシでございますがね~
日系企業さんの社内文書の翻訳にはホント泣かされておりますよ。

訴訟の時には社内文書も含めて関連書類を全部提出するわけですが、この社内文書がくせ者なんです。
社外に出すレターとかファックスは文章もはっきりしていますし第三者が読んでもすぐ理解出来ます。
会議録、稟議書、プレゼン資料あたりも事項が明確に書かれているのでだいたいわかります。

でも部署内で交わされたメールだの報告メモだのはそのまま訳せません。
そもそも内輪でしか通じないやり取りになっているのでございます。
その書類を読んだ後ではなく関連書類全部をくまなく読んで背景事情を全て把握した後でしかわからないです。
第三者が後で読むことになるなんて思いもせずに書いてらっしゃいますから、感情的だったり理論だってなかったり、訳すのがちょっと恥ずかしいとまで思えるような文書も混じっております。

どこの部署の誰が誰宛に書いてるのかさえわからない、上司が部下宛に喝を入れているように見える殴り書きの文書とか・・・
部署内でしか通じない省略語や業界用語もりだくさんの文書とか・・・
おまけに字が汚すぎて判読出来なかったり・・・

「このままやられっぱなしでいいのか!」
「その時は先方にも腹をくくってもらうしかない。」
「V社の長契は日油研の結果次第です。」
「とにかくいったん白紙に戻してもらえ。」

日本人ならなんとなく情緒的に受け止めてしまうこのような日本語もいざ英語に訳そうとすると・・・あの・・・だから

どこの誰が、どこの誰に、何についての何を、いつ、どこで、どのように?

見事に5W1Hが欠如している文章のオンパレード・・・・

曖昧表現を許さない英語で理解可能な文にするためには、日本語で省略されている主語や目的語や単数複数の区別などを推測して補足しなければいけないわけですけれども、日系企業さんの社内文書の場合、これに輪をかけて何のことを言ってるのか自体を補足しなければいけないことが多いのでございます。

やられっぱなしの相手はHE なのかTHEYなのか・・・
その時っていつのことなのか・・・
長期契約の何が影響を受けるのか・・・

いやもう、技術文書もいやですけど、簡単にみえるくせにめちゃめちゃ曖昧な文書の翻訳もいやですよ~。
勝手に想像して補ってみたものの推測が間違っていたせいで訴訟のなりゆきに影響がでちゃったりしたら困りますからね~。

まあ、社内スタッフという立場を最大限に活かして解決策を練りますがね。
弁護士には関連英語書類も参考として片っ端から見せてもらって事情把握に努めます。
訳文の完璧さよりも、誤解のリスク低減に重点を置くため、日本語の曖昧さと訳文を読むための心構えを弁護士にくどくどと説明します。
英語で理解しやすいように私が推測の上で補足した箇所を括弧でくくってどこが原文にない部分なのかをわかるようにします。

そうやってナントカしのぐわけでございますが、もし私がプロの翻訳者だったとしてこんなのが外注で来たらぜったい泣くでしょう。(いや、多分断る!)

日本企業の皆様、その社内文書、いつか社外に出ちゃうかも知れませんよ。
お気をつけ遊ばせ。

松沢 圭子
英語の発想で翻訳する―英語ロジックで日英翻訳の基本を学ぶ


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August 29, 2005

日系海外進出企業のトラブル

テーマ:業界オモテウラ
弊事務所は日系クライアントさんのお仕事もずいぶん担当しております。

どんな案件が多いかというと・・・
小さい案件ではオフィスの賃貸契約とか雇用契約のような書類の作成やチェックとかパテント関係等。
中くらいの案件では事業やプラントの買収や売却、債権回収、労使問題等。
大きな案件では資源開発やリゾート開発の入札、企業再建やファイナンシング、大規模な訴訟やM&A等。

日系企業さんはそんなところが主でしょうかねぇ。

投資案件等で日本語のサポートが必要になる事はほとんどございませんが、訴訟案件では必要になる場合があります。
開示する背景資料の中に日本語で書かれた社内文書等が混じってくる事があるからです。

日系企業さんの訴訟案件というと労使関係か債権回収絡みが多いです。

そしてその二つを組み合わせたようなパターンがよくあるんです。

よくあるパターン例:

1.現地の有能なマネージャーを合弁会社や現地子会社等のCEOクラスで雇ったり、あるいはビジネスパートナーとして任命する。
       ↓

2. 現地の詳しいことはわからないので現地のことは軌道に乗るまでお任せします状態で相手を信頼しきる。
       ↓

3.有能なマネージャーがどんどん調子に乗って我が物顔で振る舞うようになり、そのうち個人利益優先で暴走するようになる。
       ↓

4.いざ雇用者としての威厳を示したり対等な関係を築こうとしても時すでに遅し、完璧にコントロール力を失っている。
       ↓

5.堪忍袋の緒が切れてCEOを突然解雇したり、損害賠償を求めるといった最終手段に持ち込み、全面対決の訴訟に発展。

けっこう大きな企業さんでも見かけるんですよね、このパターン。

信頼ベースで仕事をするという日本のビジネス慣習が背後にあるわけですけれども・・・
何でも任されてきた有能な現地の人間にとっては、「とって下さい」と言わんばかりにお尻のポケットから財布が突き出しているように感じるのかも知れません。
まあ、別にここだけの話じゃなくて中国でもどこでも問題になっていることでございますが・・・

そもそも「有能=信頼出来る」わけじゃなくて、「有能な人間は野心家でもある」わけなんですから・・・

訴訟ではマネージャーがいかにその信頼をブチ壊して私利私欲に走ったかといういきさつを浮き彫りにしていくわけでございますが、だいたい日系企業さんの堪忍袋の緒が切れてこじれるまでには長い年月の間の様々なことの積み重ねがあり、しかも日系企業さんの場合、きちんと書面で交わしていない合意等もけっこうあるので、その分を補うための膨大な量の社内文書の洗い出しが必要になるのでございます。

まあ、そういうわけでいざ訴訟になってしまった場合、時間と弁護士費用がやたらとかかってしまうわけですね。

今は日本でも「攻めの法務」などと言われてきておりますけれども、日系企業の中では海外にも法務部があるところはまだまだほんの一握りですし、「弁護士は困った時に頼むもので出来ることなら世話になりたくない」と考えている駐在事務所は多いです。

でもやっぱり海外では「信頼ベース」という考え方はつくづくアテにならないものでございます。
後々の弁護士費用を抑えるためにも(そして私の翻訳の苦労 を軽減するためにも・・・これが私にとっては一番大事!)、日系企業さんにはもっと予防法務に関心を持っていただきたいと思うのでございます。

范 云濤
中国ビジネスの法務戦略―なぜ日系企業は失敗例が多いのか

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August 28, 2005

週末番外編ーおもひでバトン

テーマ:その他
Waldgrenzeさん からおもひでバトンというものが廻ってきたのでホコリをかぶった古い記憶を掘り起こしてみる事にする。


小中高で一番思い出深い時期は?


なんか思い出したくない記憶がやたらと多いんだな・・・
小学校の時にはイジメにあってたし・・・
先生からのウケが良かった私は「大草原の小さな家」に出てくるネルみたいなわがままな一人っ娘に妬まれてた。その母親ってのがまた「学校で成績のいい子と付き合いなさい」なんて平気で娘に言うようなママで近所に住んでた私は彼女のいい餌食。
「良い子を演じてた」私はローラのように反撃してやりたい気持ちをいつも抑えてた。
6年生の三学期にとうとうそいつがクラスの仲間はずれになるもう一歩ってところで卒業になっちゃってちょっと惜しかった。

ツッパリ全盛時代の中学時代は荒れてたしな・・・私じゃなくて学校が・・・
ほんわかした思い出なんてねーぞ。

高校一年が一番良かったな。
かっこええ男子が多かった。


一番世話になった先生はいつ?

小学校5年生のときの先生かな。
父が長期入院して家計が苦しかった時、毎日先生に日記書いていかなきゃならなくて、私は「おかあさんがお金がないお金がないと言っています」と書いていたらしい。
父の見舞いの帰りに母と妹とバスを待っていた時、先生が車で通りかかって家まで送ってもらったことがある。

小中高それぞれ一人2年ずつ、9年のうち6年間担任が美術の先生だった。
その担任の先生達3人とも個展を定期的に開いたり、○○展会員だったりという本格的な画家だった。
昔からアーティストと縁があったわけだ。


得意科目

美術の先生にめぐまれたからかどうかは知らないけど写生会ではいつも賞をもらっていた。
運動会では徒競走でいつも一位~三位だった。
科目の中では国語が一番得意だった。高校時代は古典、漢文が得に好きだった。
英語は中学時代は得意だったけど、高校に入ってからは全然ダメだった。


苦手科目

物理、代数幾何

小学生時代はキュリー夫人に憧れてたんだけどな~。物理の先生が悪すぎた。
フーコーの振り子とかいって自分がぐるぐるその場で回転始めちゃってさ・・・
意味不明過ぎ・・・
テストでは200点中29点とかそんな点数ばかりだった。
でも平均点いつも40点台だったけどね・・・


思い出に残っている学校行事3つ

中学のキャンプ
楽しいキャンプファイヤーのあと、真夜中に友達とテントの中で赤玉パンチで盛り上がる。

高校の仮装行列
 
毎年凝っていてすごかった。徹夜で男子の分まで服縫った。

高校の球技大会
 
バスケで決勝戦まで行った。私がボードの裏から決めた変態シュートに「お~っ」て歓声がわいた時は快感だった。
でも負けた。


クラスでのキャラは?

おとなしいけどキツい近寄り難いタイプ
そのイメージを崩して親しみやすさを演出するために高校時代はダテ眼鏡をかけていた。 (お前はヨン様か?)
そのせいか目が悪くなって高校三年の時には本物の眼鏡を買うハメになった。


学生時代の呼び名は?

しょうゆ

中学のバスケ部時代、他校との試合でフリースローやることになった時、チームメートが「しょうゆ、一本!」とかけ声をかけた。
真剣勝負の瞬間に他校のチームに笑われた。


好きな給食メニュー


カレーライス、アーモンドの粒入りコッペパン、白玉フルーツサラダ、コーヒー牛乳

食べきれなかったコッペパンはよく家にもち帰ってた。
カチカチに乾燥したコッペパン達は日曜朝のフレンチトーストに変身した。
よく水分を吸うので間違いなくおいしいフレンチトーストが出来た。

ま、そんなとこかな。
今もそうだけどちょっと変わり者の小憎らしいガキだったよ。



バトンをまわす5人だけど・・・
誰か欲しい人いるかな?

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August 26, 2005

出戻り就職

テーマ:業界オモテウラ
今の職場で働き始めてびっくりしたことは出戻り就職する人が多い事です。
いや、産休からの復帰とか呼び戻されたからっていう理由じゃなくてです。
こちらの方ってけっこうみなさん顔の皮が厚いと申しますか・・・・

社内のイントラネットにはArrival & Departureのコーナーがあって毎週毎週の人の出入りがわかるようになっているのですが、この間たしか退社のお知らせがあったな~と思っていた人が3ヶ月後に社内を歩き回っているのを発見したりすることがあります。

前は経理部門にいた男性がメンテナンス部門で復帰していたり・・・
確か自分のビジネス始めるって言ってなかったっけ? 
なんて突っ込むのも悪いかなぁ・・・と思って黙ってますが・・・

この事務所、特に合併後にはいろいろ締め付けが厳しくなってきて社員もぶーぶー文句をたれているわけでございますが、やっばりこの国ではビッグ3(つまり御三家)に入るトップファームでございますから、なんだかんだいっても社員の待遇は普通の会社に比べれば断然良いわけですよ。

で、この事務所で甘やかされてきたノンリーガル社員が意気揚々と転職してみて世間の厳しい現実にぶちあたり、早々に戻ってくるという・・・
まあ、かなりの頻度で見かけてきた事なので日本人が考えるような心理的バリアはないのでしょうね。
受け入れる事務所側も懐が深かったわけでございますが、最近は秘書なんかは戻ってきたいといっても空きがないので戻ってこられないようです。
私の旧同僚で今も時々一緒にランチするレイチェルも人事からはなしのつぶて出戻り失敗した秘書の一人でございます。

さて、弁護士の方はといいますと、こちらも出戻り就職組がけっこういます。
んでもってこちらは帰ってくる場が保証されている転職っていうのがあるのですよ。
正確に言いますと、"Leave of Absence" という「休職」の形をとって、海外の法律事務所に転職するというものです。

海外の弁護士資格も取得して豊富な経験を積んだ優秀な弁護士は貴重な人材ですから、帰国した時、みすみすライバル事務所に奪われるよりは休職扱いにしてでも古巣を保証しておいてやった方が得策という考え方ですね。もちろん弁護士が戻ってくる確率は五分五分ですが・・・

逆に将来パートナーになる見込みはないだろうと見なされている弁護士は申請しても"Leave of Absence" が認められない場合があります。
ここらへんで弁護士に対する事務所の評価がわかるっていうものですね。

さて、事務所の共同経営権を持つパートナーが転職する場合ともなると、これはやはり相当な覚悟で出て行くわけでございます。
取締役クラスが出戻りするなんてことは普通は考えられません・・・よね。

しかし・・・・いたんですよ。
出戻りパートナー
私の属する部署で去年それがありました。

実はこの事務所のパートナー達は合併してから皆それぞれ不満をもっています。
合併相手先のパートナー達が実権を握っているからです。
合併相手先側のクライアントAとこちらの事務所側のクライアントBのコンフリクト が発生する案件があったとして、どちらの既存クライアントを優先するかという時に、合併相手先側の仕事ばかりが増えて、こちらの事務所側は仕事を奪われてしまうということが続くとクライアントには面目も立たないし業績は落ちるし手足を縛られたようでたまりませんよね。

だから合併後はこちらの事務所側の年配パートナーの脱出劇が続きました。

でも私が属する部署の(以前心臓発作を起こした )ピーターが辞職した時にはちょっとしたスキャンダルになりました。
ピーターは将来を嘱望されている若手のパートナーで、この国ではそれほどビッグではないけれど世界的にはとてもビッグな国際法律事務所の支店のバンキング部門を統率するためにヘッド・ハンティングされたのです。そして実際、部下の弁護士を口説いて引き連れていきました。

目をかけていた彼が辞職を表明した時、事務所側はとても冷酷な対応をとりました。
その日のうちに彼の名前を部署のメーリングリストから削除し、退職日までの2~3月間、事務所への出入りを禁じたのです。
まだ彼が事務所に在籍しているうちからライバル事務所に持っていかれたくない情報への一切のアクセスを遮断したというわけです。

転職先で働き始めるまでの間に空白期間を設けるための「強制休暇」ってやつです。
まあ自宅謹慎のようなもので、やることといえば庭仕事くらいしか出来ないので別名"Gardening Leave"と言われています。

そこまでされたピーターが1年半後に出戻りしてきました。
事務所とピーターの橋渡しをずっとつとめていたのは長年ピーターの秘書だったローラ。
ローラももちろんピーターと一緒に来るよう誘われていたけれど彼女は将来に懐疑的でした。
それにローラは勤続15年が間近だったからあともうちょっとでもらえるLong Service Leave のためにも辞めたくなかったので事務所に残る決断をしたのです。
そういうことで長年連れ添った秘書なしで転職したピーターでしたが、やっぱり新しい職場でいろいろ壁にぶちあたったようです。

事務所側も出来る事なら戻ってきて欲しいと思っていたのでピーターは再び迎え入れられましたが、そこまで辿り着くまでにはやはり一悶着あったようです。
もちろん今は以前と同じように何事もなかったようにチームメンバーとして働いています。その辺は大人です。
一緒について行った弁護士も戻ってきましたが、振り回された弁護士にはちょっと同情しちゃいます。

それにしても雑魚社員から取締役まで出戻り放題の弊事務所。
これがこの国のスタンダードなのか、この業界特有のものなのか、知りたいところです。

佐藤 文男
転職診断

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August 17, 2005

職場の「万里の長城」 - 後編

テーマ:業界オモテウラ
職場内での身動きがやたらと制限されてしまう"Chinese Wall "。
入所して5年経っても一度も聞いた事がありませんでした。

確かに通常ならそんなにしょっちゅう遭遇するべきモノじゃございません。

ところが一時期、津波のようにわーっと来たときがあったんですね。

合併して少したった頃のことでございます。

合併した法律事務所はどちらも1800年代からやっている歴史ある事務所で、それぞれ長~いおつきあいをさせていただいているクライアントさんを抱えています。
それぞれのクライアントさんがライバル会社であるというケースは多々あるわけでして・・・

どちらかのクライアントさんを取るという苦渋の選択をしなければいけない時もあるわけです。

合併のために切り捨てなければならなかった古参のクライアントさんから弊事務所が訴えられてしまうという事件もございました。
法律事務所が訴えられたら身もふたもないじゃん・・・という感じでございますが・・・

結局はその古参クライアントの顧問弁護士チームがごっそりクライアントともどもライバル法律事務所に身売りして一件落着いたしました。

まあ、そんな苦い経験をもとにした苦肉の策かどうかは知りませんが、「Chinese Wall」がやたら増えていったのでございます。

一時などは一つの部署内に3つの「Chinese Wall」が同時に出来たことさえありました。
入札案件が重なったときでした。

ドラゴン vs グリフィン
マンゴー vs パパイヤ
コアラ vs パンダ

(それにしてもいくら呼びやすいからといって、もうちょっとセンスあるブロジェクト名つけられないんでしょうか・・・)

案件が終わるまでの間とはいえ、この時にはさすがに皆がキレかけました。

「ねえ、あなたドラゴンだったわよね? メリーのオフィスに行って○○の書類とってきてくれないかしら。」
「私、ドラゴンだけどコアラだからだめよ。メリーはドラゴンパンダ掛け持ちでしょ。」

「誰か~、この書類急ぎでタイプしてくれるパンダの人いる~?」
「ごめ~ん、私、コアラじゃないから手伝ってあげたいけど書類のアクセス権与えられてないから・・・」

「ね~、アンったらログオフしたままどこに消えちゃったの? ここちょっと手直しして欲しいんだけど・・・」
「今、パパイヤのオフィスにこもって書類タイプしてるわよ。」

さて、自分の上司の弁護士が運悪く別プロジェクトのメンバーになってしまった場合ですが、秘書はその弁護士の面倒をみることができません。
電話の取り次ぎも、メールのチェックも、ファイリングも、とにかく案件内容に接する可能性のある秘書業務は一切出来ないのです。

「Chinese Wall」の支障のない秘書がその案件期間中、代わりに面倒を見る事になります。

本来の上司が入れ違ったまま何ヶ月も経って「いったいいつになったら元に戻るの~?」

と秘書全員が思っていました。
もう本来の上司が誰だったか忘れちゃうほど・・・

で、一番可哀相だったのは弁護士のジェームスです。

「Chinese Wall」の組み合わせが悪くて彼の秘書を常時つとめられる人が誰もいなかったのです。

書類のタイプやコピーなどは手の空いている同じプロジェクトチームの秘書達がその都度請け負っていましたが、メール管理やファイリングなどに関しては半年近くも秘書なし状態で可哀相でした。

最近はここまでひどい「Chinese Wall」地獄もなくなりつつありますが、法律事務所の合併って聞くところによると落ち着くまで10年はかかるそうです。

先はまだまだ長そうです。

海野 素央, 鈴木 了符子
企業合併と「異文化」―企業文化の衝突

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August 16, 2005

職場の「万里の長城」 - 前編

テーマ:業界オモテウラ

弊事務所には「万里の長城」があります。
"Chinese Wall"と言われております。

何のことかと申しますと、つまり「侵入禁止の壁」です、「バリア」です。

法律事務所って、新しい案件を受ける前にまず「コンフリクト・チェック」をするんですよ。
既存のクライアントさんの案件と利益の相反がないかどうか過去の案件データを調べて確かめるわけですね。

もし利益の相反が見つかってしまった場合は残念ながら新規案件は門前払いということになります。

ところがですね、利益相反のあるクライアントさんの双方が「それを承知の上で頼みます」と言ってきた時には引き受けるんです。

そして"Chinese Wall"の出番となるわけです。

"Chinese Wall"の指令が出されますとそれはそれは大変なんですよ。

A側の案件「プロジェクト・ゴジラ」を担当するゴジラチームに組み込まれるスタッフ
B側の案件「プロジェクト・モスラ」を担当するモスラチームに組み込まれるスタッフ

というようにまずチーム編成がなされて、各メンバーはそれぞれのプロジェクト進行に関する誓約書に署名しなければなりません。

各チームメンバーはそのプロジェクト固有のパスワードを与えられ、コンピューターの書類作成時にはアクセス制限をかけて外部に漏れないように配慮するほか、使うプリンターもコピーもファックスも別々のものを使うのです。ゴジラチームの各弁護士のオフィスの入り口には「注意! ここからモスラチームの出入り禁止!」という張り紙がはられ、気軽におしゃべりに入ることも出来ません。



そんなの別に大変じゃないでしょ、と思われるかもしれません。

でも同じ部署で同じ階で同じキュービクルで働いている同僚が2つのチームにまっぷたつに分けられてしまうってことはですね。

何十件もある案件のうちゴジラ案件一つだけのためにわざわざ別の階に移動してFAXしたり、コピーしなきゃいけないわけです。

コピー一枚のためにいちいち指定階の指定コピー機におでかけしなくちゃいけないのですよ。


普段はコピー専用係がやってくれる大量コピーも社内バリアのせいで自分達で全て行わなければなりません。
ゴジラ案件で超忙しい時に、手の空いてる近くのモスラ秘書には手伝ってもらえないのです。

秘書にとって更に困るのはですね、自分の上司の弁護士達がゴジラチームとモスラチームに分けられてしまう場合です。


つづく

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August 08, 2005

動物愛護の国

テーマ:同僚のこと
どうしてアングロサクソン系の人たちってこんなにも動物愛護者が多いのでしょうか?

私の同僚のアンもその一人。
アンは動物が可哀相だからという理由による菜食主義者です。

日本の保健所に相当する活動をしている動物保護団体から処分直前の犬を二匹買ってきて飼育しています。
ベジタリアンの人って自分のペットの犬猫までベジタリアンにさせちゃう人がいますが、彼女の場合は一応、犬にはちゃんと赤身の肉を与えています。

ある日、会社のお昼休みにアンと彼女の友達を日本ギャラリーに案内したことがあります。
その日はあいにくの雨でした。

信号を待っている時に数メートル先のピザショップの前で辛抱強く飼い主を待っている犬をみかけました。
軒下の外側にある柱につながれていたその犬は雨にぬれてふるえていました。

「かわいそう」と思って私は信号がかわるまでの間、犬の近くにいって傘の下にいれてやりました。

そして信号が変わるとアン達のもとに戻って一緒に道路をわたりました。

さて、アンと友達がその時に何をしてたかというと動物保護団体に電話してたんです!

「○○通り○番地のビザショップの前で犬が虐待を受けています!」って・・・


「ピザなんてどうせ20分以内に出来るんだし動物保護団体が到着する前に飼い主も犬もいなくなってるんでは・・・?

いや、そもそも動物保護団体がそんな通報にいちいち応じるんでしょうか?」

という気がしなかったわけでもないのですが・・・


動物保護団体に通報なんて思いもつかないけど犬に一時の雨しのぎを与える日本人のワタクシ

犬のもとにはいかないけど帰り道に憤慨しまくり動物保護団体に通報するのが正義だと考えているアングロサクソン系のアン達

反応もここまで違ってしまうのね、と改めて実感した日でございました。

アンの前では「給食でクジラ食べてた」なんて口が裂けてもいえない私です。


猫の手帖編集部
小さな命を私は救いたい―動物愛護運動・8の方法


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August 05, 2005

有給休暇

テーマ:海外で働く
今日はお給料日!
給与明細を見ると私の有給休暇は20.38日分貯まっておりました。

こちらではAnnual Leave(年次有給休暇)は年間4週間分出るんですよ!
これは法律で保証されております。
この国、やはりまだまだ労働者天国です。

日本にいた時よりもずいぶんと増えて嬉しいんですが、相変わらず全部使い果たしてしまう私です。
日本時代は海外旅行で毎年有給を使い切っておりました。

こちらに移住してからは隔年ごとに夫の仕事付き添いと私の帰省を順番で繰り返していますので純粋な休暇はもう何年もとったことがないような気がします。
4週間に増えても足りないものは足りないです・・・



弊事務所ではその他にSick Leave, Family Leave, Study Leave, Compassionate Leave, Religeous Leaveなどが設けられています。

Sick Leaveは初年度が5日間で、次年度から8日間に増え、翌年に繰り越し出来ます。
1日だけの病欠なら医師の診断書は要らないので仮病を使う人もわりと多いですよ。
私のSick Leaveは多分1ヶ月半分くらいは貯まっていると思います。

Family Leaveは介護休暇みたいなもので病人や産婦の介護や付き添いのためにとることができます。

Study Leaveは会社が奨励して仕事と関係ある勉学をしている際にとれる、秘書には縁がない有給です。

Compassionate Leaveは忌引で1日もらえるのですが、私の父の時には日本に帰らなきゃ行けないってことで事務所のはからいで特別休暇を2日つけていただきました。

Religious Leaveは宗教行事に参加しなければならない時のための休暇です。
クリスチャンの場合だとクリスマスやイースター自体が国のお休みになっていますが、例えばギリシャ正教とかユダヤ教だとイースターにあたる日にちが微妙に違うのでそのためにわざわざ自分の休暇をつぶさなくてはいけないことに配慮したものです。
このReligious Leaveは3年前にはじめて導入されました。
私は法事で帰省する時にちゃっかり使わせていただきました♪

有給休暇がない場合、状況次第では無給休暇を申請して認めてもらえることもあります。
911テロ事件による空港封鎖で足止めを喰らって帰れなかった時、有給が残っておりませんでしたので5日間の無給休暇を認めてもらったことがあります。
産休は無休で12ヶ月までです。

パートナー弁護士ともなるとSabbatical Leaveというのがもらえるのですよ。
これはいわゆるリフレッシュ休暇で優雅に3ヶ月くらいとれます。
普段朝から晩まで忙しく働いてストレスたまり放題のパートナー弁護士には確かに必要だと思います。

例えパートナーでなくても弁護士の仕事は一般的にプレッシャーの多い仕事で、定期的なリフレッシュは必要です。
弊事務所にはストレスに弱い神経過敏な女性弁護士がいて、彼女には「3ヶ月おきに1週間の有給を必ずとること」という社命が出ているというゴシップを聞いた事があります。




あ~、私も欲しいリフレッシュ休暇!


ノンリーガルの雑魚社員の場合はSabbatical Leaveはもらえませんが、10年間勤続すれば約2ヶ月分、15年間勤続すれば約3ヶ月分のLong Service Leaveがもらえます。有給未消化で退職の場合は未消化日当分が支払われるので10年以上働いてから辞めるとおいしいです。

10年勤続まであと2年半。

うーん、ちょ~っとムリそうかしら。

安西 愈
新しい労使関係のための労働時間・休日・休暇の法律実務

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August 02, 2005

疲労回復中

テーマ:その他
最近みょ~に疲れておりまして・・・
更新もさぼり気味・・・
我が家の場合は夫が主夫なので家事は全て夫まかせで世間の共働きのご家庭に比べればかなりラクしているはずです。
なのになんでこんなに疲れてるんでしょう。
夫が晩御飯を作って待っていてくれるのでこうやってブログなんかする時間があったわけで、そのおかげもありこの半年間ブログを高頻度で更新してまいりましたがやっぱり寝不足たたってますね。
っていうか、今ちょっとマジメに今後の身の振り方を考えていて、いろいろ他の活動にクビをつっこみはじめましたのでこれからはブログの更新も今までより滞りがちになるかもしれません。
7年間の海外勤務生活を振り返る「ありゃ~MYラブ」もすでに3分の2を書き終えました。
さっさと書いて終わらせたいんですが・・・
残ってるのは・・・
ちょっと重くて長ったらしい話題ばかり残ってて簡単に書ける軽いテーマが少なくなってきちゃったんですよね~。
疲れてるときには書く気が萎えちゃうんですよ~。
ところで先週金曜日にまた一つ年をとってしまいました。
いつまでもこの職場で安泰なわけはないので、今、別の収入の道を模索しているわけですけれども、もう年が年で転職先を探すのも難しいし、もう会社勤めもしたくないので、いっそのこと独立して稼ぐ道はないものか考えておりまする。
これから2年のうちに地ならしをして道を作るのが目標なのですが・・・。
いろいろ問題は山積みです。
まずやっぱり今の仕事とのバランス。
家事が大嫌いなワタクシが家事を全部してくれる夫を見つけたときにはホントに世の中うまくできてるものだ! と思ったものでございますが、いざ仕事を辞めたいと思ったときには肩にのしかかる重荷が ずしーん とひびくのなんのって。
いかに収入をとぎらせずに借金を増やさずに新しいキャリアを確立するか・・・・
フリーランスっていっても専門分野なしでお小遣い以上の安定収入を得るのは至難の技です(微々たるお小遣い程度のライター収入GET中・・・)
アフィリエイトなどの週末起業は既に3年前から試してみてものになりませんでした(微々たるお小遣いの枠を出ず・・・)
起業するには更に借金しなきゃいけないし、経験も専門知識も何もないところへもってきて絶対失敗しない綿密なビジネスプランを練らなくちゃいけないし・・
でも絶対失敗できないんです。
だって売れないアーティスト兼ミュージシャンの夫が
(せっかく私と結婚して少しましな生活できてるのに)極貧生活はもうぜったいしたくない!」
 
「僕が稼ぎだす(かもしれないからそれ)まで待って!」
って「待った」をかけているんです・・・
待ってる間に私、疲れ果てて独立するエネルギーなくなっちゃいますよ。
私は極貧生活の覚悟は出来ているのですけどね。そこまで腹をくくってこその独立じゃないですか・・・
二人で路頭に迷うことを考えれば、ある意味彼の方が現実的なのですが彼が稼ぎ始めるってこと自体が現実的とは思えない私・・・
(彼の才能を疑ってるわけじゃありませんよ!マーケットがねえ・・・)
新しい仕事を始めて軌道に乗せるまで私のクビがつながっていますように。
その前にクビになった場合にはロトが当たるか夫の作品が売れますように。
 
いや、なんかもう疲労困憊してるんです・・・
ということで現在疲労回復中です(仕事はしています)。
休暇は10月までおあずけ(はやく来ないかなあ)。
なんかリストラ対象になってもがいている日本のオヤジのような気分
昔はぜったいなりたくないと思っていた専業主婦・・・今はあこがれ・・・
(資質は相変わらずありませんけども・・・)
体力回復したらまた更新します♪ 
気力はまだ残っています!
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