2009年09月29日(火)

1980年代 シルバーハット 

テーマ:建築家:伊東豊雄
土地に縛られず軽く舞い上がってしまいそうな現代の小屋
かつて人々は森や林を切り開き、丸太や木の皮を拾い集めてプリミティブな小屋をつくった。それらは素朴で、必要最小限の機能に支えられた空間であったが、衣服のように柔らかく人々の身体を覆い、自然と交感し、人々に真の安らぎを与える空間であった。

今日の我々は、高度な技術と多量な情報に囲まれて暮らしているにもかかわらず、その棲みかは虚飾に満ち、環境から固く殻を閉ざし、均質で人工的な無菌室のような空間ばかりをつくりだしている。(中略)
もう一度我々は、かつての小屋でのプリミティブな小屋での暮らしをこのけん騒の都市で考えてみても良いのではないだろうか。

このような冒頭ではじまる「日本建築学会賞第二部 シルバーハット ~軽快な現代の小屋をめざして~」という伊東氏の論文。

ここからも読み取れるように、シルバーハットは上記のような意図をもって東京都中野区本町に誕生した。
シルバーハットが伊東氏の自邸として、中野本町の家の隣に建てられた事は周知の通りである。

$Art Groove Media Community "アート グルーヴ メディア コミュニティ"© 藤塚光政
建築面積は119.99㎡、延べ床面積138.81㎡。構造は鉄筋コンクリート造で屋根架構は、鉄骨造である。

さまざまな新しい素材を用いながら、都市の自然と親しめるおおらかな空間をつくりたい
シルバーハットには、自動車の部品を転用した窓や家具、スーパーマーケットで販売されている組立家具、立て替えられる前の住宅で使われていた床材や木製建具などが持ち込まれ、その上をスチールフレームを組み上げたヴォールト屋根が覆っている。
これらのエレメントは、いずれもかつての丸太や木の皮に代わる、今日の都市で容易に得られるパーツ類である。

この様に、誰でも手に入るようなパーツを使う事で、かつての丸太と木の皮でつくられた素朴な小屋を現代へと転換させたものがシルバーハットである。

参考文献:シルバーハット ~軽快な現代の小屋をめざして~

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