ワンコ便り・フロム・アリゾナ

アリゾナ州より、犬にまつわるお話や犬に関する何でも情報をお届けします。
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フェイスブックを開く度に目にするアリゾナ州マリコパ郡のシェルター(保健所)に収容されている犬達の写真。シェルターのボランティアの方々が、一匹でも多くの犬が引き取られていくようにと、各犬の写真を撮り、フェイスブック上でほぼ毎日更新しているアルバムです。

数週間ほど前、数々の写真の中からふと目に留まった犬がいました。名前は「Brutus(ブルータス)」。まだ9ヶ月ほどのオス犬で、ピットブルの雑種犬。4月10日にシェルターに収容されたと記されていました。後ろ足をベターっと開いている姿が、同じくピットブルの雑種犬で、いつもブルータスと同じような格好をしている我が家のMomoの姿と重なり、ブルータスの子犬らしい無邪気な姿は私の心の中にずっと残っていました。「まだ子犬だし、こんなに可愛いから、きっと新しい飼い主さんが見つかるよね。」


そして今日、いつものようにフェイスブックを開くと、ブルータスの写真が目に飛び込んできました。でも、そこには前回写真を見た時には無かったボランティアの方の一言が・・・「(命を救ってあげられなくて)ごめんね、ブルータス。安らかな眠りにつきますように・・・。」と。昨日、殺処分されたのです。


「ブルータスは死ぬ必要があったのでしょうか?」1歳にも満たない子犬で、健康や行動に問題があった訳でもありません。「シェルターはブルータスを殺処分する必要があったのでしょうか?」現在マリコパ郡のシェルターは、収容範囲をはるかに超え満杯状態のため、殺処分を強いられる毎日。毎日次から次へと犬が入ってくるため、滞在期間が長い犬達は殺処分リストに載せられます。ブルータスのシェルター滞在はすでに1ヶ月。おそらく「引き取り先が見つかりにくい」と判断され、殺処分リストに載ったのでしょう。ブルータスの死はまさに「やむを得ない死」。シェルターで、こうした「やむを得ない死」を迎える犬達はあまりにも多すぎます。そして私達ボランティアや動物保護に関る人間は、こういった現状に大きなジレンマを抱える日々を送っています。

現在マリコパ郡では、毎日約300匹ほどの犬猫がシェルターに入り、毎日その半数の150匹が殺処分されていきます。2010年のマリコパ郡の統計によると、94,132匹の犬が収容され、そのうちの50,088匹が殺処分されました。中でも、ピット・ブルやチワワが数多く殺処分されています。 (前回のブログにも書きましたが、ピット・ブルは猛犬というイメージが先行するため、引き取られにくい犬なのです。)シェルター職員、ボランティア、そしてシェルターから犬猫を救出する動物保護団体の数々、みんなが毎日毎日、一匹でも多くの命を救う努力をしています。フェイスブック やツイッターでできるだけのネットワーキングもしています。それでも殺処分される動物の数は減りません。毎日、シェルターに連れて来られる犬猫が後を絶たないからです。そして、そういった犬猫の背後にいる無責任な飼い主があまりにも多いからなのです。中には不景気で仕事や家を失い、仕方なく飼い犬・飼い猫を手放すケースもあります。しかし、「手におえなくなった」「面倒を見切れなくなった」「医療費が支払えない」「赤ちゃんが生まれ、犬の世話まで手が回らなくなった」というケースも少なくありません。飼い犬・猫の避妊の手術をしない飼い主も多く、これまた犬・猫の数が増える一方で頭の痛い問題です。


動物は命ある「生き物」であり、「物」ではありません。必要なくなったからと簡単に捨てられる「物」ではないのです。「可愛い」だけで飼える「物」でもないのです。何の生き物であれ、飼うと決めたら、最後まで面倒を見る覚悟が必要です。当たり前のことに聞こえるかもしれませんが、その当たり前のことができない飼い主も多いのです。そういった人間の身勝手さに振り回され、人間の身勝手さの犠牲になり、シェルターで命を落としていく犬や猫の数が減る日が来ることを願わずにはいられません。

ブルータスの写真と、ブルータスの写真を撮ったボランティアのDeeDee Purcellさんがブルータス捧げた言葉は、私の心の中ににずっと残っています。「(命を救ってあげられなくて)ごめんね、ブルータス。安らかな眠りにつきますように・・・。」

(※写真は、マリコパ郡のシェルターで犬の写真撮影のボランティアをしているDeeDee Purcellさんのフェイスブックのページから拝借しました。)


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4月21日(土)のブログで、我が家のMomoが「優良市民犬検定」に合格したことをお伝えしましたが、昨日、アメリカン・ケネル・クラブ(American Kennel Club。略してAKC)発行の「認定証書」が届きました!


アメリカン・ケネル・クラブから郵便物が届くなんて、我が家では一生に一度のことかも?!(笑)

じゃ~ん!これが証書です。きちんとフレームに入れて飾ろうと思っています

実は、Momoにどうしても「優良市民犬検定」を受けさせたかった理由があります。それは、「Momoが『Pit Bull(ピット・ブル)』の雑種犬だから」。

ピット・ブルは、アメリカでは闇賭博の「闘犬」として使われることが多いため、「猛犬」「凶暴」というイメージが強く、一般的に嫌厭されがち。ピット・ブルを飼うことを禁止している都市も少なくありません。しかし、もともとはとても人なつこく、飼い主に忠実、かつ素直で賢い犬。その「飼い主に忠実な性格」と、「筋肉質な体格」を逆に悪用して猛犬に仕立て上げ、闘犬として利用しているのは人間であって、ピット・ブル自体は猛犬として生まれてくる訳ではないのです。ボランティア活動を通して、私も多くのピット・ブルやピット・ブルの雑種犬に接してきましたが、どのピット・ブルも人なつこく穏やかな性格で、他の犬と何ら違いはありません。しかし、毎年シェルター(保健所)に捨てられる犬の過半数はピット・ブル。ネガティブなイメージが先行するため、引き取り先がなかなか見つからず、多くのピット・ブル、ピット・ブルの雑種犬が保健所で殺処分されていきます。

実際私も、Momoを飼う前はピット・ブルについてあまり知らなかったため、「ピット・ブルって怖い」と思っていました。「知識不足が招く誤解」です。そういった自分自身の経験から、「ピット・ブルについての知識を広め、ピット・ブルに対する差別や誤解を無くしたい」と思うようになりました。ピット・ブルの雑種犬の飼い主としてできることは何か、と考えた時、しつけは勿論のこと、もう一歩踏み込んで、「Momoが優良市民犬になれたら、ピット・ブルのイメージの向上に一役買えるかも」と思い立ったのです。なので、Momoが優良市民犬になったことは、私にとってはとても大きな意味があり、すごく嬉しいことでした。

私にできることのひとつとして、この先ブログでもピット・ブルについていろいろ書いていきたいと思っているので、ピット・ブルに対する正しいご理解、よろしくお願いします


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4月30日(月)のブログ「ペット・エクスポ(Pet Expo)に行ってきました!」に登場したカップケーキ(Cupcake)↓。今日はこのカップケーキのお話です。


カップケーキは、マリコパ郡のシェルター(保健所)に捨て犬として収容されていたところを、「パナセア(Panacea Animal Wellness Sanctuary)」という地元の動物保護団体に保護されました。パナセアは様々な動物保護活動を行っていますが、シェルターの殺処分リストに載っている犬を引き取るのも主な活動のひとつ。1月24日、いつものようにシェルターに足を運んだパナセアのスタッフの目に留まったのがこのやせ細った犬・・・。

犬の名前などの記録は無く、シェルターの獣医による医療メモには「癌・リンパ腫」と記されていました。この痛々しい姿を目にしたパナセアのスタッフは「せめて死を迎えるまでの数日間だけでも、愛情あふれる場所で過ごさせてあげたい。」と、救助をシェルターに申し出たのでありました。


救助後。顔も骨格が浮き彫りになるほど、こんなに痩せていました。


パナセアのスタッフのお家に無事到着。シェルター内とはうって変わって、ふかふかのドッグ・ベット、温かい毛布、ぬいぐるみに囲まれ、なんだかほっとした様子。

このような健康状態でも、ひとなつこく、「スイート(Sweet)」な性格というところから「カップケーキ(Cupcake)」と名付けられました。


パナセアの創立者の一人は獣医のエバ先生。保護された後、エバ先生の診察を受け、「抗がん剤治療(ケモセラピー:Chemotherapy)」を受けることに・・・。週1回の抗がん剤投与を19週間続ける治療です。


抗がん剤投与の治療がつらいのは犬でも同じ・・・。でもエバ先生いわく、「カップケーキは治療台に上がっても、いつも尻尾を振っている」のだとか・・・。頑張っているんですね。


治療開始から8週間(写真左)。救助直後(写真右)に比べ、体重も増え、かなり元気になりました

8週間が過ぎた頃、パナセアの基金集めのイベントがあり、カップケーキも参加。フェイスブック上でカップケーキの様子を見守ってくれている方々に可愛がられていました


そしてこのイベントの直後、「是非カップケーキを引き取りたい」という方が現れたのです。勿論、カップケーキの健康状態など全て承知の上での申し出で、「カップケーキの飼い主にはぴったり!」というような方・・!パナセア一同ほっとしたのでありました。


新たな飼い主さんに「ライリー(Riley)」と名付けられ、旧名の「カップーケーキ(Cupcake)」は、アメリカではごく普通にある「ミドル・ネーム」として存在しています。ペット・エクスポでは、パナセアのテーブルに遊びに来てくれました。飼い主さんのそばが一番ほっとする場所みたいです

カップケーキの飼い主さん、実はこのペット・エクスポの会場が本拠地スタジアムであるアメリカン・フットボールのチーム「アリゾナ・カージナルス」の関係者の方。犬を飼うのは子供の頃以来とおっしゃっていましたが、ペット・エクスポでもカップケーキがストレスを感じないよう、常に他の犬や人に注意を払っていて、カップケーキを大切にしている様子が十分伺えました。毎日、カップケーキをオフィスにも連れて行くのだそうですよ


19週間にも及ぶカップケーキの抗がん剤治療も順調に進み、一時は完全寛解(癌の徴候が消失)したものの、1週間ほど前に癌が再発・・・。しかし、カップケーキの飼い主さんはこの事実を冷静に受け止めておられ、現在新たな治療法をエバ先生や専門医と検討中。必要な医療や治療を十分に受けられる環境に引き取られていったのも、またカップケーキの運命なんだと思います。


私達パナセア一同も、癌再発のニュースにはショックを受けましたが、ここでマイナス思考になっていてはいけません。ポジティブ・前向き思考で、カップケーキの癌克服を心から願う毎日です。「カップケーキは強運の持ち主だから大丈夫!」と、私は強く信じています。カップケーキ、頑張れ!


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