愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ

愛里跨(ありか)の恋愛小説です(・ω・)
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漁港


日常を離れやってきた  静かな港町

心地よい潮風が 疲れたからだを優しくなでてくれる



特牛漁港




目を閉じて  磯の香りを思い切り吸い込むと

脱水寸前のしおれた心まで  見る間に元気を取り戻せそう


                      愛里跨  



長門市油谷



皆様、お久しぶりでございます。

いつも私のブログを見て下さってありがとうございます。

7月6日に小説20話をUPしてから、早いもので15日も経ってしまいました。

七夕イベントから今日まで、本業でかなり忙しくしておりましたので、

まったく執筆する時間もなく、PCを開いてもそのまま寝落ち状態の私でした。

今日は久しぶり少しだけお時間ができたので、

19日㈫、山口県長門市で撮影したお写真をUPしますね。




鳥居


ここは長門市油谷にある元之隅稲成神社です。

岩壁に打ち寄せる大波が岩の穴に流入して、

音を立てて空中に吹き上がる“津黄竜宮の潮吹”では以前から有名な場所でした。




竜宮の潮吹き




元之隅稲成神社




最近では、アメリカCNNがウェブ上で発表した、

“日本の最も美しい場所31”に選ばれたり、

日本のTV番組でも紹介されて有名になりましたね。




参道歩く



鳥居




昭和62年から10年かけて123基の鳥居が奉納されたらしいです。
竜宮の潮吹側から100m以上も見事に立ち並ぶ鳥居、

赤と緑と青のコントラストは圧巻で綺麗な景色でした。




愛里跨



神社鳥居



参道出口に建つ大鳥居の上に賽銭箱があって、

見事投げたお賽銭が入れば、願いが叶うと言われているそうです。

私も何度かトライしてお賽銭を投げてみたものの入らずでしたよ。



掛けの上から



崖の上で


久しぶりに日常を離れて、海の幸を堪能し、

リフレッシュできたので心の充電も完了の私です。

これからは執筆する時間も取れると思いますので、

“想也くん編21話”も来週には更新する予定です。

かなり間が空いてしまいますが、

皆様、もう暫く愛里跨にお時間をくださいね。




 元之隅稲成神社



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友情


20、睦び合う心



(スターメソッドのD・B・P撮影部オフィス)



想也「来月ドイツへ行くって、どういうことですか」
佐伯「……」
想也「勿論、美琴さんと一緒に行くんですよね」
佐伯「いや。俺一人で行く」
想也「どうして。あんた美琴さんと12月に結婚するんだろ」
佐伯「俺は、仕事に私情は挟まない」
想也「ドイツへは何時まで行くんですか」
佐伯「それは、未定だな」
想也「そんな……じゃあ、彼女はどうするんです」
流星「相楽、その辺でやめとけ」
想也「美琴さんを放おって、一人ドイツへ逃げる気かよ!」
佐伯「逃げる?ふん。ガキみたいなこと言いやがって」
想也「それじゃあ答えになってねえよ」
  



俺の頭の中で疑心の渦が波紋のように広がり、
それと同時に怒りまでも泉のように湧いてくる。
美琴さんを諦め、やっと受け入れた佐伯さんとの関係は、
少しずつ培ってきた信頼が一気に崩れ落ちる。
怒りで赤面した俺が彼に攻め寄ろうとすると、
透かさず北斗さんが遮るように俺の前に立ちはだかった。
その顔は俺に負けず劣らず、顔の底に憤りを湛えている。
そしてぐっと俺の二の腕を掴んで桑染さんに目で合図すると、
何も言わずに廊下へと連れだしたのだ。
抵抗する俺を思い切り廊下の壁に押しつけると、
北斗さんは息も乱さず語り出す。






想也「北斗さん!」
流星「ここで頭を冷やせ」
想也「どうして止めるんですか!」
流星「俺は前に言ったよな。
  これからは業務に私情を持ち込ませないって」
想也「でも、いきなりドイツなんて聞かされたら!」
流星「遊大はレタッチも含め、与えられた撮影はしっかり熟してる。
  その引き継ぎを信頼できる桑染に頼んだだけだ。
  俺達の仕事では、遊大のような例は珍しくない。
  一つの仕事で人間が足りなきゃ、突然シフトチェンジさせられる。
  いきなり『明日からドイツへ行ってくれ』だの、
  『来月から未定でフランスの撮影に行け』だの日常茶飯事。
  だから、ド素人はああだこうだと意見するんじゃない」
想也「俺は美琴さんをどうするのか、あいつに聞きたかっただけなんだ」
流星「それは遊大と美琴ちゃんの問題で、至らん事だと言ってる」
想也「彼女を心配するのが至らないことですか!」
流星「ああ」
想也「じゃあこの仕事に関わるチームの一員として言わせて貰いますよ。
  いきなり居なくなるなんて言われたら困ります」
流星「そうか。木島さんに聞いたぞ。
  君も7月末でサカキ株式会社を辞めるそうだな」
想也「そ、それとこれとは話が違うでしょ」
流星「それを言うなら、俺もそっくりそのまま同じことを言おう。
  美琴ちゃんの事を諦めて一度は遊大を受け入れたなら、
  あいつに関することは何も言うな」
想也「……」
流星「確かに今は撮影も順調に行って、
  画像処理が済めば後は製本までの流れになっていく。
  このままのペースなら約束通り、
  7月末で“bijou(ビジュ)”の企画は完成して、
  君の職場に商品は無事届けられるだろう。
  でももし、突発的なトラブルが起きて長引いたとしよう。
  君は自分の仕事を中途半端にしたまま後の者に引き継ぐ気か」
想也「仕方がないでしょ。
  幾ら俺が残ってスターメソッドで業務を続けたいと言っても、
  上から命令されればいきなり他の部署に飛ばされるんだ。
  それは俺だって貴方達と一緒ですよ。
  自分が巻いた種とはいえ、俺に選択肢なんてないんだから……」
流星「その時は俺が相談に乗るさ。
  君の上司に相楽さんなしで“bijou(ビジュ)”は完成しないってな」
想也「……」
流星「だから遊大と美琴ちゃんの事はこれ以上構わないでくれ」
想也「交換条件ですか」
流星「ああ。そう思ってくれ」



一歩も譲らず意を決したような北斗さんの態度に、
俺は全身の力を解いて抵抗を止めた。
その時一瞬過ぎったのは、美琴さんと佐伯さんがうまくいってないという思い。
二人の仲がうまくいっているなら、
きっとドイツに連れて行くなり、結婚を早めるなりするだろう。
俺ならそうする。
なのに腫れ物に触るように守ろうとする北斗さんを見ていると、
二人の愛が破局に向かっていると確信に近いものがこみ上げる。
冷静になった俺の両腕を放した北斗さんは、
普段の穏やかな表情になり「休憩室へ行こう」と言ってくれたのだ。



俺と北斗さんが廊下で言い合っている時、
スタジオの中に居た佐伯さんと桑染さんも話をしていた。
彼は俺と佐伯さんの掛け合う姿からあることを思い出し、
懐かしそうな目で俺のことを眺めていたようだった。
桑染さんは作業する手を止めて、

佐伯さんに疑問に思うことを切り出した。



桑染「相楽だっけ?なんだかさ、以前の俺に似てるな(笑)」
佐伯「あははっ。ヒロさん、自覚あったんだな」
桑染「まあな。
  『ここでは俺の味方は居ない』みたいな態度がさ。
  3年前の千葉勝浦の撮影の時を思い出したよ」
佐伯「あぁ。あの時も血気盛んな奴が集まってたもんな。
  ヒロさんを含め浮城さんに、あいつ何て言ったっけ。
  あぁ。塩田風馬か」
桑染「そうだったな(笑)あん時は毎日がトラブルだったけどな」
佐伯「そうだった」
桑染「それはそうと、何があったんだ?
  相楽が言ってた美琴さんって、遊大のフィアンセのことだろう。
  何故あいつが血相変えてお前に物申すわけ」
佐伯「ん?……それは、俺があいつから美琴を奪ったからだ」
桑染「えっ?今のあいつの態度見てると真逆だろ。
  一体どういうことなんだ」
佐伯「俺が福岡の仕事で一年間、彼女の許を離れてる間に、
  相楽が美琴と出逢ったらしい。
  そこへ東京に戻ってきた俺が割り込んで、美琴と寄りを戻したんだよ。
  だからあいつからすれば、俺は惚れた女を奪った恋敵なわけ」
桑染「ふーん。そうか。
  しかしそれは彼女の意志もあってのことだからな。
  相楽が良ければ、遊大の許へ戻る事はなかったんだから」
佐伯「ああ、そうだな」
桑染「それで?何故美琴さんをドイツに連れて行かないんだ」
佐伯「彼女から断られたんだよ。
  別れてくれってさ」
桑染「はぁ!?」
佐伯「彼女に一緒にドイツへ行こうって言ったんだ、俺。
  ヒロさん。実はつい最近、美琴は俺の子流産しちまって、
  かなり精神的に落ち込んでたからさ」
桑染「そうだったのか。それは大変だったな」
佐伯「だから俺、結婚して美琴を一緒に連れて行くつもりで居たんだよ。
  ドイツには浮城さんとカレンさんが居るから、
  美琴が慣れない土地に行っても寂しくはないだろうし、
  生活するにも心強いだろうって思ってた。
  でも、美琴は俺とは違ってたんだよな」
桑染「それでどうするんだ。
  お前は彼女と別れるつもりなのか」
佐伯「身体の事もあるし、俺は美琴に惚れてプロポーズしたんだ。
  別れたくなんかないさ。
  でも彼女は荷物をまとめて、兄貴の居る実家へ帰ってしまった。
  『私は遊さんの足枷になりたくない』って、全く、意味分かんねえ」   
桑染「そうか。それで一人でドイツか……」
佐伯「まぁ、そんなところだからヒロさん、
  “bijou(ビジュ)”の引き継ぎと相楽のことも宜しく頼むよ」
桑染「遊大……分かったよ」



桑染さんはそれ以上何も聞かず語らず、
さり気なく涙を拭う佐伯さんを見守っていた。
以前の仕事でバディを組んでいた彼だから、
一点の曇りなく理解しているのだろう。
静かなスタジオで二人、
まさに管鮑の交わりといえる友情が睦び合っていたのだ。





夜景




(スターメソッド4階、イートインスペース)



4階にある20畳くらいの広さの休憩室へ案内された俺は、
窓辺の白いカフェテーブルの椅子に腰掛ける。
すると北斗さんがインスタントコーヒーを持ってきてくれた。
バツ悪そうに「ありがとうございます」と言って受け取ると、
北斗さんは窓の夜景を眺めながらコーヒーを飲み干した。



流星「ここで少し休んで頭冷やしてから下へ戻ってこい。
  画像を選び終えたら今日は上がっていいから」
想也「は、はい」
流星「じゃあ、俺は先に戻って作業するからな」
想也「あの、北斗さん」
流星「ん?なんだ」
想也「先程は、すみませんでした。
  仕事中、大人気なく怒鳴ったりして」
流星「ああ。分かればいいさ。
  後で遊大にも謝っとけよ」
想也「はい」



北斗さんは穏やかにそう言うと、
そのまま開け放たれたドアから出ていった。
間接照明の明かりの下、俺は貰ったコーヒーを飲み干す。
そして大きな溜息をつきながら、
ズボンのポケットの中に入れていたスマホを取り出し画面を見た。
すると演人からの着信が何件も入っていて、
ただ事ではないと感じた俺が直様電話をしたのだ。
3回コールの後、演人の「やっと掛かってきた」という威勢の良い声が聞こえた。



想也「演人。連絡遅れてすまん」
演人『もしかしてまだ仕事中だったのか?』
想也「そうなんだ。
  今やっと休憩に入れたんで掛けたんだけど、
  もしかして何かあったのか?」
演人『実はさ、今歌さんと一緒に食事してて』
想也「えっ?」
演人『お前を訪ねて本社の玄関で待ってたんだ、彼女』
想也「なんで……」
演人『それで僕が食事に誘って事情を聞いたんだよ』
想也「そうか。迷惑かけてごめんな」
演人『そんなことはいいんだけど、仕事終わって会えないか?
  歌さんがもう一度、お前と話したいって言ってるんだ』
想也「演人、俺の気持ちはもう」
演人『そんなことは分かってるよ。
  でも、もう一度話せたら、彼女は諦めるって言ってる。
  だから彼女の言い分、聞いてやってほしいんだよ。
  もう一度想也も本音ではなしてみたらどうだ?』
想也「本音って言ってもな……」
演人『今夜は僕が居るんだから、何も問題はないさ』
想也「演人……」



今の俺の頭の中は、佐伯さんの今後と、
美琴さんの身の上がどうなるのかという心配しかなかった。
しかしもう一度話して、歌が諦めると言ってくれてるなら、
今度こそケジメが着くという思いもある。



想也「分かったよ。
  後30分くらいで仕事が終わるから、それからでよければいいぞ。
  何処に行けばいいんだ?」
演人『品川の“焼き鳥 串パク”に居る。
  遅くなっても待ってるから焦らなくていいからな』
想也「分かった。俺が行くまで申し訳ないけど歌のこと頼むな」
演人『ああ。じゃあ後でな』
想也「ああ」



スマホの画面を押すと、またも大きな溜息を漏らす。
演人は俺には勿論のこと、
歌にも気を遣っているのは話していて手に取るように分かった。
無二の親友である彼とは今まで苦楽を共にし、
一番つらい時、ボロボロになった俺を支えてくれた。
そして今日まで頼りない俺を見捨てること無く付き合ってくれる男に、
心の中で手を合わせ感謝したのだ。





オフィス、廊下





飲み終えた紙コップをゴミ箱に捨てると、3階の撮影部オフィスへと戻る。
ドアをノックして開けながら「遅くなりました」と断りながら中へ入ると、
帰り支度の佐伯さんと鉢合わせになった。

俺は北斗さんから言われた通り、「生意気言ってすみませんでした」と頭を下げる。

すると先程とは別人のように、佐伯さんは和やかな雰囲気で話しかけてきた。





佐伯「相楽」

想也「はい」

佐伯「俺がドイツに行ったら、美琴のこと頼むな」

想也「えっ!?……それはどういう意味で言ってるんです」

佐伯「額面通りだよ」

想也「あの。貴方達の間で何があったかなんてもう聞きませんけど、

  美琴さんが佐伯さんを慕っていることは分かってますよね」

佐伯「……」

想也「彼女は知ってるんですか?

  何時佐伯さんがドイツへ行くのか」

佐伯「ドイツへ行くのは伝えてる。

  しかし、何時行くとは彼女には言ってない」

想也「どうして……発つのは何時です」

佐伯「7月1日。昼のフランクフルト行きの便だ」

想也「そんな……あと二週間じゃないですか!」

佐伯「相楽。今日がお前とは最後の仕事だった。

  いろいろ嫌な思いをさせてしまってすまなかったな」

想也「……」

佐伯「明日からそこにいる桑染さんが入るから、

  仲良くやってくれな」

想也「佐伯さん」

佐伯「じゃあ、俺はこれで」



佐伯さんは俺の肩をポンポンと叩き、ドアを開けて廊下へ出る。

俺は去ってゆく彼の後ろ姿に叫んだ。


想也「俺じゃあ、佐伯さんの代わりは出来ないんですよ!

  美琴さんは佐伯さんじゃなきゃダメなんだ!

  もし彼女が貴方を追いかけて空港に行ったら、

  その時は彼女をドイツへ連れていきますよね!佐伯さん!」





俺の最後の叫びを受け取ったのか、それとも俺に託したのか、

佐伯さんは振り返ることは無く、

大きく手を振って薄暗い廊下の向こうへ去っていったのだ。

気の抜けた俺に、流星さんも桑染さんも話しかけること無く、

黙々とパソコンに向かい作業をしていた。

俺は我に還ったように直様自分のデスクに座り、

それから30分画像選びに専念する。
仕事を終えて二人に挨拶をすると、
タクシーを呼び品川駅へと向かった。
車窓の流れる景色をぼんやり見つめながら、

佐伯さんの事が気になって仕方がなかった。

想いとは裏腹に、この事実を美琴さんに伝えないといけないと思ったのだ。




ビール2





演人と電話で話してから1時間20分後、俺は焼き鳥屋に着く。
一番奥の座敷の間に二人は居て、
「遅くなってごめんな」と声を掛けると歌は嬉しそうに微笑んだ。
注文した生ビールを飲み、頼んでくれていた銀杏を頬張ると、
待ってましたとばかりに歌が話しかける。





歌 「想也。いきなりごめん。
  私どうしても、もう一度想也と話したくて、
  それで今日本社まで行ったの」
想也「演人に聞いた。
  俺に話って何?」
歌 「うん……単刀直入に言うね。
  私と、もう一度付き合ってほしいの」
想也「えっ。俺、本心言ったよね。俺は」
歌 「美琴が好きなんでしょ?
  重々わかってるし、それでもいいの。
  私を抱きながら美琴を思い浮かべても構わない」
想也「構わないって言っても、俺がかまうんだよ」
歌 「それでももう一度、私という一人の人間だけを見てほしいの」
想也「……」
演人「想也。彼女が単刀直入に話すから僕も単刀直入に聞くけど、
  お前が歌さんと付き合ってた時、好きって気持ちはあったのか?」
想也「好き……って言えるんだろうか。
  こんなこと言うと身勝手かもしれないけど、
  美琴さんに逢えない寂しさが紛れていたのは事実だよ。
  だからと言って、気持ちが全くない女を抱けるほど、
  俺はドライな男ではないしね。
  情はあったと思うけど、それが愛情なのかどうかは正直分からない」
歌 「それでもいいと私が言ったら、想也はヨリを戻してくれる?」
想也「それは……」



正直、参った。
酒の勢いだからなのか、歌がこんなにストレートに突進してくるとは、
全く予想していなかったからだ。
しかしここで曖昧な言葉を言ってしまえば、彼女に期待させてしまう。
俺は心を鬼にして本音を吐いた。





想也「歌、ごめん。
  やっぱりヨリを戻すのは無理だよ」
歌 「……」
想也「以前も今も、俺の頭ん中も心の中も、
  美琴さんでいっぱいなんだ。
  彼女が佐伯さんと結婚して幸せになったのを見届けたら、
  もしかしたらこの気持は冷めてしまうかもしれない。
  でもそれは今じゃないんだ」
歌 「少しの可能性もないの?」
想也「……ああ。ごめん」
歌 「そっか……きっと無理だろうって覚悟はしてたけど、
  こうやって想也と面と向かって言われると結構痛いな」
想也「歌」
歌 「分かりました。
  逢ってくれただけでも嬉しかった。
  ありがとう、想也」
想也「……」
歌 「そして演人さん」
演人「はい」
歌 「今日は話を聞いてくれて、
  想也に連絡してくれてありがとうございました。
  貴方が居てくれたから想也の本音を聞けました」
演人「そんな。僕は何もできなかったからさ。
  でも僕も話せてよかったよ」
歌 「はい。それでは、私は帰ります」
演人「えっ。もう帰るの?
  タクシー呼ぼうか。
  夜道の女の一人歩き、危ないからさ」
歌  「大丈夫です。お店の人にタクシー呼んでもらいますからここで」
演人「そう。気をつけて帰るんだよ」
歌  「はい。……想也」
想也「ん?」
歌 「私は想也の数ヶ月の恋人だったけど、幸せな時間をありがとう。
  どうか元気でね。さようなら、想也」
想也「歌……一つ教えてくれないか」

歌  「えっ。何?」

想也 「美琴さんの新しい連絡先、知ってるだろ」

歌  「えっ」

演人「想也!それは無いだろ」

想也「頼む、知ってるなら教えてくれ。

  急を要するんだ。

  美琴さんに大変な事が起きようとしてるんだ。

  だからどうしても彼女に連絡を取りたい。

  お願いします」

歌  「想也は、最後まで美琴なんだね。

  ……分かったわ」





畳におでこを擦りつけて頭を下げる俺に、

歌はバッグの中のメモとスマホを取り出して、

携帯番号を書き写すとその紙を俺に差し出した。

「ありがとうございます」と言い、ゆっくり頭を上げて受け取った俺に、

歌は怒るどころか深々と頭を下げて、
優しい笑みを浮かべったまま静かに帰っていったのだ。
演人は心配になったのか直様立ち上がり、

歌を店の玄関まで見送った。
俺はデジャブのような罪悪感に襲われながら、
大ジョッキを持ち、なんとも言えない苦い寂しさと一緒に生ビールを飲み干す。
それから一時間、戻ってきた演人と二人、
終電間際まで飲みながら話していたのだった。



カタルシス


(続く)



この物語はフィクションです。




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稲妻




19、崩れる関係





医師から美琴さんの病状を聞いた佐伯さんは、
まるで亡霊のように無表情で、足音も立てず診察室から出てきた。
その姿を見た北斗さんと四宮さんは、
ただならぬ事態を感じて彼の許へ駆け寄る。
それと同時に四宮さんから連絡を受けて、
美琴さんのお兄さんである律文(のりふみ)がやってきた。
四宮さんの姿を見つけると彼は声を掛ける。


律文「四宮くん!」
笙 「お兄さん!」
佐伯「お兄さんって……」
笙 「美琴の兄さんだ。
  何かあったらいけないから、俺が連絡したんだ」
佐伯「……」
笙 「流星、ちょっと行ってくる」
流星「ああ」


四宮さんは近寄ってくる律文さんのほうへ歩いて行き、
「ご無沙汰しています」と挨拶しながら頭を下げた。
蒼ざめた顔の彼を見て、律文さんは妹の状態が深刻なのだと悟るが、
覚悟を決めて状況説明を乞う。


律文「美琴の容体は。今何処に居るんだ」
笙 「美琴はストレッチャーで運ばれて検査に行ってます。
  倒れた時はどうなるかと思いましたけど、
  今は比較的落ち着いています」
律文「そうか。担当医から何か聞いているかな」
笙 「いえ。俺は何も」
律文「倒れた時のことを詳しく教えてくれないか」
笙 「はい。彼女が倒れた時、俺たちはスタジオで撮影中でした。
  脚立の上で作業中に貧血を起こしてしまったんですよ。
  その上に撮影機材が落ちてきて……」
律文「貧血。またか。それで怪我の程度は」
笙 「外傷は足に皮下出血が少しあって、
  腫れてますけどひどくはありません。
  打撲箇所を動かして激痛はなかったようですし」
律文「そうか」
笙 「足を踏み外した時、
  たまたま彼女の傍に俺とあそこにいる佐伯が居たので、
  二人で受け止めたんですけど間に合わなかった」
律文「君や佐伯さんに怪我はないのか?」
笙 「はい。俺も佐伯も大丈夫です。
  最近の美琴は、撮影中頻繁にめまいを起こしていたので、
  気をつけてはいたんですけど。
  彼女を守れなくてすみません」
律文「こちらこそ、妹が迷惑をかけてすまなかったね」
笙 「検査が終われば担当医から詳しい説明があると思います。
  ただ……」
律文「ただ。何か、あるのか?」
笙 「先程、佐伯が担当医から美琴の病状説明を聞いていて」
律文「ん?佐伯さんが……」
  


律文さんの話しっぷりから、
二人が付き合っている事を知らないのだと推測した四宮さん。
佐伯さんが美琴さんの現在の恋人だということを伝えた。



四宮さんが律文さんに詳細を伝えている時、
少し離れた診察室前の廊下で、
佐伯さんと流星さんが深刻そうな表情を浮かべて立っていた。
魂が抜けてしまったのかと思うほど生気を無くした彼を、
廊下の長椅子に座らせると、流星さんは彼の肩を叩く。


流星「遊大。大丈夫か?
  医者は何と言ってた。
  美琴ちゃんの容体、かなり深刻なのか?」
佐伯「流星……」
流星「ん?」
佐伯「美琴は。何故、俺に言ってくれなかったんだろうか」
流星「えっ」
佐伯「あんな大切な事、どうして一人で抱えていたんだろう。
  俺はそんなに頼りない男なのか?
  それとも、俺には関係ない事だからなのかな」
流星「どうした。
  医者にどう言われたのか俺に話してみろ」
佐伯「……医者は、美琴が妊娠してるって言うんだ」
流星「えっ!?」
佐伯「妊娠周期でいったら、5週から6週目くらいらしい。
  それに……出血もしてて、早期流産の可能性があるって、
  美琴を産婦人科へ連れてった。
  最悪のことも頭に入れておいてくれって……」
流星「美琴ちゃんが妊娠……
  それらしきことを、彼女はお前に言わなかったのか?」
佐伯「何も。疲れが溜まってるようで、毎日辛そうには見えたけど、
  貧血の薬を飲んでた事も、子供ができた事も俺には何も。
  今医者から聞かされて、頭上に稲妻をくらった衝撃だ」
流星「お前の子、なんだろ?」
佐伯「俺はそう思いたい。
  でも美琴が俺に何も言わないんじゃあ、どう取ればいい?
  結婚は勿論のこと、我が子の誕生を喜ぶ間もなく、
  失う恐怖と悲しみまで味わうんだぞ。
  ふっ(苦笑)そう考えると、俺の人生もなかなか滑稽だよな」
流星「遊大。お前の複雑な気持ちは俺にも分かるよ。
  過去、俺も涼子とそういう悩みを抱えたからな」
佐伯「そうなのか?」
流星「ああ。あいつも心臓を患っていたから、
  出産は厳しいって言われて子供を断念したことがある」
佐伯「……そうだったんだな。
  流星もいろんな事を抱えて悩んでたんだな」
流星「まぁな。でもな、今一番不安で辛いのは美琴ちゃんだぞ。
  身体の痛み、心の痛み、お前や周りに迷惑掛けたっていう謝罪の念。
  男の俺達ができることなんて、心配するくらいで高が知れてる」
佐伯「……」
流星「今は美琴ちゃんとお腹の子が無事で居てくれる事だけ考えよう。
  後のことは彼女の身体が落ち着いてからでも遅くない。
  それと、どうしてお前に言わずに一人で抱えていたかもな」
佐伯「流星……そうだな」





経験ある流星さんの言葉が、硬直していた佐伯さんの心も表情も緩ませた。
そんな二人の許へ律文さんと四宮さんがやってきて、
跳ねるように立ち上がる佐伯さんにまたも強い緊張感が大波となって襲う。
流星さんもその姿を見守るようにゆっくり立ち、律文さんに会釈した。




律文「佐伯さん」
佐伯「はい!」
律文「僕は美琴の兄の弦田律文と言います」
佐伯「佐伯遊大と申します。
  美琴さんとお付き合いをさせて頂いてます」
律文「四宮くんから聞いたよ。
  さっき、医師から病状説明があったそうだけど」
佐伯「は、はい」
律文「美琴のこと、聞かせてほしいんだ」
佐伯「……」
流星「遊大」
佐伯「あ、あの、お兄さん。誠に、申し訳ありません!」
律文「……」
佐伯「近日中に、きちんと挨拶に伺う予定でいました。
  でも、こんな形でお会いすることになってしまい……」
律文「君も美琴も大人なんだから、僕がどうこう言う年じゃないだろ。
  それで、美琴はどんな様態なのかな」
佐伯「本当に……申し訳ありません」
笙 「佐伯、どうした」


両膝におでこがつくほど頭を下げて謝り続ける彼を見て、
律文さんも四宮さんも驚きの表情を見せる。
暫くして佐伯さんは目を真っ赤にして、
震える声で美琴さんの妊娠を伝えたのだ。
その事実に二人は胸を鋭いもので貫かれたような衝撃を受ける。
病院の長く続くほの暗い廊下で、それぞれが当惑しきった表情を浮かべていた。



眠る




それから一時間後、美琴さんは検査と治療を終え、
4畳半ほどの診察室のベッドに横たわっていた。
彼女の耳に金属音や看護師の声、廊下を走る靴の擦れる音が入ってくる。
ドアの向こうから医療現場の慌ただしい音が聞こえ、
彼女はゆっくり目を覚ました。
ベッドサイドに居たのはお兄さんの律文さんで、
その後ろには佐伯さんが立っていた。




美琴「のり兄……」
律文「美琴。大丈夫か?」
美琴「うん。大丈夫。
  ごめんね。心配かけて」
律文「いいんだ。お前が無事で良かった」
美琴「うん。遊さんは……」
律文「彼ならここに居るよ」
佐伯「美琴」
美琴「遊さん……ごめんね。
  本当に、ごめんなさい……」
佐伯「美琴?」
美琴「ダメだったの(涙声)遊さんの……ダメだったのよ」
佐伯「美琴……もう何も気にしないで、今はゆっくり休め。
  俺は、美琴が無事ならそれでいいんだ」
美琴「でも、遊さんの赤ちゃんが……」
佐伯「俺こそごめんな。
  そんな大事なこと、美琴一人で抱えさせてしまって。
  本当にごめんな」
美琴「遊さん……」



美琴さんの左手を両手で握り、
優しく撫でている佐伯さんに席を譲り座らせた律文さん。
ベッドで寄り添い、むせび泣く二人を無言で見守っている。
やるせない悲しみと悪夢を見ているような辛さが、
冷たく静かな診察室に満ち満ちていたのだった。





6月2日の夜。
美琴さんは39階から見える都心のイルミネーションを目に焼き付ける。
この二ヶ月間に自分の身に起きた出来事を振り返り、
覚悟を決めたように大きな溜息をついた。
大きなバッグを持つと心の中で「さようなら」と呟いて、
静かにリビングを出て行った。
そして玄関で待っていたタクシーに乗り、
お兄さんの住む自宅へと向かったのだ。
佐伯さんと暮らしていたタワーマンションを後にして……



東京湾



それから二週間後の6月17日夕方のこと。
俺が勤めるサカキファッション本社の正面玄関に、
中の様子を窺いソワソワしている女性の姿があった。
仕事を終えて出てくる社員たちの顔を見ては小さな溜息を漏らしている。
時々警戒するように警備員が門のところまで出てくると、
彼女は視線を道路へとずらし、通行人のフリをしていた。
それから20分が経過した頃。
一人の男性が門を出てきたのを見て、彼女はその社員に声を掛ける。




歌 「演之さん!」
演人「えっ(驚)歌さん!?」
歌 「良かったー。演人さんに会えて」
演人「どうしたの、こんなところで。
  もしかして想也を待ってた?」
歌 「あっ(汗)いえ……」
演人「想也は本社には居ないよ」
歌 「えっ」
演人「暫くは取引先のスターメソッドに居るはずだ。
  それと、あいつが7月末でここを辞めるって知ってる?」
歌 「えっ!?想也さん、転職するんですか!?」
演人「ああ。聞いてなかったんだね」
歌 「私、想也さんのこと何も知らないんだ……」
演人「ここへはどうやって来たの。電車?」
歌 「いいえ。タクシーです」
演人「そう。想也に何か用事だったの?」
歌 「演人さんは、想也さんから私達のこと聞いてます?」
演人「あぁ。まぁね」
歌 「二週間前に私、想也さんから急に別れを切り出されて、
  感情的になって帰ってしまったんですよね。
  あれから電話しても取ってもらえないし、
  もう一度、彼ときちんと話したいって思ってきたんです」
演人「そう」
歌 「でもここに居ないなら無理ですね。
  演人さん、教えて下さってありがとうございます。
  では失礼します」



俺に会うことが叶わないと知った歌さんは項垂れ、
一礼すると駅のある方へトボトボと歩き出す。
演人は暫く淋しげな彼女の後ろ姿を見つめていたけれど、
思いついたように声を掛けた。



演人「ねぇ、歌さん!」
歌 「は、はい」
演人「良かったら夕食、一緒にどう?」
歌 「で、でも、演人さんには彼女さんが居るじゃないですか。
  私と食事してるところをもし見られたら大変ですよ」
演人「あーっ。想也から聞いていたんだね(笑)
  彼女と呼べるのかどうか分からないけど、
  その子とは一週間前に終わったんだよ」
歌 「えっ(驚)」
演人「だから、僕も歌さんと同じなんだ」
歌 「そうですか。
  それじゃあ、傷心した者同士でお食事しましょうか」
演人「ああ。そうしよう」


歌さんは俺をよく知る演人と会ったことで、
まるで俺と一緒に居るかのように安心し、嬉しそうに微笑む。
二人は電車に乗って品川へ行き、以前一緒に行った焼き鳥屋へ向かった。 
店に着くとビールで乾杯する。
演人は焼きたての鶏もも串を頬張りながら、歌さんに話し掛けた。


演人「今夜は想也も卓人も居ないから本音で話せるよ」
歌 「えっ(笑)」
演人「歌さんの辛い胸の内、聞こうか?」
歌 「は、はい……」



歌さんは手にしていた突き出しの枝豆を食べると、
ビールを飲み干し照れくさそうに話し出した。
 


歌 「私、ショックだったんです。
  想也さんが美琴とキスしたことは勿論だけど、
  親友から裏切られたことも、二人がその事実を隠していたことも」
演人「そうだね」
歌 「深い付き合いになる前に、
  何でもっと早く言ってくれなかったのかって思いました」
演人「それはきっと、君を大切に思ってたからじゃないのかな。
  それで二人とも言えなかったんだと思うよ」
歌 「えっ」
演人「そういう事、平気で言えるって、
  気持ちがなければできることなんだよね。
  相手にどう思われようと一向に構わない、
  君が怒ろうと傷つこうと平気ってことなんだから。
  でも大切にしたいと思ってると、
  嫌われたくないし傷つけたくないって思うからね」
歌 「そうなのかな。
  想也さんは私と別れた後、演人さんに何と言ってましたか?」
演人「んー。優柔不断な態度で歌さんを傷つけたって落ち込んでたね」
歌 「落ち込んでた……
  でも、想也さんは私と会う前から美琴が好きだったんですよ?」
演人「確かにあいつは美琴さんのことを好きだって言ってたけど、
  歌さんとのことも真剣に悩んでいたよ。
  彼女が佐伯さんと結婚するって聞いて、諦めもあったみたいだしね」
歌 「それなら何故私と別れたんだろう」
演人「美琴さんからフラれたから歌さんと、っていうのは、
  想也の性格上出来なかったんだよ。
  確かに想也も美琴さんも軽率だったと思う。
  でも、人間って理性より感情が勝ってしまう時があるからね」
歌 「そうですね。それは私にも分かります。
  私も、本当は美琴のこと責められないんです」
演人「ん?」
歌 「私もあの時、美琴との友情より、
  想也さんと一緒になりたいっていう感情を優先したんですもの」
演人「えっ。それはどういう意味?」
歌 「美琴が倒れたって聞いてマンションを訪ねた時、
  想也さんが美琴のマンションに居て、初めて彼に会ったんです。
  彼女から一晩中看病してくれたって聞いて、
  その時、この二人は惹かれ合ってるんだなって感じました。
  でも、美琴の周りにはいつもステキな男性が居て、
  誰からも愛されてて、それが羨ましかった。
  だから想也さんだけは美琴に奪われたくなかったんです」
演人「そうだったんだね」
歌 「はい。
  私が美琴に想也さんと上手くいくように協力してって言わなかったら、
  あの二人は付き合ってたと思います。
  佐伯さんと再会しても、きっと美琴は靡かなかったと思うし。
  だから私、美琴との友情より、
  想也さんと一緒になりたいっていう感情を優先したんです」
演人「歌さん、それは結果論だよ。
  仮に想也と付き合ってたとしても、
  佐伯さんと再会した美琴さんは、彼を選んでいたかもしれない」
歌 「そうですね……
  私。想也さんが今どうしているのかも全く分からなくて。
  彼のマンションにも何度か行ってみたけど留守だったし、
  彼が自分の生活圏から居なくなってしまったことがたまらなく寂しいんです」
演人「そうか。
  君は想也と会えたらどうしたいの?」
歌 「私は、想也さんと居られればそれで良かった。
  だからもう一度、私と向き合ってほしいんです。
  親友の幸せよりも自分の幸せを優先するような、
  どうしようもない可愛げのない女でも良ければ……」
演人「そう……分かった。
  僕が想也に連絡取るから会わせてあげるよ」
歌 「えっ(泣)本当ですか!?」
演人「その代わり、本音でぶつかってダメなら、
  想也のことは諦めること。それでもいい?」
歌 「はい!」
演人「よし。じゃあ、今から電話してみる」
歌 「演人さん、ありがとうございます!」




演人はスーツのポケットからスマホを取り出すと俺に電話する。
歌さんは両手を前で組み、縋るような目で演人を見つめていた。
俺のスマホがバッグの中で無音で光っている頃、
俺は北斗さん、佐伯さんとスターメソッドのD・B・P撮影部オフィスにいた。




スターメソッド



一通り撮影を終えて加工処理した画像をパソコンで見ながら選んでいたが、
時々ぼんやりとカメラに触れる佐伯さんに目を遣る。
ここ二週間くらい前から、佐伯さんの様子がおかしいと感じていたからだ。
美琴さんと何かあったのか、それとも四宮さんとの件で揉めているからか、
俺の頭の中では幾つのも妄想が膨れ上がる。
しかし、ドアを開けてある男性が入ってきたことで、
真相を知ることとなる。





桑染「お疲れさん!」
佐伯「ヒロさん!」
流星「おお!根岸、久しぶり」
根岸「その名前で呼ぶの、いい加減で止めねぇ?」
流星「何言ってるんだ。
  この名前で俺たちの絆が深まったんだぞ」
桑染「絆って。気色悪い奴だな(笑)
  遊大、元気だったか?」
佐伯「まぁな」
桑染「ん?こちらは新人かな?」
流星「あぁ。彼は今回の企画の“bijou(ビジュ)”で来てる、
  サカキファッション株式会社の相楽くん」
桑染「あぁ。引き継ぎの」
流星「相楽くん。こちらはうちのホープ、
  桑染洋史(くわぞめひろし)カメラマンだ。
  彼は根岸洋紅(ねぎしようこう)という名前でも活躍してる」
桑染「初めまして、桑染です。宜しくお願いします」
想也「(ホープ……)
  初めまして。相楽想也と申します。
  こちらこそ、宜しくお願い致します」
桑染「それで?俺は何をすればいいのかな」
流星「ああ。これが“bijou(ビジュ)”の全画像なんだが、
  このレタッチ分からやってほしいんだ。
  ここまでは遊大が処理してるから」
桑染「OK。分かった」
佐伯「ヒロさん、これがバックアップだから渡しておくよ」
桑染「サンキュー。
  遊大、何でこの仕事の途中でドイツ行きなんて引き受けるわけ」
想也「えっ……
  (ドイツ行きって、何なんだ)」
桑染「あっちには浮城や東さんが居るだろ」
流星「神道社長から申し出があったからだよ。
  浮城さんも東さんも他の撮影で手一杯らしいんだ」
佐伯「俺さ、前々からヨーロッパで撮影したいと思ってたから、
  良い機会だしチャンスだから」
桑染「それにしたって、来月なんて急だからびっくりしたぞ」
佐伯「詳しいことは後で話すよ」
想也「佐伯さん」
佐伯「ん?どうした」
想也「来月ドイツへ行くって、どういうことですか」
佐伯「……」
想也「勿論、美琴さんと一緒に行くんですよね」
佐伯「いや。俺一人で行く」
想也「どうして。あんた美琴さんと12月に結婚するんだろ」
佐伯「俺は、仕事に私情は挟まない」
想也「ドイツへは何時まで行くんですか」
佐伯「それは、未定だな」
想也「そんな……じゃあ、彼女はどうするんです」
流星「相楽、その辺でやめとけ」
想也「美琴さんを放おって、一人ドイツへ逃げる気かよ!」

  


俺の頭の中で疑心の渦が波紋のように広がり、
それと同時に怒りまでも泉のように湧いてくる。
美琴さんを諦め、やっと受け入れた佐伯さんとの関係。
少しずつ培ってきた信頼が一気に崩れ落ちた瞬間だった。



目8


(続く)





この物語はフィクションです。


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