愛里跨の恋愛スイッチ小説ブログ

愛里跨(ありか)の恋愛小説です(・ω・)
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愛里跨(ありか)でございますキラキラ
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ひまわり
 
 




“愛里跨の12星座monthly占い(8/24~9/22)”

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角島大橋


 


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幸せ



23、真の幸せとは



展望デッキに移動した流星さんは美琴さんをベンチに座らせ、
横に腰掛けると涙を拭う彼女を慰め話しかけていた。
俺は少し離れた場所から二人を見守る。
決別に噎び泣く美琴さんの姿を見ていると胸を抉られるように痛い。
ここへ連れてきたのは間違いだったのではないかと、
己の判断の甘さに悔しさと情けなさが同時に襲ってくる。
佐伯さんとロビーで別れた桑染さんが、
項垂れる俺の許へ近寄ってきた。


桑染「どうした」
想也「桑染さん」
桑染「下で見た二人の姿がショッキングだったか」
想也「……」
桑染「それとも罪悪感でも湧いたのか」
想也「どちらとも、ですね。
  でも後者のほうがかなり上回ってますけど」
桑染「君は正しいと思って、彼女に遊大のことを話したんだろ」
想也「始めはそうでした。
  でも……あんな風に悲しむ美琴さんの姿を見ると、
  これで良かったのかって思えてくるんです。
  本当は俺のエゴなのかもしれないと」
桑染「エゴ、ね」
想也「はい。それに……」
桑染「それに?」
想也「俺はもうすぐ無職になります。
  美琴さんが病気で倒れたとしても助けることもできず、
  生活を立て直すまで自分のことで精一杯になるでしょう。
  佐伯さんのように『心配ないよ』と、
  彼女に寄り添える甲斐性がありません。
  中途半端な俺に何ができるんだと思うと」
桑染「君の気持ちは重々分かるが、
  今の美琴さんに何かしてやらないといけないのか?」
想也「はぁ……」
桑染「二人を合わせると言い出した君が、
  責任も罪の意識も感じるのは当然のことだよ。
  でも今の彼女に必要なのは、
  何も言わなくてもいつも見守ってくれる存在だと思うが?」
想也「いつも見守ってくれる存在」
桑染「別れっていうのは当人同士は勿論、傍が想像できないほど辛い。
  そして周囲の人間も見守ることしか出来ず、無力感に苛まれる。
  しかし辛さの先に幸せだと感じることもあるからな」 
想也「桑染さんも、
  俺と同じように罪の意識を感じたことがあるんですね」
桑染「ああ。これが生き地獄かと思うくらいな」
想也「その女性とは、その後どうなったんですか?」
桑染「その後か。
  再会した彼女は俺の妻になった。
  今じゃ、やんちゃな男の子の母親になってる。
  お腹には二人目がいてね」
想也「再会して今は桑染さんの奥さん」
桑染「とにかく美琴さんに君の本心を話して、
  経済的なことも現実的なこともそれからだろ。
  今の状況を話せば彼女は分かってくれるさ。
  一番の罪なのは自分の想いを話さないこと。
  そして一番悔しく辛いのは何も話せないことだからな」
想也「そうですよね……」


彼の言葉にも存在にも、北斗さんとは違った重みがあり、
これまで数々の苦労を背負ってきた広い背中は、
俺にはとても逞しく頼もしく映った。
離着陸する飛行機を眺めながら、桑染さんの横顔を見つめ、
彼の助言に従ってみようと決心する。
そこへ、落ち着きを取り戻した美琴さんと北斗さんがやってきた。
俺の隣に並び、佐伯さんの乗った飛行機を探す彼女の手を、
ギュッと握って声を掛ける。
彼女はその言葉を聞いた後に繋いだ手を握り返してくれた。


想也「今の俺は何もできないけど、
  これからも変わらず君の傍に居る。
  そして必ずまた逢いに行くから」
美琴「相楽さん。ありがとう……
  心が元気になったら、私も相楽さんと笑顔で逢いたいです」
想也「うん。必ず、笑顔で逢おう」


見上げた真っ青な空に静止して見える小さな飛行機を、
俺たちはただ無言で追いかける。
くっきりと浮かび広がる白い飛行機雲は一つの関係に終わりを告げ、
お互いを新たなスタートラインに立たせたかのように感じたのだった。



飛行機雲



佐伯さんと美琴さんの恋の結末を見届けた運命の日から、
早いもので2か月が経った。
時は9月に入って、
まだ気温35度超えの茹だるような熱さが続いている。
今日も俺の額や背中には大粒の汗が流れ、
首に掛けていたスポーツタオルで汗を拭う。
俺は長年務めたサカキファッション株式会社を退社し、
下請けであるムツミ物流へ再就職した。
本当なら別の土地で、まったく違う職に就きたかったのだが、
元同僚の中根湊子さんと,、

湊子さんのご主人で、俺の元上司でもある中根謡介さんの斡旋を受けた。
謡介さんは今年4月に常務に就任し、かなりの実権を握っていて、
俺のこれまでの実績を認めてくれる一人でもある。
仕事を辞めたことで今のマンションも出ていく羽目になった俺に、
困っているだろうと自宅の離れを住む場所として提供してくれたのだ。



今日も仕分け作業を終えると会社でシャワーを浴び、
まっすぐ謡介さんの家へ帰って湊子さんの手料理に舌鼓を打つ。
これが以前の我が家でなら、500mlのビールを2本と、
焼き鳥5本パックにポテトサラダを買って、
予約録画した映画を見ながら至福の時に浸っている。
今思えば、何と贅沢な生活を送っていたのだろうと、
人様の力を借りて生活している今の姿が情けない。
遠慮がちにご飯を頬張る俺に、謡介さんは穏やかに話しだす。


湊子「相楽くん、おかわりは?」
想也「いえ。もう充分頂きました」
湊子「遠慮しないでね
  ご飯もおかずもたくさんあるんだから」
想也「はい。ありがとうございます」
謡介「想也、少しは慣れたか?ムツミの仕事は」
想也「はい。今までの内勤職と違って肉体労働なんで、
  使ってなかった筋肉が毎日悲鳴あげてますけど何とか」
謡介「そうか」
想也「謡介先輩、この度は本当に感謝してます。
  収入が安定したら安いワンルームを借りて、
  先輩や湊子さんにご迷惑かけないようにしますから」
湊子「そんなに焦らなくていいのよ?
  うちの離れは謡ちゃんの弟が結婚して空いてるの。
  家って使わないとあちこち傷んでくるから、
  相楽くんが住んでくれて私たちも助かってるのよ」
謡介「そうだぞ。金の心配や至らない遠慮なんてするなよ」
想也「は、はい」
湊子「あっ。分かった。
  もしかして、彼女のこと?」
想也「えっ」
湊子「彼女を呼びたいけどうちだから遠慮してるんでしょ」
想也「いえ!そんなことは。
  それに俺に彼女なんて居ませんから」
湊子「隠さなくていいわよ。
  この間の勤務の時、響くんに会って色々聞いてるんだから。
  相楽くんにはゾッコンの女性が居るって」
謡介「そうなのか?
  もしそうなら遠慮なくここへ連れてこいよ」
湊子「私たちに紹介してほしいな」
想也「いえ。俺にはそんな女性は……」
謡介「なぁ。意地張らずにうちに戻ってこないか?
  ここだけの話だが、10月に大きな人事異動があって、
  商品企画部の上役は皆異動する。
  それに“株式会社オダス”に居た八瀬くんがうちに就社するぞ」
想也「和詩が“サカキ”に入るんですか」
謡介「ああ。実は僕がヘッドハンティングした。
  八瀬くんは君のプログラミングは凄いと言ってたし、
  また一緒に仕事が出来ると喜んでいたんだぞ」
想也「そんなこと……もう過去の話ですし、
  俺はやっちゃいけないことをしたんです。
  異動も解雇も当然の処置ですから」
謡介「あの日の出来事は、君だけの責任じゃない。
  大事な書類の提出があることを分かってて、
  係長も部長も指示を出さなかった。
  責任の一端は彼らにもあることだ。
  優秀な人材を無くすのは会社にとっても、
  僕ら役員にとっても大きな損害なんだ」
想也「で、でも」
謡介「僕が社長に事情を話せば、元いた部署にだって戻れるし、
  八瀬くんともまた仕事が出来るんだぞ。
  すぐに決めなくてもいいから、冷静になってよく考えろ。
  “サカキ”に居れば、君の大切な人を、
  迎えに行くことだって可能じゃないのか?」
想也「謡介先輩……」

  

謡介さんは俺の悩みを察して、
いつも良いアドバイスや提案をくれた。
それに甘んじ、先輩夫婦におんぶに抱っこの頼りない俺が、
その後美琴さんとどうなったのか誰もが気になるだろう。



ひまわり



仕事も住まいも、しかも食事までお世話になっている立場で、
傷ついた彼女を守り人生まで抱えられるはずもない。
美琴さんに炊きつけておきながら情けない話だけど、
結局気の利いた言葉すらかけられなかった。
流星さんと佐伯さんに抱えられるように帰っていった美琴さんと、
俺はあの日から会えていない。
ただ彼女を想う気持ちは膨らむ一方で、
彼女と共に歩む時間だけが止まっていた。
しかし時々だけど、流星さんからは連絡がある。
桑染さんが俺の仕事ぶりを気に入ったらしく、
「この世界に引きずり込んでやる」と言っているそうだ。
カメラにまったく興味のない俺に。


そして卓人や演人は変わらずで、
「就職祝いしてやるから飲みに行くぞ」と声が掛かる。
驚くことに、いつの間にか歌さんと演人が意気投合して、
頻繁に会っているという。
一週間前、卓人が職場を訪ねてきて、
久しぶりに一緒にラーメンを食った。
卓人曰く「あの二人、ありゃ付き合ってるな」と興味津々で話す。
演人からは何も聞いてはいないが、
あいつなら安心して任せられる。
そしてそれで二人が幸せになれるなら、
俺は心から祝福したいと思っている。


あれから、何もかもが大きく変わった。
四宮さんは写真館“アムール”をスターメソッドの神道社長に託し、
恋人の鈴さんとも別れた。
彼は美琴さんに話した通り、公務員への道へ歩んでいるとのこと。
まだ美琴さんへの想いは変わらないものの、
彼女の心を手にすることの出来ない虚しさも味わっていた。
そして美琴さんは“スーパーシャンティ”を退職し、
北斗さんの計らいで“アムール”からスターメソッド本社へ移動した。
そして彼は俺のことも気にかけてくれていて、
いつでも相談に乗ると言ってくれている。
でも今の俺は、自分の力で生活を立て直し、
堂々と彼女と逢いたいと考えていた。
そうしないとすべてが偽りになり、
佐伯さんに対しても胸を張れない。
変なプライドかもしれないけれど、
その先に俺が求める幸せがあると思うからだ。
しかしそんなクソ喰らえのプライドなんて、
捨ててしまえと叫ぶもう一人の俺が居る。
転職し見習い中の俺にはただの我侭だということも重々承知。
こんな軟弱で情けない男でも、
必要だと言ってくれる人たちが側にいる。
差し伸べられる多くの手に心から感謝せずにはいられない。



同日同時刻。彼女たちは新宿歌舞伎町のレストランに居た。
美琴さんと歌さんは食事しながら互いの状況を語り合っている。
彼女たちの友情は前のように平穏を取り戻しつつあった。



デザート


(都内某レストラン)


歌さんはバイキングプレートを運び席につくと、
グレープフルーツジュレを頬張りながら上機嫌で近況を話し出す。
しかし彼女のある一言で美琴さんは驚きの表情を浮かべ、
デザートフォークを持つ手が止まった。


美琴「えっ(驚)相楽さんの友達の響さんと!?」
歌 「そうなの。成り行き上ねー。
  正直言うと、私の押しの一手で落としたが正しいかな」
美琴「はーぁ。歌のバイタリティーは相変わらず健在ね。 
  じゃあ、もう付き合ってるんだ」
歌 「それがさ、まだなのよね。
  もう関係持っちゃったんだから一緒なのにさ」
美琴「か、響さんと関係をって……
  あははっ。そうなんだ」
歌 「うん。なのに想也さんに気を遣って、
  『想也に聞いてからでないと、
  僕たちは本当の意味の幸せになれない。
  あいつがうまく言ってるのを確認してからな』だって。
  まったく、彼は演人さんの親じゃないんだから、
  当人同士が良ければすべて良しだと思うんだけど。
  しかももう過去の話なんだからさ」
美琴「そうだけどね……
  私は何となく響さんの気持ち分からなくもないな。
  友情と愛情の狭間で複雑な心境なのね、彼は」
歌 「そんなものなのかね。
  てか、美琴が言うかなー」
美琴「ごめんごめん」
歌 「まぁ、私の近況はこんなところだけど、
  美琴はその後どう?想也さんとうまく言ってるの?」
美琴「それが……」


美琴さんは空港で佐伯さんと別れたあの日のことを思い返し、
歌さんに話しだした。
佐伯さんとの悲しい別れ。
そして空港に行こうと誘った言い出しっぺの俺は、
その場に立ち竦み、慰めの言葉一つも言えなかった。
その場に崩れるようにしゃがみ込む美琴さんの許へ、
真っ先に近寄ったのはあの二人で、
北斗さんと桑染さんが支えるように寄り添い連れて帰ったのだ。
それを聞いた歌さんは自分の事のように激怒する。



歌 「今の俺は何もできないって!?
  必ずまた逢いに行くなんて……
  何やってんの、想也は!」
美琴「歌……」
歌 「あっ。ごめん(苦笑)
  でもさ、私は納得出来ないよ。
  私は想也さんが美琴を好きだって言うから諦めて、
  新たな恋に前向きに進んでる。
  なのに、言い出しっぺの彼が美琴をほったらかして、
  今何もしないで必ず逢いに行くからなのよ。
  無責任極まりない」
美琴「もしかしたら、彼にも何か事情があるのかもしれないし」
歌 「それでももっとマシなこと言えるでしょ。
  好きなら、美琴が不安にならないような言葉言えるでしょ?
  私の言ってること、間違ってるかな」
美琴「ううん。歌は間違ってないよ。
  でも、相楽さんは遊さんとの同棲のことだけじゃなく、
  赤ちゃんのこともダメになっちゃったことも知ってるの。
  そんな重い現実を目の当たりしたら大半の人は引いちゃうわ。
  幻滅されてもおかしくない。
  それでも必ずって言ってくれて、それだけでも私は嬉しかったの」
歌 「美琴、甘やかしちゃダメよ。
  そんなことはあの人は百も承知で、
  美琴を好きになったんじゃないの?
  あの人はどれだけの人の心を振り回して、
  傷つけたか分かってないわよね」
美琴「歌。もしかして、まだ相楽さんのこと」
歌 「それはないから安心してよ。
  ただ意気地なしの想也さんに腹が立つだけ。
  人がしないような大胆なことしといて、
  肝心な時には何もしないあいつの身勝手さが許せないの。
  美琴。私がどうにかするから安心して」
美琴「歌……どうにかするって、何をするつもりなの」
歌 「演人と卓人さんの力を借りるの。
  ここを出て、今から電話して二人に会いに行くわよ」
美琴「えっ!?」


歌さんはバッグと伝票を持って席を立ち、
美琴さんも慌てて帰り支度をすると、二人で会計を済ませ店を出た。
そして歌さんはバッグからスマホを取り出すと、
直様演人へ電話した。



スマホ


  
(続く)



この物語はフィクションです。  





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別れ
 



22、それぞれが歩む道



「遊さんと終わったの」と大粒の涙を流す美琴さんを、
俺はこの胸に抱きしめる。
腕の中でも彼女の全身は小さく震えていた。
こみ上げてくる悲しみと言い知れぬ寂しさが、
耐え忍んでいたこの細い身体から溢れだしている。
彼女の体温をリアルに感じながら、
俺もささやかな充足感と悔悟を噛み締めた。
暫くして少し落ち着いた美琴さんから一旦離れ、
ソファーに座らせると俺は彼女の前に座り込んで宥めるよう話す。


想也「明日、佐伯さんに会いにいこう」
美琴「私から別れてほしいと言ったのに、
  今更遊さんに逢いにいくなんて、できないわ」
想也「美琴さん。

  佐伯さんと終わらせたのは、本当に彼を嫌いになったから?
  それとも彼のため?」
美琴「……」


彼女は手に持っていたハンカチで涙を拭い俯いている。
俺はしばし無言で彼女を見守っていたけれど、
彼女の真意が知りたくて再び語りかけた。


想也「もし、佐伯さんを嫌いになったんじゃなく、
  彼のために身を引いたのなら、
  やっぱり会いに行きべきだと思う」
美琴「相楽さん」
想也「ん?」
美琴「相楽さんは、私と遊さんが一緒に居たほうがいいと思ってる?」
想也「えっ」
美琴「相楽さんは以前、私を好きだと言ってくれたのに……
  どうして心と反対に会いに行けと言うの?」
想也「それは……どうしてだろう。
  本当に矛盾してるよね(苦笑)」
美琴「うん。矛盾してる」
想也「君を想う気持ちは変わってないよ。
  それどころか、膨らむ一方でさ。
  でも……会ったほうがいいと勧めるのはきっと、
  大好きな美琴さんの悲しむ姿を、これ以上見たくないからかもしれない」
美琴「私が悲しむ姿……
  私ね。この数ヶ月、いろんな感情が交錯して本当に辛かったの。
  遊さんと生活して、彼の傍に居れるだけでいいって思ってた。
  でも。彼が別世界の住人に感じる瞬間があると、
  言いようのない不安が襲ってきて拭えなかった。
  それに加えて、親友の歌に対してもそうで、
  相楽さんを好きになったら申し訳ないって思ってた」
想也「申し訳ない、か……」
美琴「彼女と相楽さんとの仲を応援する傍らで、
  何処か相楽さんに縋りたくなる思いも湧いてくるの。
  それは歌を裏切る結果になるからと必死で堪えてた」
想也「そうだったんだ」
美琴「いろんな身勝手な思いをどうにかしたいと思った矢先に、
  持病が悪化しちゃって、それで……」
想也「ごめん。お兄さんから聞いたよ」
美琴「そう……」
想也「辛かったね」
美琴「うん(泣)すごく辛かった。
  この世から消えてしまいたいくらい。
  でもこうなったのはすべて私のせい」
想也「美琴さん。あまり自分を責めちゃダメだよ」
美琴「以前、相楽さんのことを兄に相談したことがあるのよ」
想也「えっ(驚)俺のこと?」
美琴「ええ。友情を取るか愛情を取るかって。
  そしたら、兄も同じ体験をして悩んだことがあったって話してくれた」
想也「そう」
美琴「兄は元カノとは戻らず、本命の子からの申し出も断ったって。
  その子は兄の親友と付き合いだしたらしいんだけど、
  ノリ兄は親友との仲を最優先したの。
  でも半年後に彼女と別れたのを知ったんだって。
  再度告白したけどフラれたって笑って言うのよ」
想也「そうか……
  お兄さんも俺たちと同じ悩みを抱えた経験があるんだね。
  実は俺も、親友の卓人に言われたよ」
美琴「卓人さんに?」
想也「美琴さんと歌さん、二人と離れてひとりで冷静に考えろって。
  このままじゃどちらも傷つけるだけだって叱られた。
  冷静に考えれば、あいつの言う通りすべきだったとも思うよ」
美琴「相楽さん」
想也「でも今は俺のことより、

  美琴さんのこと、佐伯さんとのことだよ。
  俺の言ってること、矛盾してるかもしれないけど」
美琴「相楽さんはどうして自分の想いを殺して、
  私と遊さんの仲を取り持つことができるの……
  心が揺れ動くことはないの?」
想也「そりゃ揺れ動くよ。
  歯がゆいくらいにさ。
  だけど、佐伯さんと一緒に仕事してて、
  彼がどんだけビッグな人間かを知ったからかな。
  だからって君を諦める気はないけどね(笑)」
美琴「やっぱり、矛盾してる(笑)」
想也「だよね。それでよく卓人と演人から叱られるんだ」
美琴「うふっ(笑)
  何だか聞いてるだけで光景が目に浮かぶな」
想也「やっと笑ってくれたな」
美琴「あぁ……」
想也「とにかく明日、空港に行こう。
  俺が傍についているから。
  ねっ、美琴さん」
美琴「明日空港に行けば……
  私も、ノリ兄のようにいつか笑って話せる日が来るのかな。
  この辛い気持ちを拭うことができるかな……」
想也「全ては拭えないかもしれない。
  でも会わないで終わらせたほうが、
  これから先ずっと、この気持ちを抱えるんじゃないかな。
  俺ならきっと、後悔や罪悪感を抱え続けてしまうと思う」
美琴「そうね……
  相楽さんのお蔭で、少し心が軽くなりました。
  私、遊さんに逢いに行きます。
  自分の気持ちにケジメをつけるために」
想也「そう。よかった」
美琴「明日、空港に行って遊さんと向かい合った時、
  良くも悪くも何かが見えたら、それを運命と思って受け止めます」
想也「そうだね。それがいい」

  
俺はホッとした反面、心に言いようのない寂しさが襲った。
でも彼女の微笑みを見ていると、
矛盾だらけの言動も意味があったのだと納得させられる。
そして美琴さんと佐伯さんがどうなるかで、
俺の歩む道も決まってしまうということなのだ。
美琴さんへの想いを終わらせて新たな道へ進むのか。
それとも恋の神様が哀れな俺に慈悲を与え、
この胸に成就という火を灯してくれるのか。
彼女の泣きはらした優しい目を見つめながら、
俺もこの身を運命とやらに任せようと思った。
  



hitono



7月1日、それぞれの歩む道が決まる日。
9時半過ぎの羽田空港国際線ターミナル。
俺と美琴さんは出発ロビーに居た。
前夜、北斗さんに佐伯さんがどの便で旅立つのかを聞いていた。
はじめは俺の提案を快く思っていなかった北斗さんも、
美琴さんが一緒にいくと告げると納得してくれる。
俺から佐伯さんに会わせると言い出しておきながら、
本当に引き合わすことができるのか不安だっただけに彼の協力は心強い。
ロビーの流れる人の波を見つめながら、
もしこれがボードゲーム板の上に立っているならと考える。
これがゲームなら、笑顔でサイをふって出た目の数ほど進み、
何ら行く先にも迷わず書かれたゲームの指示に従えばいい。
でも人生なんてゲームのように道が決まってるわけもなく、
どの道を選択するかで大きく流れが変わるんだ。
そして俺は美琴さんとここに立って、
恋敵だった佐伯さんの姿を探している。
なんと運命とは残酷極まりない。



それから数十分経った時、
美琴さんが北斗さんと桑染さんの姿を見つけ、
彼らも俺たちに気づいて手を上げる。
俺は会釈して近づいていったが、
美琴さんの足がピタッと止まり一点を見つめていた。
俺は振り返りその目線の先に目をやる。
そこには大きな黒いキャリーバックを持った佐伯さんが立っていて、
彼は美琴さんを見て穏やかな微笑みを浮かべ、ゆっくり歩いてくる。
俺は堪らず俯き目をつぶった。
しかしすぐに北斗さんから腕を捕まれ声を掛けられる。



流星「相楽、あの二人から目を逸らすな」
想也「えっ」
流星「お前も覚悟を決めてここへきたんだろう?」
想也「はい」
流星「お前にも大事な決断だ。
  目を逸らさず、どうなるか見てるんだ」
想也「そうですね……」
桑染「このシチュエーションは逃げたいよな」
想也「桑染さん」
桑染「逃げたその瞬間は楽になる。
  でも厄介なのはその後だ。
  そいつは何処までもお前を追ってくる。
  何処に逃げようと何処へ隠れようと四六時中だ」
想也「桑染さんも、経験者ですか」
桑染「ああ。俺も流星も、そしてあそこにいる遊大もな」
想也「佐伯さんも……」
桑染「だから、自分の心からも現実からも逃げじゃダメだ」
想也「はい……俺。
  何が起きても、逃げずに受け止めます」
桑染「おお。よく言った」


6つの目の先に見つめ合う二人が居る。
俺たちの胸のうちなど知る由もなく、
佐伯さんはバッグを置くと美琴さんに再度微笑みかける。



佐伯「美琴。きてくれたんだな」
美琴「遊さん」
佐伯「面と向かって別れの言葉もなく、
  荷物と一緒に消えちまってさ」
美琴「遊さん……ごめんなさい」
佐伯「もうこのまま美琴には逢えないと思ってた。
  でも美琴は、ここに居る」
美琴「うん」
佐伯「美琴。もう一度だけ言うよ、俺の本心」
美琴「本心……」
佐伯「俺と一緒にドイツに行ってくれないか。
  後のことは流星とヒロさんがしてくれる。
  だから、もう一度やり直そう」
美琴「遊さん」
佐伯「お前の心にある苦しみを、俺にも半分背負わせてくれ」
美琴「遊さん……私……」



佐伯さんと見つめっていた美琴さんが、
ゆっくりと振り返り、訴えるような目で俺を見た。
俺は彼女の行為に一瞬躊躇い生唾を飲んだが、
その視線をしっかりこの両目で捉え、
「大丈夫だよ」と心で諭しながらゆっくりと頷いた。
その無言のやり取りを佐伯さんも見ていたけれど、
彼女の両腕を力強く握って訴えるように話しかける。


佐伯「俺は美琴と遣っていこうと決めて、
  東京へ戻ってすぐ『スーパーシャンティ』へ行った。
  そして美琴に気持ちのすべてを話したんだよ。
  それは今も変わってない。
  俺達は大事な子供を失ってしまったけど、
  またやり直せるって思ってる」
美琴「遊さんの気持ちや申し出は涙が出るほど嬉しいよ。
  あんなことがあっても私を想ってくれて感謝もしてる。
  でも私は……三度、大切にしていた人を失ったの。
  一度目は二年前。遊さんが私から突然去った時」
佐伯「美琴」
美琴「当時の私は、SNSであなたの記事を見るたびに、
  私が居なくてもあなたの生活は変わらないんだって思ってた」
佐伯「それはな、美琴」
美琴「遊さん、聞いて。
  そして二度目と三度目は……一か月前の5月27日と6月2日。
  短期間で私は、大切な赤ちゃんと遊さんを失ったの。
  だから。もうこれ以上失うのは、耐えられない……」
佐伯「それが美琴の答えか。
  もう、俺達はやり直せないって言ってるのか?
  そういうことなんだな……」
美琴「そう……遊さんへの想いは変わってないよ。
  今でもあなたは心から大切にしたい人」
佐伯「だったら!そう思ってくれてるなら」
美琴「でもドイツへは行けない」
佐伯「……」
美琴「一緒に行ってしまったら、私はいつまでも遊さんの足枷になる」
佐伯「美琴……そんなに俺と居るのが辛いのか」
美琴「ええ……あなたを愛しすぎて辛いの。
  苦しくて苦しくて私は居場所を見失うの!」
佐伯「俺の存在は美琴を苦しめてるんだな……」
美琴「いいえ。
  私が未熟だから、遊さんから与えられる愛の受け取り方が分からないのよ。
  だから……今日は、最後のお別れを言うために来たの。
  こんな私でごめんなさい」
佐伯「そうか……
  美琴の気持ちは分かったよ。
  身体、大切にするんだぞ。
  幸せになれよ、美琴」
美琴「遊さんも……」
佐伯「ありがとう。じゃあな」
美琴「遊……」




ハグ12


  

佐伯さんは美琴さんの腕を取ると力強く引き寄せ、
胸の中へと包み込むように抱きしめた。
その姿はまるで、
彼女の鼓動とたくさんの苦しみを全身で刻んでいるようだった。
佐伯さんは暫くするとゆっくり離れ、
彼女の唇に滑らせるようなキスをして静かに立ち去っていった。
残された美琴さんは微かに残る佐伯さんの唇の感触を惜しむように、
恐る恐る右手の指で自分の唇に触れる。
抑え込んでいた感情が堰を切って漏れだし、
小さな声で何度も何度も佐伯さんの名前を呟いた。



美琴「遊さん……遊さん……」



その全身は少し離れた俺にも分かるくらい震えて泣いている。
俺たちからどんどん離れていく佐伯さんを桑染さんが追い、
その場に崩れるようにしゃがみ込んだ美琴さんの許へ、
直様北斗さんが近寄っていく。
その離れゆく二つの恋心を、
俺はその場に留まったまま受けとめたのだ。

11時半。
大きな愛を無くした佐伯さんを乗せた全日空223便は定刻どおり、
大空高くフランクフルトへと飛び立ったのだった。



h飛行機



(続く)


この物語はフィクションです。






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