OMAのウェブサイトを覗くと、NYオフィスでの直接の上司であった
重松象平のレクチャーがアップされていました。
どうやら、僕が関わったケベック美術館増築コンペに関連したイベントの様です。
1時間半程のレクチャーです。
ざっと、レクチャーの内容を記したいと思います。
最初の9分はフランス語での紹介の為に理解不能。
ここから重松が語り始めます。
世界の現在の経済状況について語り始めます。特に建築業界はこの不況で大打撃を受け、色々なプロジェクトが停滞している。逆説的にそういう状況であるからこそ建築は考える時間が与えられ、新しいものが創造されるという事です。(レムが全く同じ事を言っていました)
その中で現れた新しいタイポロジーがアメリカ郊外のメガチャーチ(巨大教会)というものらしいです。教会を中心に郊外型の大きなモールが形成され、その周りを駐車場が囲むというものです。日曜日になると家族で教会に行き、そのままレストランで食事をしてショッピングをする。全てが1カ所に留まって済むというアメリカ人らしい発想の開発ですね。
多くの建築、都市のマニフェストはこういった不況下に発表されてきたそうです。
この後、重松は自分の大学卒業後の状況を語り始めます。大学を卒業した頃は日本経済のバブルが崩壊し、夢と希望を持って海外に出て15年、そして今はアメリカでリーマンショックを迎え、まるで自分は地球規模の難民だと語っています。
そして日本の建築について。60年代、70年代のエネルギッシュな日本ではメタボリズムの思想や建築が発表され、先日迄好景気だったドバイの高層ビル群と照らし合わせています。しかし、現在の日本の建築はスチレンボード建築だと揶揄しています。それはまるでスチレンボードで作った模型をそのまま実際に建てた様な建築であると。このスタイルは妹島氏から始まったと言っています。設計費が安く、工期が短く、建築事務所のスタッフが少ない日本の事務所にとって、経済的利点から彼女のスタイルは広く受け入れられ普及したのだとの事です。
そしてミニマリズムへの批判へと移ります。これは日本の長い不景気に起因するところがあると。中村竜二氏の蝶の籠や無印の製品を例に日本に見られるミニマリズムは行き過ぎていると、、、やり過ぎのミニマリズムは人々の希望を削ぐと語っています。
ここから重松が関わったプロジェクトの説明に入ります。
これが20分から1時間6分位までです。
この辺は割愛します。Whitney Museum, CCTV, Shenzhen Stock Market, China National Museum, New Jersey, Mexico, 22nd, Cornel University についてです。目新しい情報はありません。
最後に今回のケベック美術館のコンペについてです。
ここは興味深いです。こういうレクチャーでは過程よりも結果を見せるものなんですが、最初に重松はどうやってプロジェクトが発展していったプロセスを紹介しています。
最終案に絞られる迄に、どんな案が死んでいったのかを見るのも面白いですよ。もちろん、ここで見せられてる案はチームで作った案の10%にも満たないです。中には僕が作った案も多数含まれています。1時間14分頃に出来てきた案はレムが気に入った案の2つのうちの1つです(これは僕がやりました)。最終的に重松の案に負けてしまい、今の現状です。
基本的なコンセプトは敷地後ろに位置する大きな公園と敷地正面に位置する都市の両方を美術館に引き込もうとして、こういう形状になっています。3つのボックスの大きさは与えられた展示室の大きさに基づくものです。
動線は建物の西側に集約されています。動線は二通りあり、展示室の外の階段を使う(Express)の方法と展示室の中を順々に巡って行く方法です。
構造はケベック産の材料を使いたかったので2、3階は木をつかったトラス構造です(1時間18分頃)
現在この美術館はDDの最中だそうです。これが完成すれば、僕が関わったプロジェクトで実際に建つのはREXでのトルコにあるVAKKOに続き2作目になります。楽しみですね。