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2012年05月29日

レンタネコ

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「レンターネコ,ネコ,ネコ,寂しい人にネコ貸します」
 サヨコ(市川実日子)は,リヤカーにネコを乗せ,ハンドマイクでこんなことを言いながら,歩く。
 するとネコを借りたいという人が現れるが,サヨコはテストがあると言ってその人の家に行く。
 その人がネコ好きだと分かると,簡単な契約書に記入させるが,お支払いは?と聞かれる。
 サヨコが人差し指を出すと,みんな1万円?と聞く。
 とんでもない。
 えっ,じゃあ10万円ですか?
 1,000円です。
 それでは,あなたの生活が・・・。
 私,そんなに生活に困っているように見えますか?
 えぇ,まぁ・・・。
 私,こう見えてレンタネコの他にもちゃんと仕事をしていますから,ご心配なく。
 という,一連の流れが毎回繰り返されるオムニバス形式の作品である。

 一人目の客は夫に先立たれ,かわいがっていたネコも最近死んだという老婆吉岡さん(草村礼子)。二人目の客は,自宅で年頃の娘に臭いと言って嫌われる単身赴任中の父親吉田(光石研)。

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 三人目からは少し趣が変わり,サヨコの夢から話が始まる。
 街のレンタカーショップがレンタネコショップ(ジャポンレンタネコ)に変わっていて,サヨコが入ると店員吉川(山田真歩)が外国産ブラランドネコAランク,国産ネコBランク,雑種Cランクの説明を始める。怒ったサヨコがCランクのネコをAランクの料金で借りると啖呵を切ると,ではこのネコでと出てきたのは,サヨコの飼っているネコ,というところで目が覚める。
 いつものようにリヤカーを引いて出かけるサヨコだが夏の暑さに参ってしまい,抽選でハワイ旅行が当たるというジャポンレンタカーに入っていく。
 するとそこにいたのは,夢で見た店員吉川で,高級外車Aランク,国産車Bランク,国産スモールカーCランクの説明を始める。
 サヨコは吉川に「あなたはどのランクですか?」と尋ねる。
 すると,吉川は「私はCランクの女です」と言ってグチを語り始め,結局サヨコからネコを借りることになる。

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 サヨコはCランクの車を借りてネコたちを乗せてドライブに出かけるが,結局,抽選ははずれで,うちわをもらって帰って来る。
 ところが吉川にはビッグサプライズが・・・

 四人目はサヨコの中学時代の同級生,うそ,はったりの吉沢(田中圭)。
 サヨコがリヤカーを引いていると,吉沢に話しかけられる。

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 中学時代の自分を嫌っているサヨコは,適当にあしらうが吉沢は家までついてくる。
 そして吉沢は,暑い日にはビールが旨いと言うことをサヨコに教えてくれる。
 そういえば,中学時代,保健室にこもりきりだったサヨコに暑い日はガリガリ君が旨いと教えてくれたのも吉沢だった。
 吉沢にネコを借りるかとたずねるサヨコだったが,サヨコの家で十分ネコと遊んだからもういい,それに返しにこれないし,と言う。
 サヨコが,仕事は何をしているのと尋ねると吉沢はドロボウ,と言って去って行く。
 また,吉沢のうそ,はったりが出たと思うサヨコだったが・・・

 『かもめ食堂』や『トイレット』の荻上直子監督が,市川実日子主演で撮影した最新作。
 私は市川実和子が好きで,彼女が主演にならないかな,と思っていたので嬉しい作品。

 例によって不思議なアンバランス感があり,サヨコの今年の目標は結婚という超現実的なものであるが,レンタネコ以外の仕事というのが,その時々で,デイトレーダーだったり,占い師だったり,CM音楽の作曲家だったりと,現実感がない(しかも,株の売買を決めるのも,ネコ柄のタロットカードを引くのも,鍵盤の上を歩いてメロディを作るのも全部ネコ)。

 あと市川実和子の胸が小さいことに異常にこだわるところもおかしい。
 隣に住んでいる変なばあさん(小林克也)に背がでかいのに胸がないと言われ,レタンカーショップの店員に,あんたもわたしも胸はAカップのCランクの女と自嘲したり・・・
 この話の中で,胸の大きさがそんなに意味のあることとは思えないけど,じゃあ何に意味があるのかと言われても困るような映画である。

 荻上直子監督らしい,日常を描きながらも,そこから微妙にずれていくところを描いた作品。
 もちろんネコ好きにはお勧め。
 演技している役者の向こう側で,相撲を取っている2匹の子猫がかわいい。

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2012年05月22日

愛しの座敷わらし

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 食品会社のサラリーマン高橋晃一(水谷豊)は,開発した商品が売れず,盛岡支店に左遷されるのだが,引っ越し先に市内のマンションを選ばず,田舎の古民家を選ぶ。

 一緒についてきた妻史子(安田成美)と娘梓美(橋本愛)は,田舎暮らしに不満である。
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 そして,息子の智也(濱田龍臣)と祖母の澄代(草笛光子)は,早々にこの家に何か不思議なものがいることに気づく。やがて梓美も気づくが,智也はサッカーで友達になった菊池桂(沢木ルカ)から,自分たちの家には座敷わらしがいることを聞く。

 史子も異変に気づくが,自分が精神的に参ってしまったと思い込む。

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 しかし,子どもたちと地元の老人から座敷わらしの話を聞きそれを信じることにする。
 家族が座敷わらしの存在を受け入れて暮らすようになってから,いままで上手く行かなかったことが,上手く行くようになる。

 東京ではクラスメイトから無視されていた梓美は,心を許せる友人たちができ,喘息のせいで好きなサッカーができなかった智也も友達とサッカーができるようになる。なによりも,すれ違っていた家族が絆を取り戻すことができた。

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 そして晃一の仕事も認められるようになり,東京本社へ戻ることになる。
 初めてできた友達との別れを悲しみながらも,盛岡で強くなった子どもたちは,父親と一緒に東京へ帰ることを決める。
 座敷わらしのためにおもちゃを置いていく智也だったが・・・

 座敷わらし伝説を下敷きにしているから,先が読める展開のストーリー的だし,演出も極めてオーソドックスである。
 しかし中盤から,なぜか涙が止まらない。

 座敷わらし役の子どもが,反則的にかわいい。そして,地元の老人から,座敷わらしは,間引きされた子どもの生まれ変わりだとも言われている,赤ちゃんのときに殺されたので,お菓子の食べ方も,おもちゃの遊び方も知らないという話がある。

 そのあとに,智也がシャボン玉の遊び方を座敷わらしに教えるシーンや,洗い物をしている史子の背中に負ぶさってくるが,それに気づいた史子が優しく体を揺すって座敷わらしを寝かしつけるシーンが出てくるともう涙腺崩壊である。

 そして,孤独だった梓美が家に呼んだクラスメイトと本当に楽しそうにしているシーンや東京に帰ると決めた彼女を見送る友人たちとの別れのシーンも素直に感動してしまう。

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 水谷豊は好きではないんだけど,座敷わらしの力にやられてしまった感じである。

2012年05月21日

ポテチ

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 空き巣を職業としている今村(濱田岳)は,地元出身で同い年のプロ野球選手,尾崎をひいきにしている。
 今村の空き巣仲間で恋人の若葉(木村文乃)は,野球に興味が無く,「ホームランなんてただの野球のボールが遠くに飛ぶだけでしょ」と言うが,今村の尾崎への肩入れの仕方になにか不自然なものを感じている。

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 興味だけから試合中の尾崎の部屋に忍び込んだ今村と若葉は,留守番電話に若い女から助けを求める電話がかかってくるのを聞き,その女を助けに行く。
 しかし,助けを求めた女の行動は不自然で,今村と若葉は,その女が尾崎を罠にはめようとしていたことに気づく。

 今村はその女と仲間の男を脅かしただけだったが,今村の先輩である黒澤(大森南朋)は,若葉に今村と尾崎の秘密を教え,彼女と協力してこの男女を使い,監督に干されている尾崎にチャンスを与えようともくろむ。

 伊坂幸太郎原作,中村義洋監督,斉藤和義音楽というおなじみのトリオの間違いのない作品。他にはアヒルと鴨のコインロッカー(音楽は別),フィッシュストーリー,ゴールデンスランバーがある。

 68分という短編だが,例によって気の利いた伏線が張りめぐらされており,あちらこちらでニヤリとさせられる。

 ストーリー自体は単純だが,野球に興味がない若葉が最後に「ただの野球のボールがあんなに遠くに」と言って涙を流すシーンは本当に素晴らしい。

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 伊坂映画での濱田岳のはまり具合は今さら言うまでもないが,木村文乃が本当に良い。
 若葉が今村と,とんでもないいきさつで知り合うシーン,付き合うようになってからのシーン,タイトルになっているポテチのシーン,彼の秘密を知ってからのさまざまな表情のどれも素晴らしい。映画で見るのは「極道めし」以来だと思うけど,本当に良い演技をする。


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 また中村義洋監督自身も空き巣の親分の役で出演しているが,とぼけていて面白い。
 今年,いままで見た映画の中では,ユーモアと感動のバランスがいちばん上手く取れている作品で,とても面白かった。

2012年05月18日

映画 紙兎ロペ つか、夏休みラスイチってマジっすか!?

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 紙兎ロペというのは,TOHO系映画館で,予告編の前に流されている短編アニメで,リアルに書き込まれた日常的な街の風景(葛飾区という設定)の中に紙製の動物キャラが普通に暮らしている。

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 主人公はウサギのロペとリスのアキラ先輩で,高校生という設定らしい。
 アキラ先輩は,ちょっと不良を気取ってはいるけど,意外に常識人。ロペは無難な突っ込みが得意な,ごく普通のキャラでこのふたりのゆるい会話が売りのアニメである。

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 夏休みが最終日になったのに宿題の自由研究をやっていなかったアキラ先輩は,ロペを連れてツチノコを探しに行く。
 怪しげな占い師に言われて思いだした子どもの頃の記憶で,今は廃園になった遊園地に行く。
 
 一方,クレオパトラ展から秘宝のイヤリングを盗み出した怪盗デビルキャッツ一味は,逃走中にそのイヤリングをロペとアキラ先輩の前に落としてしまう。
 こわい姉(篠田麻里子)のイヤリングを壊してしまったアキラ先輩は,それを姉に渡して機嫌を取ろうと考えて持って行ってしまう。
 ツチノコを探すロペたち,イヤリングを追う怪盗デビルキャッツ一味,変なサンバチーム,こわい姉が入り乱れてストーリーが進んでいく。

 短編の魅力は,ロペとアキラ先輩のゆるい会話であり,この映画でもそれは繰り返し出てくる。
 また,リアルに書き込まれた背景の遊び心一杯の看板の文字も楽しい。
 子どもの頃に親に連れて行ってもらったのに,今は廃園になってしまった遊園地というのも世相をよく反映していると思う。
 ふんだんにちりばめられたギャグも面白いし,こわい姉ちゃんが実は最強というのもアニメらしい設定だし,篠田麻里子の声も上手くはまっている。

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 85分と短めの作品だが,それでも元がショートムービーなだけに,それをつぎはぎしての長編化は,それぞれのパートは面白いものの,やはりちょっと中だるみ感が否めない。
 貯まったポイントで観るのに最適な映画かな。

2012年05月15日

宇宙兄弟

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 子どもの頃,カセットレコーダーで色々な音を録音して楽しんでいた南波日々人(なんば ひびと)と南波六太(なんば むった)の兄弟は,ある夜,裏山でUFOを見る。

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 興奮した日々人は,宇宙飛行士になり月へ行くと決める。兄は弟の先を行かなければならないと決めていた六太は,自分は火星へ行くという。

 真っ直ぐに夢に向かって努力を重ねた日々人(岡田将生)は,2025年に日本人初の有人月面探査ロケットの宇宙飛行士になるが,その頃,日々人の悪口を言った上司に頭突きをかました六太(小栗旬)はカーデザイナーの職を失う。

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 再就職に苦しむ六太の元になぜか申し込んでいないJAXAからの書面審査合格の通知が届く。
六太は日々人の仕業だと気づくが,日々人はNASAまで六太を呼び出して,子どもの頃の夢を叶えようと言う。日々人の真剣さに気づいた六太は宇宙飛行士試験に真剣に取り組む。

 ここからは,六太の試験の様子と,日々人の月面での活動が併行して描かれるが,六太の試験の最終段階で日々人の乗った月面ローバーがクレーターに転落して消息を絶つ。

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 それを聞いても試験を続ける六太と,クレーターの中で必死に生還しようとする日々人。
 そして5年後,兄弟で宇宙に旅立つ日々人と六太。

 感動的で良い話だし,ロケットや月面の様子を描いたCGも素晴らしい。NASAやJAXAの協力でかなりの部分,本物が使われていて嘘くささもない。

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 宇宙飛行士の試験や訓練もリアルに描かれている。
 また,アポロ11号のオルドリン宇宙飛行士まで出演しているのもすごいことだと思う。

 ただ映画としては,どうしても全体的にあらすじ感が否めないし,クライマックスも予告編どうりだなという感じがする。
 予想を大きく超えるような感動を期待していたのだが,欲張りすぎだろうか?

 日々人と六太の子ども時代を演じた子役だけど,日々人役の子は,いかにも将来岡田将生風になりそうな感じだけど,六太役の子は,小栗旬になれるかなぁ・・・
2012年05月09日

バトルシップ

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 エイリアンとの戦いにいかにもアメリカ映画らしいお気楽ラブストーリーを絡めたテキトー(適当ではない)な作品。

 地球型の惑星を発見したNASAがその星に通信信号を送ったところ,その星からエイリアンが攻めてきたという設定だが,恒星間飛行が可能な技術力を持っているはずのエイリアンの宇宙船の1機が人工衛星と衝突して墜落するという???なシーンからストーリーが始まる(予告編でエイリアンの攻撃のように編集されていたシーンの一部は,実は墜落した宇宙船の破片が香港の街を破壊するシーン)。
 その宇宙船が通信用だったことからエイリアンたちはNASAの通信施設があるハワイ周辺に電磁バリアを張り,そこから母星への通信を行おうと企む。

 ちょうどその頃,ハワイでは環太平洋合同演習が行われていたが,バリアの内部には日米のミサイル駆逐艦(イージス艦)3隻だけが孤立していた。
 エイリアンの攻撃を受け,2隻が破壊され1隻だけ残ったイージス艦で米軍大尉のアレックス・ホッパー(テイラー・キッチュ)と日本の海自1佐ユウジ・ナガタ(浅野忠信)が協力してエイリアンの宇宙船と戦う。

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 エイリアンの攻撃というのは,何とか光線というのではなく,どういうわけか全部爆弾みたいな物理攻撃。
 またイージス艦側のミサイル攻撃も普通に通用する。

 ただ,どういうわけかエイリアンの宇宙船はイージス艦のレーダーに映らないという設定になっている(宇宙から飛んできたときはNASAのレーダーに映っていたのに???)。
 そこで,バトルシップゲームということになる。マス目に軍艦,空母,駆逐艦などを配置して,Aの5,命中,Bの3,はずれ,とかいうやつ。

 ナガタは潮位変化観測用のブイのデーターからエイリアンの宇宙船の位置を割り出して攻撃命令を出して2機を破壊する。
 また1機は明け方に入江に誘い出して,太陽の光に弱いエイリアンの弱点を突いて破壊するが,イージス艦も破壊されてしまう。ここでも,宇宙船の窓がライフル射撃で割れるという???な設定。

 すべてのイージス艦を失ったがアレックスは真珠湾に記念艦として係留されている戦艦ミズーリに退役軍人とともに乗り込み,NASAの通信施設を砲撃して破壊しようとする。
 ところが,電磁バリアを張るだけと思っていた最後の宇宙船が変形し,攻撃してきた。
 奇想天外な作戦でそれに応戦するアレックス。
 
 とまぁ,突っ込みどころ満載というよりは,全編突っ込みどころというようなテキトーな話で,ラブストーリーの方も負けず劣らずテキトー。

 しかし,この映画の魅力は壮快な戦闘シーンであり,テキトーな設定も,すべてこの戦闘シーンに辻褄を合わせるためのものである。

 チュドーン,ドカーン,ボカーンというのを楽しんでストレスを解消しようという映画で細かいことをぐちゃぐちゃ指摘するのはヤボというもの。
 宇宙船のいかつい造形も効果的だし,それがこちらの攻撃で破壊されるシーンも壮快。

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 まぁ,こういうものとしては十分楽しめた。
2012年05月05日

僕等がいた 後編

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 前編の最後,22歳になった七美の,彼に会ったのはあれが最後だった,という意味深なナレーションで後編も観ることに。

 両親の離婚で母親と一緒に東京に行った矢野は,当初,クラスにも溶け込み,七美とも連絡を取り,普通に暮らしていたのだが,母親のリストラによる生活苦,母親の末期がんによる入院,自分が原因の自殺という悲劇が重なり,七美との連絡を絶つ。
 その矢野を追ってきた山本有里(本仮屋ユイカ)が,自殺すると思った彼は,彼女と一緒に来らし始める。
 七美は東京の大学を出て東京で就職するが,そこで東京の高校での矢野の友人千見寺亜希子(比嘉愛未)と友人になる。

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 同窓会で北海道に帰った七美は彼女を慕い続ける竹内から,矢野の話を聞く。
 矢野は竹内の七美を頼むと言ってすべてを打ち明けていたが,竹内は矢野に猶予をやると言って,すぐには七美に話さなかったのだ。
 しかし,その後も矢野から連絡は無く,竹内は事情を打ち明け,しばらくして七美にプロポーズする。
 その直後,亜希子が偶然,仕事先で矢野を見つける。

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 そうして矢野と七美は再会を果すが,矢野は当初,七美とはやり直すとはいわない。
 しかしラストシーン,取り壊しが決まった七美たちの高校の屋上で,ふたりは再会し,同じ時を過ごしていくことになる。


 前編で感じたドラマのカタログのような感じは後編でも拭えず,いろいろな出来事に脈絡の無さを感じて入り込めなかった。
 以前観たハナミズキに似た感じ。
 そう言えば,結婚パーティーのシーンはハナミズキでも使われていたところだろうか?似ている気がしたけど。

 この映画もハナミズキも好きだという人は多いので,好みの問題なのかな。
 出演者はだいたい好きな俳優女優だから,先入観で低評価というわけではないと思うのだけど。

 ところで比嘉愛未ちゃんは,NHKの朝ドラの頃に比べると本当に良くなったと思う。それにしても足がちょっと細すぎるけど。それがこの映画の一番の印象。
2012年05月04日

テルマエ・ロマエ

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 古代ローマ帝国の浴場設計技師ルシウス(阿部寛)は,アイディアに行き詰まり,仕事も失いそうになっていたが,公衆浴場テルマエの浴槽の穴に引き込まれ,現代日本の銭湯にタイムスリップする。

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 ルシウスは,何が起きたのか分からないまま,気づいたら古代ローマに戻っていたが,日本で見た風呂桶やフルーツ牛乳,カラン,壁画などの設備を取り入れて好評を博する。
 今度は,狭い内風呂の浴槽の中にタイムスリップするが,ローマに戻りテルマエまで行けない老人のための内風呂を考案し,シャワーやシャンプーハットなどを取り入れる。

 評判を聞いた第14代ローマ皇帝ハドリアヌス(市村正親)に呼び出されたルシウスは,皇帝のための浴場建築を依頼される。そこでルシウスは暴君とも言われたハドリアヌスが実は武力による領土拡大や異民族制圧よりも,文化による平和的な統治を目指していることを知り,その期待に応えたいと思う。

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 どのように設計すべきか悩むルシウスはまたもや日本にタイムスリップし,ジャグジーバスや,アロマキャンドル,ウォッシュレットなどを見て帰り,皇帝の気に入る浴場を建設する。

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 ただ,ジャクジーは仕組みが分からず,奴隷たちが管を口で吹いて泡を出すという仕組みになってしまう。

一方,なぜかルシウスのタイムスリップ現場に必ず居合わせた漫画家志望の山越真実(上戸彩)は,漫画の芽が出ず,しかも派遣先の陶器メーカーもルシウスのタイムスリップ騒動に巻き込まれてクビになり,温泉宿を営む田舎に戻ってくる。

 温泉宿の常連である大学教授からルシウスが残したコインと衣服が古代ローマのもので,しかも本物であることを聞いた真美は,ラテン語の勉強を始める。
 そこへまたルシウスがタイムスリップしてくるが,今度は真美がルシウスと一緒に古代ローマへタイムスリップしてしまう。

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 そのころ,ローマでは皇帝が北方民族の侵入に悩まされ,また,皇帝の後継者について問題が起きていた。
 ルシウスと真美は温泉についての知識を使ってその問題に立ち向かっていく。

 漫画原作のコメディであるが,やりきった感満点の力作。
 古代ローマのセットが極めて大がかりに作られ,イタリア人エキストラをものすごい人数動員して撮影している。ベンハーなみ,というとオーバーかも知れないがコメディだからといってちゃちなところは全く無い。

 阿部寛のノーメイクでローマ人そのもの,というところからしておかしいのだけど,コメディとしても極めて秀逸で,全編笑いに満ちていて,満員の場内は爆笑の連続だった。
 上戸彩も,ルシウスの肉体美に惚れてしまうという単純な性格の役が良く合っていて,小難しいことを考えるような役よりもむしろ向いているのではないかと思った。

 タイムスリップものではあるが,あまりそのところを重視せず,コメディ中心にしたところが気楽に観れて良かった。
 ゴールデンウィークを家族で笑って過ごすには最適の作品だと思う。
2012年05月02日

アーティスト

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 サイレント映画の大スター,ジョージ・ヴァレンティン(ジャン・デュジャルダン)は,女優を目指すエキストラのペピー・ミラー(ベレニス・ベジョ)にデビューのきっかけを与えてやる。

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 彼女がスターダムを駆け上っていくのに反してジョージはサイレント映画に固執したことから人気は凋落し,私財をつぎ込んだ映画がヒットせず,株価の暴落もあり,破産寸前にまで没落し,妻にも見放される。
 ペピーはインタビューで,恩人であるジョージを傷つけることを言ってしまったことを後悔しており,没落したジョージを見守り,ときには分からないように援助したりもしてきた。

 しかしジョージはついには自分を保つことができなくなり,保管してきた自分のフィルムに火を放つ。炎の中で我に返ったジョージが必死に守ろうとしたのは,ペピーのデビュー作だった。
 ジョージは愛犬の活躍で一命をとりとめるが,ペピーが自分を主演にしたトーキー映画を作ろうとしていること,彼女が知らない間に自分を経済的に援助していたことを知り,ピストル自殺しようとする。

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 異変を感じたペピーが間一髪でジョージの元に駆けつけ,トーキー映画への出演を強く勧める。
 今さら僕の声など聞きたい者はいない,というジョージに彼女が提案したのは彼の得意なタップダンスをメインに据えた映画だった。

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 この時代にモノクロ,サイレントで話題をよび,アカデミー賞を受賞した作品。
 ヒューゴの不思議な発明に続く,今年2本目の洋画鑑賞。
 アメリカの映画界を描いたものだけど,フランス人が演じるフランス映画らしい(サイレントなので英語もフランス語も関係ないけど)。

 ノスタルジックな雰囲気の王道ロマンスを映画の歴史に絡めたもので,その点についてはいろいろな解説がされているだろうと思うけど,私が一番印象に残ったのは,ジョージのダンディズムと不器用さである。

 彼は大スターではあったが,いつも紳士的でユーモアがあり,傲慢さなどはかけらも持ち合わせない。それが,彼自身のダンディズムだと感じさせられる。
 レストランの彼の席の後ろで,偶然,ペピーが新進女優としてインタビューを受けており,「古い人たちは,新しい時代に席を譲るべきだ」と言ったのを聞いたときに,席を立ち,彼女に自分が座っていた席を指して「どうぞ,譲りましたよ」と言って立ち去るシーンがとても印象的だった。

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 しかし,彼のこのダンディズムはその後,報われることは無く,むしろ不器用な生き方として彼を苦しめるが,彼はどんなときもできる限りダンディであろうと振る舞う,例え身につけるものや生活が,どんどんみすぼらしくなっていったとしても。
 それが,なんとも切ない感じがした。

 この映画でジョージは,最後にはスターとして復活するわけだが,そううまくは行かなかったスターもたくさんいたんだろうな,いろんな世界で,なんて映画と関係ないこともちょっと思ったりした。
2012年04月20日

劇場版SPEC 天

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 野々村光太郎 (竜雷太),瀬文焚流 (加瀬亮),当麻紗綾 (戸田恵梨香)は,スペックと呼ばれる特殊能力を有する者たちの関係する犯罪を捜査する未詳事件特別対策係に所属し,不可思議な犯罪を捜査している。

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という,テレビシリーズの劇場版であるが,テレビシリーズ,テレビ特別版とフルコースの完結編である。テレビシリーズの最終回では,当麻が「映画化なんかぜってーしねぇ」と啖呵を切ったのだが,ネタ振りだったという訳である。

 テレビシリーズでは,世界の征服を狙うスペックホルダーたち,スペックホルダーを絶滅させようとする者たち,スペックホルダーを利用しようとする者たちなどが入り乱れて,難解なストーリーが展開されたが,このドラマの見所はストーリーよりも,戸田恵梨香の強烈なはじけっぷりであり,それさえ堪能できれば,ストーリーの細かいところはどうでも良いという気持ちになる。

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 もうひとつ,このドラマのキーポイントは,当麻の左手。
 ヒロインが初回から包帯を巻いて腕を吊っているというだけで,異色感満点なのだが,最初の内は骨折かな?という程度の扱いだが,ドラマが進んで時間が経っても一向に包帯は取れない。観ている者が骨折にしては長いなと思い始めた頃に,左手首を切断されていたというショッキングな事実が明らかにされる。
 しかし,その理由は手錠でつながれていた一十一(にのまえじゅういち,神木隆之介)が逃げるためと思わせる演出がなされる。

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 最終回,包帯をほどいた当麻は,縫合跡も生々しい左手で拳銃の引き金を引くが,そこで不思議なことが起こり,謎を残したままテレビシリーズは終わる。

 そして,テレビ特別版では当麻の左手の秘密が初めて明かされる。
 当麻がスペックホルダーかどうかについては,テレビシリーズではもやもやとした感じで描かれ,その頭脳の回転の速さが彼女のスペックであるように描かれた。

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 しかし,当麻の左手は,死んだスペックホルダーを一時的にあの世から甦らせ,その能力で助けてもらうことができるという,ものすごい能力を持っていたのだ。
 だからこそ,一十一は当麻の左手を切断したのだったし,最終回の不思議な出来事は,当麻が一十一を甦らせて起こした奇跡だったのだ。
 しかし,テレビ特別版の最後では,当麻は自ら左手の感覚をすべて失わせ,自分のスペックを放棄する。

 そして,劇場版。
 やはりスペックホルダーをめぐる死闘が繰り広げられるが,死んだはずの一十一が現れ,当麻の失われたスペックが当麻の心を支配しようとするなど,ストーリー展開は一段と混沌としたものになっていく。

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 しかし,実際のところ,複雑難解で付いていくのも大変なストーリー展開は,もはやどうでも良く,やりたい放題の演出と,それに埋もれることなくはじけ続ける戸田恵梨香と加瀬亮の演技,そして負けじとバカバカしい設定をやり切る福田沙紀,伊藤淳史,神木隆之介,浅野ゆう子,栗山千明らこそが見どころである。

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 そして,雅ちゃん役の有村架純がミニスカポリスまでやるとともに,ストーリー全体の狂言回しの役を担うところが嬉しい。そして,ラストシーンは猿の惑星?

 さらにさらに,一切公表されていない超人気俳優のシークレット出演など,もう満腹。

 最後の最後に,当麻と瀬文が「もう続編はない,起承天,欠だ」と言って終わるのだが・・・

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