2009年10月31日(土)

エリート新人議員のプライドを粉砕した小沢流教育術

テーマ:政治

「古い奴だとお思いでしょうが・・・」という昔懐かしい鶴田浩二の歌の台詞があるが、誰がなんと言おうと自分流をつらぬく小沢一郎という人物の、頑固一徹には恐れ入る。


行政刷新会議の事業仕分けから、エリート新人議員を研修の場に引き揚げさせたのは、小沢と距離を置く仙谷由人や枝野幸男への嫌がらせのように見えなくもない。


しかし、ただでさえ当選と政権奪取で浮かれがちの議員たちに、あえて冷や水を浴びせ、ブレヒトの演劇論に言う「異化効果」に似たものを民主党内にもたらしたという面では、深く考えさせられる。


「必殺仕分け人」に抜擢された元官僚や検察官や市長ら14人の新人議員は、自らのキャリアに誇りと自信を持った面々だ。内心、新人研修といった生徒扱いに抵抗を感じるある種の驕りがあっても不思議ではない。


早々と大役の出番がまわってきて、その人たちが「やるぞ」とその気になった瞬間、「君たちはまだ見習いだ」とばかり、プライドをズタズタにして引きずりおろした。


悪く言えば「空気を読めぬ小沢流」、良く言えば「空気を破って足元を見つめ直させる小沢流」となる。


当然、メディアは「研修より事業仕分けのほうが大事だろう」と、いっせいに小沢攻撃をはじめる。筆者も事業仕分けに期待していただけに首をひねった。


ところが、あんまりメディアがこの件で騒ぎ立てるので、へそ曲がりの筆者は違う物の見方を書いてみたくなった。


小沢流政治教育の流儀は、「理屈より下働き」だ。9月4日にも書いたが、小沢邸には将来の政治家をめざす書生たちがいる。


「掃除のできない奴が政界を掃除できるわけがない」という小沢は、靴磨きから犬の世話まで料理以外の家事をこなせるよう、書生を仕込んできたという。


新人議員たちが、民主党に追い風が吹くかどうか分からない次の選挙でも勝つためには、センセイ然としてかまえていてはだめで、地を這うような日々の地道な活動が大切だ。それが小沢の考えであろう。


「選挙優先の政治屋」と蔑まれようと、選挙に勝たなければ政治はできない。


頭でっかちのエリートたちが、街角で一般庶民にしっかりと頭を下げられるように仕込むには、そうとう骨が折れる。


選挙の神様といわれる小沢は、「傷だらけの政治家人生」を歩み、つまるところ票の数が物をいう政治のリアリズムを身にしみて知っている。


彼が選挙でいちばん手痛い目にあったのは、平成三年四月の東京都知事選で敗北し、自民党幹事長を辞任したときだ。


参院の与野党逆転を解消するため公明党の協力がほしかった小沢自民党幹事長は、候補者に公明党が推すNHK出身の磯村尚徳を擁立した。


磯村はNHKの人気ニュースキャスターだった人物で、高齢の現職知事、鈴木俊一より有利に見えた。磯村は選挙活動中、銭湯に飛び込み、裸体をさらして客の背中を流すなどのパフォーマンスをテレビカメラの前で演じたが、結果はむなしいものだった。


小沢の自民党本部と、鈴木を推す都連が対立し、分裂選挙となっていたのだから、勝敗は最初から決まっていた。ブームやムードといった、うわついたものに期待し、政治のリアリズムを無視した小沢の悔恨の一戦となった。


その後、小沢は心臓病で入院、秋まで療養生活を余儀なくされ、小沢が主導していた海部内閣の政治改革は頓挫した。


彼の原理主義的言動は、むしろこうした数々の失敗から学んだリアリズムに裏打ちされているともいえる。


ところで以上のように書くと、いかにも小沢一郎は選挙至上主義者のようであり、たしかにその一面はある。


しかし、文芸春秋10月号の「政治部記者53人アンケート」で、民主党の構想力ナンバーワン議員に選ばれたのは小沢一郎だった。


その根拠は彼の著書「日本改造計画」にある。「駄本が多い政治家本のなかで名著」と評価する人が多く、この本への批判的意見はなかったという。以下にいくつか意見を並べてみる。


「賛否はともかく、自分なりの世界観、大局観を持っているのはこの人以外にない」


「政権交代、自民党打破と16年間訴え続け、ついに実現。功罪の罪は多々語られるが、構想力の面で右に出るものはいない」


「口が堅く、文章が書けるという点で田中角栄元首相と酷似している」


おそらく常日頃は小沢批判をくりひろげているだろう新聞、テレビ、通信社の記者53人のアンケート結果として、非常に興味深い。


もし新聞記者がまともに小沢の構想力を持ち上げる記事を出稿しようものなら、おそらくデスクに「何だ、このちょうちん記事は!」と怒鳴られるのがおちだろう。


ならば、筆者も「ちょうちん」といわれる前に、これからすこしばかり苦言を呈したい。


小沢流は理解できるとしても、やはり今回は、行政刷新会議の事業仕分けに新人を参加させてほしかった。


政界の最高実力者と目される人物であるからこそ、その「狭量」はいささか気にかかる。


何かあれば小沢一郎の陰謀のように言われ、人間不信に陥りがちになるのは分からぬでもないが、今回の一件は、日ごろ自らに批判的な仙谷や枝野らに、指導者の器量を示すチャンスだったはずだ。


ともあれ、事業仕分けは議員7人のほか民間から20人ほどが参加してこれから本格的に進められる。その成果を大いに期待したい。


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