今日は、今から76年前、

 

新井旅館三代目 相原寛太郎(沐芳)に届いた手紙のご紹介

 

      
  

伊豆国修善寺温泉 新井方 相原沐芳 様

 

 

差出人は、東京杉並区阿佐ヶ谷  額田六福

 

額田六福(ぬかだろっぷく) 

明治23(1890)年生まれ 劇作家・大衆小説作家 岡本綺堂の高弟。

刑事コロンボなどの翻訳で著名だった翻訳家額田やえ子さんの父。
 

手紙の中身はこちら。
    

 

お手紙拝見いたしました。

指月殿前の仙台石の件、價はともかく

町有とあっては、いかがやと存ぜられます

先便申上げましたのが函南の石屋に

八尺に二尺五寸のもの之有の由 或はこれ

かとも存じますが、伊原先生の御意見と

しては、『廣い処に建てるのだから。』との事

で、相当の大きさを必要とするかとも存じ

ます。恐入りますが、ばんば沢の方へ

作兵エさんをおつかはしいただき、一応

 

 

御調整いただけますれば幸甚と存じます

東京にて調整すれば一番よろしき

も、目下は、石材はトラックでは運ばせ

ず 或はその中、鉄道方面にても運搬さ

せぬ様に 相成るやの懸念もありますので、

なるべく地元にて御願いいたしたい様に

存じております 尚八日には門人一

同の集る事になってをりますので、そ

の節一同とも相談いたしたく存じ

   

 

おりますが、取あえず作兵エ様八

幡までお出向きいただければと存じ

てをります。 若し、都合よろしき

石ががありましたら 小生共伊東廻りに

て途中拝見して伺いたいとも考へて

をります

 

先は右 とりあへず お受けまで

                額田六福

 三月六日  

  相原沐芳様

 

 

先月2月23日に、二代目市川左團次さんの話を載せましたが、(2017年2月23日の日記)


左團次さんの一周忌を過ぎ、

 

「修善寺に句碑を建てよう」

 

という話が持ち上がってきたようです。

 

 

そんな内容の走りが書かれた手紙ですが、

 

このあと何度か手紙のやり取りがあります。

 

そちらはまた後日。

 

 

今日は76年前の今日、新井旅館に届いた手紙のご紹介でした。
 





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