あのヒコーキ雲つかまえて、恋。

あのヒコーキ雲つかまえて、恋。

◆絶対純粋恋愛青春小説(柑橘系)◆

…読みに来てくれて、どうもありがとう…

…あなたに出会えて、とても嬉しいです…


◆登場人物◆


佐々木ハル(♀):

=「あたし」。

基本的にこのお話の主人公。大学一年生。童顔。

叔母の家に下宿。内向型だが時折暴発する。天才肌。


花田透(♂):

花田くん。ハルの同級生。意味なくロン毛。

ひとり暮らし。広く浅く、男女問わず誰にでも優しい。


花田ノリコ(♀):

花田透の妹、夏期講習のため兄の部屋に居候。

エキセントリック。髪の長い美少女。


広田さん(♂):

サークルの先輩。見た目は最高。

酔うといろいろ見境がない。ハルを酔い潰す。


五島くん(♂):

サークルの同輩。

見た目吸血鬼系。手品サークルにも入っている。


藤代くん(♂):

サークルの同輩で同級生。

自称100㎏オーバー。カワイイ声が出せる。


おばさん(♀):

佐々木ハルが下宿している家のおばさん。

陽気で明るく毒を吐く。


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数年前、インタビューの仕事で

社命による「ボランティア」として

阪神淡路へ行った方の体験談をきいたことがある。


彼は平凡な東京のサラリーマン。関西に親戚さえいない。


「社命ですから、行かざるを得なかったんですよ」

「はぁ、社命ですからねえ…」

「医師でもない、土地勘もない、そんな自分に、できる仕事は限られていたんです。ハードな肉体労働を割り当てられましたよ」

「といいますと?」


「担架を担いでいました」

「けが人の搬送で?」

「いいえ」

「じゃあ?」

「…言っていいですか?」


その方は、ずっと、担架で死体を運んでいたそうだ。


「大変でしたね?」

「ええ、でも…そうでもありませんでした」


「なぜ?」

反射的に質問が出ていた。無神経だと思いながら、そこを突っ込むのが記者の仕事だ。


「亡くなった方は、自分で動けないわけですよ…」


だから、運んであげないといけない。

だってそうでないと、可哀相でしょう…そう思いながら赤の他人の死体を何十も担架で運んだ。


「……」

言葉が出なかった。


インタビュー終了後

「暗い話ですから、書かないでくださいね」と

同席した広報担当者からはNGが出た。


そう、その企業がどれだけ社会貢献をしているか、

それをPRするための広告取材のインタビューだった。


…明るい話を書かねばならぬ。


゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚


今でもときどき思い出す。

大きな災害の影には必ず、死体を運び、棺桶を並べる人がいる。


亡くなった方も、運んだ彼も、書くなといった広報担当者も。

人間なのだなと思う。