テーマ:すれ違い
2006-12-26 14:03:31

逃亡②

妻の吐く暴言を聞いてしまった夫


彼の心はどうなるのだろうか?


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ランキングに参加しています。

今後の展開が気になる方はポチッとお願いします。


バナー


応援ありがとうございます。


時間がある方はこちらもお読み下さい

ギャンブル依存症とは
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



「聞こえたから。」


その短い一言はアクアを凍りつかせた。


アクアの住む小さなマンションはリビングからの声が玄関まで筒抜けになる。


その玄関ドアの向こうに夫がいるとも知らず、


暴言を吐き続けていたのだ。


それも、勢いに任せて思ってもいないようなひどいことまで…


言い訳の余地もなかった。





「お前の気持ちはわかった。」


夫は怒っているようでも悲しんでるようでもなかった。


廃人のように曇った目をして感情のない言葉をアクアに投げつけたのだ。


怒ってくれた方がまだましだった。


夫のその反応は悲痛この上なかった。



「わかったって何が?」


「お前の会話が聞こえてたっていったやろ?


そう思われても仕方ないなぁ、って思ってン。」



気力のないこの言葉を吐くこの男は一体誰なんだろう?


『こんな人、アクアの愛した男じゃない。』


そう思うと怒りと涙がこみ上げてきた。



「そんな事言う前にアクアに言うことはないの?


二日も家空けて何考えてるの?


バカラに行ってたんやろ?


アクアがそう言ってしまう気持ちもちょっとは考えてよ!


この二日間どんな気持ちで過ごしたと思う?


どれだけ苦しかったと思うの?」



「ごめん、


だから仕方ないなぁ、って思って。


俺が全部悪いし、


お前が出て行っても仕方ないやんか。


俺には止める権利なんてないもん。」



「それでいいの?


そんな簡単なもの?


貴方にとって家族ってそんな簡単なもんなん?


失って取り戻せるものと、そうでないものが世の中にはあるねんで。


貴方には、これだけは手放したくないってものはないの?


家族がそうじゃないの?」




悲しみと苛立ちでとめどなく涙が流れてきた。


それでも目の前の男は、


顔色一つ変えずに廃人のような顔をしているのだ。



「手放したくないけど、仕方ないやん。


俺が悪いねん。


俺が…」







「なんでそうなんよ!




手放したくないならなんで必死にならへんのよ!



必死にあがいてつなぎ止めようとせーへんの?



なんでそうしてくれへんのよ!!!!!!!!!」




アクアは半分叫び声に近い声を上げて夫の両腕にしがみついた。


しかし、夫には何も響かない…


目の前の男は相変わらず血の気のない顔を変えずにこう答えた。





「仕方ない、俺が悪いねんから。」



この生活のなかでアクアを支えていてくれたもの。


それは夫への愛と家族の絆だけだった。


憎んでも憎みきれない。


離れたくても離れられない。


その念がアクアを支えていてくれたのだ。


それは夫の中にも少しは残っていると思っていた。





『家族だけは失いたいくない。』






そう思っていてくれていると思っていたのだ。


しかし、この瞬間、そんな小さな支えがもろくも崩れ落ちてしまった。


目の前の男がいとも簡単に踏み潰してしまったのだ。




この瞬間、アクアの中の何かが壊れてしまった。






テーマ:すれ違い
2006-12-25 16:37:31

逃亡①

皆さん!


クリスマスを楽しくお過ごしでしょうか?


大抵の人はそうだろうけど、アクアは仕事をしております。


アクアの中ではもうクリスマスは終わっちゃいました。




あーー独身の頃のクリスマスデートは楽しかったなぁ。




でも、まあいっか、チビたちは可愛いもんね♪



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ランキングに参加しています。

今後の展開が気になる方はポチッとお願いします。


バナー


応援ありがとうございます。


時間がある方はこちらもお読み下さい

ギャンブル依存症とは
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


夫が帰らぬまま二度目の朝があけた。


さすがにこれは記録更新。


目が覚めた瞬間、イヤ、ほとんど眠れなかったのだが、


その瞬間に言いようの無い脱力感に襲われた。




重い身体を起こしてリビングへ向かったものの


何もする気になれず座り込んでしまった。




時間の経過とともに、思考回路が動き始める。




『なんで?なんで二日も帰ってこーへんの?


もしかしてまだバカラを打ってるの?


どちらにしろ、ものすごい損失があるから帰ってきてないって事やんな。


それでも、ここまで帰ってこないなんて異常すぎる。


もしかして、このまま帰ってこない気じゃ…』



考えれば考えるほど思考が悪い方向へ進んでいく。


わけのわからない悔しさと、苛立ちと不安で涙が出てきた。




どの位そんな時間を過ごしてからだろう?




ふと、ある考えが浮かんだ。



『わたし、このままどうなっちゃうんやろ?


もうイヤヤ。


もうこんなところに居たくない。』



今までずっと動けずにいた。


少し前はママのところに泊まりに行ったりなんかもしていたのだが、


それは結局夫の目の届く場所であって、


彼から逃げ出したわけではなかった。





このときのアクアはそんな悠長な考えではなかった。


まるでもう一人の自分が


情けなく小さく丸まってないている自分を見つけ出したようだった。




こんなところで泣いているなんて間違っている。



そう感じたのだ。


すぐさまアクアはボストンバックを取り出し身の回りのものを詰め込み始めた。


ひとたび向かう方向を決めると早いものである。


あんなに重くて身動きが取れなかった身体が嘘のようだった。


それから受話器をとった。


姉に電話をかけたのだ。




「もしもし。」


「もしもし、アクアやけど今いい?」


「うん、どーしたん?」


「今日泊めてくれへんかな?って思って。」


「いいけど…またたけし君からみ?」


「うん、モーほんまにイヤになってん…」



電話で愚痴を吐くつもりではなかった。


ただ、


『とにかく今日だけでも泊めてもらって今後のことは後で考えよう。


そのために許可を取らないと…』



そう思っただけだった。


しかし、一度あふれ出てしまった愚痴は


止まることなく後から後から押し寄せてくる。



アクアは姉に、もう二晩帰ってきていないこと、


待ってる自分がバカらしくなってしまったこと、


もうここに居ることがイヤになってしまった事


なんかを延々と話してしまった。



話が加熱しだすとどんどん自分自身が興奮していく。



それはまるでお酒を飲んでいるかのようで、


勢いに任せて思ってもいないことまで口走り始めた。



「とにかくな、


もうあんなアホと一緒におるのがイヤヤねん。


もうほんまに離婚したい。」



「あんたほんまにそんなん思ってるの?


離婚ってほんまに大変やねんで。」




「わかってるよ、


でもなんとでもなるわ。


こんな生活続けることを思ったら一人で二人の子供ぐらい育てて見せるわ。


あの人は自分勝手に好きなことしたらいいねん。


私はもーしらん。


勝手して自滅したって私には関係ない!」




もちろん心のどこかでは思っていたのだろう。


でも、実際そこまでする気は無かったし、


憎めてもいなかった。



きっとそう思えていたら何倍も楽だっただろうと思う。


それから少し話してアクアは電話を切った。





ガチャガチャッ





電話を切ったとたん玄関ドアが開いた。



夫が帰ってきたのだ。



ドキン



心臓が急速に暴れだす。




『もしかして、今の会話聞かれてた?どうしよう!』






悪い予感が先走る。






夫は無言のままリビングに入ってきた。


沈黙がやけに長く感じる。






そして夫は小さく一言つぶやいた。





「聞こえたから」



テーマ:すれ違い
2006-12-23 10:18:14

無意識な罪

リアルですれ違い家族なアクアです。


街はクリスマスカラー1色なのに寂しいものだ。


結局お互いに余裕がないが故、


ちょっとした言動を悪く捉えてしまう。


昨日夫はアクアにこういった


「俺に金がなくなったから馬鹿にしてるんか?


昔はそんな言いかたせんかった。」


確かに昔は従順だったと思う。


しかし、それは夫にお金がなくなったからでなく


今までめいいっぱい裏切られ続けたからだ。


それに、今現在の気持ちの余裕のなさがそうさせるだけである。


それを夫は、『金がなくなったから妻に馬鹿にされている』


と捕らえている。


なんとも哀しいことだ。


今まで何度も言ってきた


「こうなって、あなたが家族に目を向けてくれるようになって


よかったなって思う。」


とかそのたもろもろのポジティブな意見は全然覚えていないらしい。


夫はこう付け加えた


「絶対、もう一回金を持つ。


そうしたら、おまえに偉そうに言わせへんからな。」


アクアはお金を尊敬するわけではない。


そんな為に今の苦労を乗り越えようとしているんじゃない。


そんな未来真っ平ごめんだ。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ランキングに参加しています。

今後の展開が気になる方はポチッとお願いします。


バナー


応援ありがとうございます。


時間がある方はこちらもお読み下さい

ギャンブル依存症とは
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



朝目が覚めた。


隣には杏里。


そして…反対側に寝ているはずの夫の姿は無かった。


『またか…』


もう慣れてしまってもいい頃なのに、


このなんとも言いがたい不安と苛立ちにはなれることが無い。


『重いなぁ。』


この頃アクアのお腹はすっかり大きくなっていた。


重い身体を起こして携帯に手を伸ばす。


もちろん着信なんて入っていない。


それでも携帯を確認する癖が抜けないのは、


どこかに諦めきれない気持ちがあるからだろうか?


コールをしても、もちろん応答は無かった。





それはよくある、朝の出来事だった。




その日も何もする気が起きなかったアクアは、


一日ダラダラと家で過ごした。


かろうじて外に出たといっても、


お散歩がてらに杏里を連れて食事の買い物に出たぐらいだっただろう。


いつ帰ってくるかわからない夫を待つことはかなりのストレスで、


少し前までは気を紛らわせるためにも外に出るようにしていたのだが、


この頃は帰って来た夫を捕らえなければいけないような気持ちも芽生えていた。





もう、会社にはお金が無い、


これ以上野放しにするわけにはいかない。




生活意欲が枯れ果てていく中で、


何とか食い止めなければいけないと思う悪あがきのような気持ちが、


まだアクアの奥底から消え去ってはいなかったのだ。




長い時間が少しずつ過ぎていく。




気がつけばもう、日は暮れかかっていた。




いつものパターンなら、


大抵このくらいに時間になれば諦めて夫は帰ってくる。


夫との対面の時が近づいたと感じ、


アクアの聴覚は普段にまして鋭敏なものとなっていった。


些細な物音、


玄関ドアの向こうのエレベーターの開閉音にさえ敏感に反応してしまう。


しかし、思いに反して夫は一向に帰ってこなかった。




少しずつ明かりが落ち始め、


気がつけば家の中も薄暗い闇に包まれ始めていた。


それはまるでアクアの心の中のようだった。




ふと横を見ると、つけっぱなしのままのテレビがやけに明るくて、


その明かりに照らされて杏里の顔が青白く光っている。


その光景を見てはっとした。


『電気をつけな!杏里の目が悪くなる。』



そんな当たり前のことに気がつくのにこんなに時間がかかるなんて…


それほどまでに、アクアの心は不安と苛立ちで支配されていたのだ。





思い返せばあの時間は杏里にとっても過酷な時間だったのだと思う。


もしかして、アクア同様杏里の心の中にも


深い闇が生まれてしまっているのかもしれない。



いつの頃からかいたずらばかりでやんちゃだった彼女は、


人の顔色を伺う子供になってしまった。


いつの頃か、彼女は作り笑いをするようになってしまった。


彼女をそうさせたのはこの過酷な生活だったのだろうか?


それともアクアだったのだろうか?


もっとアクアが強ければ…


そう思うと胸が締め付けられる。


この頃幼い杏里に何をしてあげたのだろう?


もうすぐお姉ちゃんになり、


母親を独占できなくなってしまう杏里に何をしてあげられたのだろう?


二人で過ごせる残りわずかな時間を


アクアは思い出せないのだ。





しかし、あの頃アクアは自分の気持ちさえ把握できないでいた。


そんなアクアが杏里の気持ちを汲み取ってあげられるわけが無かったのだ。


ただただ、帰らぬ夫への押さえ切れない気持ちでいっぱいだったのだ。


しかしその思いに反してその日水野家の玄関のドアが開くことは無かった。



夫はとうとう二日目の夜も帰ってこなかったのだ。





テーマ:ブログ
2006-12-22 18:09:12

最近のアクア

12月のことを「師走」って言うけど


ほんまに12月って走り去ってしまうほど忙しい。


暇で仕方なかったアクアの仕事も、最近はバタバタと忙しく


ゆっくり更新することのみならず


皆のところに遊びに行ったり


読者登録のお礼に遊びに行くこともままなりません。


本当にごめんなさい。


まあ、大体ブログタイムのほとんどを仕事中に済ませようとする


アクアの考え自体がおかしいねんけど


自宅に帰れば二匹の怪獣(娘達)にご飯を食べさせて


お風呂にいれて、それから夫の夕飯の支度、後片付け


朝は早くから


掃除、洗濯、お片づけ


とにかく忙しくて仕方ありません。


そんなわけで更新が遅れてるんだけど


温かい気持ちでのんびりお待ちくださいませ!


ちなみに明日はちゃんと更新する予定(本文は出来てるからね♪)


しっかりチェックお願いしまーーす!


以上、アクアでした。


テーマ:アクアの家族
2006-12-19 11:18:01

昨日は更新できなくてすみません。

 

リアルに超ウザイジーッザクと心の中で戦ってました。

 

ほんまね、アクアは一時ジーザックを愛そうと思ったんですよ。

 

仮にも夫の父親やし。

 

アクアを雇い入れて他の事務員より多めに給料もくれてるし。

 

(他の事務員の給料は低すぎやと思うけど…)

 

ここで毒も吐いたことだし

 

ちょっとスッキリして気持ちも落ち着いて

 

博愛的にジーザックも愛してみようと思ってみたけど

 

 

 

 

でも、

 

でもね

 

 

 

ヤーーーーーっパリ無理


 


 


 

アクア、放棄します。


 


 

フーーーッ


 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ランキングに参加しています。

今後の展開が気になる方はポチッとお願いします。


バナー


応援ありがとうございます。


時間がある方はこちらもお読み下さい

ギャンブル依存症とは
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


 

相変わらず引きこもりの日々が続いていた。

 

ただ、一つ変わったのが、姉に話をするようになっていたことだ。

 

何かきっかけがあったように思うのだがそれが何だったのかは思い出せない。

 

きっと些細なきっかけなのだったんだろうと思う。

 

 

 

姉に話すといってももちろん全てを打ち明けたわけでも、

 

どれほど苦しんでいるのか伝えているわけではない。

 

ただ、夫がギャンブルに狂っていて崩壊状態にあることを

 

少し軽いタッチで冗談を織り交ぜながら話していた。

 

 

 

アクアにとって姉はとても大きい存在だった。

 

 

『何があっても助け合って生きていこう』

 

 

言葉にしなくても、そんな思いが根底にあるきがする。

 

小さい頃母親と離れて、祖父母の家で暮らし始めた時、

 

いつも一緒にいたのは年子の姉だった。

 

自営業の為、家族にかまってもらえる時間は少くて、

 

いつも家の二階で姉と過ごしていたのだ。

 

その頃出来た基盤は今でも変わっていない。

 

アクアはその頃から今でもずっとお姉ちゃんっ子のままなのだ。

 

 

 

その関係は大人になってからずっと強まった気がする。

 

特に結婚してからだろうか?

 

子供を持つようになってだろうか?

 

ただただ大好きだった姉に対しての感情は

 

いつしか尊敬の念に変わっていった。

 

 

 

平均よりも少し早くに結婚し子供を儲けた姉は、

 

主婦としても母としてもアクアよりずっと先輩で、

 

アクアが結婚してからも姉には色々と相談したり

 

アドバイスをもらったりしていたのだけれど、

 

さすがに今回のバカ中に関しては言えずにいた。

 

 

 

それは、これから一生親族として付き合っていく上で

 

夫のイメージをあまり下げたくないという気持ちと、

 

 

こんなことを育ててくれた家族、

 

特に苦労した祖母に知られたくないという思いからだった。

 

姉は口も堅いし約束も守ってくれるだろうけれど予防線を張っていたのだ。

 

 

 

その姉に、少し軽く話しているとはいえ夫のことを話せるようになったのは

 

アクアにとってとても大きな変化だった。

 

真っ暗だった世界に少し明かりがさした気がした。

 

相変わらず家から出るのが億劫だったのだけど、

 

電話で姉と話していると少し心が柔らかくなるのだ。

 

 

 

夫のことを知った姉の反応は予想通りだった。

 

辛口な彼女は、夫のことを否定するし、

 

「そういう病気は一生治らんで。」

 

って言ってのけてしまうのだけど

 

あくまでアクアの気持ちを尊重してくれた。

 

 

 

 

「それでも、あんたが一緒にやっていきたいなら


 

別にたけし君のことを嫌うつもりはないし、


 

止めもしない。」

 

 

そいってくれたのだ。

 

 

 

そうやってアクアの意思を尊重してくれていた姉だったのだが、

 

想像以上に心配していてくれたようだ。

 

ある日電話口で彼女はアクアにこう言った。

 

「アクア、どうしても嫌になったら家に逃げておいで。


 

暫くいても大丈夫やで。


 

実はおっさん(旦那)にその承諾はとってあるねん。


 

おっさんもよーわかってへんけど


 

アクアのことを心配してたわ。


 


 

まあ、私の作る料理より


 

アクアの作る料理を食べたいだけかも知れんけど。


 


 

あっつ、そうそう


 

来るならちゃんと居候代として料理はくつってな、


 

お腹大きいから掃除は勘弁したるわ(笑)。」

 

 

その荒っぽい言い方に彼女なりの愛情がたっぷり伝わってきて

 

ぽろぽろ涙がこぼれてきた。

 

 

「ハーァァ?


 

あんた泣いてんの?


 

ほんまに昔からすぐに泣くねんからぁー!。」


 

「泣いてへんわぁ!うるさいなぁ。」

 

 

 

 

ママともあんな形で関係が壊れてしまって、

 

自分の逃げる場所はもうなくなってしまったと思っていた。

 

実家には絶対に逃げてはいけないと思っていたし、

 

同じように姉にも話していない以上頼ってはいけないと思っていた。

 

 

 

『逃げていい場所がある』

 

 

実際、すぐにでも逃げ出したいと思っていたわけではないけれど、

 

そうできる場所があると思うだけでずいぶん気持ちに余裕が出来るものである。

 

姉のその言葉はアクアにとってお守りのようなものだった。

 

しかしそのお守りをすぐに使うようになるとは

 

 

その時は思っていなかった…

 

 

 

またまた事件の予感?

まあ、このときは毎日が事件やったけど…

本日も応援ポッチお願いします!→ 《人気ブログランキングへ》


 

テーマ:ブログ
2006-12-17 23:09:03

箸休め 続

アクアが出かける準備をする中、


杏里はもうすぐにでもお外に出たくて仕方ないようで駄々をこねていた。


『ライブかぁ。』


手元にチケットがると言うのにまだ出かけるのが億劫な自分と。


そこにたどり着きたいと思っている自分が混在する。


ただ好きな音楽を聴きに行くだけなのに


行動を起こすということがこれまで程に億劫だなんて


以前のアクアからすると考えられない事だった。


昔から楽しいことろに参加することが大好きだったのだ。




この荒んだ生活が


るでさび付いた鎖のようにアクアを縛り付けていたのだろう。


その鎖から抜け出すには相当な力が必要だったのだ。




それでも、アクアは行動を起こした。




まるで何かに引き寄せられるかのよう二


ゆっくりとゆっくりと行動を起こした。




杏里は外に出られた嬉しさでその冬の寒さにも関わらず、


キャッキャッと言いながら笑っている。


その笑顔を見ていると、


少しだけ踏み出す足が軽くなった。



何とかギリギリに会場に到着するとすでに沢山の人でごった返していた。


人ごみを掻き分けるように託児スペースに向かうと


そこにもすでに数人の親子の姿があった。


託児スペースには小さいモニターが取り付けてあり


会場の様子を見ることができる。


つまりはライブを見ることができるというわけだ。



杏里は久々に同年代の子供達と遊べると思ったのか、


アクアそっちのけで部屋の中へ入っていった。



「どうぞ行って来てくださいね。もう始まりますよ。」



スタッフにそういわれてアクアは会場へ向かった。


その小さな会場は沢山の人でいっぱいになっていた。


滑り込みで何とか間に合ったようだ。


まるでアクアの到着を待っていたかのように


すぐにステージは始まった。





久々に見たaruhaの姿はとても美しく、


その声は力強かった。



『温かいなぁ。』



そう思った。



その日aruhaが歌った歌は以前にも何度か聞いたことのある詩で


もちろんアクアも知っていたのだけれど


なぜだかいつもと違う。


言葉一つ一つが自分に向けられたメッセージに思えた。





逃げ出したい日々の中 足掻き苦しんでいる


未来は時に眩しくて 前が眩むけれど


必ずある かざした手の額縁(ワク)


 映る自分の居場所(アリカ)


気づいて両手広げて 自由に飛びまわろう



(ソラノアリカ より)





「どんな深い霧の奥でさえ真実は自分にあるんだって」


教えてくれた~


(呼吸 より)



彼女の歌は恋の歌が多くて、


アクアの状況とは全然違うのだけれど、


その歌詞のパーツ達が小さく息をしていたアクアの心に響いてきた。



『真実は自分にあるんだ。。。』


苦しくて仕方なかった日々。


光なんて何処にも無いと思っていた日々。


何のかもを諦めて小さく小さくなっていた心が温かいものに包まれて


気がつけばアクアの顔は涙と鼻水でいっぱいになっていた。


(本当に汚かったと思う)




昔から歌が好きだった。


歌うことも聞くことも。


でも、歌からこんなに力をもらったのは初めてだった。



その日以来、アクアはaruhaの大ファンである。


今思えばこの日彼女のライブに行くことは決まっていたんだと思う。


ライブの帰り道、冷たい風がやけに気持ちよくて、


ひさしぶりに背筋を伸ばして家路に着いた。



何かしら勇気をもらって、


これから来る過酷な時間も乗り越えられそうな、


そんな気分になっていた。






なっていた、





はずだ。






うん、



その時はなっていたのだけれど…








残念ながらその前に向き始めた心は


バカ中夫の愚行によってすぐに奈落のそこに突き落とされることとなる。


とはいえ、たった一日でも前を向けたことは


アクアにとって大きな休息となった気がする。





aruha suite home (HP)


トップページのリンクからインターネットラジオでaruhaの曲が聴けちゃいます!


ココで流れる”Thank's for...." って曲はアクアのお気に入り。


ファーストアルバムも大好きやけど、


この頃のaruhaのほうが歌唱力もぐっと上がってて大好きやねんけど


残念ながらまだCD化されておりません。




aruha suite home ∞ aruha official blog ∞  (アメブロ)


なんと、同じアメブロでブログをもってました!


彼女の一面が垣間見れます♪



本日もモエッと、イヤ、ポチッと応援お願いします

 【人気ブログランキングへ】


テーマ:ブログ
2006-12-16 11:55:25

箸休め

箸休め


ちょっと最近ダークで精神的にも重い記事が続いたのでここいらでちょっと箸休め。


時期的な前後関係はすっかり忘れてしまったのだけれど、


あの苦しかったとき出合った暖かい音楽の話に触れてみようと思う。


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ランキングに参加しています。

今後の展開が気になる方はポチッとお願いします。


バナー


応援ありがとうございます。


時間がある方はこちらもお読み下さい

ギャンブル依存症とは
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


そう、あれはバカラに狂った夫と金銭的に苦しい日々の中で


精神的に滅入って引きこもり生活を続けていた時のことだった。



「何処にもいく気がしない。


誰かと会う気もしない。」



大きくなってきたお腹を抱え、何もやる気になれず、


ただ毎日生き延びているだけの生活だった。




しかし、杏里にとってはそんなこと関係ない。


2歳になった彼女はお外に出るのが大好きな盛りだった。


そんな杏里を外に連れ出すといっても近くのスーパーに行けばいいところである。



どうせ夫は帰ってこない。


それなら家にあるもので何とか済ませばいい。


そう思っていた。


買い物に行くことさえも億劫だったのだ。


その頃もちろんちゃんと食事を取らせていたのだが、


杏里に何を作ってあげたのかさえ覚えていない。


完全に母親失格だった。





その日も杏里は【お外に行きたい】オーラ満々でアクアに絡み付いてきた。


「ゴメンな杏里、でも寒いしお母さんお外イヤヤねん。」


そうは言ったものの通用するわけがない。


我慢ばかり強いられてる彼女のイライラはピークに達し、


とうとう泣き出してしまった。





その時ふと頭によぎった。




『そういえば今日は…』


アクアは財布の中にある一枚のチケットを取り出した。


『やっぱりそうだ…』






aruha 


live at ○△


□月☆日 






それは一枚のライブのチケットだった。


日程はちょうどその日である。


すっかり忘れてしまっていたわけではなかった。


少し前から気にはなっていたのだ。


しかし、どうしてもライブに出掛ける気にはなれなかったのだ。



そしてとうとう、胸のうちにしまいこんでいた。




aruha…



彼女との出会いは少し前に遡る…





まだ二人目を妊娠していなかった頃。


アクアは友達に誘われてある小さなライブハウスに出かけた。


毎日の生活に疲れていたアクアを友達が連れ出してくれたのだ。


その時初めて、託児所の一時保育を利用し、


ほんの数時間杏里と別の時間を過ごしたのだ。



いつも抱きかかえていた杏里がいないアクアはとても身軽だった。


いつもは危なくてつけることの無いピアスを久々につけ、


大好きなミニスカートをはいて一人電車に乗った。


最初は預けた杏里が気がかりで仕方なかったのだが、


もう預けて出かけてしまっているのだから後は楽しまないと損である。




少しずつ、アクアの心も軽くなってきた。





待ち合わせた友達と合流して小さなライブハウスにたどり着いた。


何組かのアーティストが参加しているこのライブの今回の目的は



aruhaという一人の女性アーティストである。


アクアはその時初めて彼女のライブに参加したのだ。


一緒に行った友達はaruhaの大ファンで、


以前からライブに誘われていたし、


何度もCDを聞かせてもらった。



ファーストアルバムであるそのCDは


あどけなさが残るもののとてもかわいらしく温かい声で


アクアの興味心もぐんぐん引き付けられていた。




生のライブは、CDとは又一味も二味も違った。


ステレオを通したその声より、


ずっと温かく、


心に響くその声に


アクアも魅了されてしまったのだ。




そしてそれを機に、


aruhaのライブ情報を友達から仕入れるようになっていたのだ。









今回のライブはとある会館の一つのイベントとしてとり行われ、


別室に託児スペースも設けられていた。


「今回は杏里を連れて行こう!」


そう思って早い時期からチケットを仕入れていたのである。




その時はまだ、もう少し心が元気だったのだろう。



『とてもいく元気が無い。』



そう思ってしまいこんでいたチケット。


そのチケットをボーット眺めているとあの時の楽しい気持ちがふと蘇った気がした。


さっきまで泣きながら駄々をこねていた杏里は


チケットに見入る母親を不思議そうに眺めている。




時間はまだある。





「aruhaのお歌聞きに行きたい?他のお友達も来るよ。」


「行くぅ!行くぅ!」



何かの引力がはたらいたのだろうか?


当時の精神状態でライブにいけたことが今でも不思議で仕方ない。





アクアは重い腰を上げ、


まだ自分と葛藤しながらも少しずつ出かける準備を始めた。




~つづく






aruhaは実在のシンガーです

詳しい情報はダウンからどうぞ!



aruha suite home (HP)



むっちゃかわいいHP!


トップページのリンクからインターネットラジオで


aruhaの曲が聴けちゃいます!


是非是非聞いてみてぇ。


アクアの気持ちがわかるはずラブ




aruha suite home ∞ aruha official blog ∞  (アメブロ)



なんと、同じアメブロでブログをもってました!


イヤン、嬉しいわぁ。



本日もモエッと、イヤ、ポチッと応援お願いします

 【人気ブログランキングへ】







テーマ:人間模様
2006-12-15 10:29:12

途切れた連絡

ある日突然現れて、


すばやく人の心に入り込み信用を勝ち取ったママ。


その信用はちょっとしたことでは揺るがなかった。


その全てが嘘であったとは思えないし、思いたくない。


そう思ってしまうと全ての人が信じられなくなってしまう気がする。




※本文の中で胎児に対する無責任な行動が出てきます。

  気分を害される方はスルーしてください。



※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ランキングに参加しています。

今後の展開が気になる方はポチッとお願いします。


バナー


応援ありがとうございます。


時間がある方はこちらもお読み下さい

ギャンブル依存症とは
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※


「ママに利用されてたんかな?」


それは心のずっと奥にはもうすでに芽生えていたけれど


決して口には出せなかった一言だった。



『利用されていた』


その事実を認めたくなかったのだろう。


しかし、連絡がほとんど取れなくなってしまった今、


この考えは避けて通れない。



あれだけ頼りにして、あれだけ仲良くしていたはずなのに…


利用されていたということを受け入れるのはあまりにも苦しかった。





「とりあえず、ママに貸したお金は当てにせんといてくれ。」


「わかった。」



そう返事するのがいっぱいだった。


「ママの家は持ち家やって聞いてるし、


神経太いから夜逃げとかはせんやろ。


あの家に住んでる限りは大丈夫や。


でも、無いところを押しかけても何にもならんやろ。


いつか金が入ってくるって言ってた事が嘘ではないことを期待するしかないな。」




そういった夫の顔は暗かった。


彼もまた、


いやアクア以上にママの事を慕っていたのだから…


確定したわけではないけれど、


信じていた人に裏切られるという現実は、


金銭難で荒んでいた心に追い討ちをかけアクアたちを痛めつけた。





それから何度かアクアはダメ元でママにメールを入れた。


「体の具合は大丈夫?」


とか


「連絡が取れないから心配しています。」


そんな内容だっただろう。


しかしママからの返信はなかった。




夫は夫で何度か連絡を入れたと聞いた。


あまりしつこく連絡しても追い詰めるだけだからと気を使っていたのだが、


やはり気になるようで何度かママの家の前をこっそり見に行っては


人気の有無を確認していた。


そしてそうすることで又自分自身の傷を深くしていたのだ。




全ては自業自得。



それは彼自身よくわかっていた。


しかし、それを認めて乗り越える力も、


耐える強さも残っていなかった。


毎月決まった日になればお給料も経費も捻出しなければいけない。


しかし、手元にお金は残っていない。


そして、信頼していたあの人も


自分を裏切って逃げてしまったのだ。



そんな現実から目をそらすように


夫は又あの場所(バカラ屋)に足を伸ばすのだった。




一方アクアはそんな夫の内面なんて知る芳も無い。


知っていたところで何が変わったといえるわけではないが、


このときアクアの心は奈落のそこでかすかに息をしている程度だった。




シーンと静まり返った家の中、


夫の姿はそこに無い。



ふと目が覚めると、


からからに乾いていたと思われた心に絶望感が注がれて


ただ涙がこぼれてくる。


そこには未来の希望もどころが一筋の光さえも無い様に思えた。




『死んでしまいたい。』



この頃はよくこんな考えに支配されていた。


しかし、お腹の子供はそんな現実の中どんどん大きくなっている。



『ごめんな、弱いお母さんを許して…』



アクアはそっとお腹に手を当てた。



『お母さんと一緒に死んで…』



そんな身勝手で無責任な言葉をわが子に浴びせかけていたのだ。




ママはアクアにとって、


この荒んだ生活に差し込む一筋の光のような存在だった。


しかし、結果として彼女はアクアも夫も闇の中に叩きつけたのだ。




彼女の出会わなければもっと傷が浅かったかもしれない。


彼女に出会わなければ…



それは今でも強く感じていることである。



イヤ、せめてここで切れていたらよかった。


お金を騙し取られ、このまま二度と会うことが無ければよかった。


そうすれば立ち直ることが出来たかもしれない…



これから暫くしてママは再びアクアたちの前に姿を現せる。


そしてそれからが本当の地獄の始まりとなるのだ。


本日も応援ポッチお願いします→ 【人気ブログランキングへ】




テーマ:人間模様
2006-12-14 10:47:15

気持ちの溝

とうとう信頼関係に溝が出来始めたママと水野家


退院してからママの態度はどう出るのか?


※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ランキングに参加しています。

今後の展開が気になる方はポチッとお願いします。


バナー


応援ありがとうございます。


時間がある方はこちらもお読み下さい

ギャンブル依存症とは
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※



退院してからも、ママは身体の調子が思わしくないようで


家に引きこもって寝ていることが多かった。



寝ているといっても布団に入っているわけでも、


寝巻きのまま起き上がれないわけでもなく、


家着のままゴロゴロしているといった感じだったのだが、


もちろん喫茶店の経営再開のめども立っていない。



どの方向にも事態は進展せず、


彼女にとっても苦しいときだったのだろう。




退院して何度かアクアはままの家を訪れた。


家には娘の理恵もいたのだが、


食事の支度を手伝わないと愚痴をこぼしていた為何度か訪れては手伝ったりしていた。


もちろんママの体が心配だったし、


少しでも手伝おうという気持ちがあったからなのだが、


それよりも


『ママの様子を伺おう。』


と思った気持ちが強くなり始めていたように思う。


この頃から少しずつアクアの中にも


『もしかして踏み倒されるのかもしれない…』


といった不信感が生まれてきていたのだ。


その不審の念を振り払う為にも、


ママと連絡を取り続けるということはとても大切だったのだ。




しかし、ママの家で過ごす時間はアクアにとって少し心苦しかった。





『ハァーーー。』




ちょくちょくこぼれる大きなため息。




『お金ないわぁ。』




たまに吐かれるちょっとした主張。


それを聞くたびに、



『こっちもいっしょやで、お金が無くてくるしいねんで。』



何度も何度もそういいたくなった。


しかし、その事実をアクアと夫はママにひた隠しにしてきた。


お金に急いていると知られるとママが逃げてしまう気がしたからだ。




こうして、あれほど仲が良かった


水野家とママとの間の溝はどんどん深まっていったのだ。




そうしているまに、ジワジワと自体は悪化してきた。


「今日は病院に行くから。」


「今日は体調が悪いから…」



あらゆる理由でママと会える日がなくなってきたのだ。




そのうち、彼女は電話に出なくなった。



たまに電話に出たかと思うとそれは娘の理恵で


「ママは病院に行ってるねん。


最近電話置いていってるから。」


そんなやり取りしか交わせなくなってきた。





明らかに避けられている…




それは誰が見てもわかるほど、


わかりやすい態度の変化だった。




あるときはお葬式、


あるときは病院。



ママは時折つなぎとめるかのように


言い訳のメールを送ってきていたのだが、


そのメールもとうとう返ってこなくなってきた。





『どう考えても無理だ。』





この切羽詰った状況下で


それでもママを信用して上げられるほどアクアはお人よしではなかった。




そしてとうとう夫は押さえ込んでいた一言をこぼしてしまった。


「俺、ママに利用されてたんかな?」



今頃気付いたんかって突っ込みは不要よ

本日も応援ポッチヨロシクドキドキ → 【人気ブログランキングへ】




テーマ:人間模様
2006-12-13 11:56:41

入院生活

今日はちょっとアクアの語り口調で…



 

「毎度おおきに!アクアです。」

 



関西人ということで関西らしいイメージの挨拶をしてみたけど

 

この言葉を使う一般関西人はいないはず。



 

といっても、大衆食堂のおばちゃんは今でもつかってます


 

さて、皆さん。

 

コメントを呼んでいる限りどんどんママに対しての

 

「不信感」


が強まっている見たいやねぇ。

 

うーーん。アクアの思惑どおり♪

 

その不信感

 

今回の記事を読んで深まること間違いなし!!

 

さー今日も張りきってよんでやってくださーーいスキ

 

 

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

ランキングに参加しています。

今後の展開が気になる方はポチッとお願いします。


バナー


応援ありがとうございます。


時間がある方はこちらもお読み下さい

ギャンブル依存症とは
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

 

 

「入院する。」

 

と聞いてから暫くして隣の喫茶店の明かりが消えた。

 

店を閉める時に、長い間勤めていた料理人と揉め事があったようだが

 

その問題も片付かないまま、ママは入院生活に入った。

 

 

 

入院して暫くはアクアも夫も何かと忙しくバタバタしていた為、

 

お見舞いに行くチャンスを逃していたのだが、

 

その間にママは最初に告げていた病院から

 

半強制的に転院を決めたらしい。

 

 

病院側とトラブルがあったというのだ。

 

手術してからまだ1週間もたっていなかっただろう。

 

まだ不自由な身体を引きずってでも

 

転院を強行したところがなんだか彼女らしかった。

 

 

 

 

しかし、彼女の周りには

 

 

揉め事、


 

争い、


 

トラブル

 

なんかが非常に多かったように思う。

 

常に誰かとトラブルを起こし、

 

いつも何かに怒っていた印象が強い。

 

 

 

転院して2、3日後

 

やっとアクアと夫の時間の折り合いがつき

 

二人でママのお見舞いに行くことにした。

 

ママは狭いながらも個室に入院していた。

 

その病室には、携帯も灰皿も置いてあった。

 

 

『退屈!』

 

なんていっていたのだが、

 

普通の入院生活で考えると自由が利いていたのではないかと思う。

 

「お見舞い遅くなってゴメンな。


 

どう?身体の調子は?」

 

夫がそう聞くと、

 

「傷が痛いわ!」

 

と怒りながらも相変わらずのママ節で話し出した。

 

 

 

その内容は

 

誰がすぐにお見舞いにきて、

 

誰が未だお見舞いに来ていない

 

といったものだったのだが、

 

出てきた人物は全て夫の会社の社員の話で

 

聞いていてけして気持ちのいいものではなかった。

 

『私はトライアングル(夫の会社△支店)の役員のようなもの』

 

といった態度も相変わらず健在だったのだ。

 

「ところでたけちゃん、いってた保険屋から電話入ったか?」

 

それは水野家が首を長くして待っていた、

 

ママの息子の保険金の件だった。

 

この保険金が下りればやっとママからお金が戻ってくる。

 

ママが入院する前に夫に託したのだが

 

未だ連絡が入ってきていなかった。

 

 

 

「イヤ、まだかかってこーへんで。」

 

「おかしいな、こっちからももう一回連絡入れておくわ。」


 


 

 

『一日でも早くお金が戻ってきて欲しい。』

 

そう思いながらアクアたちは保険会社からの連絡を待ち続けていた。

 

しかし、一向に何の音沙汰も無いことに関して

 

少し焦りに近い感情を抱き始めていたのだ。

 

かといって、

 

この件に関して病み上がりのママに聞くことは酷だろう。

 

そう思って飲み込んでいた言葉を、

 

彼女は意図も簡単に切り出し、

 

そしていとも簡単にしまいこんだ。

 

 

 

 

「連絡入れておくわ。」

 

 

 

そういわれると、こちらから何も言うことはない。

 

 

 

 

結局この日、たわいも無い会話を繰り広げ、

 

一時間もたたないうちに病院を後にした。

 

 

 

そして、それから2週間ほどしてママは退院することとなる。


 

その間、保険会社からの連絡はいっこうになかった。

 

 

 

ママは以前生命保険会社の外交員として働いていた。

 

その経験、そして付き合い上、

 

彼女は何口かの医療保険に入っていたらしい。

 

 

後から知った話なのだが、

 

この手術と入院で彼女はいくらかの利益を上げていたのだという。

 

 

 

もし、全てを計算して、

 

もし、自分の身体をいじってでもお金を生み出そうとしていたとしたら…

 

彼女のお金に対する執着心は恐ろしいものだといえるだろう。


 


 

 

 

※そんなことできるんかは知りません。


 

 あくまで、アクアが聞いた話ということでご理解いただきたい。


 


 

 

本日も応援ポッチお願いします!→ 【人気ブログランキングへ】


 

 

Amebaおすすめキーワード