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想像してもらいたい!

リンダ・山本似のSさんが、私が出勤する度に、毎回毎回、店の中で私を呼び出しては、あの言葉を私に小声で言い出すのだ。



いい?〇〇ちゃん?
今に、絶対に、悪いことが、
〇〇ちゃんに、必ず、
起きるから!!!
いい?
絶対よ、絶対!!!

そう、言われ続けて、私は何も言い返す事は出来なかった。
仕事場での上司。そういう立場もある。他の従業員からは特別Sさんは嫌われてはいなかった。みんなはただ、派手目なおばさん位にしかSさんの事を思ってなかった(はずだ)。
私は、その頃もそうだが、物事をハッキリ言う方である。
ただ、ウザイのには、面倒くさいから、相手にしなきゃいい、っていうのがあるので、言いたいのには言わせておけばいいや!という考えがある。
だから、しつこいを通り越して、無限ループまるでメビウスの輪じょうたいで、言いまくって来るSさんの言葉も、段々、聞いてるうちに変な「慣れ」が出てきてしまっていた。

「〇〇ちゃ~ん、ちょっといいかしら?」
ほら、まただよ。
「・・・・(ため息)。なんですか?・・・・」
と、Sさんのとこに行けば、辺りを見渡してから、笑顔で、笑顔であの言葉を言うのだ。
(またかよ・・・。いい加減にしたら?)と内心思いながら、聞かされていた。そんなヒマあったら、お前仕事しろよな!と思いつつ。

半年以上、そんな事が仕事に行けばずっと続いていたある日だった。

Sさんがお客様と何やら、賑やかな話っぷりで、一緒に私のいる方に来るではないか。
なんだ?と思いながら、そのお客様を見たら!なんと、私が「見学」と称して連れられて行った時に、一緒に行ったおばあさんの信者ではないか!
あの日以来、店にも来なくて、なんで今頃来た?と思っていたら、ふと、車中であのおばあさん信者が、Sさんが前に働いていた薬屋での話をしていたのを思い出してしまったのだった。
あの、おばあさん信者は、Sさんが以前働いていた薬屋に「客」の振りをして、行って経営者に「きつねが憑いていた」と言っていた。
それを思い出したのだった。

そうか・・・。私にも何かが憑いているって、Sさんに言うために来たのか?

おもしろい!

いいんじゃないの。とことん見てちょうだいよ!と強気で私は、普段と変わらずに仕事をし続けた。

「いらっしゃいませ」程度しか、私は言わなかったが、二人はじろりと私を見まくっていた。何かコソコソ喋っていたので、多分、何かがあの子には憑いているよ、とか、言ってんだろうなぁ、と思いながら、さっさと帰れこの、ばばあ!と思いつつ棚にPOPを貼り付けていた。

その頃から、Sさんは言葉でだけじゃなくて、仕事でも私にあからさまな態度を取るようになってきていた。
納品が来て、品出しをしようとオリコンから商品を出すと、私の抱えてる腕から、ぱっと取り上げて自分が出し始める。
だったら、まだ他にも出していない商品が入ったオリコンがあるんだもん、そっちを自分が出せばいいんじゃないの?
そのほうが、効率良く仕事を進められるし、普通はそうだよね。

でも、あの頃からSさんはそうじゃなかったのだ。
私から仕事を奪う、という事に楽しみを感じ出したようなのだ。
品出しだけではない、ほかの仕事でもSさんは私から、仕事を奪う、という行為をするようになってきた。
そのくせ、ドリンク剤などめちゃくちゃ重たい商品が納入されると、それを倉庫に一旦しまうのだが、そういう事はやらない。
60本入のケースで何十ケースと入るから、1ケースは大体20-30kg位はあるだろうか。
重たいものは奪わない。かと言って毎日納入される、というのでもなかったので、段々、私のやる仕事が無くなってきつつあったのだった。

今だったら、立派なパワハラだよね?

とうとう、私も今で言うとこの、キレかかってしまって、テナントで入っていた酒屋さんのおばちゃんに相談したのだった。
このおばちゃんとは、当時から仲良くしてて、店でも良くしてもらっていた。Tさんという。
「ねぇ、ねぇ、Tさん。聞いてくださいよ。実は私Sさんにかなり、嫌がらせされてんですよ。どうすればいいんですかね?」
と、聞いてみた。
すると、Tさんは
「こっから、見えてたよ」と言った。
「ありゃぁ、酷いね。あれに呼ばれて、棚の方に〇〇ちゃんが行くのも見てたよ。でさ、〇〇ちゃんが嫌な顔に変わるから、いい話されてないなって、思ってたんだよ。〇〇ちゃん、ちゃんと仕事してるのに、なんで、ああ、毎日呼ばれてるのか不思議だったんだよねぇ」
そう、Tさんは言った。
見てる人がいてくれた!助かった!
「実は・・・」と私はTさんに、一連の宗教への「見学」が実は「入信」で、ぼったくられたお金の事、それと引き換えに渡された「セット」の事、それを返したらこういう仕打ちの連日、というのをガーーーーッとまくし立てて、喋ってしまった。

「ほんとうに?ほんとうなのかい?あのSさんが?」
Tさんはびっくりしていた。
「本当なんです!」力を込めて私は言った。
「ここだけの話だよ。私はあのSさんが大っ嫌いなんだよ。薬売ってるのに、あの派手な格好。段々、派手になってるだろ?まるでスナックで働いてる人みたいじゃないか。ここは薬を売ってる店だろ?あれは、男でも出来たんじゃないかね」
お・・・おとこ?さあ?そこまでは、わからん!私は笑いそうになったけど、うんうん、と頷いて聞いていた。

「あまり、あてにはならないかもしれないけど、仕事の事だから店長に話すんだよ。いいね、店長に話すんだ」
そうTさんは言った。

Tさんも結構ペラなところがあったんで、Tさんに話したら多分、店中には伝わるね、というのもあった。
それを承知で、私は話したのだった。
そして・・・・・。




つづく・・・・・。




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あれからが、悪夢の始まりであった!


翌日は普通に時間どうりに出勤したのだった。
もちろん、あの風呂敷包みを抱えながら。

「おはようございまーす」午後からの出勤のシフトだったが、午後でも夜でも出勤した時の従業員同士の挨拶は
「おはようございます」なのだ。これは、どこでも慣例になっている挨拶の仕方だ。

早速、午前中開店時間から出社していたSさんが来た。
「おはよう。〇〇ちゃん。どうだった?おうちの人に話してみた?」またもや弾むような声と笑顔で、言い寄ってきた。
「あの・・・、それが・・・」私がしどろもどろで話しだしたのでSさんは
「ん?」と不思議がった顔つきになった。

(ええーい、どうにでもなれ!)半ばやけっぱちで、Sさんに話し始めた。
「実は、両親から、もの凄く怒られまして、うちには要らないから、丁重にお返しなさい、と言われて。持って来ました。」

まだ、タイムカードを押す前だったので、事務所には他に誰もいない。私とSさんだけだった。


なんですって?
もう一度、聞いていいかしら?
なんですって?


Sさんの顔つきが、厳しい顔つきに徐々に変化するではないか。
「ええ。だから、うちの親が、うちには昔から神棚に信仰してる神様が祭ってあるから、その神様を捨ててまで、Sさんの信仰する御札をお祭りすることは、出来ない!とかたくなに、拒絶されました。なので、私も親の考えには逆らえないとこもあるので、これ、お返ししてこいと、言われたので、持って来ました。」
そう言うと、私はSさんに風呂敷包みをどっかと、渡した。

Sさんが何か言おうとしていたが、タイムカードを押さなきゃ遅刻になってしまうので、
「すみません。仕事に入らせていただきます」
そう言うと、私はタイムカードを打刻して売り場に逃げた。

後ろからは、Sさんの冷たい、怒りの視線が感じとれていた。

売り場には、パートさんや、バイト君、もちろん社員数名もいた。
それぞれに、それぞれの仕事をこなしていた。
一応、一巡しては「おはようございまーす」と挨拶して「今日もよろしくおねがいしまーす」と昨日は何も無かった素振りで、私は私の持ち場である、医薬品のとこに行った。

個人経営のドラッグストアだったので、問屋さんが週に2回納品を持ってきていた。
それを問屋さん持参の、うちの店用の伝票と共に持ってきて、問屋さんと検品をした。
検品が終わると、自分たちで品出しが始まる。
そんな感じのシステムだった。
もちろん、製薬会社の営業さん(今はMRっていうよね)も時々来てて、医薬品の納入の決定権は薬剤師である店長にあったが、健食などは、私が決めてもいいことになっていた。
店長が休みの時は、医薬品の決定権は、資格のないのにSさんが決めていた。
今じゃ、考えられない話だ。

検品作業は細かいものも多かったから、問屋さんが読み上げて、私が現物の数と伝票の数を見比べて、相違無ければ伝票に☑をいれていた。
ひととおり、検品作業が終わって、必要な伝票(店控え。この伝票は4枚綴りの複写で、一枚目が店控えで後は問屋さん持ち帰りだったはず)をまとめて、
「さあ~て、だすかねぇ」とオリコン(折りたためるコンテナBOXを略してオリコンという)の中から、小さなダンボールに入ったものから出そうと考えていた時だった。

「〇〇ちゃ~ん、ちょっと、いいかしらぁ?」
「ん?誰か聞き覚えのある声が、私を呼んでるぞ」とその声のする方を見た。

Sさんだった。
Sさんはゴンドラ(棚のことを、こう呼ぶ)の端っこから半分顔を出して、私に手招きしていた。
しかも、笑顔で。見事に作った笑顔で。
(なんだろう?今仕事中だし。これ結構時間かかるし。他にもやること山積みなんだよね)と内心思いながらも、
呼んでるSさんのとこに行った。

「あの・・・。なんなんですか?今、品出ししてるとこなんですが」と私。
Sさんは、ちらっと辺りを見渡しながら、小声でこんな事を言い出したではないか!

いい?〇〇ちゃん。
今に、絶対、〇〇ちゃんに
悪いことが必ず起きるから。
絶対によ!
悪いことが起きるから!

ドヒャーッ!!!
きたよ、きた!!!
「えっ?・・・・。」

だから・・・、
もう一度言うけど、いい?
〇〇ちゃんに、絶対に、今に、
必ず、悪いことが、
起きるから!!!
絶対によ!!!
(キーッ!!!)

そうSさんは小声ではあったが、私をガン見しながら言った。
私は返す言葉も無く、ただ抱えていたダンボールの小箱を眺めていた。
そして、これからが、私にとって悪夢の日々の始まりでもあった。

お客様が私達のそばを通ったら、何くわぬ顔で
「いらっしゃいませ~え」と作り笑顔で言いながら、Sさんは私に仕事の話をしだした。
仕事で私がSさんと話している、という印象をお客様に付けるかのように。
もちろん、他の従業員がそばを通っても同じだった。


しかし・・・。この日だけ、この時だけでは無かったのだった。




つづく・・・・。















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これからが悪夢のはじまり、はじまり~い。

あの日、私はため息をついてうちの玄関ドアを開けた。

「ずいぶん遅かったんだね。どこまで行ってたの」と母親は疲れきった私の様子を見て言った。
「ああ・・・。えっと、野田。初めて行ったよ。きつかったわ・・・。」
その後は私が何も言わないので、どうしたのだろう、みたいな様子で私のことを見ていた。
「こんな時間だから、何か食べてきたんだろ?おかずは作って冷蔵庫には入れたけど」
いつも不規則な私の食事は、作ったら冷蔵庫におかずを入れて、レンジで温めるものはそうして私は食べていた。
食事を作るのは大体が母親。自分で作るのはよほど時間がある場合以外しないのだった。

「それがさぁ・・・・、朝も食べずに行ったじゃん、お昼も結局食べなくてさ。さっき、ちょっとお茶とお菓子食べた位なんだよね。」
渋々と私がそう言ったら、母親は驚いたようで
「なんだって?おまえ会社の人と出かけるって言ってたじゃないか。食事会でも行ってんのかと思ったんだよ。何しにそんなとこに行ったんだい!」
普段はあまり親子の会話が弾む、というほど仲良し家族ではないのだが、あの時の母親は見ていたTVの番組もそっちのけで、私に近づいて聞いてきた。

「うーん・・・。だってさぁ・・・。」仲々、言い出しにくい話になってきたな、と内心思って。どうしよう、こんなもの持って来ちゃったし、と考えるのさえも底をつきそうだった。
「ちょっと着替えてきてもいかな。いつまでもコート着っぱなしってのも、疲れてるし」そう言って、私は自分の部屋に一旦引き払った。

帰ったらうがい手洗いは基本でしょ。というのが私にはあるんで、まあ、とりあえずそれしてから、あの、例の「風呂敷包みセット」を持って、母親と親父のいる部屋に行った。
「あのさぁ・・・。」と私が入って行ったら、母親は見ていたTVのバラエティ番組の音量を小さくした。
親父は、座卓の向こう側でいびきかいて寝てた。

私が、白い風呂敷包みをテーブルに乗せて、一応手をあわせて結び目を解いたんで、多少なりとも「信仰」をした人間なら、それがどういう意味を持つのか、見ていれば理解できるはずだ。
「おまえ、神社とか行ったのかい?」母親は早速聞いてきた。
「えっ?神社?神社なのかな、あそこ。」
「じゃ、お寺でも行ったのかい?」私が分からずにいたら、そう聞いいてきた。
「お寺?うーん、なんかねー。なんなんだろ。あそこは」と、疲れきっていたので、簡単にどこに行って、どんな場所だったかをザックリ話した。
すると、母親は・・・・。


なんだってーーー!!!


猛烈に、怒りだしてきたのだった!
しまった!ヤバイ!
母ちゃん怒らしたら、めちゃヤバイ!

そう。うちの、母親はこわいのであった!

「なんで、お前みたいな、宗教に疑い深い人間が、そんなわけのわからない場所に行ったんだ?」
母親の言うことは当たっている。
私は、宗教に関しては否定的ではないが、団体を組んでまで行なう事には、以前から否定的な考えがあった。
宗教の自由は日本人は憲法で認められている。
が、その反面、宗教に関してどちらかと言えば、アンチな価値観すら覚えているように感じていた。
欧米人やイスラム圏の人びとは、それぞれの「神」を信仰し、崇拝し、宗教を大事にしている。
キリスト教にしてもザックリ言えば、日曜日には信者は教会でお祈りをする。洗礼もうける。

しかし、団体を組んで、宗教の元、「商売」に勤しむ組織が日本には多くないだろうか?
と、いろいろと、ヒマを見ては図書館で借りてきてた本を読んで、そう思っていたのだった。
信仰するなら、近くの神社、仏閣を行ける時に行けば、いいんじゃないの?
だから、私はずっと、近所の神社にいったり、年に数回は成田山新勝寺に行ったりしていた。
仏閣では、何故か不動明王さまが私は好きなので、ただ、それだけの理由でだ。
帰りに参道近くの米屋に寄るのも楽しみだった。

だから、そんな私の事を知ってる母親だから、なんで得体のしれないとこに行ったのか、とても驚いていたのだった。

(う・・・、まずい。これが一万円ぼったくられたものだって、言えるかな・・・。)
半ばビビりながら、母親に話した。


なんだってーーー!!!



やっぱ、そう言うよね。(冷汗)


一万円
???それが・・・
一万円????


普通の人からしたら、普通の反応だよ。
いくら、20年近く前の話しでも、あの頃は今よりは景気もまだ、良かった。
それでも、何時の時代でも、一万円の紙幣価値は一万円なのだ。


風呂敷包みを開けて、中に何が入っているのか、途中下車した信者の家ではゆっくり見てなかったので、再度母親の前で見せた。
7点位入っていただろうか。

笹の葉(←これ、覚えてるけど枯れたような色あせた笹の葉だったよ)にご祈祷したっていう紙がくっついてるもの。
「あっ、これ、火除けで台所において飾れって、言われた。」

A4サイズ位の、よく刑事ドラマなんかで、調書取ったのを記録しとくのがあるじゃない。その表紙に黒い紙ファイルみたいので綴じてるでしょ、あれよ、あれ。あれと同じ台帳みたいなのがあった。
「多分、これ読んでないけど会の教えみたいなのが、書いてると思う。」

仏教などでお経が書かれてある縦長の手帳サイズ位の、教本というのかな、そういうのが出てきた。
「多分、これも中、見てないけど、教本っていうのか、お経が書いてあるって言うのか、そういうのだと思う。信者はこれ見てお祈りしてる人が多かったから。」

そして、そして、そして・・・・

心拍数が上がってるのが、自分でも分かるくらい感じながら、あの御札を出した。

                    大宇宙神
                   大宇宙神
         大宇宙神
        大宇宙神
「なんだ?この、大宇宙神って?」

見たことのない御札に、そう大きく筆文字で書かれてあるのを母親は見て言った。
「さあ・・・?私もよくわかんなくて」
「それでね、・・・神棚にこの御札をすぐにお祭りしろって、言われた。」
「なんで?うちはお前が生まれる前から、ちゃんと神様をお祭りしてるんだよ。それはお前も小さい時から知ってるだろ?」
「同じ神棚に、いくつも違う神様をお祭りするのはいけないんだよ」
「お正月の破魔矢とか、そういうのならお祭りしても差支えはないけどね。なんで、それをうちの神棚にお祭りしなきゃいけないんだい」
母親は、納得がいかない言い方で私に話した。
もちろん当たり前だ。

いびきかいて寝ていた親父をとうとう、母親は起こした。
「お父さん、お父さん、起きてよ!〇〇が大変なもの持って来ちゃったのよ、起きてよ!」
母親に揺さぶられながら、親父は半分夢のなか状態で起きた。

もちろん、私があんなものぼったくられたのに、驚いて、バッチリ目が覚めてしまった。
「だってさ。会社の上司だよ。断れなかったんだよ。今までお祭りしてる神棚の神様の御札を、近所の神社で燃やしてもらって、これお祭りしろって言われたんだよ・・・」

あまり余計なことは喋らない、寡黙な親父が開口一番
「だめだ。それはできん」(熊本生まれで熊本弁が全く改善されていないので、まんま熊本弁で言った)

「明日にでも、これは全部その上司に返しなさい!突っ返すんだよ!お金は戻らないと覚悟だ。いいかい、絶対、返すんだよ」
「一応、宗教みたいだから、ゴミですてるのも、忍びない。それに、罰が当たったら、と思うと捨てることは出来ない。返すんだよ」
そう、母親は言った。

「わかったよ・・・。ああ・・・。まいった。いやんなっちゃう。最初はこんな事で誘われたんじゃないんだよ。」
「見学させたい場所があるっていうから。断ったのにさ。とにかくしつこくって。押し切られて、行ったんだよ。」
「一万円だって、払わなきゃ、あの場からは帰れそうに無かったんだ。ドブに捨てたと思うよ。しかたない。返ってこないと思うし。」
私は、そう言って、母親と親父を納得させた。


ああ・・・。明日、会社に行って、これ返すのすっごく気が重いんだけど、っていうか、こわいんだけど、どんな反応が来るのか、それがすっごく、こわいんだけど・・・。

そう、思いながら、私はもう、疲れに疲れきっていたから、バターンキューでベッドに横になった。

翌日から、私にはSさんの嫌がらせが待ち受けていたのだった。


つづく・・・・。















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