花の島(フローレス)と日本の間

バイオマスエネルギー事業や排水処理事業を通じて、環境保全や住民の生活向上のための活動を行うNGOスタッフの日々の物語。インドネシア、東ヌサトゥンガラ州にあるフローレス島(ポルトガル語で花の島の意味)と日本を行ったり来たりしています。

1987年の設立以来、インドネシアの現地NGOと協力しながら、国際協力活動を行うNPO法人APEX(http://www.apex-ngo.org/ )の彦坂といいます。

現在、フローレス島内の農村で、ジャトロファ(またはヤトロファ、ナンヨウアブラギリ)という種子から油を採取できる植物を利用した、環境保全型地域開発事業に携わっています。この事業は、ナンヨウアブラギリによる荒地の緑化、ナンヨウアブラギリの種子からの搾油、その剪定枝や種皮などの廃棄物のガス化による発電、発電の際に放出される廃熱を利用した海水の淡水化を行い、環境保全をしながら住民の生活環境や収入を改善しようとするものです。事業の詳細についてはこちら をご覧ください。

また、この事業に対するご寄付 (ゆうちょ銀行、またはみずほ銀行への振込み)も受け付けております。 よろしければ、ご協力ください。

なお、このブログの記事は私個人の見解を書いたもので、所属団体の見解を示すものではありません。

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アパ・カバール(所属団体の公式ブログ)にも書いたのですが、スタディーツアーの参加者の皆さんが8月11日から14日にかけて、フローレス島にやってきました。ここではツアー中にたまたま見学できたモケの生産現場をご紹介します。

モケというのはヤシの開花前の花から採取した蜜を発酵させ、蒸留を経て作られるお酒のことです。こちらではモケといいますが、インドネシア語ではアラックと呼びます。

モケ生産の原料は、オウギヤシ(インドネシア語でLontar)というヤシ、またはサトウヤシ(インドネシア語でArenまたはEnau)というヤシから得られる花の蜜です。

Palmyra Palm (Borassus aethiopum)
Palmyra Palm (Borassus aethiopum) / berniedup

オウギヤシ

Arenga pinnata, the Sugar Palm
Arenga pinnata, the Sugar Palm / Dick Culbert

サトウヤシ

これらの花の蜜は糖分を10~15%ほど含んでおり、自然にアルコール発酵します。モケはこれをろ過・蒸留して得られたお酒で、アルコール濃度はおそらく30%以上にはなります。


モケを加熱するかまど。

上に出ている竹の筒をどかして、花の蜜を入れます。



入れるときに不純物を取り除くために、ろ過を行うのですが、このろ過に使うのはサトウヤシの繊維の入った、なんと「ヘルメット」です。



要らなくなったヘルメットの頭頂部に穴を開けて、ふるいにしています。

エタノールと水の混ざった蜜を加熱すると、より沸点の低いエタノールが多く蒸発して、その蒸気を冷やして得られた液体はエタノール濃度がより高いものになります。その仕組を利用したものが蒸留です。



加熱されて発生した蒸気が上にあがり、斜め下に向かう竹の筒を通る間に冷やされて液体になります。



最後にポリタンクなどをセットしておいて回収するという仕組みです。

シッカ県の統計によれば、シッカ県内で17ヶ所は、このようにモケを生産している所があるそうです。でも多分、もっと多いのではないでしょうか。

しかし、実のところ、イスラム国家だからか、インドネシアでは5%以上のアルコール濃度を持つお酒の製造・販売は禁止されています。じゃあ、このモケ製造は違法なのかということになりますが、実は昔このシッカ県でもモケ生産を禁止しようとしたのです。

ところが、住民の生業にもなってるモケ生産を禁止するのかと住民から大反対をくらって、禁止令は廃案になったそうです。まあ、ただ単に飲みたいだけなのかもしれませんが。

しかし、同じように住民の反対にあっていた、お隣の東フローレス県ではモケ生産を禁止する条例が昨年になって施行されたそうで、将来的にはこのシッカ県でも禁止され、このモケは飲めなくなってしまうのかもしれません。
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国際協力の世界に入るきっかけは、いつも大学院卒業の時に行ったネパールでのワークキャンプと答えてたのですが、さらにその原点を考えると、あの本との出会いからだったのかもしれないと思うのです。

その本とは、三浦綾子さんの『氷点』です。

実は大学2,3年の頃までボランティアとか国際協力とか、あまり興味がありませんでした。しかし、『氷点』とその続編『続氷点』を呼んだことで、自分の中で何かが少しずつ変わってきたのかもしれません。

大学の国文学の授業で、先生が「『氷点』は登場人物の心理描写が実に上手い」と褒めており、大学の生協で、その単行本を見つけた時にふと読んでみようかと思って手に取ったのが始まりでした。

TVドラマなどにもなったほど、有名な小説なので、あらすじは省きますが、『氷点』『続氷点』というセットで人間の生まれながらにもつ原罪と、その贖罪というのがテーマです。

原罪とは何か、もしあるとしたら人として生きる意味とは何かとか考えたのを覚えています。

今の人生が正解だったかどうかは分かりませんが、生きる意味を探す旅が人生であり、今を生きることが大切なのかもしれません。

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これも機内誌で読んだコラムの話です。

アジア各地を経済危機が襲い始めた1997年、筆者はインドネシアの大学院生だったが、同じ大学に留学していた韓国人にこう聞かれたそうです。「インドネシアはいつ世界一になりますか?」と。答えに詰まった筆者は逆に、「韓国はいつ世界一になりますか?」と尋ねました。すると、その韓国人は「2010年です。」と答えました。

ご存知の通り、実際には2010年に韓国が世界一の国になるというようなことはなかったのですが、2010年に行われた国際競争力調査で韓国は23位だったそうです。2009年の27位から、さらに順位を上げていました。

1997年当時、韓国の企業名(サムソンやLG、現代など)をインドネシアで目にすることは、ほとんどありませんでした。今ではそれら韓国企業の製品はインドネシアの市場にありふれています。スマートフォンの分野では、サムソンが何年も首位にあったソニーを追い落とす勢いとなっています。

韓国人は例え外国製の製品のほうが安く、かつ質がよくても、韓国産の製品を選ぶ傾向にあるそうです。それは、例え質が悪くて高価であっても、韓国産の製品を買うことで、韓国企業がその利益でさらに開発投資を行い、品質がより良く安い製品を生み出してくれると期待しているからです。また韓国企業のトップも、そのような製品の売上は、もっと良い製品を生み出して消費者に返さなければならない借金のように考え、その期待に答えているそうです。

安いからといって国や地域の外で生産された製品を買うことは、国内、地域内の産業を脅かすことにも繋がります。また、人件費が安いからといって国外で製品を作るようになれば、国内の消費者は仕事を無くして購買力が減少します。

地元(国内)で作ったものを地元(国内)で消費することが、地域(国)の発展に繋がるのではないでしょうか。先進国だけの話ではなく、途上国の農村部(地方)にも通じる話なのではないかと思いました。
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たまたま乗り合わせた飛行機の機内誌に載っていたコラムが気になったので、メモしておきます。

「行動の伴わないビジョンは白昼夢であり、ビジョンの伴わない行動は悪夢だ」

ある人が現場で仕事をしている人に「今、何をしていますか?」と尋ねたところ、「レンガを積んでいます。」と答えた。まさに見たまま、彼が行っていることを答えたのです。

そこで、その人は近くにいた別の人に同じ質問(今、何をしていますか?)を尋ねました。2番めの人は「塀を作っています。」と答え、さらに塀の高さや幅が何メートルあるかまで答えました。

さらに、3番めに同じ質問を尋ねられた人は、「とてもユニークで豪華な家を作っています。内装も豪華で、中庭があり、プールもあります。完成したら、きっと、このあたりで最も豪勢な家になるでしょう。」と答えました。

同じ作業を行っていても彼ら3人の答えは違っています。この3人の中で誰が最もビジョンを明確に持っているでしょうか?そう、3番めの人です。

1番目の人は今、まさに行っている作業を説明しているに過ぎません。そのような人たちは大体、言われたことをやっているだけの作業者で、責任感がありません。それに対して、3番めの人は長期的視野に立って仕事を見ています。ビジョンを明確に持つことは、自分のやるべきこと・達成すべきことを明確に定義することです。

以上が、そのコラムの内容でしたが、ビジョンとミッションの把握という初歩的なことの重要性を再認識させられました。

例えば、「あなたは仕事で何をしていますか?」と尋ねられたら、同じ業務内容でも「エンジンを作っています。」と答える人もいれば、「○◯自動車の乗用車を作っています。」と答える人もいるでしょう。また、「世界中のあらゆる人が安全に遠くまで行けるように、安くて丈夫な乗用車を作っています。」と答える人もいるかもしれません。誰が最も仕事におけるビジョンを明確に認識しているかといえば、最後の人に決まっています。

どの会社、組織にもビジョンとミッションはありますが、構成員全員がそれを共有しているとは限りません。

また同じ人でも家庭、会社、学校など場所ごとに異なるビジョン、ミッションがあり、それぞれの場所において各自の役割が決まっているものです。例え、企業に勤めていない主婦とはいえ、家族全員が健康に過ごせることをビジョンとしながら家事をこなしていれば、十分やる気も出てくることかと思います。

今、行っていることに集中することも必要で、集中すれば集中するほど全体が見えづらくなるものですが、長期的視野に立って全体を見渡すことも重要なのではないかと思います。

あなたは普段、家庭や職場で何をしていますか?
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先月、ジョグジャカルタで実施されていた排水処理事業(JICA草の根事業)が終了したので、フローレス島とジョグジャカルタを往復する生活は終わりました。縁あって事業期間、4年4ヶ月のうち、最初の半年間と最後の10ヶ月間を担当したのですが、地域間の違いや事業の進め方などで勉強になることもありました。

これからしばらくは、フローレス島の事業に専念することにします。

さて、と突然話は変わりますが、ジョグジャカルタでは家の門などによくカップが吊るされているのを見ました。

このカップは、Jimpitan(ひとつまみのお布施の意)といって、夜間、町内会を警備・巡回する人用に、お米または小銭(500ルピアぐらい=約5円)を入れておく容器だそうです。RT(日本語で隣組)という、町内会のようなもの(およそ数十世帯で構成)のメンバーが交代で夜間、見回りをするのですが、各戸の門に吊るされたカップの中からお米やお金を回収しながら歩くそうです。

お米の場合は後で売って、お金に変えるそうです。集まったお金は一部は警備する人の謝礼として、残りは町内会のために使用されるとのこと。


門に吊るされたカップ

少しインターネットで調べたのですが、2009年にジョグジャカルタ特別州グヌンキドゥル県ギリ・ムリヨというところで実施されていたのを大手新聞のコンパス(ジョグジャカルタ版)が記事にしたのを機に広まったようです。

http://moxeb.blogspot.co.id/2011/11/nikmatnya-hidup-bergotong-royong.html


しかし、最近は個人的に警備員を雇っているなどの理由でJimpitanを出すのを拒否したり、月に一度まとまったお金を出したりする人もいるのが問題になっているようです。まとめてお金を出していたら、さぼって見回りを行わない人とかも出そうです。地域社会の崩壊はインドネシアでも問題になりはじめています。


それはともかく、一度に負担金を出すのは大変だけど、毎日少しずつだったら負担にならずに出せる。インドネシアらしい習慣です。

と言っても、実はフローレス島では見たことありません。地域の人は夜間の見回りとかせずに、たぶん私服警官が夜間に巡回しています。
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