手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


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「週刊現代」編集部には、絶対、プロ野球好きがいると思います。
去年、ファイターズの記事がずいぶん何回も載るなあ、嬉しいけどでも何でだろ、と不思議がりつつ喜んでいたものでしたが。
注意して広告を見ていると、ファイターズに限らないんですよね。イーグルス山崎選手や岩隈投手も記事になっていました。
そして今度はこんなのです。今発売中の2月6日号に、 『プロ野球スカウトは見た!「潰れるヤツ」「化けるヤツ」──「違い」が分かる男たちの世界』という記事がありました。
この見出しだけ見ると、今年の新人や若手選手の品定めをして「こいつは伸びるよ」「こいつはダメだよ」とやっている記事かと早合点しそうになりますが、そうじゃありません。
プロ野球のスカウトとは、ドラフト候補のアマチュア選手のどこをどういう風に見て「指名する」と決めるのか、それを丁寧に描いている記事だったんです。
たとえばファイターズの今成スカウトがダルビッシュ投手を見出した時のことは、こんな感じ。

「ダルビッシュは、高校時代から人前で努力をしない選手でした。一見、ちゃらんぽらんな選手に見えた。それでも、試合になるとしっかり投げるわけですから、もしかしたら人に隠れて何かをしているのかと思った。そこで、彼が野球部の練習が終わった後に何をしているか、彼に気づかれないように覗いたんです」

 そしたら案の定、ダルビッシュは誰もいないグラウンドで、一人ランニングをしていた。それは指摘されていた持久力不足を補うための「秘密練習」だった。


「週刊ベースボール」や「Number」に載っていてもおかしくないくらいですよ。ほんと、去年からこっち、「週刊現代」のプロ野球記事は「まとも」なものばかりです。編集部内に、野球が本当に好きな人がいるんだなあ。

何しろ今回のこの記事も、名前も明記されない社内の誰かの手になるものではありません。こんな本を書いたスポーツライターさんによるものです。


スカウト/安倍昌彦

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「プロ野球の輪郭をふちどってきた男たち」というサブタイトルがついています。

高校、大学、社会人野球から、有望な新人を見出してくるプロ野球のスカウトという仕事。これに携わっている、或いは携わっていた色んな人々について書かれている本です。

著者は、雑誌「野球小僧」の連載「流しのブルペンキャッチャーの旅」で有名な方です。取材相手のアマチュア選手達に、単に話を聞くだけではなく、実際に彼等の投げるボールを受けさせて貰って記事を書く。しかも、その文章がまた独特の味わいがあって何とも面白いんですよ。

そんな人が書いている本なんだからきっと面白いに違いない、てんで立ち読みしてみることもせずに買ったのですが、大正解、でした。

しかし、ひとくちに「プロ野球スカウト」といっても、球団により人により、まあ、色々と違うものなんですねえ。

まず最初に登場するのはジャイアンツのチーフスカウト中村和久氏。社会人野球リッカーミシンの監督3年目に会社が倒産し、選手の受け皿探しに奔走していたところへ、ジャイアンツからスカウトとして誘われたという人です。正直言うとあまりピンとこない仕事だったと言いつつ、それでも即決で引き受けたのは、

「ジャイアンツだったからですよ」

「巨人ファンっていうのとは、ちょっと違うんです。野球をやっておれば、誰でも一度は巨人でやってみたいっていうの、ありませんか……?」

という62歳。阿部慎之助獲得の際には、毎日大学に通い続け、君を見ているよというアピールを続けたそうです。

と思えば次に登場するファイターズの山田正雄GM65歳、彼がスカウト時代に森本稀哲を見ていたやり方は正反対。学校の隣にある病院の屋上にのぼって、本人には絶対気づかれないようにこっそり観察していたというんです。まさかプロのスカウトが自分を見に来ているとは知らないまま、丁寧にグラウンド整備をしていた森本少年、試合でのプレーよりも、その裏表のない練習態度を買われて指名されました。

更にファイターズからもう1人、チーム統括本部ディレクターと言うと長ったらしいですが要するに「スカウト部長」の大渕隆氏。

「もともと教員志望でした。と、いうより野球部の監督志望ですね」

というこの人の経歴は、不良少年高校球児が一浪して早稲田大学へ、上下関係になじめないながらも野球部で4年間頑張り通し、日本IBMに入社してフルタイムで働きつつ野球部にも所属。7年勤めた後に念願の高校教師に転身……した筈が、4年前にまたもや転身してプロ野球の世界に入ってきたのはどういう次第だったんでしょうか。ていうか、球団はこの人を、どうやってめっけてきたんでしょ?

と思ったらカープの苑田聡彦スカウト部長、カープ一筋で選手を引退してスカウトになった時のいきさつはこんなです。コーチになりたいという希望を一蹴され、

「どうもこうもない。いきなり、“スカウトさせるから”ですよ。それも、遠征でしか行ったことのない東京に住んで、右も左も分からん関東・東北・北海道担当ですもんねえ」

「弘前へ行けって言われたんですが、その“ヒロサキ”がもう分からん……」

ってそんな、ま、まるで泳げない人をいきなり水に突き落として死に物狂いで泳がせるかのような(汗)。

とまあ、このように、章がかわって新しい人が出てくるたんびに、その前の人とは何もかも全ッ然違うんです(笑)。まさに千差万別、十人十色。

スカウトとはこうしてなるもんだ、という決まった道筋がある訳では全然ないんですね。

ということはつまるところ、「目利き」の才能がその人に備わっているかどうか。結局そこにかかってくるのでしょう。


この本の中で、とても印象に残っている言葉があります。

ファイターズ大渕氏が、入団して数箇月が経った頃のルーキー達を評して言った言葉。


「高校からプロ入りした選手の多くが、“山の高さ”を間違えたことを実感しているのがこの時期なんじゃないでしょうか。入る前は“富士山”だと思っていたプロ野球のレベルが入ってみたら、実は“エベレスト”だった」


今、ライオンズの菊池雄星くんが、「高校野球のように、1時間半、2時間の試合を目指します」とか「工藤さんのように流行語大賞をつくれるように頑張りたいです」とか、無邪気なビッグマウスを連発して注目を集めていますよね。

彼にとってもやはり、富士山だと思っていたものがエベレストだった、ということになるのか。それとも本当に松坂大輔の再来のような大活躍を1年目から見せるのか。

今年のプロ野球も、興味津々です。

間もなく、キャンプイン!

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