手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
第六の大罪―伊集院大介の飽食 (講談社文庫)/栗本 薫
¥520
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最初にタイトルだけ見た時は、てっきり「あ、伊集院大介シリーズの長編がまた出た」と思ったんですけれども。これは何だか物凄く久し振りな気がする、中・短編集でした。

このシリーズ、短編集だと決まり文句の「伊集院大介の~」に続く言葉は「~冒険」「~新冒険」「~私生活」といった按配で、収録の各作品には特に一定の傾向がある訳ではなかったんですよね。しかしこの本は、ちょっと趣向を異にしています。

タイトルで想像のつく通り、収録4編には「食べること」という統一テーマがあるんですが、しかし何しろミステリで栗本薫で伊集院大介シリーズですから、一筋縄ではいきません。ただ単に美食ネタ、グルメ・ミステリ、というんじゃないんですね。

最初の作品「グルメ恐怖症」は、自分は御馳走責めにされることによって殺されようとしている、と主張する男の物語。美食による殺人、というのはこのシリーズで以前にも扱っている材料なのですが、これは単なるネタの使い回しにはなっていません。奇妙な腐れ縁で結ばれた男女3人の歪んだ愛憎の機微が面白く描かれています。

「芥子沢平吉の情熱」は、昔たった1度だけ食べた“幻のラーメン”の味を再現することに生涯をかけた男の物語。

「地上最凶の御馳走」は、中華の鉄人神様と称えられた有名シェフの悲劇。一体何が「最凶の御馳走」なのかというと、彼がテレビ局のスタジオで作ろうと目論んだものが……ワニの姿造りなんです(汗)。

と、各編いずれも違った味わいで面白いのですが……一番とんでもないのが、「食べたい貴方」。

とんでもないといっても、作品の核になる発想自体は決して本邦初という訳ではありません。他の作家も手がけているアイデアです。

ただ、栗本薫がこのアイデアを使い、しかもこの立場にある人間の視点から書くという形をとって、それでいてこの軽妙な筆致! この人の作品でいえば、「真夜中の切り裂きジャック」みたいなことになっていてもおかしくない筈の題材ですが、そうはならないのがやはり伊集院大介のご利益でしょうか。

と、くだくだしく説明してたら、最初から最後までネタ割りするも同然のことになっちゃうかな。これ以上は申しません。とにかく読んでみて下さい!

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