手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
龍馬を斬る―誰が龍馬を殺したか/黒鉄 ヒロシ
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こういうものを置いててくれるから、たまに大型書店に行かなきゃならんのですよね。

黒鉄さんの「歴画」です! 奥付を見たら、ちょうど1年前に出た本のようですが、全然知らなかったなあ。普段行かない本屋さんに言った甲斐がありました。

慶応3年11月15日、京都・近江屋で、坂本龍馬と中岡慎太郎が刺客の襲撃を受けます。龍馬はその場で、慎太郎は2日後に死亡。襲撃者の正体は、当時は新選組だと思われていましたが、実は京都見廻組だったことは今では間違いのないところとされています。

というところまでが、前提。

では、見廻組にそれをさせたのは、何者か?

黒鉄さんの既刊『京都見廻組』では、京都守護職松平容保の命令によるものと推察しています。龍馬といえば司馬遼御大、『竜馬がゆく』では、当時疑われた名前として幕府の目付だった榎本対馬守を挙げています。

ただ、龍馬は有名な寺田屋事件で捕吏を射殺しちゃってるんで、京都の治安を与かる見廻組としては、その殺人の罪名だけでも充分に彼を付け狙う理由はあったんですよね。殊更に暗殺だというようなものでもないんじゃないか、ともいえる訳で。

中村彰彦さんはそっちの解釈かな。『幕末入門』で推理している「黒幕」は、命令したのは誰か、ではなく、龍馬の居所を見廻組に知らせたのは誰か、です。中村説は薩摩藩(=西郷隆盛)。

というようなところまでしか私は知らなかったのですが、いやあ、他にも色んな説があったんですね!

それなりに説得力のあるものから何じゃこりゃというトンデモ説まで黒鉄さん、しらみつぶしに検証しています。周知の「新選組説」「薩摩藩説」から、「フリーメーソン説」、「土佐藩説」……そしてびっくり仰天、「中岡慎太郎説」!

黒鉄さんも「奇説中の奇説」と言っていますが、あるんだそうです、こんな説が(苦笑)。理由は武力討幕を巡って意見がどうしても合わなかったためで、斬りかかったが龍馬に反撃され、その後口封じのために殺された、と。

これ、一体誰がいつ頃言い出したのか、知りたいですねえ。やっぱり相当こじつけなんで、黒鉄さんにいともたやすく反駁されてるんですよ。この説の言い出しっぺの人、それらの反論材料に本当に思い当たることがなかったのか、聞けるもんなら聞いてみたいです(笑)。

私にとって一番面白かったのは、それぞれの「誰が犯人か」説よりも、当時現場にいた人物の「偽証」についてでした。

書店菊屋の長男・峰吉少年。龍馬に言われて鶏肉を買いに行き、戻ってきて襲撃直後の現場を目撃したことになっている、のですが。

彼の語り残しは、緻密に検証していくと色々と細部におかしいところがあり過ぎるというんですね。特に、事件当日の行動については、見廻組の実行犯メンバー今井信郎・渡辺篤などの証言とつき合わせていくと、重大な偽証疑惑が持ち上がってくる訳で。


何故に峰吉は嘘をついたのか?


当然に坂本や中岡への憧れはあっただろうし

年齢も含め 彼等との立場の違いに

埋めることのできない悔しさもあったであろう


仲間ではないもどかしさ

仲間にはなれない口惜しさ


二人がいなくなった時

ありもしない景色のなかに あったこととして自分を滑り込ませて

存在をアピールする為の峰吉の幼い嘘


幕末年表に太字で書かれる事柄とは直接何の関係もない、たぶん今も昔も変わらない少年の虚栄心や自己顕示欲。それが後世の記録者や歴史家を惑わせたりもする。

人間ってせつない生き物だなあ、と思うのです。

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