手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
高杉晋作―維新回天 (人物文庫 む 3-33)/村上 元三
¥1,029
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佐幕派びいきに似合わぬ選択ですが、実はこれ、作者名買いです。

私にとって、村上元三といえば『新選組』。こんな直球なタイトルからは誰も想像できないであろう、オリジナル設定てんこ盛り(ていうかもう、ここまでやっちゃったら単なる「史実無視」/爆)大長編痛快小説を平気で書いてのけた作者です。ということはこれだって、何かいかにも普通の伝記小説みたいなタイトルがついているけれども、実は『新選組』みたいなものなんじゃ?

と思って中身も確かめずに買ってきたのですが……大当たり!でした。

冒頭、気ままな旅の途上にある晋作を、公儀目付の2人組が追跡しているところから始まります。このうち1人が殺されて、残る1人、信太和一郎は晋作がやったと思い込む。かくして彼は晋作を朋輩の仇として付け狙うことになるのですが、そこに謎の女・お市が絡んできます……。

というのがオープニング。この信太和一郎がもう1人の主人公で、彼と晋作の行動がかわりばんこに語られていく訳なのですが。

うーん、『新選組』の時にも思ったんですけれどもねえ。思い切って和一郎メインの話にしてしまったほうがよかったんじゃないのかなあ。

やっぱりね、微妙に齟齬をきたしてくるんです。

オリジナル設定ありとはいっても、高杉晋作も桂小五郎も実在の人物です。彼等の言動が描かれた後で、章がかわって和一郎とお市の場面になると……「歴史小説」から「時代劇」に突然変化したような、そんな感じがしてしまったりするんですね。

あと、小説の長さ、という点でも、主人公は1人に絞ったほうがよかったのではないかと。

この本、文庫としては珍しく、中身が全く小説の本文のみで解説がありません。単行本の発行年度は載っていましたが、書き下ろしじゃないような気がするなあ。この書きぶりは、新聞か雑誌の連載だったように思えるのですが……だとしたら、明らかに終盤、作者は連載の期限に追われてます(苦笑)。

お市の正体とか彼女の黒幕は一体誰なのかとか、和一郎と晋作の奇妙な関係とか、「いいところで場面転換」を繰り返しては話を延々引っ張った挙句、広げに広げた大風呂敷を、慌ててばたばたっと畳まざるを得なくなっちゃってるんですよね。前半はわくわくして楽しみながら読んでいましたが、残り4分の1ぐらいになった辺りから、「しかしこの話、最終的にどう決着するんだろ……」と心配になり始め、そうしたらいきなり幕末史上の大事件が次から次へと起こっていって(まるでドラマ「新選組!」の序盤と終盤のようなテンポの差! ただしあれは意図的な「序破急」でしたが、これは明らかに連載終了日の都合によるものと思われ/汗)、何だか呆気に取られているうちに終わってしまいました。

……しかも、あんまり据わりがよくない(ぼそ)。

どう見ても、無理やり終わらせた、としか思えないエンディングです(苦笑)。

主人公は和一郎、ということにしてしまっておけばね、晋作が上海で女に引っかかってるくだりなんかは大幅にページ数を省略できた筈なので(笑)、こんな風にいきなり終わりでバタバタしなくてもすんだのになあと思うと……なまじ前半が面白かっただけに、もったいないなあと思ってしまいました。

いやほんと、終盤はもっとじっくり書き込んでほしかったですよー。和一郎と晋作の関係が、最終的にああなったこと自体は予想の範囲内でしたけれども、その過程の描写がいかにも不充分。何で唐突にこうなる!と突っ込みたくなってしまいましたからねえ……。

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