手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
殺しが二人を別つまで (ハヤカワ・ミステリ文庫 コ 12-1) (ハヤカワ・ミステリ文庫 コ 12-1)/ローラ・リップマン
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知らない作家ばかりでも、内容保証されたも同然な「アメリカ探偵作家クラブ」のアンソロジーです。

今回、パッと見メロドラマ風のタイトルがついていますが、つまり収録作品殆どが夫婦間や恋人間での犯罪を扱ったものなので。といっても、「不倫がばれて妻を殺害」とか「裏切った恋人に復讐」とか、そんな安易かつ安直な三面記事ネタではありません。

前にも書いたことがありますが、アメリカのミステリはイギリスのものと比べて、「ここは笑うところ」がほんとに少ないです。家庭内の悲劇や愛情ゆえの殺意を、斜に構えたりブラックユーモアにくるんだりということは一切せずに、真っ向ストレート勝負で書いている。

なので殆どが辛い話ですが、中でも特に痛切なのが「銃後の守り」「冷酷な真実」。

犯罪は、「悪いこと」です。でも、「悪いこと」をしてしまった人間が、すなわち「悪人」である、とは限らない。

そう簡単に割り切れるものではないから、一度起こってしまった悲劇は、法的に片がついた後までも関わった人々の心の中にずっと影を落とし続けていくことになる。

「ミステリ」という枠にとらわれず、むしろ、ただ「読み応えのある短編集」とだけ思って貰ったほうがいいかもしれませんね。普段ミステリは読まないという方にも、これはおすすめです。アリバイ崩しとかトリック破りとか変人名探偵のウンチクとか、そんなものは一切出てきませんのでご安心を(笑)。

序文の言葉を借りれば、「犯人になった自分の姿を思わず想像してしまいそうな犯罪」「あなたのこぶしと同じぐらい小さく、宇宙と同じぐらい大きな場所を探検する物語」「よく知っているのにどうしても理解しきれない土地をてくてく歩くような物語」「もっともおぞましい人間関係、もしくはなお悪いことに、もっともすばらしい人間関係のなかで脈打つ心臓を、じっくり調べてみようとする作品」です。ミステリがあるとしたら、それは、人の心の中。駄作、凡作は1篇もありません。

もっとも、すれっからしのミステリ読みを長年やってると、何となく結末の想像がついてしまう場合というのも残念ながらあります。「最後のフライト」がそうでした。事件の真相まで100%判った訳ではありませんでしたが、主人公が最終的に何をしようとしているのかは、割と早い段階で気がついてしまったなあ。

あと、老夫婦がルールを決めて公明正大にお互いを殺そうとしているという「死が二人を別つまで」は、レイ・ブラッドベリによく似た設定の作品があったんですよね。そういえば、オチも殆ど同じといっていいような……。

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