手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
ミステリ十二か月 (中公文庫 (き26-3))/北村 薫
¥980
Amazon.co.jp

書店で単行本を見かけてから3年半。文庫になるのを今か今かと待っていました(笑)。

作家として第一人者であるのみならず、アンソロジストとしても希代の達人北村薫が、子供・若い読者向けにミステリの紹介をする。これはもう、とびきり面白いブックガイドに決まっています。

目次を見ると、全部で4章に分かれていて、Ⅰがいわば本体の部分。毎週1回、1年間にわたって新聞に連載されたものだそうです。だから「ミステリ十二か月」というタイトルになっているんですね。

しかしこの部分の長さは、全体の三分の一強でしかありません。

本体より長い残りの部分には、一体どんな「おまけ」がついているのか?


 あれこれ考えているうちに、連載終了後、これがどんな本になるかも見えて来ました。当然、新聞に書いたものがまとめられます。それが前半とすれば、後半に、《どう考えて選んだか》を書き記したいと思いました。選定の過程にも、語っておきたい様々なドラマが生まれる筈です。連載自体が、どうやって形を成して行ったかが分かる。

 さらに、脇道に入って話が膨らめば、思いがけない本に触れることにもなるでしょう。五十冊が元になり、話題が次々に広がる──そうなれば、面白い形式の案内書になる筈です。


これがⅡの、「本棚から出てきた話」の部分。

連載第1回は、所謂「ミステリ」の作品ではなく、何と絵本が取り上げられています。それも大人の読者ためのものではありません。福音館の「こどものとも」の1冊で、瀬田貞二作・林明子絵と言えば、好きな方にはすぐ合点して頂けると思いますが、正真正銘、小さい子が読むための絵本です。

しかしこの『きょうはなんのひ?』には確かに、「わくわくするような謎と、素敵な解決が──ミステリの持つ基本的な魅力が、ある」んですね、北村さんの言う通り。

そして実はこれは北村さん自身の発見ではなく、数年前に、掲載紙の文化部の人から言われたことだったのだとか。それを思い出してこの絵本から連載を始めることにしたのだといういきさつや、更に連想を進めて子供の本といえば「少年探偵団シリーズ」、というように、Ⅱでは話が進んでいく訳です。

Ⅲは、連載の挿絵をつけた版画家さんとの対談。

この方は北村さんの原稿を真っ先に読む読者であり、また、挿絵をつけるためには北村さんが紹介している作品も当然読まなければならない、という立場です。特にミステリ読みという訳ではなかった方だそうで、そういう点でも「初心者向け」という連載のコンセプトにぴったり合った読者でいらした訳ですね(笑)。

そしてⅣは、「全身本格」対談、と銘打って、有栖川有栖との対談です。

ともに本格ミステリをこよなく愛する2人、しかし全ての作品について評価が一致する訳ではありません。北村さんがちっとも面白くないという小説を、有栖川さんは全然別の着眼点で高く評価していたりする。という訳で、1年間にわたる北村セレクトについて、「いちゃもんというか(笑)、ご意見があったらうかがっていきたいなと思います」ということになります。


北村 クリスティ、クロフツ、ヴァン・ダイン、クイーンがふたつ、カー、バークリー、ブランドというようなところを、ふた月で挙げましたけど。

有栖川 はずせない作家ばっかりですよね。作品のセレクトが私とは違いますけど。

北村 作品が違う! それはおもしろいですね! さあ読者のみなさん、期待ですよー(笑)。


こんな調子(笑)。

エラリイ・クイーンから選ぶとしたらどれか、色々タイトルが上がりますが、しまいに北村さんときたら、クイーンなら何だっていいと言い出します。どれを選んでも傑作だ、というんじゃないんですね。「どんなつまんないものでもいいよ、クイーンなら」というんです(笑)。「なんでもいいよ、クイーンって書いてありゃ何が書いてあったって」って(爆)。

巻末には書名索引がついています。書店・図書館通いの助けになりますよ!

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