手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
シェリー・フレイドント, 田口 俊樹
数独パズル殺人事件 (ヴィレッジブックス F フ 12-1)

初めて名前を聞いた作家です。この版元の本も、今まで一度も買ったことはありません。
ミステリの場合、手に取る気が起きるかどうかについて「どこから出てるか」というのは結構大きかったりするんですよね。早川・創元・光文社といった「ブランドもの」とそれ以外とでは、同じように平積みになっていても視界への入り具合が違ってきます。
では何でこの本は素通りしなかったのか、というと。
もう、ひとえにタイトルのインパクト!
前にもちょっと書いたことがありますが、私のハンドルネームはパズル雑誌「ニコリ」にハガキを出す際につけたのが最初です。「ニコリ」誌オリジナルパズルが他社から勝手な名前を付けられて出されてるのを苦々しく思う自称「ニコリスト」の端くれとしては、どうしてこの本を読まずにいられましょうか。世界各国で数独が人気だとは聞いていましたが、ついにここまでになりましたか……原題も“THE SUDOKU MURDER”なんですよ。感無量。
文庫解説は㈱ニコリ代表鍛冶真起さん(作品中の数独の説明のくだりに「日本人のミスター・カジ」と名前が出てます。凄い!)、章の区切りにニコリ制作オリジナル数独が載っていて、更には帯のクイズの賞品はニンテンドーDSの数独ソフト……ええと、これの版元ってニコリでしたっけ?(笑)
舞台は、アメリカはニューハンプシャーの田舎町グランヴィル。アウトレットモール建設計画が持ち上がり、閉館の危機に陥ったパズル博物館。創立者である老教授は、パズルを愛する仲間ケイトに助けを求めます。ワシントンで一流の政府系シンクタンクに勤める数学者であるケイトは恩師の期待に応えるため帰郷しますが、教授は何者かに殺されてしまいます。ケイトは犯人をつきとめ、博物館を救えるのか?
という話なんですが、どこに数独がからんでくるのかというと、ダイイングメッセージなんですね。教授が殺された時に解きかけていた数独の盤面に、ありえない数字が書かれていた。それは何を意味しているのか? いやあ、ダイイングメッセージの出てくるミステリなんて、ひっさしぶりに読みました!
と言うと、ガッチガチの本格、大真面目な作品かと思われるかもしれませんが、実はこの話、ひとことで言うなら「笑える話」です。何が可笑しいって、グランヴィルの町の人達!


「どうして新しい警察署長はみんなに好かれていないのかって、ケイティに訊かれたところ」
 レイエットは鼻を鳴らして言った。「よそ者だからよ。それだけじゃ嫌われる理由にならないというのなら、わたしたちが昔から無視してきた法律を振りまわすから」
 マフィンをひとつ取り、かごをケイトにまわして、ジニー・スーが言った。「まったく、車検証がないからって理由でロイ・ラーキンのトラックが没収されたときの大騒ぎをあなたにも見せたかったわ、ケイト。ロイなんか脳卒中で倒れるんじゃないかって思った」
「ロイのトラックを没収したの?」
「そうよ」とレイエットは答えた。「ここ十年くらい車検を受けてなかったのね。でも、これまでは誰もそんなことでロイに運転をやめさせたりしなかった」


こういう町です(爆)。
その他、たかが一時停止無視で違反切符を切られたり、食品営業許可証なしでジャムを売ってたぐらいのことで罰金を科されたり、諸々の町民への不当な仕打ち(苦笑)のせいで総スカンの警察署長……そういう状況で殺人事件の捜査にあたらなきゃならないってんですから、もう、その困難は涙なしでは語れない(爆)。
更にはケイトの伯母さんは、三十路目前の姪のため、頼まれてもいないのに縁結びに奔走しています。おかげでケイトは、博物館の行く末と教授を殺した犯人探しで手一杯なのに、その合間を縫って「手堅い仕事で将来有望」な青年達とのお見合いまでこなさなければならず、しかし根っから数学者の彼女は、ボウリング場に行っても、「自分が全員の順位のどのあたりにいるか、ゲームが終わるまでにどれくらい時間がかかるか、結果はどうなるのか」の計算にばかり気をとられるというような始末(笑)。
こんな風に、親類やご近所からの善意の縁談攻撃との戦いを余儀なくされてるヒロインの場合、まず大抵、殺人事件が解決する頃には事件の渦中で知り合った男性とめでたく恋仲になってることが多いんですが、本作もオーソドックスにそのパターンを踏んでますね。ただ、すぐさまゴールインしそうな感じはしないので、ここはぜひともシリーズ化を期待したいところです。ルービックキューブ殺人事件とかクロスワード殺人事件とか、どうでしょう(笑)。

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