手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
戸板 康二
松風の記憶 (創元推理文庫 M と 2-5 中村雅楽探偵全集 5)

中村雅楽全集ラスト、『松風の記憶』『第三の演出者』の2長編一挙収録です。
これは2冊とも古本で探し当てて既に持っているのですが、文庫全集全5冊をきちんと揃えたくて買いました。そうしたら、戸板さんが雅楽シリーズについて書いたエッセイが山ほど収められていて、非常に得した気分。やっぱり買ってよかった!と思いましたね。
新聞だったり、雑誌だったり、直木賞受賞の言葉だったり、昭和31年から平成3年までという長い期間の30本以上の短文、それも同じシリーズについて書いたものばかりなので、一度にまとめて読んでしまうと、どうしても同じ話題の繰り返しという印象を受けてしまうのはやむを得ないところ。江戸川乱歩のすすめでミステリを書くことになった、最初のいきさつについて語っている文章が多いんですよね。
しかし勿論、そのことについてばかり書かれている訳ではなく、作者として特に好きなのはどの短編だとか、この作品で使ったトリックは何がきっかけで思いついたとか、登場人物の名前を考える苦心だとか、シリーズの楽屋裏とでもいうようなことが色々と紹介されています。
この巻収録の『松風の記憶』について、ちょっと面白いことが書かれていました。これは新聞小説だったのですが、短編「團十郎切腹事件」が直木賞を受賞したのが、ちょうど連載中のこと。


 そのあと、雅楽が何となく、いつになく、調子のいい口を利く感じがあって、あわてて直したことがある。


ミステリですから連載スタート前に作品全体の設計図は勿論出来上がっている筈ですよね。この長編はまた、冒頭で事件が起こって謎解き・解決に向かうという構成ではなく、最初は互いに無関係と見えたある人々の運命が複雑に絡み合いやがて避けようもなく殺人という悲劇になだれ込んでいく、という形になっています。登場人物の行動や言葉は全て、やがて起こる事件の伏線として作用するように書かれている訳で、本筋と無関係な「遊び」の場面はありません。全編、静かな緊張感に満ちています。
というような作品ですから、連載中に何があったからといって、それが執筆に影響することなどないのかと思ったら。
特別に嬉しい時っていうのは、やっぱり平静を保てないものなんですねえ(笑)。

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