手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
秋山 香乃
新選組藤堂平助 (文春文庫 (あ44-2))

前に『歳三往きてまた』を読んだ際に教えて頂き、読まなきゃ読まなきゃと思ったまま放ったらかしにしてたんですが。

このたび何と文庫化されて、これはもう無精してないでとっとと読めという神様のお達しですね(笑)。という訳で、ようやく・遂に・やっと、読みました!

事前に予備知識を与えられていたせいか、『歳三~』で免疫ができたのか(笑)、覚悟したほど「……」な気分にはなりませんでした。確かに平助が歳三に向ける眼差しは、どう見てもどう考えても、少女の恋情じゃなかったら一体何なんだと言いたくなる代物ではあるんですが(苦笑)。

といってもこれまた『歳三~』と同じ、作者にはボーイズラブものを書いてる気は全くないのだというのは容易に読み取れます。平助、ちゃんと(笑)女性に恋をしてますしね。この恋愛エピソードの美しさ悲しさも出色のものだと思いますし。

じゃあ何でボーイズラブみたいになっちゃうんだろう、ということなんですが。

同じ作者の最近の作品「新撰組捕物帖」シリーズや、ドラマ「新選組!」など、時代設定がかぶる作品と比べてみて気がつきました。

この作品の場合、極端な話、主人公である藤堂平助土方歳三以外の人物は、省こうと思えば殆ど省いてしまえます。

江戸の試衛館時代から始まって、油小路で平助が死ぬまでの物語。まだ作者が若くて書き慣れていなかった生真面目さからか、その間に起こった新選組史の出来事、幕末史の出来事、殆ど網羅してありますが(長州側の動きまでとても丁寧に!)、ストーリー展開上は、実は、こんなに緻密に書き込まなくてもいい。

平助と歳三の関係。極論すれば、それだけを描いた小説です。

確かにその他の試衛館ズ+斎藤一、芹沢鴨一派といった連中もちゃんといて、主人公2人の周りで動いてはいるものの……頭数ばかりいて、キャラは立ってないな、という印象なんですね。芹沢鴨はただ大酒飲みの肥大漢というだけだし、沖田総司は司馬遼太郎『燃えよ剣』から抜け出してきたかのように見えます。ここの昨品世界でのキャラクターとして確立していない。

それに比べて、主人公2人の存在感は強烈です。となると、どういうことになるかといえば……彼等が、お互いだけを常に強く意識して毎日を過ごしているかのように読めてしまう、ということなんですね。だから、奇妙に恋愛ものめいて見えてくる。

「新撰組捕物帖」シリーズや「新選組!」はそうではありません。大勢登場する主人公以外の人物全てに、この物語に登場してくる必然性、がちゃんとある。また、先行作品のイメージに引きずられない、この物語の中でのキャラクター設定、もちゃんとある。

比べてみるとやっぱり、これも『歳三~』も、まだ「若書き」ですね。

ひょっとして作者自身もそう感じたから、「新撰組捕物帖」シリーズを始めたのかとも思います。ここでの平助は、全く別キャラ(笑)。容貌の描写は細かくありませんが、少女と見紛うばかりの美少年などという感じは全くしません。年長の永倉新八にタメ口きいてからかってばかりいる生意気な野郎です。


……ところで、この作品の冒頭部分、まだ少年の平助が成り行きで人を斬ってしまって歳三に助けられるという出会いの場面なんですが。

「新選組!」における、斎藤一が近藤勇になつく(笑)きっかけの、ひょっとしてこれは元ネタ?

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