手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


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まだ読んでません。買ってもいません。刊行されたという新聞記事を見ただけです。
でもこれだけでも、とても黙ってはいられない!
だってレイ・ブラッドベリ最新刊『さよなら僕の夏』は、あの本の50年ぶりの続編だっていうんですから……!
『たんぽぽのお酒』。
自分内ランキング「夏」小説ぶっちぎり文句なし堂々の、未来永劫№1です。

レイ ブラッドベリ, Ray Bradbury, 北山 克彦
たんぽぽのお酒 (ベスト版文学のおくりもの)

 その朝、芝生を横ぎろうとしたとき、ダグラス・スポールディングは顔で蜘蛛の巣をひっかけてしまった。空間に張っていたたった一本の目に見えない糸が顔にふれて、音もなくぷつりと切れたのだ。
 そこで、このうえないささいなこのできごとがあっただけで、彼は今日がいつもとは違う日になることがわかった。


ダグラス、12歳。夏の最初の日。パパと、10歳の弟トムと、森へ山ぶどうと山いちごを摘みに出かけます。「なにかが起こる」「近くにやってくる」予感を覚えながら。森の中を歩く間も、お弁当を食べる間も、弟のお喋りを聞く間も、ずっと消えない、どんどん強くなるその予感。


 そして彼は知った、彼に跳びかかってきて、いまはそこにとどまり、逃げていこうとしないものの正体を。
 ぼくは生きているんだ、と彼はおもった。


 ぼくはほんとうに生きているんだ! とダグラスはおもう。まえにはそれがぜんぜんわからなかったか、わかっていたとしても、ひとつとして憶えていやしない!
 彼はそれを大声で、といって声には出さず叫んだのだ。何回も! 考えてごらんよ、たまんないな! 十二歳になって、たったいまだ! いまこの珍しい時計、金色に輝く、人生七十年のあいだ動くこと保証つきのこの時計を、樹の下で、取っくみあいしている最中に見つけたのだ。


12歳、というこの年齢が重要なんですね。10歳のトムにはまだ判らないこと。
章題も何もついていない長編小説の体裁ですが、つくりはむしろ『火星年代記』などに近い、連作短編集のような感じですね。ダグラスとその家族だけでなく、町の人々皆の、その夏の、とあるエピソード。それが順に語られていき、そしてある日とうとう、ダグラスとトムは町の雑貨屋に新しい文房具が並べられているのを見てしまいます。もうすぐ新学期。夏は終わったのです。
何か冒険をする訳でも恋に落ちる訳でも何でもないけれど、特別なものになった12歳の夏の、最初の日からおしまいの日までが、こんな風に描かれています。最後のページで「この夏」はきっちりと終わるので、「続き」を思ってみたことなど一度もありませんでした。
ブラッドベリもどうしてまた50年後に突然続編を書く気になったりしたのか、と思ったら。新聞記事にはこうありました。


 あとがきでブラッドベリは、ひとつの物語として50年前に書いていたが、あまりの長さに出版社から「最初の9万語を小説として出して、第2部は準備ができたと思うときまでとっておいたら」と言われた、と経緯を明かす。


そうだったんだ……!
訳者の方によれば、続編は「物語性豊かになっている」そうですから、読んだ感じはかなり違うでしょうね。ダグラスの1年後の話だそうです。楽しみ!

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