手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
目黒 考二
活字学級

『今日の早川さん』を読んだので、この本のことを思い出しました。
ちょっと前までなら活字中毒者、今はもっと実も蓋もなくオタクと呼ばれてしまう早川さん。彼女は基本的にモテないけれど、それでもたまにはデートなんてえものをすることもあります。最初は猫をかぶっています。が、永久に本性を隠したままで交際が成立する筈もないのだな。
「私、本が好きなんですけど読書とかされます?」
そして肯定の返事が返ってこようものなら、待ってたとばかり「じゃあこれ、たまたま持ってたものですけど、よろしかったら」と大長編SFを押しつける訳ですね。1039ページもあるような本を「たまたま」持ち歩くなそれもデートの日に!
言わずもがなの結果に終わるこの顛末、うわあ、まるで「本の雑誌」目黒考二(北上次郎)の青春時代そのもののような……彼は1946年生まれですから、たぶん40年くらい前の話になる訳ですが、何十年経とうが性別がどっちだろうが事の本質は変わりはしないのだなと、つくづく感じ入った次第。


 若い頃、女の子とデートするたびに私は本を貸し出していた。自分の感動した本をとにかく読んでほしいのである。同じように感動してほしいのである。そしてその本について「よかったね」とお話ししたい。


というのが若き目黒青年の姿です。紹介した早川さんの4コマには「空気が読めません」というタイトルがつけられていますが、そして彼女も目黒青年も、確かに傍からそう言われても仕方のないところではありますが、しかし実は「空気が読めない」からじゃないのです。好きな相手と話がしたい。ただそれだけのことなのです。


 いつも本を貸し出していたのは、ファッションも料理も音楽も私はまったく興味がなく、関心があるのは本だけだったからだ。本についてなら四時間でも五時間でも喋ることができるが、他のことになると何の関心もないので途端に無口になってしまうというとんでもない青年だったのである。


しかし『今日の早川さん』でも喝破されていますが、「付き合う人が本読みである可能性は五分五分程度。極度の活字マニアともなると一割未満」というのが冷厳な現実。ましてや好きなジャンル、好みのツボまで同じ相手に出会う確率なんて、「もう逆天文学的に低い数値」に決まっている訳で。
目黒青年の恋も、いつも儚く終わりを迎えます。しかし彼の場合、ただ終わっただけではすまされないんですね。


 何度電話してもいつの間にかあちらの熱は冷めているから呼び出しに応じてくれない。なんのかんのと口実を作って出てこない。恋の終わりによくあるケースだ。そんなことが何度も続くと、いくら鈍感な私でも「おおこの恋は終わったのだ」ということはわかる。しかし私の場合、本を貸したままになっていることが多いので、はいそうですかというわけにはいかない。なんとか彼女に貸した本を取り返さなければならないのだ。
 ところが、相手はまさか本に未練があるとは思っていないので、三十分だけでもいいからと言ったところでなかなか出てきてくれない。


これは大変ですよ(笑)。「私の真意が伝わるまで、いつも時間がかかるのも大変困った」という目黒さんですが、こういう場合、断腸の思いで愛する本を諦める人の方が多いんじゃないでしょうか? 早川さんが彼氏候補に押しつけた本も、どうも返ってこなかった感じだし(彼女にとって、彼と本と、どちらとの別離がより辛かったかは議論の余地なしとしません/笑)。
ちなみに私の場合には、家が近所なので幼稚園からずーっと「おともだち」だったけど「友人」にはならずに自然と疎遠になった幼なじみに、「ロッキング・オン」を借りっぱなしにされたことを未だに根に持っていたりします(汗)。……あ、そういえば従姉に貸した佐藤正午『Y』も返して貰ってないッ!

AD
いいね!した人  |  コメント(3)  |  リブログ(0)

青空百景さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。