手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
仁木 悦子
一匹や二匹
ドラマ「天国と地獄」、結局殆ど観ることができませんでした。
遅く帰ってきて、終わりのところだけ辛うじて観たんですけれどもね。……うーん、あんまり、観られなくて損した!と思うような出来でもなかったらしい、という印象(苦笑)。
端っこだけしか観てないのにこんなこと言うのもなんだとは思うのですが(じゃあ言うなよ)、映画「天国と地獄」とも小説『キングの身代金』とも全ッ然違う物語であったような気がします……よくも悪くも、民放地上波ドラマ的に感動的、とでもいうか。
何だかんだで『キングの身代金』のことを考えることが増えたせいか、仁木悦子のこんな短編のことを思い出しました。
孤独なOL杉子が出会った、死んだ甥によく似た子供。その子・雄一が突然姿を消した。富豪の息子・誠弥と間違われて誘拐されたらしい。人違いでもいいから身代金を払えと要求してくる犯人。しかし誠弥の父はいい顔をしない……。
あきらかに『キングの身代金』を踏まえて書かれている作品ですが、パクリ、という印象は受けません。主人公が杉子だからなんですね。
甥が事故死したのは、杉子の不注意からでした。そして雄一が誠弥と間違えられたのも、実はその原因をつくってしまったのは杉子。誠弥のペンダントを雄一が羨ましがっているのを見て、自分が持っていた似たようなペンダントをプレゼントしたのです。しかし誠弥のペンダントは、誘拐犯が、共犯者への目印にするために与えたものだったのでした。
妻に先立たれ、男手ひとつで幼い息子を育てている雄一の父。二度と自分のせいで子供を死なせたりしないと懸命になる杉子。作品の中心は、雄一のために奔走する2人の姿にあります。『キングの身代金』における葛藤とは違う、まっすぐでけなげな必死の感情。
こういう、普通の真っ当な人、を書かせるとほんとうまいんですよね、仁木悦子。奇をてらった設定は何もない、突飛なキャラクターも出てこない。普通の人が普通にものを考えて普通に行動しているだけなんだけど、ちゃんとスリルとサスペンスの本格ミステリになってるんです。
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